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議会は行政のガード(守り)役ではない

議会は行政のガード(守り)役ではない

 2月25日の議会運営委員会において、「一般質問に関する申し合わせ」が議決される予定です。
 その中で、質問・答弁について「(6)一般質問は、要望や意見の表明で終えず、その発言の最後は質問形式で終わることとする。なお、本号の規定は、当該一般質問に係る最小の項目ごとに適用されるものとする」との項目があります。議会事務局の説明によると、国会や県議会などでは当たり前に行われている「今の答弁には納得できないが残り時間が少ないので次の質問に進む」とか「今の答弁は基本的な認識が間違っていると指摘して次の質問に移ります」といった進め方は申し合わせ事項に違反することになります。さらに言えば、質問に対して前向きな答弁があった場合でも「今の答弁を聞いて安心しました。速やかに実行していただきたい。では次の質問に移ります」といった進め方も違反です。つまり、次の質問に進む場合には、直前の答弁に対して何のコメントもせずに進めとのことです。
 私を含めた会派無所属議員は、これらを実質的に禁止すると、議員の発言自由の大原則に抵触すると考えており、反対しています。見解を求めた議会運営の専門家も同様に反対しており「このようなことを申し合わせた事例は聞いたことがない」と話しておられました。
 申し合わせを行う理由を議会事務局に問うたところ「行政側には反問権がないので、議員の発言は言いっぱなしとなり、行政に対する誤解が生じるから(印象操作に当たる)」とのことでした。しかし、これは二元代表制や議会といった制度上、仕方のないことであり、行政は議員や市民に説明責任を負っているのですから、仮に質問者が「今の答弁は無茶苦茶だ」と言っても、聞いている方々が「行政答弁のほうが納得できる」と思うような答弁をすべきなのです。直前の答弁に対して何も言わずに次に進めば、質問者は答弁に納得したと誤解される可能性があります。
 議会は行政に対するチェック役ですので、場合によっては厳しい発言をしなくてはなりませんが、これではガード役になってしまいかねない状況です。反対理由はまだありますので、改めて書き込みます。