日時 | 平成27年7月29日 |
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場所 | かながわ県民サポートセンター(神奈川県) |
用件 | 自治調査研究会 講演会に参加のため |
「安倍内閣の光と影」
元経済産業省事務次官 望月 晴文 氏
1 過去の経済政策運営
(1)自民党長期政権と失われた20年 ・高度成長政策の成功と失敗 ・構造変化(少子高齢化など)への適応失敗 (2)民主党政権への交代の功罪 ・功:既得権益(例:全中、医師会など)が薄れたことで、第二次 安倍政権でまともな議論ができている ・罪:民主党は組織マネジメントが分からなかった
2 アベノミクスの意味
(1)リフレ政策としての第一の矢(異次元金融政策)、第二の矢(財政政 策)の狙い ・グローバル化した日本市場でプレーヤーとしての政府の役割を果た す (2)政策効果 ・行き過ぎた、円高と株安の是正 ・結果として経済の好循環(企業収益の回復→賃上げ→消費拡大→ 経済成長)を生んだ (3)課題 ・政府の力により、中小企業も好循環の環に加え、日本経済全体の 好循環の創出
3 第3の矢の意義
(1)持続可能な成長のための政策 ・第一、第二の矢は病気の症状を和らげるための政策 (2)日本社会の構造変化に対応する構造改革が必要=成長戦略 ・少子高齢化、人口減社会でも成長する社会づくり
4 成長戦略
(1)世界の成長センターであるアジアの成長を日本に取り込む ・閉ざされた地域でなく、人(ビザなど)、モノ、金(税金など)が 自由に行き来することが可能な開かれた地域にすることが必要⇒ TPPやFTAなどで制度の統一が必要 (2)世界で最も企業活動のしやすい国へ ・法人税改革、規制改革により設備投資、研究開発投資の増加を促す (3)世界で最も働きやすい労働環境へ(高齢化を強みに) ・女性管理職登用、定年延長など ・高齢者のニーズ把握 (4)外へ向かって発展する農業の振興 ・農地利用の制度改革から農協改革まで