日時 | 平成23年11月15日 |
場所 | さいたま市民会館うらわ(埼玉県) |
用件 | 「農薬を使わないガーデニングは水もきれいにする」に参加 |
農薬を使わないガーデニングは水もきれいにする ~虫や雑草と楽しむ~
ひきちガーデンサービス 曳地 義治・曳地 トシ 氏
1 オーガニック・ガーデンとは
(1)害虫?
①害虫・益虫はいない。人間視点で区別したもの。天敵はいる |
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②病虫害 ≠ 病害虫 |
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(2)住宅地における農薬使用の現状、危険性
① | 身の回りにあふれる農薬、知らないうちにまかれている農薬
害虫ごとの殺虫剤、その他害虫用殺虫剤
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② | 長期にわたって環境に影響を及ぼす農薬
30年前に使用禁止となった農薬がカボチャなどから検出される
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③ | 農薬などの化学物質がもたらす健康被害
農薬に弱い益虫も死ぬ
イモ虫などを食べた鳥も暴露する
ネオニコチノイド農薬は粒で、植物の体内に入る
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④ | 農薬中毒:5つ以上該当すれば農薬中毒の恐れあり
頭痛や片頭痛
眠れない、夜中に目が覚める
体がだるく何もやる気がしない
めまい、立ちくらみ
ぼやけて見える、視力が落ちた
胸が痛い、動悸がする
イライラする、キレやすい
仕事や家事が進まない
指先が震える
風邪の症状が続く、春先から夏にかけて風邪の様な症状が続く
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⑤ | 民生転用
農薬は毒ガス(戦争用)の民生転用
化学肥料は爆薬の民生転用
原発は原爆の民生転用
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(3)オーガニックガーデンの要素
①多様性:単一栽培や少品種多栽培などではない |
②地域特性:グローバリズムやF1種、遺伝子組み換えなどではない |
③循環:分解しない・土に戻れないものではない(化学物質や放射能など) |
(4)身近な自然からみる生態系
①例:ハイタカ(日本で最小の猛禽類で1羽のハイタカが生きるには420haの森が必要)
ハイタカが食べるシジュウカラは1年で779羽
シジュウカラが食べるマツシャクトリムシは1年で12万5千匹
ハイタカが生きるためにはマツシャクトリムシが1年で1億匹必要→ ハイタカがいれば農薬は必要ない
何かの大量発生は生態系のバランスが崩れていることを示す
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②生態系ピラミッド
弱肉強食というより、多くの生命(底部)に支えられている。生き物たちは進化の中で多様化しながら互いに棲み分け、共生している
生態系ピラミッドで最初にいなくなるのは頂点の動物
分解者(ダンゴ虫、シロアリ、バクテリア、センチュウ等)は有機物を無機物(栄養素:チッソ、リン酸、カリ等)に変える
生産者(植物)は無機物を有機物に変える
化学肥料も微生物にダメージを与える
生態系維持のためにテデトール(手で取る)、ムシフーム(虫を踏みつける)が大切
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2 オーガニックガーデンをつくる
(1)虫力をつける:虫をよく見る、虫の生活史を知る、天敵を知る
①例:アリ
アリは桜のボディーガード
シロアリの天敵はアリ
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②例:テントウ虫
アブラムシを食べるテントウ虫:ナナホシテントウ、ナミテントウ、コクロヒメテントウ
うどん粉病の菌を食べるテントウ虫:シロホシテントウ、キイロテントウ
タマカタカイガラムシを食べるテントウ:アカホシテントウ
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③例:ツバキにつくチャドクガに寄生するハチ(チャドクガの天敵)
ツバキが元気なら、チャドクガの唾液と葉の成分が反応し、寄生バチを呼び込む
寄生バチは化学物質に弱い → チャドクガの大量発生は農薬を使い始めた戦後から起こった
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④無知のために、ただの虫が害虫にされている実態 |
(2)雑草力をつける:雑草は敵か?
①除草剤使用はかえって雑草を増やす結果になる |
②雑草にも自然界の中での役目はたくさんある
土や微生物を守っている
土を耕す、微量成分を固定する
土壌改良できるのは雑草だけ
雑草の位置は土壌改良の進捗とともに移っていく
ナメクジは雑草があればそれを先に食す
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③事例
スギナ:酸性土に生えて中和してくれる
イヌタデ:土壌の浄化作用(カドミウムの浄化など)
ヨモギ:深根性で、固い土に生えて耕している
オオバコ:踏まれるところに生える
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④雑草は5cmの高さで刈る(土から5cm残す)と最も伸びが遅い
5cm以上:残った株が急速に成長
5cm以下:新しい芽が急速に成長
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(3)風通し、日当たりのよい庭づくり
①上手な剪定で病虫害を防げる |
②合わない風土に植えた植物は弱い |