| 日時 | 平成22年4月20日から平成22年4月21日まで2日間 |
| 場所 | 4月20日 飯田橋レインボービル(東京都)
4月21日 衆議院第一議員会館(東京都) |
| 用件 | 4月20日「松下圭一先生特別教室」に参加
4月21日「化学物質政策を考える連続学習会」に参加 |
4月20日
「自治体法務はなぜ必要か」
法学博士 松下 圭一 氏
1 国のありようと地方との関係
(1)実質的な国権の最高機関は行政機関
| ① | 大学における憲法学では、「国会は国権の最高機関ではない」と解釈
- 立法権、司法権は分家(付属物)で、本家は行政権:内閣法ばかりで立法権が機能していない現状
- 大臣はお飾りで、実権は事務次官が持つ
- 内閣法制局長官が法解釈するのはおかしい
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(2)国と地方との関係
| ① | 地方自治体は国のコントロール下にある
- 機関委任事務の考え:国 → 県 → 市町村
- 首長の行政権は内閣の行政権のおこぼれという考え
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| ② | 国際的に主流の考え
市民が出来ないことは市長にやらせる。市長が出来ないことは知事にやらせる。知事が出来ないことは国。国が出来ないことは国際機関
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| ③ | 地方分権一括法施行(2000年)後
- 国と地方は同格:内閣の行政権は国だけの仕事をコントロールし、首長はそれぞれの自治体の行政権を持つ
- 2000年までの通達は失効し、2000年からの通達には権限なし
- 文章上は分権したが、実態は変わらず:1400人が国から県へ出向していて、重要ポストも多い
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2 自治体法務の必要性
(1)2000年の分権改革で法律上の基礎ができた
| ① | 政策法務や自治体法務が行政法学に入ってきた
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| ② | 先進自治体に政策法務室ができた→自治立法、自治解釈が進む
- 文書室や文書課を衣替え
- 都道府県で政策法務室を設置しているところはない(やる気がない)
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| ③ | 法の解釈権は自治体にも市民にもある:対立した時は裁判
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(2)国や県は仕事の意欲が低下している
| 市町村が新しい基準を作って仕事をしなくてはならない
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4月21日
ネオニコチノイド系農薬の登録・販売中止を求めて
1 ミツバチ大量死とネオニコチノイド系農薬
日本在来種みつばちの会会長 藤原 誠太 氏
- 今、世界中でミツバチの大量失踪や大量死滅など、蜂群崩壊症候群(CCD)が問題になっている。
- 原因として、ダニ・ウィルス・ストレス・地球温暖化・農薬などが疑われている。
- 日本でも、2005年に岩手県で最初にミツバチの大量死が発覚し、致死量のネオニコチノイド系農薬が検出される等、この農薬とミツバチ異常の関連が強く疑われている。個人的には間違いなく関連していると考える
- 「銀座ミツバチプロジェクト」にも関わっているが、農薬を使わない都会では被害がない
2 ネオニコチノイド系農薬の健康被害
青山内科小児科医院 院長 青山 美子 氏
(1)無人ヘリコプターによる有機リン系殺虫剤散布
| ① | 1995年以降、急速に導入
- 全国散布面積は265万ha(神奈川県の10倍、2006年)
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| ② | 多数の健康被害
- 有機リン:ディプテレックス、スミチオン
- 高濃度(5~8倍希釈)での散布(人が撒く時は1000倍希釈)
- 地上5mから1回あたり10~100L散布
- 私有地、ゴルフ場でも散布
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| ③ | 1996年以後の自殺者数の急激な増加と空中散布の開始時期が一致
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(2)ネオニコチノイド系農薬
| ① | 群馬県において、マツクイムシ予防散布が行なわれ、ネオニコチノイド中毒患者が増加した(現在、群馬県は全国で唯一の空散禁止県)
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| ② | 国産の果物とお茶は、この農薬による汚染が大きい
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| ③ | 症例
- 8才男児:母親が健康のために、梨やりんごを毎日食べさせていたところ胸部苦悶にて受診。バナナ以外の果物を禁止し、1ヶ月で症状消失
- 3才男児:2006年9月4日ぶどう狩りに行き、翌日ぶどうジュースを作って飲んだ。9月8日に失禁、腹痛、動かない症状。9月11日にADHD様症状が出現し暴れ、手がつけられない。9月16日全く普通の状態に戻る
- 14才女性:2006年10月5日から頭痛、記憶障害、眼の調節障害などが次々発症。12月27日にりんご、みかん、いちご、緑茶を禁止し、1月16日に改善
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| ④ | 代表的症状
- 手指振戦(指先のふるえ)
- 短期記憶障害(もの忘れ)
- 腹痛や胃痛
- 長期間続くセキ、又は頻繁なじんま疹
- 不整脈、動悸
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| ⑤ | 子どもの暴力行為件数が05年以降急増している→生物学的背景を疑うべき
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| ⑥ | 日本はネオニコチノイドの残留基準が欧米の5~500倍ゆるい
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3 物忘れ・不整脈・手のふるえ ~ネオニコチノイド中毒の特徴~
東京女子医大麻酔科 平 久美子 氏
(1)ネオニコチノイド系殺虫剤
| ① | 2000年頃から日本国内で使用されるようになった
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| ② | 水溶性と浸透性:葉や根から吸収され、洗ってもとれない
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| ③ | 残功性と蓄積性:ほとんどが有機塩素系で、時間がたっても無毒化されない。環境内、植物体内に蓄積し、動物体内の蛋白質に結合し蓄積する
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| ④ | ニコチン様の毒性:細胞機能を変化させる。脳、自律神経、筋肉、心臓、胃腸、目、肺、皮膚に作用する
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| ⑤ | 世界のネオニコチノイド出荷額は有機リンについで第2位。日本のネオニコチノイド出荷額は350億円(H20)
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(2)ネオニコチノイドの問題点
| ① | 日本の食品残留基準値が欧米に比べて桁外れに高い(20~500倍) |
| ② | 国産の果物、野菜、茶飲料を多めに摂取すると中毒量に達する(健康志向の強い人や女性に中毒が多い) |
| ③ | ネオニコチノイド被爆を証明する物質が患者の尿から検出された |
| ④ | 胎児発達毒性がある |
| ⑤ | 毒性のポイント
- 亜急性または慢性中毒 特に中間代謝産物(少し分解されたもの)のアセタミプリドは人体からの排出が遅い。被爆が積み重なって発症する
- 食品や人体から検出されないから安全とは言えない神経に蓄積するので、血液や尿中には一部が出現するのみ。また、中間代謝産物の種類が多く、検出が困難で、産物の毒性が強いため、原体が残留基準値内の食品でも中毒をおこしうる
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4 ネオニコチノイドへの海外の対応と日本
ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議 水野 玲子 氏
(1)海外の対応
| ① | 世界中に広がるミツバチ大量死2007年春までに北半球のハチの1/4が消えた |
| ② | フランス
ミツバチ大量死の直接的原因はネオニコチノイドとし、1999年に予防原則を適用。2009年に農薬使用量半減目標を設定
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| ③ | イギリス
政府は09年に「健康なミツバチ10年計画」発表。生協CO-OP(国内最大の農業事業体)は09年にネオニコチノイドを使用した農作物の流通を禁止
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| ④ | ドイツ
08年に南部で5億匹のミツバチが大量死し8種類のネオニコチノイド(種子処理剤)禁止
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(2)日本の現状
| ① | ネオニコチノイド系農薬の国内出荷量が過去10年で3倍の増加
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| ② | ネオニコチノイド農薬が原因でミツバチが大量死した県は6県。花粉交配用ミツバチが不足している県は21都県(09年農水省)
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| ③ | 農水省の対応
- ダニ説、ストレス説などに注目し農薬問題から目をそらしている
- ミツバチ確保のため、安定的確保支援
- ミツバチへの栄養補給支援
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(3)ネオニコチノイドの問題
| ① | ネオニコチノイドは毒のカクテルの起爆剤になりえる
- ネオニコチノイドと有機リンなどの混用で、ミツバチへの毒性が数百倍から1000倍に増幅される
- ミツバチはすでに98種類の農薬とその代謝物に汚染されており、ネオニコチノイドが入ると一気に症状がでる
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| ② | ネオニコチノイドによる人体被害拡大の恐れ
長崎県、茨城県、群馬県、長野県などで被害
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(4)今後の対応
| ミツバチ大量死の原因は複合要因が絡むが、ネオニコチノイド農薬が一因である証拠は蓄積しており、日本では人間にも被害が及んでいる → 「予防原則でネオニコチノイドの登録・販売中止を」
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