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漂流する、させられる若者たち

漂流する、させられる若者たち

日時平成22年1月7日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校講座に参加

漂流する/させられる若者たち

NPO自立生活サポートセンター「もやい」事務局長 湯浅 誠 氏

1 雇用の流動化
高度成長~80年代まで(金の卵の時代)
日雇い労働者は建設現場で働き飯場(現場に近い所で雑魚寝)で寝泊り → 特定の現場持たない飯場の登場 → 飯場が山谷などに集約 → 単身男性の街となる(子どもには悪環境)
90年代
中高年齢化とバブル崩壊で仕事がなくなる(山谷などの機能が崩壊)→ 簡易宿泊所に泊まれなくなる → 野宿 → 食料調達が容易な新宿などへ移動(携帯電話で仕事が取れる)→ 社会問題化
雇用代替(雇用の非正規化・流動化)
  • 1985年から法改正が始まり、2004年に製造業でも派遣が可能になる=国策による流動化
  • 現在は人材派遣会社の寮が飯場状態(寮も派遣会社の儲けにつながる)
  • 派遣社員の標準月収は15万円だが、標準の家賃と光熱費で8万円が消える=お金が貯められない


2 公の対応
人は流動化するが、福祉サービスは自治体で行うというミスマッチ
一つの自治体が住所不定者に対応(シェルターや住宅対策)すると、そこに殺到してしまう(例:年越し派遣村や名古屋市中村区)ことを恐れ、自治体での対応が進まない
アパートと路上生活の間(ネットカフェ、カプセルホテル、居候、寮など)の人間も増加している(100万人と予想)が実態がつかめないため潜在化 → シェルターがあれば顕在化し、対策の必要性が叫ばれる


3 対策
住宅
  • 日本は諸権利(年金、国民健康保険、選挙権など)が住宅、住居にぶらさがっている → 住居なくすと権利を受けられない
  • 臨時的シェルターが必要
  • 公的住宅が不足のため、家賃補助や住宅扶助が必要:現代版雇用促進住宅が必要
  • 住宅手当ての支給が始まった:6ヶ月間、生活保護の住宅手当と同額
  • 制度を知らない人が多い
国と自治体の役割分担 生活保護:費用は国3/4、自治体1/4だが、全国でのプールを厚労省が検討

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