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9月議会で感じたこと

9月議会で感じたこと

  • 2003年09月27日(土) 00時00分
  • 分類:活動
  • 投稿者:admin

 最近、子供への誘拐・拉致・暴力が多発しています。

 議会でも、子供達の安全を守る為の議論が活発で、学校での指導(例えば、何かあったら子供110番の家に飛び込め等々)を徹底しろといった意見が大半のようです。また、学校での朝礼などで「危ない世の中だから気を付けて」と言ったり、「知らない人に声をかけられたら注意しましょう」と話されています。

 緊急避難的な対策はもちろん必要です。しかし、今の日本は緊急避難的な対応しかしない国になってしまったように感じませんか? 対処療法・その場しのぎ・表面的対策と言ってもいいでしょう。

 これらの対策と共に、根本原因を見つけ・改善してゆくことが必要です。根本原因をそのままにしておけば、同じような結果が次々と現れてきます。そして、この場合の根本原因の改善は、犯人を捕らえて厳罰を下すことではなく、なぜ子供に危害を加える人間が育ってしまうのかを考えなくてはなりません。私は人間は性善であると確信していますので、悪とは、生まれた後の世の中(家庭・友人・学校・社会)とのかかわりの中で生まれてくるものだと思っています。世の中は、常識・倫理観・価値観も含めた一人一人の想い・考えが作り上げています。一人一人が自身の想い・考えを見つめ直す事から始めなくてはなりません。

 さて、先のように指導された子供には、危機感・不安感・不信感が募る可能性があります(再度言いますが、緊急避難的対策の結果なので仕方がないのです)。危機感・不安感・不信感が強くなりすぎると、精神状態が不安定になります。さらに、「知らない人は危険」とか「だまされちゃいけない」と思い込んでいたら、道を聞かれても親切に教えられなくなるでしょうし、困っている人を助けられなくなるかもしれません。社会人になってから急に「周囲の人達に優しくしなさい」と言っても手遅れかもしれません。飛躍した話のように聞こえるかもしれませんが、一度刷り込まれた考えはなかなか消えず、逆に強化されることも多いのです(イスラエルとパレスチナ、戦前の日本、オウム真理教など、事例の枚挙にはいとまがありません)。

 危機管理の心得は、「悲観的に準備し、楽観的に対応する」ことだそうです。悲観と楽観のバランスをとらなくてはならないのでしょう。だとすれば、現在行なわれている”悲観的な準備”に加え”楽観的な対応”も必要になってきます。楽観的な対応とは何でしょう? 例えば、親や先生が子供に対して「もし、あなたが凄く困ったり、凄く悲しくなったり、凄くピンチになったりしたら必ず助けてあげるから安心しなさい」と言ってあげることではないでしょうか。

“精神の安定を確保しつつ危機に備える”必要があります。