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PARC自由学校 2007年講座 に参加

PARC自由学校 2007年講座 に参加

日時平成19年10月29日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校 2007年講座 に参加

概要

ベーシック・インカム  ~持続可能な税制と社会保障を考える~

京都府立大学 小沢 修司 氏

1 BI(ベーシック・インカム)とは何か

①BIとは、「全ての個人(男女や大人子供を問わず)への無条件な所得保障を」という構想
②社会保障給付のうちの現金給付部分(扶助・保険・手当)を全てこれに置き換え、その財源を勤労所得への非課税と各種所得控除の廃止に求めようとする租税
③日本における関心の高まり:国政、経済界、学界でも議論されている

2 現行社会保障制度の限界と改革課題

①現行社会保障制度の基本設計(前提条件)とその限界
  • 経済成長:環境問題による限界
  • 労働の安定:不安定化
  • 家族の安定:不安定化
  • 働いたお金で生活するのが前提だったが、所得で自分と家族の生活を維持できなくなっている

②政府の「持続可能な社会保障制度」の内実
  • 単なる給付と負担のバランス論にすぎない
  • 現行制度をベースに、給付抑制と負担増加による持続可能をうたっているにすぎない

3 日本におけるBI導入を考える

①月額8万円は十分可能
  • 必要財源は年間115兆円
  • 年間給与総額223兆円に対し税率50%で調達可能(現在は223兆円の給与総額(所得)から15.8兆円の所得税を得ている)
  • モデルで計算しても、世帯の手取収入は大きく変わらない

②導入効果
  • BI支給で全員のスタートラインを同じにして、後は個々人の能力や意欲、人生設計によって自由な選択肢を保障すると、もらった者ともらわない者との争いに無駄な労力が浪費されない
  • 賃金収入に依存した生活から脱却することで、多様な人間労働の価値を尊重できる。働かないと生活できないという後ろ向きの労働意欲からの脱却(所得と労働の分離)
  • 男性の稼ぎ手の重荷と、女性の扶養される烙印から解放される
  • 賃金が安くなることへの労働者の抵抗や社会保険負担が増えることへの資本家の抵抗がなくなるので、労働時間の短縮とワークシェアリングが進む
  • 家庭に重きをおいたり、職業訓練を受けるなど、人生設計の自由度が広がるので労働市場の柔軟性が高まる
  • 個人所得課税における所得控除をなくし、税制と社会保障制度間の複雑なシステムを簡素化できる

NOMA行政管理講座 に参加

NOMA行政管理講座 に参加

日時平成19年10月24日~平成19年10月25日まで2日間
場所24日 日本経営協会(東京都)、25日 日本経営協会中部本部(愛知県)
用件NOMA行政管理講座 に参加

概要 (24日)

地方議員のためのバランスシート・行政コスト計算書の読み方

公認会計士 中村 元彦 氏

1 バランスシート

①正味資産:用地取得に当てられた国庫支出金以外は耐用年数に合わせて償却を行っている

2 行政コスト計算書

①発生主義:非現金支出についても資源の消費の観点からコストと考える(減価償却費や退職給与引当金繰入れ等)
・減価償却費:使っているのだから価値の減少(資源消費)として、現金は支出していないがコストとする
・退職給与引当金繰入れ:退職はしていないが、退職手当による条例や規程により、将来払う額が増加しているので、増加分をコストとする
②性質別経費
・人にかかるコスト:行政サービスの担い手である職員に要するもの
・物にかかるコスト:地方公共団体が最終消費者になっているもの
・移転支出的なコスト:他の主体に移転して効果が出てくるもの
・その他のコスト:上記に属さないもの

3 バランスシートの活用

①科目自体から分析
・地方債と対応する基金の状況:地方公共団体の規模に対する地方債の絶対額と対応する基金(貯蓄)の状況(一年内と外)
・税金等の回収状況:過年度分の未回収を示す未収金の状況及びその回収可能性
②社会資本形成の世代負担比率(最も重要な分析)
・次世代による社会資本の負担比率(負債(もしくは地方債)/有形固定資産):この比率が高いほど将来世代の負担が大きいことになる(財政の硬直化につながりやすい)
・これまでの世代による社会資本の負担比率(100%-次世代による社会資本の負担比率もしくは正味資産/有形固定資産)
・絶対値という基準はなく、経年で比較
③類似団体との比較
・人口による設定が有効
・但し、必ずしも規模だけでなく、環境(例:河川の有無)などについても注意を払う必要がある
④流動比率(流動資産/流動負債):短期的な返済能力

4 行政コスト計算書の活用

①経年比較:項目別経年比較でサービスの提供状況の推移が把握できる
例:経年的に人にかかるコストが増加→人に頼る部分が多くなっている
例:経年的に補助費等が増加→他の会計を含めた分析が重要 
②収入項目対行政コスト計算書:目的別の項目別の比率を見ることにより、その分野の受益者からの使用料、手数料等や資産から生み出される収益でどれほど賄われているか、税等の一般財源がどれほどその分野に投入されているかが分かる
③収支差額(差引一般財源増減額):持続的なサービス提供に責任を持つため、マイナスが続くことは望ましくない

5 バランスシートと行政コスト計算書の更なる活用

①活用の留意点
・数値そのものの大小や経年比較、類似団体との比較によって一面的な評価をすべきでない
・数値の背後にある事情を様々な角度から読み取り、予算や決算から判断できない要因を探り当てる努力が必要
②活用のポイント
・類似団体との比較が重要
・作成が目的ではなく、活用して分析しなくてはならない
・住民に対して分かりやすい説明:図表活用、用語解説、経年変化の理由、類似団体の適切なピックアップなど
③総務省方式からの応用:施設別のバランスシートや行政コスト計算書の作成(例:教育コストと授業料なども有)
④現状の問題点
ⅰ 長所:全ての地方公共団体を通じて統一的にデータを把握できる
ⅱ 短所
・土地のように有形固定資産を売却した場合はバランスシートにこの事実が反映できない
・取得価格により計上されており、時価が反映されていない
・時系列の比較分析を行った場合、有形固定資産については原因分析が難しい
⑤現状の中で分析を深める
i 資産と負債の詳細内容を可能な限り押さえる
 ・例えば、「投資及び出資金」であれば、どのような団体に出資しているかを押さえる
 ・有形固定資産については、公有財産台帳から押さえる
ii 詳細について効率性・金額の妥当性を検討する
 ・例えば、投資先であれば破綻していないか
 ・普通財産の土地であれば時価との乖離について
iii さらに事業別に把握できれば、更なる活用が可能

概要 (25日)

地方議員・議会事務局のための危機管理講座

市町村アカデミー客員教授 大塚 康男 氏

1 住民訴訟

①議員と訴訟:住民訴訟は起こしやすい
・損害賠償請求額に応じた印紙が必要ない(13,000円でよい)
・勝訴した場合の弁護士費用も相手側から取れる(民事訴訟では不可)
・原告要件は、住民であることのみ
・現職でなくても訴えられる(被告が死亡しても相続人が訴えられる)
②住民訴訟とは
・H14の自治法改正前:私人として(市長や議員ではなく)訴えられる
例:B議員はA市に損害賠償を支払え
・改正後は義務づけ訴訟:執行機関に対し、市長や議員に対する損害賠償請求を求める
③議員が関係するのは4号請求、その場合の被告
i 当該職員
・支出命令の権限を本来的に有する者(決済権者・長)
・上記の者から権限を委任された者(政務調査費では事務局長や庶務課長)
ii 相手方:利益を得た者(議員が該当)

2 兼業の禁止

①議員は営利事業等を営むことはできる。この点において、公務員は公務員法上、営利企業の従事制限が規定されており、制限されている
②請負とは
・給食、清掃など(委任や委託も含む)の売上げが、当該企業の総売上の50%以上を占める場合(個人経営の場合は1%でも不可)
・一度きりの契約(土地売買等)は問題ない
・自治体と請負契約のある企業の意思決定機関(取締役等)であってはならない(平社員なら問題ない)
・NPOは該当するが指定管理者は非該当(指定管理者は契約でなく行政処分であるという総務省見解)

3 懲罰

①懲罰動議の提出者
・一般の議員:定数の1/8以上で発議できる
・侮辱を受けた議員:一人でも可能
・議長:正当な理由(病気、災害、拘束など)なく欠席した議員の懲罰のみで、他の事項は規則で定めても不可
②懲罰の限界
・人的限界:現職議員のみ
・場所的限界:本会議場と委員会室での言動のみ
・時間的限界:本会議と委員会の開会中のみ(閉会中審査の場合もOK)
・事項的限界:議会の秩序を乱した者に対して行われる
③懲罰の種類
・公開議場における戒告:議長が戒告文を朗読
・公開議場における陳謝:当該議員が陳謝文を朗読
・一定期間の出席停止:当該会期以内に限る
・除名
④懲罰の手続き:問題の言動から3日以内

4 議員立法

①条例制定権の限界
i 法的限界(法令に違反しない範囲):違反すれば無効
・法令とは、法律、政令、省令、議院規則、裁判所規則等
・法段階説:憲法、条約、法律、命令(政令・省令)、規則(議院・裁判所)、条例、規則(自治体)の順で高位置に違反する場合は無効
ii 事項別限界:条例内容は自治事務+法定受託事務の範囲
iii 条例の内容
・福祉、サービス内容:法令との抵触はない
・規制内容:法令との抵触が問題
可能なもの:国の未規制領域、法令と同一事項について異なる目的の規制、法令と同一事項について国が対象外としている事項(横だし)、法令と同一事項(ナショナルミニマムを定めた場合のみ)について法令よりも高い規制(上乗せ)
②条例の罰則
・2年以下の懲役、禁固又は100万円以下の罰金等:裁判が必要
・5万円以下の過料:裁判にかけなくてよい(その場で取れる)
・罰金と過料
 罰金(科料):刑事罰
 過料:行政罰、秩序罰
③条例の提案者
・長、議員(1/12の賛成)
・18年の自治法改正により、委員会(常任・特別・議運)に提案権が付与された
④提案できる議案の種類
i 長の専属→部設置条例
ii 議員専属→委員会条例
iii 議員提案にふさわしいもの
・自治基本条例、住民参加条例等の自治に基本ルールを定めるもの
・環境美化条例、防犯条例等の住民生活に密着している条例
・宣言条例

5 再議

①再議とは、議会の議決に対して長が違法等と認めて異議を述べ再考を求める行為
②一般的拒否権
i 条例の制定・改廃、予算について長に異議がある時は、議長から送付を受けた日から10日以内に理由を付して再議に付すことができる
ii 再議の対象は、条例の制定・改廃、予算に限定
iii 再議の対象
・議員提案の条例
・長の提出した条例が修正された場合
・長の提出した予算が修正された場合
・否決は非該当
iv 再議の時期は条例、予算の執行前でなければならない
v 再議の効果
・前の議決は無効
・2/3で再議決→決定
・2/3で再議決できない→廃案

6 一事不再議

①一事不再議とは、同一議会中に一度議決された事件について再度議決しないこと(絶対的な原則ではない)
②「一事」の認定は、議長が、または議長が議会運営委員会に諮問して決定
③認定基準
・同一会議中であること
・同一内容であること
・撤回の場合は、再度提出は可能
・形式(条例、予算、契約等)が異なれば提出は可能
・一事不再議の原則に違反した場合の効力は、当然無効ではなく、違法議決として再議に付すこととなる
④一時不再議の原則の例外
・事情変更の原則
・長の再議
・委員会への再付託

PARC自由学校 2007年講座 に参加

PARC自由学校 2007年講座 に参加

日時平成19年10月22日
場所PARC自由学校(東京都)
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概要

「定常型社会=持続可能な福祉社会」の可能性

千葉大学教授 広井 良典 氏

1 はじめに

①現在の日本の閉塞状況
・経済成長に代わる価値の喪失
・目指すべき社会モデルが見えない(政党もモデルを示していない)
②二つの対立軸
・第一の対立軸(富の分配をめぐる対立):大きな政府VS小さな政府
・第二の対立軸(富の大きさをめぐる対立):成長志向VS環境(定常)志向
③持続可能な福祉社会(個人の生活保障や分配の公正が実現されつつ、それが環境・資源制約とも両立しながら長期にわたって存続できる社会)のモデルを模索する時期

2 これからの社会保障

①これまでの日本の社会保障
 高い経済成長と需要拡大を前提とし、新卒を新規成長分野に吸収しつつ、産業部門内部の再分配(終身雇用、公共事業、農業補助金、中小企業助成)で調整:「成長が全てを解決する」との発想&生産部門を通じた生活保障と再分配
②これからの日本の社会保障
・これまでの社会保障が弱体化 → 新しい社会保障の強化が必要
・低成長時代において、あらゆる分野で公的な社会保障を行うのは無理
③医療・福祉重点型の社会保障
・医療福祉:リスクの予測困難かつ個人差が大きい。日本の患者自己負担は先進諸国の中で既に最も高い水準 → 公的保障の必要大
・年金:老後の生活費であり、予測でき個人差も大きい。現状は金額の格差が大きい → 厚めの基礎年金中心のものに再編
④社会保障をめぐる新しい課題と方向
・「人生前半の社会保障」の重要性:若年者の失業率大、教育の不平等
・「心理的ケアに関する社会保障」の充実:失業、自殺予防、子供・若者関係、医療
⑤基本理念:人生の様々な段階においての「機会の平等」を保障
⑥財源
・消費税:ヨーロッパ並み(15%以上)の水準は不可避
・相続税:生まれた時点での平等を保障(格差の累積・固定化を制限)
・環境税:ヨーロッパのエコ税制改革(環境税を導入し、税収の一部を社会保障にあて、年金保険料や企業の社会保険料を下げる)

3 「定常型社会=持続可能な福祉社会」のビジョン ~豊かさの問い直し~

①定常型社会における消費と労働
i 時間の消費が中心となる時代
・物の消費 → エネルギー消費 → 情報(デザインやブランド)の消費 → 時間の消費
・余暇、生涯学習
・コミュニティ、自然、スピリチュアリティがキーワード
ii 労働時間と失業問題
・日本の超過労働(週50時間以上、2000年ILO調査)は世界トップクラス
・生産性が最高に上がった社会においては多くの人が失業する。また、人々が働けば働くほど失業が増える → 生産性の上昇分を労働時間削減で対応する。労働時間減少分をコミュニティへ再配分する
②定常型社会の特徴
・分権型社会
・コミュニティや自然やスピリチュアリティ等に関わる人間の高次欲求の領域が展開する
・新しいコミュニティの浮上

暮らしの安心・安全セミナー に参加

暮らしの安心・安全セミナー に参加

日時平成19年10月10日
場所総評会館(東京都)
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概要

身の回りの化学物質を考えよう

科学ジャーナリスト(「買ってはいけない」著者) 渡辺 雄二 氏

1 「買ってはいけない」(全4冊)で取り上げた危ない化学物質

①消臭剤:わきの下へ使用するものは毒性の高い酸化塩を含んでおり、
           口から吸引してしまう
②除菌製品
③殺虫剤
④口内洗浄剤
⑤柔軟剤
⑥洗濯用洗剤、台所用洗剤、薬用ハンドソープ、ボディシャンプー:界面活性剤を含む。ボディシャンプーは化粧品なので表示方法が異なるが、洗剤と同じ成分が入っている

2 身の回りに氾濫する多種多様の化学物質

現在、3000万種の化学物質があり、そのうち日常的に使用されているものは10万種

3 化学物質の健康への影響

①アレルギーとの関係:化学物質過敏症など
②ガンとの関係:死亡原因の1/3がガン。罹患する人は1/2では?
         化学物質がガン細胞(突然変異)を引き起こす可能性
③ホルモン撹乱との関係:環境ホルモンの懸念は払拭されていない

4 事例

①小林製薬 消臭・芳香剤「消臭元」
 ・強烈な香料でごまかした消臭じゃなく隠臭
 ・使用されている合成香料は香料会社から入手しているため、企業秘密になっていて、全ての成分は分かっていない
 ・芳香消臭脱臭剤協議会の消臭試験基準は家庭の部屋と同じ広さでの試験ではなく、10リットルの袋の中で行うものである
②花王 スプレー式消臭剤「リセッシュ」
 ・除菌剤が含まれており、これで微生物(分解すると臭いのもと)を殺す
 ・臭い成分がどれだけ減ったかの実験データはない。
③アース製薬 ゴキブリスプレー「ゴキジェットプロ」
 ・ホウ酸ダンゴ(ゴキブリの巣ごとやっつける)のほうが有効で安全

PARC自由学校2007年講座 に参加

PARC自由学校2007年講座 に参加

日時平成19年10月4日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校2007年講座 に参加

概要

公権力と公教育への対抗力 ~所有より利用、雇用より活動、信用より依存~

龍谷大学教授 中村 尚司 氏

1 2000年に及ぶ土木事業と芸能文化が築いた日本社会の独自性

①朝鮮半島との交流から生まれた日本的な土木権力と芸能文化
②150年に及ぶ公権力の支配体制と公教育による秩序の形成
③軍事力により敵対者の社会的秩序を破壊:北海道、琉球、台湾、朝鮮など
④軍事力により対立者を抑圧し、支配従属関係を形成する:差別の構造
⑤「公害」という言葉を事例に考える(私利私欲と対応):公害は私企業が起こすもの(水俣や四日市)で、日本では公権力は害をなさないとされている(タバコや年金問題は公害と呼ばれない)

2 連帯経済の基本原理

①循環性の永続、多様性の展開、および関係性の創出:会いたい人に、会いたい時に、会いたい場所で会えることが人間の最も幸せなこと
②土地市場、労働市場、および信用市場を縮小する:土地は共同利用(土地売買の非自由化)、雇ったり雇われたりする代わりに自分自身が事業経営の主体になる(低賃金労働力の撤廃)、人間の信用を利子率で評価する代わりに相互扶助の信頼関係を深める(金融市場の非グローバリゼーション化) → 人々の生命と平和な暮らしを守る
③3種類の働き方の中で、優れた自営業とその連帯組織
 3種類の働き方の例
 ア 子供にパンを焼いて食べさせる。恋人にピアノを弾いてあげる
 イ 不特定多数に値をつけてパンを売る。不特定多数に入場料をもらいピアノを弾く
 ウ パン屋に雇われる。ホテルに雇われ言われた曲を言われたように弾く
④商品の移動よりも人間の移動を促進する仕組み

3 民際交流(対等な交流と協力、公権力を媒介しない交流)

①依存する人間、施設、制度等の数や種類が多くなれば自立水準は高まる
②地域の自立にとって大切な課題は「出戻り」と「よそ者」の参加
③国家に代わる地域社会の役割(石垣島の唐人墓が教える民際交流の歴史)
④アメリカの核の傘から出て、ASEANとモンゴルの非核化宣言に合流する

PARC自由学校2007年講座 に参加

PARC自由学校2007年講座 に参加

日時平成19年9月20日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校2007年講座 に参加

概要

キューバ・エクスポージャー 報告  (有機農業と医療について)

早川 幸子 氏

1 はじめに
①キューバは「弱いものには優しく」「今あるものを循環させて新しいものを生産する」という当たり前のことを、当たり前にしている社会
(例)公共交通がなく、代わりにヒッチハイクが認められている
②キューバは物事の価値をお金だけで図らない
(例)ヘンリー・リーブ国際救助隊:世界中どこでも駆けつける。2005年のパキスタン大地震では900人もの医師団を派遣。厳しい冬を前にして各国援助団体が撤退する中、半年間も活動した

2 キューバの医療

①医療システム:一次医療(市町村病院)、二次医療(州病院)、三次医療(全国病院)
  • 一次医療では病気予防や健康増進も行なわれる
  • 一次医療では手術が行なわれることもある

②予防医療
  • 患者ひとり一人への指導とともに、集会での啓蒙活動も行なう。しかも、都市部から過疎の村まで平等に行なわれる
  • 予防医療が徹底され、二次、三次医療の大病院のベッドは空いている

③費用
  • がん治療から、心臓移植まで、医療費は全て無料
  • 薬は自己負担だが激安。入院中は薬代もかからない
  • 外国人も無料で治療。途上国から無償で患者を受け入れている

④医療従事者の労働体制 
  • 医師の平均月収は575ペソ(3500円)で特権階級ではない

⑤医師、看護士教育
  • 医学を究めると同時に、人間性を養うことを教えられる

⑥伝統医療
  • 経済封鎖での物資不足を補うために、本格的に伝統医療を始めた

3 キューバの有機農業

①転換点
  • ソ連圏との貿易量の80%を喪失
  • 石油輸入量は半減、原発建設は中止、停電と交通麻痺
  • 医療品の途絶、食料自給率40%の中で輸入食料が半減
  • 国内農業生産の40%ダウン(農薬と化学肥料の8割減、灌漑用水とトラクターの停止)
  • 国内輸送システム麻痺(カロリーベースで30%低下、5万人以上の失明者)

②農薬依存の近代農業を捨て、国をあげて有機農業へ転換
  • 無農薬、無化学肥料で生産性は130%以上アップ
  • 農業の大半を有機農業と環境保全農業へ転換
  • 伝統農法と適正なバイオ技術の組み合わせが成功

③キューバの土づくり
  • ミミズ堆肥づくり
  • 微生物肥料の活用
  • 輪作の復活と緑肥の活用
  • 牛耕の復活(繁殖キャンペーン、2300回の研修)

④病害虫防除
  • 捕食性天敵昆虫と土着菌を利用したバイオ農業
  • 天然殺虫剤ニームと輪作(70年代にIPMを導入し、75年には農薬散布量を半減)
  • 91年に全国プログラム(経済性に応じた防除、農家教育、病害虫防除員ネットワーク)

⑤キューバから学べるもの
  • 有機農業の国家レベルでの唯一の成功事例
  • 熱帯や亜熱帯での有機農業が可能なことを証明
  • 近代技術や資本、化学肥料や農薬を使わなくても、食を満たせることを証明

PARC自由学校 2007年講座 を受講

PARC自由学校 2007年講座 を受講

日時平成19年9月6日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校 2007年講座 を受講

概要

ソーシャル・ファイナンス ~社会的なプロジェクトを支える金融の仕組み~

(株)農林中金総合研究所 重頭 ユカリ 氏

1 お金の流れを変えるための取り組み

  • お金はいったん自分の手を離れると、どこにいってしまうのか分からない → グローバル化が進展しているため、銀行に預けたお金が武器の開発を行う企業に融資されている場合もある
  • 様々な取り組みがある:ソーシャルバンク、SRI(社会的責任投資)、金融NPO、地域通貨など

2 ドーピン税・国際連帯税

①ドーピン税
  • ドーピン税とは、外国為替市場での取引にごく低率の課税を行う
  • ある通貨が攻撃された場合は、そのような取引による利益獲得を妨げるレベルまで税率を上げる → 金融市場の安定化
  • 集めた税金は最貧国への援助に使う
  • カナダ、イギリス、ベルギーなどの国会で導入を促す決議

②国際連帯税
  • 国際連帯税とは、貧困や飢餓を減らし、全ての子供に初等教育を普及させ、HIVやAIDSを減少させるための新しい資金源。当面、航空券に税をかけ、その税収をHIVやAIDS問題等に充てるというもの
  • フランスで導入済み

3 ソーシャル・ファイナンス

①ソーシャル・ファイナンスとは
  • 金融面での利益と同様に社会的な利益や社会的配当を求める組織による資金提供
  • 連帯精神を持つ貯蓄者と社会的精神を持つ企業家を仲介するシステム

②預金者の意識
  • 店舗統廃合やサービス削減など、銀行の収益本位の姿勢に対する不満
  • 自分のお金がどのように使われているのかを知りたい欲求

③融資の受け手側
  • 社会的企業が発展している

4 事例

(1)イタリア 倫理銀行
①現状
  • 職員数98名
  • 支店は9都市だが、預金は提携先の他の銀行からでも預け入れ可能
  • 個人貸付を除くフルバンキングサービス(クレジットカード引落としも可)

②預金
  • 預金者は貸出しを行う4分野(社会的協同、文化・市民社会、国際的協同、環境)から好きな分野を指定して預ける

③融資の審査 
  • 融資対象は非営利組織のみ
  • 審査は社会的審査を行い、次に経済的な審査を行う
  • 社会的審査項目:環境への影響、労働環境、人種差別、民主的運営、情報開示、地域貢献など
  • 地域組合員が社会的審査をチェックする

(2)オランダ トリオドス銀行
①現状
  • ベルギー、イギリス、スペインに支店開設
  • 店舗はなく、郵便やインターネットでのオペレーション
  • 目標:社会、環境、文化的な付加価値の達成を目的とする事業やプロジェクトに貢献

②特色ある預金
  • チキン&エッグ口座:1000ユーロを5年間預金、預金者は金利の代わりに毎月6つの有機卵を受け取り、農場のオープンデイに招待される
  • フェアトレード口座:最低500ポンドを預金、フェアトレード組織のみに融資。口座の年間平均残高の0.25%をトリオドス銀行からフェアトレード財団に寄付

③融資
  • プロジェクト向けと企業向け
  • 対象分野:自然と環境、社会的ビジネス、文化と社会、南北問題

5 おわりに

①ソーシャル・ファイナンスの特徴
  • 預金者が金利の一部を寄付する仕組みがある
  • 融資分野を限定(社会、環境、文化など)
  • 融資先の選別方法はポジティブ・スクリーニング
  • 透明性を重視し融資情報を公開
  • 広告宣伝にお金をかけず、口コミで利用者を集める

②課題
  • 社会的な目的の追求と経済性の舵取り:参加や透明性を維持できるか
  • お金に意思を持たせ続けることの困難さ:時間がたち、規模が大きくなるにつれ、当事者意識が薄れる傾向がみられる

PARC自由学校2007年度講座 に参加

PARC自由学校2007年度講座 に参加

日時平成19年7月19日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校2007年度講座 に参加

概要

非営利バンクが必要なわけ  ~カネに頼らない生活のために~

未来バンク 田中 優 氏

1 ピークオイル、石油と戦争

①大油田は1980年以降見つかっていない。石油消費量は増大。石油生産量はピークを迎える→需要と供給のギャップ(ピークオイル)は2010年頃訪れる予想
②世界の紛争地は石油、天然ガス、パイプライン、鉱物、水に関連している地域が多い→自然エネルギーにシフトすれば紛争が減る
③100年後のエネルギーは何か:資源埋蔵量(石油40年、天然ガス61年、石炭227年、ウラン64年)を考えると自然エネルギーしか考えられない
④世界の軍事費支出は増加傾向であり、世界は戦時に入りつつある
⑤軍事費を他に使うと、途上国の債務帳消し、兵器の廃棄、食糧援助を行ってもお釣りがくる
⑥戦争や軍事関係のCo2排出量を国別排出量と比べると米国、中国に次いで世界第3位

2 資金を提供する私たちの貯蓄

①世界の軍事費の中では米国の軍事費が突出している
②私たちの稼いだ外貨は米国政府に貸し付けられ、これが軍事費を支えている
③米国債購入国比率は日本がダントツ1位
④財政改革停滞や少子高齢化等により、やがて日本の赤字額が個人貯蓄の総額を上回るようになると、円が暴落しハイパーインフレとなる可能性

3 非営利バンクを市民事業のために設立し、貯蓄を変える

①未来バンクは94年に7人400万円で始めたが、今では1億7千万円の出資額を持ち、累計で7億円以上を市民に貸し出した
②貸し倒れゼロ、引当金500万
③融資対象は環境、福祉、市民事業、金利は3%の固定
④未来バンクは、組合員の出資を組合員だけに融資する閉じた組織で、余剰金は配当せず、事業準備金と金利低減のために用いる
⑤不動産や財産を担保することなく、目的明確化などによって信頼関係を構築し、返済を確実にする

4 食べ物を自給する

①小川町の桑原さんが作ったバイオガスプラント

・生ゴミや畜産廃棄物をメタンガスと液肥に変える
・安価
・ゴミ処理費、燃料費、肥料代が安くなり、CO2排出量も減る

②カネを貸してモノ(農産物)で返してもらう仕組み

・農家は借り入れが可能となり、販売先が見つかり、現金化しなくても返済が可能(通常の流通販売では農家の取分は価格の1/8)
・出資者にとっては今後の生活の安心感
・多様な関係を作ることで安心感を持てる

5 エネルギーを自給する

①家庭内の電力消費:エアコン、冷蔵庫、照明、テレビで2/3を占める
②上記の家電を省エネ型に変えれば電気需要は半減、残りを自然エネで供給
③省エネ家電の買い替えに融資する(1年4ヶ月以上使うなら買い替えの方が省エネになる)
④新しいキャパシタが発明され、電機が効率よく貯められるようになった

6 社会に仕組みをビルトインする

①石油が安いというのはトリック:石油価格には環境コストも戦争コストも補助金も含まれていない。含めたら自然エネルギーより高い
②経済のグローバル化はトリック:国境線を越える石油が非課税であるため、神戸-東京よりシンガポール-東京で荷物を運んだほうが安い
③産業界の省エネ促進:1ヶ月の電気使用量は、家庭では使うほど単価が高くなるが、産業では安くなる→電気料金の仕組みを変える必要性

7 地域でカネを自給する

①NPOバンクが増えてきた
②この10年の金融トレンド:地方が貯蓄し、東京が集めて使い道を決めてきた
③長期的に利益になる仕組みに融資する:雨水利用、省エネ設備、太陽温水器付の省エネ住宅に融資すると、光熱費+一般住宅ローンより安いローンが作れる
④地方からのカネの流出を防ぐ

カウンセラー4DAYセミナー に参加

カウンセラー4DAYセミナー に参加

日時平成19年6月22日~平成19年6月24日まで 3日間
場所ふれあい会館(岐阜県)
用件カウンセラー4DAYセミナー に参加

概要


担当講師:教育カウンセラー  柏原 清保 氏

1 カウンセラー概論


①カウンセラーの限界性:カウンセラーとして、人にはカウンセリングを行うことは出来るが、家庭の中では感情が先に立ってカウンセリングが出来ない(調和がとれない)
②聴くこと(話を聴く)、聞くこと(質問する):「会話のキャッチボール」と「会話のドッジボール」
③受けとめ、自己発見(気づき)、理解:劣等感は係わってもらう以外に克服できない
④カウンセラー自身の家庭と家系が、問題としている、してきた事を解くことが出来なくして、クライエントの問題としている事は解くことが出来ない
⑤人の心を解くための方程式は、カウンセラーの人格(心の位置)で提示することであり、それを解くのはクライエント自身である
⑥カウンセラーの基本は、子を思う「お母さん」「お父さん」である

2 MCA理論

①「差のある見方」から「違いの見方」へ
 i 第一段階:差のある見方(良い悪い、○×)
  「問題」を「問題」としている。「悩み」を「悩み」としている
 ii第二段階:価値観の分別(責めからの脱却、相手の立場に立った見方)
  「差のある見方」から責め心となる自分自身に気づく(自己発見)
 iii第三段階:(うまくいかなかった場合の)責任は相手、
    (うまくいった場合の)栄光は自分
  客観的に自分自身が見えるようになり、自己の情を分別することができる
 iv 第四段階:動機の分別(相手にとって良かったかという基準)
  ・「問題」が「問題」でなくなる。「悩み」が「悩み」でなくなる
  ・相手より優位に立とうとする
 v 第五段階:違いの見方(責任は自分、栄光は相手。○×→○○へ)
  自分自身を受け止めることで相手をも受け止めることができる(自然体)
②現象を受け止める(現象に相対する)→思いを受け止める(思いに相対する):
    現象ではなく価値に相対することが必要
③夫、妻、子、孫といった家族の間で情の反発が連鎖する
④人間は、知的感覚で理解し、情で納得し行動する

講演会 「脳の発達と化学物質 子供の脳が危ない」 に参加

講演会 「脳の発達と化学物質 子供の脳が危ない」 に参加

日時平成19年6月16日
場所東京芸術劇場 5階大会議室
用件講演会 「脳の発達と化学物質 子供の脳が危ない」 に参加

概要

脳神経研究の最新情報と私たちにできること

東京都神経科学総合研究所  黒田 洋一郎 氏


・遺伝子の働きはホルモンなどの数多くの化学物質で調整されている
・我々の体は数多くの人工化学物質で汚染されている
・神経回路(神経細胞同士のつながり)が形成され、知的行動(言語・認知・学習)、対人社会行動、子育て行動、性行動が行われる
・軽度発達障害児の脳は神経回路がうまく形成されていない
・脳は人工化学物質に弱い
 ①脳の発達には数万の遺伝子が順序正しく発現される必要がある
 ②子供は脳の血液脳関門未発達
 ③脳神経は入れ替わらないので何年も症状が続く

・発達障害の増加は遺伝子そのものの欠陥では説明できない:発現(働き)の異常
・発達障害の子供たちをどうするか
 ①早期発見(自閉症児は1~2歳で頭が大きい)
 ②治療薬の開発
 ③支援教育
 ④予防:化学物質検診
 ⑤解毒

・これからの技術:DNAマイクロアレイ→網羅性、正確性、あらゆる病気や障害に使える
・遺伝子は設計図で、その後の仕事(大工さんのような)が重要と認識されつつある
・環境ホルモン(化学物質)が次世代、次々世代にも影響を及ぼす可能性あり
・化学物質対策
 ①体内に入れない
 ②体内汚染状況を知る
 ③対外排出
 ④地域環境を良くする

地方議員のための政策立案と条例制定 に参加

地方議員のための政策立案と条例制定 に参加

日時平成18年10月24日
場所日本経営協会関西本部
用件地方議員のための政策立案と条例制定 に参加

      講師  弁護士・京都大学講師 岩本安昭 氏


1 地方議員にとっての政策立案テーマ

①議会改革:議員定数、委員会改革、歳費削減
②議会の議決事項の条例化(総合計画など)
③自治基本条例
④まちづくり、地域振興、産業振興、地産地消:ポイントは定義(○○とは)
 残留農薬の規制や学校給食地産地消の条例化も可能
⑤環境・廃棄物対策
⑥行政過程への参加の制度化:住民投票条例など



2 立法手順:骨子を議会で決めて、条文化と整合性チェックは議会事務局と行政で行うのが望ましい

 ①骨子の作成
 ②要綱作成
 ③条文化、想定問答作成



3 条例案の書き方

(1)基本原則
  ・法令としてふさわしいものを
  ・実効性を有するものを
  ・正当性を有するものを
  ・他の法令と整合性のあるものを


(2)規定の並べ方
 ①総則
  ・目的規定(政策目的)
  ・趣旨規定(この条例は○○について定める)
  ・定義規定
  ・解釈規定
  ・実体規定(申請、許可基準、有効期間、規制内容など)
 ②雑則(立ち入り、聴聞、委任規定など)
 ③罰則
 ④附則(施行期日、経過措置など)


(3)用字用語
 ①国の例では常用漢字表1945文字が原則
 ②音訓
  ・副詞、連体詞は原則として漢字(例:必ず、少し、我が)
  ・接続詞は「及び」「並びに」「又は」「若しくは」以外は平仮名
  ・助動詞及び助詞は平仮名(例:ぐらい、だけ)
 ③句点:括弧内の字句が名詞で終わる時はつけない。ただし、その括弧が続く時はつける。各号が「こと」「とき」で終わる時は句点をつける
 ④読点:「かつ」の前後、「ただし」の後「この場合において」の後にはつける

子供たちの脳に何が起きているか に参加

子供たちの脳に何が起きているか に参加

日時平成18年10月22日
場所豊島区立生活産業プラザ
用件子供たちの脳に何が起きているか に参加

発達障害の一因としての環境汚染

            東京都神経科学総合研究所  黒田洋一郎 氏


1 序論

・脳科学の最新の知識と技術が発達障害研究にも応用され始め、発達障害の原因については「遺伝の影響ではない」「育て方の問題ではない」「環境化学物質に注意を」などを支持する数々の科学的証拠が明らかになってきた
・観光ホルモンの研究はこれからが本番である
・先進国の人の脳から165種類の化学物質が検出されているが、影響の研究はこれからである
・脳は、多くの化学物質を使って発達・動いているので、外からの人工化学物質に弱い
・脳の発達途中で、ある神経回路がうまくできないと、特定のことがうまくできなくなる
・アスペルガー症候群は4歳頃から、LDやADHDは6歳頃から、キレる・ムカつく(対人・社会行動障害)は思春期から、子育て行動障害は子育て期から、若年性痴呆は40歳頃から始まる



2 発達障害の原因は

(1)脳の発達の仕組みと遺伝と環境
 発達障害の発症過程は、脳科学では「発達期に特定のニューロン回路の形成異常が、遺伝子の働き方(発現)の異常などの原因によって起こり、その回路が支えている高次機能(読み、書き、行動の抑制、対人行動など)が発現する時期になって、その異常が顕在化する」と考えられる

(2)遺伝子よりも環境因子
 発達障害は、化学物質・遺伝子・社会環境の複合汚染の可能性がある

(3)発達障害児の近年の増加は環境因子による
・脳機能や行動障害は日本の子供では17人に1人(2003年文科省)、アメリカでは1960年代から増加・実際に増加しているのかの最終結論は出ていないが、増加しているのであれば、原因は遺伝子変異ではなく環境因子である

(4)最近始まった環境研究
 脳は数多くの遺伝子の順序よい働きで発達するが、最新の脳科学では、遺伝子群の働きを攪乱する環境化学物質の存在が指摘されている



3 環境化学物質による脳の発達の攪乱

(1)環境化学物質汚染が発達障害を起こした例
・胎児性水俣病、PCB汚染(知能低下や多動)、BPA(学習障害)
・PCBは日本人の脳内でもかなりの量が検出されている
・日米とも、化学物質汚染が起こってから発達障害が起こった

(2)環境ホルモンなどによる脳発達遺伝子の働きの異常
 PCBなどがホルモンを介する先天的な異常や、殺虫剤などの農薬により後天的に攪乱される場合がある

(3)原因研究に基づいた早期発見、予防、治療を
 思い知的発達障害を伴うクレチン症では、ヨード不足による甲状腺ホルモン濃度の低下が原因と分かり、予防システムや早期発見、治療法が確立している。軽度発達障害でも、原因が分かれば対応できる。高機能自閉症・LD・ADHDは化学物質汚染で説明が可能である。農薬入りの食べ物は食べない、殺虫剤や除草剤を使わない等の予防法も考えられる

どうする日本の化学物質管理 ―市民からの提案―  に参加

どうする日本の化学物質管理 ―市民からの提案―  に参加

日時平成18年9月9日
場所全水道会館(東京都)
用件シンポジウム どうする日本の化学物質管理 ―市民からの提案―  に参加

これからの化学物質管理の方向

               横浜国立大学教授 浦野紘平 氏


1 有害化学物質の種類

①天然物、②合成化学物質、③非意図的生成物に分けられ、③と②のうちの工業薬品と農薬では法律の対応が不十分である

2 科学物質管理に関する法律

たくさんあるが、EUを中心に管理が進歩しているので、それに合わせていく必要がある

3 従来の化学物質による健康被害リスクの評価基準

(1)発がんリスク:対象化学物質を一生涯摂取し続けた場合に発がんする確率による評価
 ①1万人に1人・・・安全とみなせないので直ちに対策をとる
 ②10万人に1人・・・実質的に安全とみなし、基準値として対策をとる
 ③100万人に1人・・・最終的な目標とする
(2)内臓・神経障害等:大部分の人に悪影響が出ないとみなせる1日あたりの摂取量で評価する
(3)免疫障害リスク:国際的に認められた定量的評価基準はない
(4)生殖障害リスク:国際的に認められた定量的評価基準はない

4 従来の定量的(確率論的)リスク評価の問題点

①定量的評価に必要なデータが決定的に欠けていることが多い
②必要なデータを得るには、莫大な経費と時間を要するので、進行している環境リスクの低減に間に合わない
③計算に多くの仮定を用いているので、計算結果の不確実性が高い
④不確実(安全)係数などの選択が少数の専門家か行政官が決めてしまう

5 環境リスク管理のための予防原則

(1)1992年国連環境開発会議の「リオ宣言」
環境を守るために、各国は予防的アプローチを採用する。重大な損害の脅威がある場合、十分な科学的根拠がないことを理由に環境悪化防止策を先延ばししてはならない
(2)1998年ウィングスプレッド宣言
 ・既存の環境規制や決定方法では環境を正しく保護できない
 ・因果関係が科学的に完全に立証されていなくても予防措置を講ずる
 ・因果関係の立証責任は行為の推進者が負うべきである

6 予防的管理のための多様な測定・評価方法

 ・法律で規制されている化学物質は100種類程度
 ・日本国内で使われている化学物質は約8万種類
 ・化学物質全部を個別に測定することは不可能

7 予防的管理のための測定方法のあり方

 ・排出濃度管理だけでなく排出量管理ができる測定方法へ
 ・評価や管理の目的にあった測定方法へ
 ・周辺住民や自治体に説明できる測定方法へ
 ・簡易測定法も活用した効率的な測定方法へ






化学物質管理のあり方についての市民からの提案

               環境ホルモン対策国民会議事務局長・弁護士 中下裕子 氏


1 なぜ、化学物質管理が必要か

 ・化学物質には有用性がある一方で、人や生態系に有害なものがある
 ・20世紀後半以降、多種多様な化学物質が生産された。また、複合汚染や非意図的物質も生成された

2 化学物質管理の難しさ

 ・化学物質の数が膨大で(10万種)、データ取得が困難
 ・複合暴露や非意図的物質の管理の難しさ
 ・科学の進展に伴って新たな有害作用が発見される

3 化学物質管理のあり方

 ・安全性が確認された物質に限り生産と使用を認める
 ・ライフサイクル(生産から廃棄まで)を通じた総合的管理
 ・管理困難な物質は使用を認めない
 ・予防原則を基本とする






EUとアメリカのリスクと規制に対する姿勢の違い 日本の政策は?

               化学物質問題市民研究会 安間武 氏

1 EU:予防的要素が大きく、リスクがないことを示すのは産業側

2 アメリカ:予防的要素が少なく、リスクがあることを示すのは政府

3 日本:アメリカと同様な市場重視・産業寄りスタイル

環境効率最新動向セミナー

環境効率最新動向セミナー

日時平成18年7月28日から平成18年7月28日まで1日間
場所日本科学未来館 JAビル
用件環境効率最新動向セミナー 日本をリードする議員のための政策塾

環境効率の飛躍的向上によるエコイノベーション

        東京大学生産技術研究所教授  山本 良一 氏

・地球温暖化問題に関する基本的認識


(1)地球温暖化が急速に進行している
(2)温暖化の主要原因は人為的な温暖化効果ガスの排出である
(3)地球温暖化に伴うインパクトは極めて大きい。生物種の大量絶滅回避の為には気温上昇を1.5℃以下に、人類への大きな影響回避の為には2℃以下に抑制することが提案されている。突発的な気候変動の可能性もある。

・IPCC(国連機関)第3次報告書の内容

(1)地球の表面温度は1861年から上昇し、20C中に0.6℃上昇した
(2)1950年代後半より、地表と地表から8kmの大気温度が10年間で0.1℃の割合で上昇中
(3)1750年以来、大気中のCO2濃度は31%増加し、過去42万年間で最高、おそらく過去2000万年間でも最高と考えられる
(4)過去20年間の人為的起源によるCO2放出の2/3は化石燃料消費で、残りの大半は森林伐採
(5)過去50年間の平均温度の上昇は人為的起源によるCO2増大が原因で、2100年の地球表面平均温度は1.4~5.8℃まで増大する

・CO2排出量を80%削減しなくてはならない
・ある不都合な真実(アル・ゴア著):全世界の科学者の言うことが正しければ破滅を避けるための時間はもう10年しかない

(1)海面水位上昇は4m以上で沿岸部は大きな影響を受ける
(2)熱波はもっと頻繁に、そして強力になる
(3)干ばつと森林火災はもっと頻繁に起こるだろう
(4)2050年までに100万種以上の生物が絶滅するだろう

・地球温暖化の引き返すことのできない時点(ポイント・オブ・ノーリターン)を越えてしまった可能性がある
・21世紀の氷床融解と海面水位の上昇は従来考えられているよりも早く、大きい可能性がある(島根県ほどの大きさのラーセンB棚氷が1ヶ月で崩落)
・インドや中国の温暖化ガスは今後も増加する
・シベリアの森林火災では日本1カ国分のCO2が排出されている
・地球温暖化を加速する要因

(1)北極海氷の減少による太陽光線の反射率減少
(2)炭素の吸収源が放出源へ転嫁、森林のサバンナ化・沙漠化
(3)シベリア凍土層及び浅海のメタンハイドレードの融解によるメタン(温暖化ガス)の大気中への放出
(4)植物からのメタン放出が温度上昇とともに増加
(5)大気汚染防止が進むと太陽光線の日傘効果が消失
(6)海によるCO2排出量が減少

・本年策定された「新・国家エネルギー戦略」で温暖化を止める事は不可能
・スウェーデンは2020年までに世界初の脱化石燃料社会を実現するというビジョンを発表
・知識集約型、脱物質サービス経済の実現

(1)エコ・イノベーション:環境適合設計、公共財の高品質化など
(2)社会システムのグリーン化:循環経済制度、グリーン調達、税財政制度のグリーン化

・EUはエコ・イノベーションに全力を挙げている(キーワードは3C:クリーン、賢明、競争力)




世界は重視する 環境教育

          (財)日本生態系協会会長 池谷 奉文 氏 

・2004年に制定された環境教育推進法は文科省の関与が少なく実効性なし
・何を教えるのか

(1)持続可能な発展の為の3要素


①自然生態系:太陽光、大気、水、土、野生生物
②持続可能な経済:1次産業、2次産業、3次産業、公共事業
③持続可能な社会:国内で80%程度の食料などの物質がまかなえる簡素な生活と自助・共助・公助

(2)持続可能な発展への障害

①自然生態系の破壊:野生生物の健全な生息で判断
②経済の問題:産業による自然生態系の破壊、土壌喪失
③社会の問題:人口、都市計画、ゴミ、贅沢

(3)多くの野生生物が生息する自然生態系を守る意味

①人間を取り巻く環境財:大気浄化、温度調節、水質浄化
②精神的財産:自然体験、うるおい、やすらぎ
③物質的財産:衣食住、薬品(遺伝子)、エネルギー
④災害対策:土砂災害の防止、水害の軽減

(4)環境問題の解決

①土地の確保:土地利用計画、トラスト活動(ブータンの憲法では、土地の6割を次世代に残すことになっている)
②野生生物の絶滅対策:ビオトープネットワーク、環境アセスメント
③経済問題への対策:持続可能な産業、税制改革、減価償却の改正
④社会問題への対策:コンパクトシティ、適正人口、3R

・環境教育は全ての教育に優先する→さもなくば、人類の生存基盤が失われる

「地方議会議員のための地方財政の課題と制度改革への対応」を受講

「地方議会議員のための地方財政の課題と制度改革への対応」を受講

日時平成18年4月24日から平成18年4月25日まで2日間
場所(社)日本経営協会関西本部
講師(社)日本経営協会 専任講師  山岡 洋志 氏

1 財政の現状と財政環境

(1)国の財政と地方財政:増税&行政サービス低下が不可避


①国の財政事情
 歳出構造の問題点:財政の硬直化(国債費、社会保障費、地方交付税で2/3を占める
 歳入構造の問題点:公債依存度37.6%(景気が良くなると利払い増)
②国の債務
 ・国債及び借入金813兆円。公団等の隠れ借金を入れると1500兆円
 ・元利払が○○%になったら借金禁止というルールが必要(議員立法で可能)
③国と地方の役割分担:国民生活に関連する行政のほとんどは地方団体が担っている
④地方の債務:H16末地方債残高は204兆円

(2)財政を取り巻く環境

①国内環境:低成長経済、自由競争社会(奪い合い)、少子高齢化、家庭と地域社会の崩壊(治安悪化)
②世界の環境:地球環境保護、ODA

2 三位一体改革への期待と現実

(1)三位一体改革とは


①意味
 ・国と地方との関係における税財政改革のキャッチフレーズ
 ・国が地方に向かって3つの事項(税源移譲、補助負担金削減、交付税見直し)を同時実施する改革
 ・国と地方、双方同時の抜本的なリストラによる財政破綻回避策
②地方の期待と現実:地方にとって三位一体改革は極めて厳しいもの。後年の交付税措置は期待薄(財政破綻団体が検討されているくらい)

(2)地方における内部矛盾

①都道府県と市町村
 ・都道府県を市町村の分配ルール:移譲された税源の配分(総枠は削減)
 ・都道府県から市町村への権限委譲:国と地方の関係の相似形
 ・政令市、中核市、特例市の増加:市の権限と財源が拡大 → 道州制
②都市と地方:東京都問題(税源移譲で潤うのは東京都だけ)

3 財政の役割

(1)財政の3つの役割


①資源の適正配分
 ・資源:労働(人)、土地(モノ)、資本(金)などの経済資源
 ・配分先:個人、企業、政府などの経済主体
 ・適正配分:最大多数の最大幸福が実現するように配分するが、市場機能で補えない部分を財政が果たす(例:公共財の提供)
②所得再配分:高所得者から吸い上げ、低所得者に配分(累進課税制度、社会保障制度)
③景気調整:日本の失敗は好況時の引き締めを行わなかったこと
 ・好況時:税収を多くし、歳出を抑制(市場からの資金吸収)
 ・不況時:税収を少なくし、歳出を膨らます(有効需要の拡大)

(2)国の役割と地方の役割:財政の役割は「国民生活の安定と福祉向上」

①国の財政の役割:高度成長期までは国主導の財政運営が有効だったが、ナショナル・ミニマム達成後は水準維持に止めるべき
 ・国の財政には柔軟性が求められる(応能的な税を中心にすべき)
②地方財政の役割:住民生活に直結する経常的な仕事
 ・地方財政には安定性が求められる(応益的な税を中心にすべき)

4 地方財政制度の構造

(1)地方税制度


①三割自治:中央集権的な行財政制度のため、地方自治(自主性・自立性)が損なわれている状態を示す言葉
②地方税の性格:広く薄い負担、応益性の強い税制
③地方分権と税制
 ・税源移譲:所得税から住民税への移譲を検討中
 ・税制改革:外形標準課税(法人事業税で導入)
 ・課税自主権の強化:地方自治体が法定外税を独自に創設できる

(2)国庫支出金制度:三位一体改革では国庫補助負担金と呼び、改善中

①国庫支出金の種類:国庫負担金、国庫補助金、国庫委託金
②国庫支出金の問題点:国の地方支配、縦割り行政の弊害

(3)地方交付税制度

①目的:財源調整機能、財源保障機能により地方自治の本旨と地方団体の独立性を強化
②地方交付税の性格:国が徴収する地方税、地方の一般財源、国・地方の税源配分の補完
③地方交付税の種類
 ・普通地方交付税:財源不足団体に交付(交付税額の94%)
 ・特別地方交付税:普通交付税で捕捉されない特別の財政需要に交付
④制度の問題:交付税特会が膨大な借金を抱える(53兆円)

(4)地方債制度

①機能:財政の年度間調整、世代間の負担均衡、一般財源の補完、国の経済政策との調整
②制度改革:許可制から協議制へ(財政力のない団体の資金調達原価が高まる)

5 今後の地方財政

(1)財政運営の効率化


①効率運営が必要な理由
 ・政策の転換:護送船団型政策から自由競争政策へ
 ・分権推進と財政危機:国への依存心を断ち切らなくてはならない
②国と地方の思惑
 ・国の思惑:制度改革を強調(地方財源総額の圧縮と自主性の強調)
 ・地方の思惑:地方交付税制度の温存
 ・財源の三位一体の前に、権限・財源・人の三位一体を考えるべき(人を残したまま権限・財源を手放すことはできない)

(2)住民自治と団体自治

・現在の財政状況は、「住民のための行政」ではなく「行政のための住民」であったことを示している
・国はプライマリーバランスを達成しても、巨大な利払い機関であることに変わりなし
・地方自治は民主主義の学校:サイレント・マジョリティの声が軽視されていないか。特に将来の住民の声は心がなくては聞けない。この国を造ってきた過去の人々の声も同じ。
・今後の地方自治では選挙で選ばれた人の責任が重い:長に比べ議員の存在感が希薄になっている

もうひとつの住まい方研究大会

もうひとつの住まい方研究大会

市政調査費による活動の報告

題名もうひとつの住まい方研究大会日時平成18年3月15日場所工学院大学用件もうひとつの住まい方研究大会2006 ~10年後の地域での住まい・暮らしを考える~に参加概要これから10年の住まいづくりを展望して~マスハウジングからマルチハウジングへ~講師等大阪市立大学名誉教授 住田 昌二 氏

1 2006年は住宅政策の転換年

 ・住宅政策の55年体制(公営・公団・公庫の3本柱)の終焉
 ・住宅建設計画法から住生活基本法へ
 ・新しい住宅政策は白紙 → 地方自治体の取り組みに任せる

2 社会構造の大変動

 ①超高齢化社会
   人口は現在がピーク、世帯数は2015年がピーク、平均世帯人員は2000
   年が2.67人で2015年が2.45人
 ②流動社会化
   ・終身雇用制の崩壊→転職、派遣、フリーターの増加
   ・団塊世代の大量退職→後期高齢者層に接近
 ③情報化社会
   食・住関係の再編、SOHO化
 ④10年後に見えてくるもの
  超高齢社会への移行、家族解体、住宅双六・戸建持ち家像の破綻、郊外社
  会の衰退

3 住宅需要の構造変化

 ①住宅事情の現状
  ・持ち家(123㎡)と借家(47㎡)の階層差、大都市圏と地方圏の地域差
  ・ヨーロッパを上回る持ち家の水準(面積)
  ・異常な住宅着工数、短すぎる住宅寿命(建替年数:米 70年、英 130年
                              日 40年)
 ②フロー財需要からストック財需要へ
  ・大量需要の大波 60年代:戦前世代が公共ハウジングを形成
           80年代:団塊世代がプレハブ住宅やマンション購入
           00年代:団塊ジュニアがまちなか建売住宅を購入
  ・これからはストック財についての多様な需要:レビルド、リフォーム
                              中古販売など
 ③一般層需要から特定層需要へ:高齢者層、単身者層、母子・父子世帯、外
                      国人など
 ④住宅需要のビッグ・ウエーブはもう来ない、住宅産業の衰退は必死。と同
  時に、様々な地域で多様な住まいニーズの発生

4 住宅市場の変化

 ①市場変化の特徴
  ・単一巨大市場から分節小市場へ
  ・売り手市場から買い手市場へ
  ・レディメードからオーダーメードへ
 ②整備の求められる市場:重厚長大な大手企業が参入しなかった分野
  ・建替え市場 ・賃貸市場(公共賃貸住宅市場も衰退) ・中古市場
  ・DIY市場などのリフォーム市場(バリアフリーが中心)
 ③今後の住宅政策は、住宅マーケットへの公共の介入ということになる

5 マスハウジングの終焉

 ①マスハウジングの基本原理:少品種大量生産、短期集中性、スケールメリ
                    ット
 ②マスハウジングの成立条件の消失:人口減少、ファミリー住宅需要の減少

6 マルチハウジングへの転換

 ①全方位政策(マルチハウジング政策):住宅政策から居住政策へ
  ・良い住宅とは:住宅、住まい方、環境のバランス
  ・住まいのサスティナブルなマネージング
  ・円滑な住み替え
 ②マルチハウジングの原理
  ・自己組織性:参加と共生
  ・小規模性:小街区方式の住まいづくり
  ・地域性:地域生産方式(大工や工務店の近代化(生産システムの共有化))
 ③住まいづくりのメーン・ターゲット
  ・公共賃貸住宅のリニューアル
  ・高齢者の住まいニーズへの対応:ケアサービス、住み替え、年金で払え
                       る家賃、バリアフリー化
  ・戸建住宅地における住宅建替えやリフォーム
  ・中古マンションの建替えや大規模修繕
  ・団塊ジュニア層の住まいニーズ
 ④これからの住まいづくりの重要課題
  ・規模拡充の反省(家族の少人数化を招いた)、所有から利用へ
  ・老若男女共生、高齢者や子育て支援ネットワークづくり
  ・住まい教育、専門家の要請、自治体やNPOの連携

その他

もうひとつの住まい方研究大会実行委員会 主催

2006年日本の危機が始まる

2006年日本の危機が始まる

市政調査費による活動の報告

題名2006年日本の危機が始まる
日時平成18年1月26日
場所霞ヶ関・東京会館
用件新春講演会 に参加

概要

2006年 日本の危機が始まる
国際政治コメンテーター・ハドソン研究所  日高 義樹 氏

1 今後の世界情勢
  • (1)アメリカは世界での責任を縮小してゆく:軍事費縮小(世界の警察をやめるということ)
  • (2)世界の景気の中心がアメリカから他の経済圏へ移行する
  • (3)ドルが弱くなる(ドルの危機):①日、サウジ、クウェート、台、韓が米債権を買うことでドルが維持されている。②中国が石油を集めている(武器や製品による物々交換によってドル抜きをねらう)
  • (4)石油危機
2 日本の危機:今後の世界情勢に対する問題意識の欠如
3 今現在のブッシュ大統領の考え
  • (1)イラク戦争(幻想だった)の失敗によってネオコンが退却→世界の警察をやめる→核拡散を心配→金正日を敵視(東南アジアの不安定要素)
  • (2)世界経済の牽引車をやめる
  • ①アメリカの土地価格上昇により若者が土地を買えない状況
    ②中国の経済成長を是認した結果、中国の軍事力が増強された

    ■その他
    (社)日本専門新聞協会 主催

地方議員のための法定外税講座

地方議員のための法定外税講座

市政調査費による活動の報告

題名地方議員のための法定外税講座
日時平成18年1月24 日
場所(社)日本経営協会
用件「NOMA行政管理講座」に参加

概要

  • 地方議員のための法定外税講座
  • 自治体法務研究所 江原 勲 氏

1 自治体の自主財源確保

 (1)地方税の現況
  ・地方税の基本体系は資産と個人住民税
  ・税率は地方税法が標準税率を定めているが、自治体で定められる(例:
   固定資産税の標準税率は1.4/100だが議会と住民の意見を求めて1.7
   /100以上にすることも可能)
  ・課税免除や不均一課税も可(但し、国からの補助金削減もあり得る)
  ・不均一課税で増税しようとする時、法定外税での対応も可能

 (2)法定外税制定及び検討の状況
  ・制定が許可制から協議制に移行した
  ・法定外普通税と法定外目的税の制定が可能
  ・平成18年1月現在で、60団体以上が実施または検討(例:レジ袋税、
   狭小住戸集合住宅税、空調設備室外機税、たばこ自動販売機設置税、ぺ
   ットボトル税、水と緑の保全税、歴史と文化の環境税、環境協力税、等々)

 (3)法定外税の現況
  ・順調に進まない状況が多々ある:課税しやすいものを課税対象(特定の
   業界や観光客、特定の行為など)としていることが原因
  ・地方税は、身近な負担をどうすべきであるかについて、財政支出のあり
   方を含めて住民とともに考えるべきものであり、基本的には当該地域住
   民全体が負担すべきもの

2 法定外税導入の根拠

 (1) 法定外普通税創設の条件
  ①当該地方団体の財政状況が厳しいこと
  ②当該地方団体内において特有の財政需要が存在すること
  ③課税の公平性を保つ必要があること
  ④税源があること

 (2)総務大臣の同意要件:下の3つの事由に該当しない場合は同意する
  ①税または他の地方税と課税標準を同じくし、かつ、住民の負担が著しく
   過重となること
  ②地方団体間のモノの流通に重大な障害を与えること(関税のようなもの)
  ③国民経済に照らして適当でないもの
 (3)法定外普通税と法定外目的税
  ・目的税:税収と使途目的の因果関係が明確なので了解を得やすい
  ・普通税:課税しやすい者を狙い撃つ傾向が強いが、使途が限定されない 
  ・同一のものを課税対象とする法定外税でも、普通税と目的税がある

3 法定外税導入の要件

 (1)課税客体の捕捉
 (2)必要な税収が確保できるか
 (3)課税客体との関係からみて、課税権の適正帰属が可能か(他団体との関
   係)
 (4)税と分担金・使用料の区分が適当か
 (5)法定税目の内容又は趣旨との重複がないか

4 条例作成のポイント

 (1)法定外税の必要性を明らかにする
  ・なぜ必要で、根拠はどこにあるのか、誰がどのような方法で検討するか、
   目的税か普通税かを明らかにする
 (2)課税主体
  ・地方公共団体の課税権の及ぶ範囲は地方公共団体の区域に限られる
 (3)何を課税客体として、誰を納税義務者とするか
 (4)二重課税になっていないか 
 (5)徴収方法
  ・私人への徴収委託も可能

5 法定外税新設の効果と意味

 (1)地域の政策推進と法定外税
  ①行政的課題を解決するための政策的手段
  ②行政サービスに要する費用の確保
  ③アカウンタビリティが重要:時限措置として効果を検証することが必要
  ④公平・中立・簡素な仕組み:徴税コストや地域への影響も検討
 (2)住民の負担増か他住民への転嫁か:国は応能性、地方は応益性を重視

その他

(社)日本経営協会主催

市政調査費による活動の報告

市政調査費による活動の報告

 市政調査費により参加した講演会、講習会について市議会へ提出した報告書をもとにその概要を紹介していますが、これ以前の内容については、現在、旧ホームページのみ掲載されています。

 http://www.mynet.ne.jp/~sekitaka/cyousahi/cyousahi.cgi

 の調査費をご覧下さい。

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