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生存の彼方へ

日時平成22年2月8日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校講座に参加

生存の彼方へ

龍谷大学 講師 廣瀬 純 氏

  • ボリビアでは、10万人が集まって多数決でも代議でもなくコンセンサスを得る試みが行なわれた

  • 生存が危うくなるほどの疲労(生物学的に生存可能な身体的、肉体的条件)を回避する仕組み=代議制、行政など

  • ヤーコプ・フォン・コクスキュル『生物から見た世界』(岩波文庫)におけるダニについての一考:ダニは太陽光と酪酸と動物の体温の3つの情報だけをキャッチする(情報を選別している) → 選別しているから生きていられる。生きるためには選別せざるを得ないが、死ぬ権利とは選別しないことである

  • 「いかなる存在に対しても、いかなる事物に対しても、いかなる幻影に対しても、それらを選別することなく知覚すること」= 開放された状態 = 絶対的な民主主義 = 生きたまま死ぬ権利

働く場所がなくなる

日時平成22年1月18日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校講座に参加

働く場所がなくなる ~新自由主義と雇用~

弁護士 中野 麻美 氏

1 格差社会(貧困と格差の拡大)
(1)OECD対日経済審査報告書から
  • 2003年、労働者の4人に1人が150万円未満の所得(男は10人に1人、女は2人に1人で男女格差は国際的にも大きい)
(2)労働市場の二極化・規制緩和政策と世界同時不況
労働者の使い捨てパーツ化
  • 人間的生活ができない → 憲法25条に抵触
  • 将来展望が持てない
女性労働者
  • 女性は家計補助という考え
  • 企業との結びつきが弱い
  • 仕事と家庭の両立が求められる
  • 生活保護は360万円/年(住宅扶助、教育扶助、生活扶助など含む)、パート時給900円台でこの金額を稼ぐとすると、年間4000時間労働。子ども抱えてDV逃れているような場合は大変:パートなくして企業は回らない現状にもかかわらず、働いて死んでしまうような状況

(3)雇用多様化のポジとネガを生み出したもの
男女雇用機会均等法(1985年)
募集・採用区分ごとに比較する法制度がコース別雇用管理の導入や非正規雇用による採用を拡大し、女性労働の多様化をもたらした:正規雇用では男女平等だが、女性はパートや派遣であれば安く雇える
労働者派遣法
それまで違法だった労働者供給を派遣という形で合法化して女性労働の多様化の法的受け皿を拡大するとともに、流動化をもたらした
労働時間規制の緩和・撤廃
労働時間規制の基本が「労働からの自由」であって、当時の男女のダブルスタンダードは「男性に対する差別的」格差であるのに、「何時間働けるか」の物差しによって女性を男性並みの長時間労動に巻き込み、全体としての長時間労働をもたらした
年金法改正(1985年)と第三号被保険者
いくら長時間働いても自立した生活とは程遠い低賃金パートタイム労働の容認・拡大に拍車をかけ、「新性別役割」を生み出した:日本型雇用でも女性は虐げられてきた
商取引関係の法律は競争促進(使用者は買い叩ける)⇔ 労働法は競争抑制


2 非正規雇用化 ~その質的変換~
(1)バッファーから常用代替へ
(2)低賃金雇用の構造的要因:我々はそれを当然のものとして受け入れた
(3)非正規雇用の買い叩き可能な法的構造(労働の商取引化)
  • 有期雇用
  • 商取引を含んだ労働関係


3 格差を利用した正規雇用の買い叩き ~雇用の液状化~
(1)成果・業績主義処遇 → 過労、ダンピング
(2)選択定年制という名の選別
(3)差別と買い叩きの連鎖

漂流する、させられる若者たち

日時平成22年1月7日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校講座に参加

漂流する/させられる若者たち

NPO自立生活サポートセンター「もやい」事務局長 湯浅 誠 氏

1 雇用の流動化
高度成長~80年代まで(金の卵の時代)
日雇い労働者は建設現場で働き飯場(現場に近い所で雑魚寝)で寝泊り → 特定の現場持たない飯場の登場 → 飯場が山谷などに集約 → 単身男性の街となる(子どもには悪環境)
90年代
中高年齢化とバブル崩壊で仕事がなくなる(山谷などの機能が崩壊)→ 簡易宿泊所に泊まれなくなる → 野宿 → 食料調達が容易な新宿などへ移動(携帯電話で仕事が取れる)→ 社会問題化
雇用代替(雇用の非正規化・流動化)
  • 1985年から法改正が始まり、2004年に製造業でも派遣が可能になる=国策による流動化
  • 現在は人材派遣会社の寮が飯場状態(寮も派遣会社の儲けにつながる)
  • 派遣社員の標準月収は15万円だが、標準の家賃と光熱費で8万円が消える=お金が貯められない


2 公の対応
人は流動化するが、福祉サービスは自治体で行うというミスマッチ
一つの自治体が住所不定者に対応(シェルターや住宅対策)すると、そこに殺到してしまう(例:年越し派遣村や名古屋市中村区)ことを恐れ、自治体での対応が進まない
アパートと路上生活の間(ネットカフェ、カプセルホテル、居候、寮など)の人間も増加している(100万人と予想)が実態がつかめないため潜在化 → シェルターがあれば顕在化し、対策の必要性が叫ばれる


3 対策
住宅
  • 日本は諸権利(年金、国民健康保険、選挙権など)が住宅、住居にぶらさがっている → 住居なくすと権利を受けられない
  • 臨時的シェルターが必要
  • 公的住宅が不足のため、家賃補助や住宅扶助が必要:現代版雇用促進住宅が必要
  • 住宅手当ての支給が始まった:6ヶ月間、生活保護の住宅手当と同額
  • 制度を知らない人が多い
国と自治体の役割分担 生活保護:費用は国3/4、自治体1/4だが、全国でのプールを厚労省が検討

胃袋の連帯は可能か

日時平成21年12月14日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校講座に参加

胃袋の連帯は可能か -農の現場から-

農民・レインボープラン推進協議会委員 菅野 芳秀 氏

1 レインボープランの実践から考える
(1)レインボープランとは何か(人口3万の山形県長井市で行なわれている)
仕組み
  • 生ごみは週2回、市内中心部5000世帯を対象に収集。気軽に注意し合えるコミュニティの人間関係が日本一の分別と良質な原料供給を可能にしている
  • コンポストセンターで3ヶ月かけて作った堆肥を農家に販売
  • 堆肥を利用した減農薬、減化学肥料による独自の農産物認証制度
  • 常設店、取扱店を通じて消費者に帰る。学校給食にも供給
みんなが役割を持ちながら土、農、食にかかわっている
使い捨て社会・資源収奪社会から循環型社会へ:生産と消費を、生ごみを接着剤としてくっつける
一級の食、環境、安らぎのまち:堂々たる田舎町を目指す
三つの理念:循環、共に、土は命の源
2000tの生ごみから400~500tの堆肥
最大の課題:高齢農民に環境保全型農業ができるか、だった
最大の成果:数々の賞が与えられたこともあり、「長井が誇り」という人が増えた


(2)いくつかの教訓 ~大転換期だからこそ、風前にともし火を~
転換期としての認識があった:市民の中にたくさんの力がある(新しい時代を創れる人)
対決軸で考えない:対決軸では何かを壊せるが、何も生み出せない
批判と反対から、対案と建設へ:肯定し認め合う事の重要性
地域づくりはいいとこ集め
プラスの連鎖は女性から:ドミノ倒しの最初をどこにするのかをよく考える
正しいこと言うときには気をつけろ


(3)農を基礎とする循環型社会への転換
生産と消費の役割の転換
地域社会と地域農業の離反から融合へ
自給概念を国家から地域へ転換
部分から全体への転換:総論を地域へ
市民と行政の関係の転換
国家(公共事業)依存の縦型地域経済から、市民と自治体依存の横型地域経済へ



2 地域のタスキ渡し ~いま、振り返って~
理(理念)と利(利益):理念だけでは孤立する。利益だけでは腐敗する
対象に惚れることの大切さ:なるべく具体的な青写真を描く
最も努力して、最後に並ぶ
誠実に生きる
プラス思考:役に立たない経験はない
あきらめない:ウサギと亀の話(ウサギは亀を見ていた、亀は目的を見ていた)
笑顔



3 連帯のための哲学

(1)消費者の立場から生産現場が見えるか
ニワトリ達の解放
i ゲージ飼いのニワトリほど不幸な動物はいない:エサ効率しか考えられていない
ii 19世紀のヨーロッパで生まれた家畜福祉という思想
  • 処理の直前まで、その動物らしく生きる。全ての命はつながっているという思想
  • ドイツでは2007年、スイス・オーストラリアでは2009年にゲ-ジから地べたに。EUでは2012年の予定
  • ドイツにおける解放の原動力は消費者運動
  • 日本の消費者運動は、卵の安全に関心があるが、ニワトリ達にまで思いは至らない
米作りの現場
  • 生産原価を下回る売り渡し価格が13年続いている
  • 再生産が不可能な価格=農業の基盤が崩れる
  • 日本の消費者運動は米の安全に関心があるが、生産現場にまで思いは至らない:国内フェアトレードの必要性


(2)草木塔の思想、土と命の哲学
草木塔:江戸中期に作られたもので、山形県南部・置賜地方に60基。
「草木国土皆成仏」などと書かれていて、草木への謝罪と感謝、命の平等性を表している
「競争を基調とする社会」から「命と循環を基調とする社会」へ
土は命の源
  • 土は、生きていたものによってできている(過去の命の集合体)
  • 土は、これから生まれてくるものが眠っている
  • 土を食から考える:みんな等しく土の化身
  • 土を循環から考える:森の営みを街の中に(農業の問題ではなく、命の問題)→レインボープラン

地球温暖化「世界と日本への影響」 全国消費者大会

日時平成21年11月17日・18日(2日間)
場所浜離宮朝日ホール(東京都)
全労済ホール(東京都)

11月17日

地球温暖化「世界と日本への影響」

基調講演
IPCC ワーキンググループII 事務局長 クリスティ・イーバイ 博士
オランダ デルフト工科大学 スティーブ 教授

  • IPCCは、より良い政策決定のための情報提供機関である
  • 地球温暖化の淡水資源や食糧生産(漁業や林業も含む)への影響が大きくなっている
  • 温暖化は移民、移住、貧困をもたらしている


研究成果から 1 地球温暖化「日本への影響」
(独)国立環境研究所 肱岡 靖明 氏
(1) 全ての大陸と海洋で気温上昇の影響を受けている
(2) 日本への影響
現在
  • 桜の開花など、生態系への影響がでている
  • 農作物の品質低下や適地の移動が起こっている
将来(2050年~世紀末)
  • 温室効果ガスの削減努力しない場合、ある程度の温度上昇までは一部で好影響もあるが、各分野で様々な影響がでる(例:西日本や太平洋側では、ブナ林の適地はほとんどなくなる)
  • 洪水による影響:削減努力しない場合は年間8.7兆円、努力により温室効果ガスの低位安定の場合でも6.4兆円
  • 森林への影響:努力なしの場合は、森林適域が32%に、努力した場合でも64%
大幅かつ早急な温室効果ガスの削減が必要
  • 温暖化の影響は長期に及ぶ
  • 削減の対策とっても、今後20年間は温度上昇が続く


研究成果から 2 日本における豪雨災害
東北大学 准教授 風間 聡 氏
100㎜/hという豪雨の発生頻度が著しく増加する(主に東北~北海道)
土砂災害
  • 降雨変化に伴い危険地域が変化
  • 2030年過ぎに、被害額が現在の6倍以上になり、2100年頃には13~20倍になる
洪水被害:2030年に年間1兆円


研究成果から 3 地球温暖化の健康影響
筑波大学 教授 本田靖 氏
オーストラリアの事例:干ばつによる農業へのダメージによって、自殺や死亡率が増加
下痢などによる死亡も増加する(アフリカ、東南アジアなど)
熱関連死亡への影響
  • 冬期の死亡率は夏期より高いが、冬期間の気温差による死亡率の変化はない
  • 夏期は、気温の高い日ほど死亡率が上がる → 今後の温暖化による影響が心配




11月18日

第48回 全国消費者大会
私たちはなぜ、安心して暮らせないのか

應義塾大学 教授 金子 勝 氏
1 現代の格差と貧困は、なぜこれほど激しくなったのか
バブル崩壊後の失われた10年 + 小泉構造改革 = 失われた20年
小泉改革が格差と貧困を生み出し、新産業創出もなく輸出系の既存企業だけが儲かり、国際競争力は低下した
消費は産業や労働を変えることができる
その為には小泉改革の総括が必要(金融自由化、市場主義、ゼロ金利、雇用費用の減、環境・エネルギーと農業に後ろ向き)


2 貧困や格差の原因は自己責任なのか

 失われた20年で、地域崩壊、子どもの貧困、国家財政悪化、年金崩壊、少子高齢化進展、医療崩壊などが顕在化し、持続不可能な社会になった

3 みんなで安心して暮らすために
新産業(農業とエネルギー産業)のあり方を消費者が求めていく
社会保障や保育などの問題を地域で解決する
民意集約のルートがない政治の打破


パネルディスカッション  みんなで安心して暮らすために
  • 07年の貧困率は15.7%で6人に1人(OECD30カ国中、メキシコ、トルコ、アメリカに次いで4番目に悪い)
  • 日本のホームレスは16,000人
  • 自殺者の6割が無職者
子供について
淑徳大学 准教授 小木曾 宏 氏
  • 少年院に入る少年の70%は過去に重篤な虐待を受けている
  • 年間4万件の虐待、虐待による死亡は年間100件
  • 家庭で生活することを理不尽に奪われた少年たち(暴力・放任・無視)にとって、安心・安全な場が必要。
  • 無償の愛を授けてくれる大人を持たなかった少年たちにとって、待つ大人がいる場が必要
  • 少年たちにとって、仕事は生きる糧。未熟で傷が癒えない彼らが仕事をしていく力を獲得するには多くの失敗と時間を要するので、就労支援の職場や資格取得の支援制度が必要
  • 子どもの頑張りで何とかなる状態ではない


若者について
NPO法人 自立生活サポートセンター もやい 富樫 匡孝 氏
「もやい」とは
  • 野宿者支援から始まる
  • 保証人提供、生活保護申請同行、20~30代のための居場所作り
  • 相談件数は週50件超
事例から
  • 家族に苦しむ若者たち:「いい若い者が家の中でブラブラして」「おまえが悪いからクビになるんだ」など、現在の雇用情勢を認識できない家族
  • セーフティーネットの未整備:いざとう時にどうすればいいか、誰に聞いても分からない
  • 病院も役所も警察も、誰一人、生活保護の話をしなかった:問題が長引くことのコストを考慮する必要性
  • 自分を支える要素(家庭状況、派遣などの就労状況など)の弱い人ほど生活ができない状態に陥りやすい


高齢者について
NPO法人 ほっとポット 宮澤 進 氏
ほっとポットの活動
  • 生活困窮者支援が2年半で1000件超
  • 職員は全て社会福祉士か精神保健福祉士で、個々の多様な生活課題に適切な福祉・法律などの社会資源をコーディネートしている
  • 住居喪失した方に、1年を目安に部屋を提供し、自立を目指す
活動を通じて見える貧困
  • 健康で文化的な生活(生存権保障)はどこにいったのか
  • 「H20犯罪白書 高齢犯罪者の実態」によると、窃盗事犯者の犯行動機として、生活困窮が66%、空腹が19%:犯罪に至る前に機能すべきであった福祉の相談専門機関が機能していない(制度と情報の貧困)→ 一般社会には見えにくい
  • 高齢者、障害者、病弱者、子供が真っ先に被害を受けている

仕事・家族・教育の循環

日時平成21年11月9日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校講座に参加

仕事・家族・教育の循環をいかにして再構築するか

東京大学 大学院 教授 本田 由紀 氏

1 社会変化のイメージ
高度成長期~バブル経済崩壊まで
時間の経過と共に、豊かさや地位が増加する
90年代以降
  • 「別々の閉ざされた世界」の出現と、それぞれの内部の同質化
  • それらの世界の「垂直的格差化」と相互の無視、憎悪、侮辱、羨望
  • 個々の世界の中で、負の特徴が出現し顕在化
  • 別々の世界を広く覆う共通の圧力(例:自己責任論)が、それぞれの世界の分断をますます強くする


2 若者の働き方の変化
正規雇用者が減り、非正規雇用者が増えた
非正社員の苦境
  • 賃金:パート・アルバイトの9割が年収200万円以下で、高年齢になるほど賃金格差拡大(日本特有)
  • 脱出困難と不安定雇用:貧困と将来展望のなさ、スキルを要しない単純作業、継続的な人間関係形成の難しさ(個々が切り離されている)。典型が日雇い派遣
  • それでも暴動が起きない理由:親世代への依存が可能
正社員の苦境
  • 長時間労働化が進行(海外と比べても異常な長時間労働):10年以上にわたる採用抑制で、従来の職務を少人数でこなす
  • 昔ほど上がらない賃金
  • 心身を病む正社員の増加(精神障害の6割は30代以下):体力があるので精神にでる。同年齢集団の縮小、成果主義、就労形態の多様化により、ギスギスし始めた職場の人間関係
  • これらの結果、不満や病気による離脱の増加
格差意識:大卒や院卒などの有利な層ほど格差認知が低く(格差はないと思っている)、格差拡大を是認している
違法な処遇(残業代もらえない、有給休暇とれない等)は非正社員に多い
非正社員は、やりがいを感じる割合が少ない


3 家族・教育・仕事の連動
家庭の教育意識・行動の分断の拡大:子供の成績が上がって欲しいと考える母親の割合は、大卒or短大卒の母親が、それ以外の学歴の母親より高く、その比率差も広がってきている
1ヵ月あたりの教育費にゆとりがあると答える割合は増加、ゆとりがないと答える割合も増加 → 二極化
東京都立高校を調査した結果、偏差値の高い高校ほど中学時の成績上位者が通い、偏差値の高い高校ほど通学時間が長い
高学歴の若年者しか大企業に入れない傾向が年々強まっている


4 社会変化の構造的把握
バブル崩壊により、完全失業者と貯蓄非保有者が増加し、日本社会の底が抜けた → 時代背景が違うため、団塊世代は団塊ジュニア世代を理解できない
経済成長率:1956~73年は平均9.1%、74~90年は平均3.8%、91~08年は平均1.1%
教育への公的支出が少ない=教育の家計への依存の大きい
世界的に見て、富裕層と貧困層との格差は大きい
富の拡大の停止・縮小のもたらすもの
  • 争奪の激化(裸の拳の殴り合い)、有利な層による争奪ルールの歪曲
  • 同時に、富や地位の争奪への懐疑の広がり
  • 上記2つの矛盾下にある個人
  • 目下の利潤を確保するための最大限の効率追求、しかし、しばしば近視眼的ないし形骸的効率追求に終わる
分断を生み出すもの
  • ネオリベラリズム化の市場主義、普遍的相互尊重としての「社会」の脆弱さ
  • 組織、集団、層内の凝集性(ボンド)の過剰な強さと所属による内外差別、所属を超えた関係性としてのブリッジの脆弱さ:ボンドへのしがみつきとボンドを失った場合の孤立
  • 発言による変革(内部に留まりながら改革を目指す)への諦観、幻の出口(離脱と選択)への希望がもたらす自己責任化
日本の「学校と仕事の関係」の特徴
i 高度成長期~90年代初頭
  • 学校卒業とともに、大半が正社員に移行
  • しばしば学校や教員、OBが就職を斡旋・支援
  • 学校で職業能力を身に着けていることは期待されない
ii 90年代半ば以降
  • 正社員になるルートが細くなり、もう一つのルート(非正社員)が現れる(ダブル・トラック化)
  • 二つのルート間に大きな隔たり
  • 非正社員ルートの出現が正社員ルートに影響
ダブル・トラックの背後にあるもの
  • 両トラックの相対立する原理
  • 正社員(作業なき帰属意識):強固な参入制限、「包括的人事権」による職種・勤務地等のフリーハンド的決定、要因管理(マンパワー×労働時間=業務量)の発想の欠落が生む過重労働、専門性の阻害が生む非効率性
  • 非正社員(帰属意識なき作業):抱え込む価値の低い労働の切り出し、必然的に低スキル作業への偏り


5 若者の論じられ方
フリーター論の変遷
  • 1980年代~90年代半ば:「フリーター」=「新しい自由な働き方」
  • 90年代後半:「フリーター」=「気楽、モラトリアム」(パラサイト・シングル論)
  • 2000年代初頭:「フリーター」=「決められない・働くのが怖い」
  • この間、一貫して「フリーター」の増加は若者自身の職業意識の変化が原因とみなされる
  • 2003年:フリーター増加の最大の理由は企業の採用抑制(国民生活白書)
  • 2004年~:ニート論の台頭
日本におけるニート論の特徴
  • 若者の心理・意識の強調:ニートは自分に自身がもてない等
  • 「ひきこもり」との類似性を暗に含意:ニートの多くは、働くことだけでなく、全てに悲観的。引きこもりもニートの一部など
  • 家庭や親の責任を強調
  • 「ニート」という言葉の拡大適用 → 不活発さの象徴に:ニート主婦、家庭ごとニート、社会人のニート化など
  • 恣意的な原因論と対策論:愛国心が足りない、残虐ゲームのせい、自衛隊に入ってサマーワに行けば3ヶ月で変わる等
強調される人間力
  • 各種調査や報告書に登場
  • 「人間力」「生きる力」の主要全国紙への登場回数が増加
「フリーター」「ニート」以後
  • 2006年以降、マスメディアにおける若者バッシングや「ニート」という言葉の出現率は減少
  • 代わって、「ワーキングプア」「ロストジェネレーション」「ネットカフフェ難民」「貧困」など、現実をニュートラルに表現する言葉の増加、若者が参加するユニオンや様々な活動・発言も増加
  • 「フリーター」「ニート」への否定的な見方は強固に存続し、彼らの置かれている状況には大きな改善なし


6 働き方の変化の背景:3つの区別すべき要因
不幸な偶然:バブル期における団塊ジュニア世代の過剰採用と、団塊世代の中高年化が、バブル後の長期不況で急激な若年採用抑制をもたらす
後戻りできない世界的変化:グローバル化、生産サイクル短期化が安価でで量的調整が容易な非典型労働力需要を拡大
日本の学校と仕事の奇妙な関係:学校教育の職業的意義(労働基準法なども含めた職業的知識や技能の獲得)の希薄さ、正社員の供給源を新卒者と他社での正社員経験者に限定しがち、抽象的採用基準による新卒一括採用(人事部が一括していて、必要な部門に必要な人を探さない)が生み出すミスマッチのリスク


7 必要な対策
循環の再構築(もともと異常だった戦後日本型循環モデルには戻らない)
  • 仕事:ある程度の安定性、収入、向上機会を備えた「適正な働き方」の回復、自らが担う仕事領域そのものへの誇りの形成
  • 家族:固有の原理(情愛や余暇の充実)の回復
  • 仕事→家族:リスク分散としての共働き、ワークライフバランス
  • 教育:学習内容の意義の回復、格差の最小化と個々の学習者への承認の付与
  • 教育→仕事:新卒一括採用慣行の克服と教育の職業的意義(適応+抵抗)の向上
  • 家族→教育:費用と意欲の面での教育の家族依存を切断
  • セーフティネット:仕事・家族・教育の隙間を公的な社会保障で満たす
目指すべき若年労働市場
  • ほどほどの作業とほどほどの帰属意識を通じたキャリア形成
  • 正社員と非正社員間の柔軟な移動と均等処遇
自己責任の転換
  • 孤立した自己に閉ざされた自己責任から、「自分の苦しい状態は社会構造によるものであり、その社会構造を変革する責任の一端を自分は担っている」という自己の社会的責任へ
日本社会の多くの課題
  • 分断された各部分間でのパイの分配のあり方についての議論と合意形成
  • パイの争奪競争に代わる意味や価値の模索
今の日本にはない、真っ当な社会の最低限の要素
  • ある時点で不利な状態に陥った人が、いつまでも不利でい続ける必要がなく、
  • 人々が出来るだけ不利にならないための準備や支援が幅広く提供されており、
  • 人々が自分の尊厳と他者への敬意をもって生きていくことができる、
  • そういう社会を少しづつでも作っていくための地鳴りを生み出す必要性

新時代シンポジウム

日時平成21年11月3日
場所SYDホール(東京都)
用件’09新時代シンポジウム「大転換期の展望と選択」に参加

1 思風庵哲学研究所 所長 芳村 思風 氏

  • 現在は、西洋的価値観→東洋的価値観、理性重視→感性重視への過渡期
  • 日本では、太平洋(アメリカ)→日本海(アジア)の時代への過渡期
  • 資本主義経済=お金を目的とする経済=アメリカ的経済→人間を中心とした経済への過渡期
  • 時代は変化を求めていて、変化対応力(問題の後追い)では乗り切れない
    →自ら変化を創り出す、自由独創の精神が重要
  • 人格主義経済(経済活動により人格が向上する江戸時代の商法)を復活させる必要がある
  • 政党なき政治が重要(政党政治→合議政治)
  • 民主主義社会(権利を主張し合い、責め合う)→互敬主義社会(愛を基にする)実現が重要
  • 遷都が有効:風土を変えることにより、違う文化や文明を創り出す。また、内需創出の効果もある



2 林英臣政経塾 塾長 林 英臣 氏

  • 内なる声を聞け~素直さが必要:自分の持っているセンサーを生かす。自分を通して全体を知ることが出来る
  • 「どう考えるか」が感性を創っていく
  • 21世紀は大混乱に陥るが、それを救うのは東洋
  • 世界が行き詰った原因は部分観にある。全体観を養わなければならない。そして、全体観には「扇の要」が必要
  • 原点と大局をつかめ
    原点:日本とはいかなる国かを知り、感じる(例:世界から集まってくるモノを纏める力がある)
    大局:東西文明の波動交代に乗れ(800年サイクル説)
  • 原点と大局をつかんだ上で、志を立てて天命に生きよ



3 エッセイスト 福田 純子 氏

  • 現代は、どれが本流か分からない時代
  • 環境適応能力(どの道に行ってもうまくいく)が必要
  • 被害者が加害者を赦すことで生まれるものは大きい(例:日本は原爆投下されたが、10年で相手を赦し、30年で友達になった)
  • 登山の時代→下山の時代へ
  • これからの時代:二極化、リーダー不在、女(母:母性)の時代



4 シンクタンク 藤原事務所 所長 藤原 直哉 氏

  • アメリカ(西洋)覇権の崩壊:国々(個人も)が横に手を取って生きていく(巨大な力で世界を動かすことはできない)
  • 混乱(古いものが整理される時)は必ず終息する:混乱に混乱しないこと
  • 現在のような乱世は今日の事を考えていてはダメ:明日や未来を考える
  • 量子論の時代:モノも想いもエネルギー。想いが大切



5 はる研究院 代表 大和 信春 氏

  • キーワードは三重終末
    200年続いた資本主義社会体制の終末(資本や市場はなくならないので、経済はあり続けるが)
    1600年ぶりの西洋文明の終末
    人類前史の終末
  • 今回の変化は、明治維新+戦後というレベルの変化ではない



6 パネルディスカッション  林 英臣 氏  福田 純子 氏  大和 信春 氏

大和 氏
  • 20世紀の成功定義(偉くなる、儲ける)が終わる
  • 平凡な人は、変化を見て元に戻ろうとする(例:中心商店街):時代の潮流が読めない
  • 仕事を原点に帰って見つめる:それが必要で、役に立つか
  • 資本主義の終わり:営利(利益追求)→営義(役立ち追求)
福田 氏
  • 降りていく生き方の時代:山に登ったら降りなければならない。降りて初めて成功となる。降りるときに景色が見える
  • 意識によって集まる時代:理論や理屈で集まらない
林 氏
  • 国家の寿命:ヨーロッパは尽き、EUへ向かっている。アメリカはもう少しあるが、チャンピオンではなくなる
  • 共生文明の時代(人と人、人と自然)
福田 氏
  • 渋柿や 渋がそのまま 甘さかな:自分で自分を笑うことが大事
大和 氏
  • 明治憲法制定は明治22年である。つまり、幕末から長い時間かけて変化し、安定した:その時代を生きていた人は、いつが転換点だったかは知らない
林 氏
  • 転換期は、破壊期と創成期からなる
  • 幕末の志士が学んだもの
    i国学・神道:原点回帰(日本とは何か、日本の原点)
    ii蘭学・洋楽:世界の大局
    iii儒学・陽明学
福田 氏
  • 神道は、全てに感謝し、汚れを嫌う。
  • 大変な時代は、支え合いが大切:どれだけ仲間がいるかがカギ
大和 氏
  • 大変な時代は自分の役割や天命に目覚める時代
林 氏
  • 二宮尊徳:困った時は人を助ける(俺が俺がと言う人は淘汰される)
大和 氏
  • 偉い人は、苦しい時ほど種を蒔く(次の手を打つ):上杉鷹山や小林虎三郎

自らの手で新しい公共を生み出そう

日時平成21年10月15日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC講座に参加

「自らの手で新しい公共を生み出そう」

NPO法人コトバノアトリエ代表  山本 繁 氏
1 社会的起業に求められる要素
社会性・社会的センス
問題発見(例:ホームレスが多い、ニートや不登校の増加)→問題分析→課題発見→対策立案(ソリューション開発)
事業性・事業的センス
ビジネスモデルを考える→プライシング(値付け)→創業→経営

2 社会的起業がうまくいかない理由
そもそもソリューションがソリューションになっていない(やっても解決しない)
ビジネス的に成り立たない
本人たちの実力不足(創業・経営の問題)

3 実践例(注:コトバノアトリエがフリーターやニートの若者支援をしてきたノウハウが基礎となっている)
(1)トキワ荘プロジェクト
社会性:東京の高額な家賃が、若者たちの挑戦と成長の足かせになっているのではないか?という問題意識のもと、2006年8月からスタート(このプロジェクトは漫画家志望者を対象)
事業性:漫画家志望の若者に格安で住居を提供する(NPOが一軒家を借り、若者の共同生活の場とする)ことで、クリエイターとしてのスタートアップ期を支援(1年更新で、最長3年間支援)。現在15棟に70数名が居住(ほぼ満室)。月額3.2~5.8万円だが、敷金・礼金無し、光熱水費、家具・家電、インターネット回線料込なので、実質家賃は2~2.5万円程度

(2)中退予防研究所
社会性:日本では、年間13万人以上が大学・短大・専門学校を中退し、その後、約6割が一貫してフリーターまたは無職(ニート)。中退がフリーター・ニートの川上問題である。 また、ニートの増加は将来の生活保護費増加をもたらす。
事業性:厳しさを増している大学経営の観点では、中退の増加は収入減につながる(80万円/人・年)。インタビュー調査により、中退理由は「人間関係」か「学習意欲喪失」で、中退のリスクについても楽観視していたことが分かった。大学と提携し、自然な人間関係が作れる工夫・教授へのカウンセリング・生徒に短期目標を持たせるなどの対策を行なう。

ワンクリックで世界は変えられる

日時平成21年9月17日
場所PARC自由学校
用件PARC講座に参加

「ワンクリックで世界は変えられる」

ユナイテッドピープル(株) 代表取締役 関根 健次

1 イーココロ
ユナイテッドピーピル社(世界の問題の解決策を提案・提供する企業)が運営するNPOやNGOへの無料募金サイト
仕組み
  • スポンサー企業は広告費を支払い、イーココロに出店。ユーザーが会員登録(無料)して買い物、資料請求、アクセスをするとポイントが貯まる。ポイントはユーザーが支援したい団体に寄付(1ポイント= 1円)できる仕組み
  • 出店企業は本、家電、花、食品、旅行、保険等など様々なジャンルに及ぶ
  • クリック、買い物、資料請求といったいつも通りのインターネット利用で募金が実現する

2 イーココロ クリック募金
会員登録や買い物、資料請求しなくとも、クリックだけでNPOやNGOに無料で募金できる(募金費用はスポンサー負担)サイト
仕組み
  • サイトには、○○会社の支援している植林事業、××会社の支援する地雷撤去などのメニューが並んでいる。ユーザーが関心のある事業をクリックすると1円が募金され、支援している会社のHPなどが立ち上がる。
  • スポンサーにとってはアクセスの増加、ブランディング(顧客にとっての価値を高める)効果が見込める。社会貢献意識の高いユーザーが多いので、目的を持って広告を見てもらえる。
  • 月に7万人がアクセス。これまでの累積募金は04年数万円、07年1000万円、08年2000万円、09年5000万円に達する見込み

3 オンライン署名サイト「署名TV」
  • 多数の声を結集し、市民の声、有権者の声としてメッセージを届けられる
  • 会員登録をすると署名活動を始められる:署名活動の開始は有料。NPOやNGOは無料
  • 署名するだけの人は無料
  • 累積署名プロジェクト数870件、うち600件が進行中
  • 累積署名数50万件、うち15%がモバイル
  • 月に20万人がアクセス
  • 会社の売り上げは広告収入

学校給食学習会 自治政策講座

日時平成21年7月29日から7月31日まで3日間
場所 7月29・30日 ローズホテル横浜
7月31日  自動車会館(東京都)
用件 7月29・30日 学校給食学習会 に参加
7月31日  自治政策講座 に参加
学校給食学習会

「食育と学校給食、政策と学校給食現場のギャップ」

学校給食ニュース 坂下 圭貴
1 学校給食法改定のポイント
食への感謝の念や学校給食を通した地域文化への理解、郷土への愛着など、食育推進上の教育的意義を明確にする
学校給食実施基準を法体系に位置づけ
栄養教諭の役割・義務の明確化
学校給食衛生管理の基準を法体系に位置づけ


2 学校給食法の課題
学校給食の実施者は誰か:地方自治体だが、実施基準と衛生管理基準の権限強化で自主性が薄れるのでは
学校給食を義務化せず実施できるのか:推奨法(やるならこの方法)のまま、給食センター化も認める(食育法は単独が望ましいとしている)現状で食育の目標が達成できるのか。栄養教諭の配置も不安定なまま
更なる合理化につながるのでは:民間委託、センター化、加工食品や大量生産品の利用などの道を広げるのではないか
学校や地域の特徴を生かせるか:実施基準で柔軟性が失われるのでは


3 学校給食センター化の流れが加速
大規模センターの現状
1万食を超えるセンターが07年で全国19施設。計画中、建設中も多数
センター化急増の理由
  • 老朽化、更新期
  • 市町村合併によるシステム統合
  • 少子化による学校統廃合
  • 学校給食法改定と衛生管理基準強化への対応
  • 地方財政問題
  • PFI方式が可能となった(初期の財政負担が減少)
合理化通知≠センター化促進
「合理化通知は単独調理場を共同調理場に変えていくという趣旨として出したものではない」(2004年 文科省)
山口県周南市では13000食のセンターが計画されていたが、食育を理由に単独・親子方式に転換


4 学校給食の現実
正規調理員の減少(委託やセンター化による)
民間委託が増加
食材の発注も委託業者が行う事例あり(食材の質の確保は大丈夫か)


5 食育と学校給食
栄養教諭
食育推進計画での位置づけ:各地域の栄養教諭を中核として、学校、家庭、地域住民、保育所、PTA、生産者団体、栄養士会等の関係機関・団体が連携・協力
地場産使用が運動から政策へ
  • 食育推進基本計画で、学校給食の地場産物使用割合目標は30%以上
  • 今治市の食材調達のルール
    産地優先順位は学区→市内→県内→地域内→国産で、有機農産物を優先し国外産は使わない



「地産地消に根ざした食育の方向性」

日本獣医生命科学大学 教授 佐々木 輝雄
1 食の意義・役割
食は体をつくる:体は3ヶ月あまりで総改装
食は能力をつくる:頭のネットワーク(シナプス)は食事の内容次第
食は寿命をつくる:血管年齢・骨年齢・腸年齢の若さはバランスある食事。生活習慣病にも影響

2 輸入が止まれば悲惨な状態
ご飯でさえも毎日食べられない
主な食品の自給率:野菜79%、豚肉50%、牛肉43%、魚57%、大豆5%、果物41%

3 食材・食品を捨てる日本
毎日3000万人分(供給の1/4)の食材を廃棄
飢えている人:10億人(増加中) 飢えで死ぬ人:年間500万人以上

4 日本の食料過剰と食生活の乱れ
外食依存症:食支出の中で、外食+中食(パンや弁当など)が44.5%
⇒糖分、塩分、脂肪、添加物の取り過ぎ
増える単身者
  • 男性単身者で食事を作れる人は18.9%(家事を知らない単身高齢者は悲惨な状況)
  • 総世帯数は4956万で増加中:単身世帯、夫婦のみ世帯が増加
大学生アンケート
  • 結婚するなら料理のできる人・・・男女とも90%前後
  • 料理をまったくしない人・・・男46%、女38%
  • 男女が互いに苦手を相手に期待

5 食育基本法
食育の目的
  • 何を、どのようにして料理して、どのような心がけで、どのように食し、どのように伝えていくか
  • より良く生きるために、食を通して考え、実行していく
  • 智育、徳育、体育の基礎となるべきもの
いくつかの視点
  • 生産から食卓までを学ぶ:流通で働く人の役割を知る
  • 食べ方、作り方、体への作用:食の作法、栄養と体の関係を知る
  • 食からの人生:誕生から死までの食の大切さ、有り難さ、楽しみ方を知る

6 食育の進め方
(1)食育の内容
基礎の習得
  • 食の場のコミュニケーション:一家団欒の楽しさ
  • 食に関する基本所作:マナー
基礎の理解
  • 自然の恩恵などへの感謝:モッタイナイ
  • 食文化:郷土料理、年中行事と行事食
健全な食生活の実践
  • 食品の安全性:食中毒、衛生
  • 栄養のバランス:偏食の悪さ、生活習慣病の理解
  • 食生活リズム:朝の欠食、早寝早起き朝ごはん

(2)2006年 武蔵野市のアンケート結果より
家庭で行いたい食育:「食べ物を粗末にしない」「規則正しい食事」「作法としつけ」が上位
給食に期待する食育:「栄養バランス」「偏食の矯正」など若い親の苦手な点が目立つ

7 地産地消のすすめ
(1)地球上の自然法則
食は命のもと
  • 4里四方の食材を大切に、身土不二
  • 風土が体をつくる(例:日本人はアルコールや牛乳の消化弱く、腸が長い)
食の供給を他民族任せの国はない
生き物は全て地産地消
  • 生き物は自分の縄張りを持っている
  • 餌が足りなければ他の地域へ
  • それでも餌が足りないと「飛ぶ、泳ぐ、冬眠」で地産地消を維持

(2)地産地消の範囲
目的により範囲の想定が変わる
  • 食材や調理法を大切に→市町村が多い
  • 生産者の顔が見える、安全な食材→都道府県単位が多い
  • 日本食、和食を大切に(≒自給率向上運動)→日本全体が範囲
共通項
  • 産地や生産者が把握できる
  • 新鮮である

8 地産地消で食育を
(1)学校給食への食材提供
①食育推進基本計画にみる地場産使用の推奨
  • 地場産物:顔が見える、話ができる(生きた教材)
  • 3つの効果
    i 地域の自然、文化、産業を理解
    ii 感謝の念を育む
    iii 地産地消の推進
    
地場産野菜等を導入するときの利益配分の理念
  • 生徒に:美味しさと関心を(次世代に食育で夢を託す)
  • 地元農家に:供給継続を可能な価格保障を(農業衰退ストップ)
  • 学校、調理場に:調理上の手間を負担し、調達不安の克服(マイナスの利益配分にならざるを得ないが、使命を貫く)
利点と課題
  • 学校(保護者)にとって:食育の進展
  • 農家にとって:新たな生きがい(栽培意欲増進)、種類と量に応えられるか、経理などの事務処理をどうするか
  • 調理場にとって:規格の不ぞろいのため、調理上の苦労が大きい。農産物の生育度によって使える部分が変わる
  • 他の課題:配送の手配や負担。給食費値上げの問題
地場産の利用可能性モデル
  • 農家個人との契約が主:武蔵野市、昭島市等の都市住宅地域
  • 農家グループとの契約が主:日野市等の住宅地と農地の調和地域
  • 地域農協や直売所との契約も含む:埼玉県、栃木県等、農業維持を行政目標にしている地域
  • 給食食材の調達ルート
    i 学校給食会(都道府県単位に存在)に依存 
    ii 学校が基準を作り取引企業を選定
    iii 品目ごとに入札で調達
    iv 栄養士等が農産物生産者や加工業者と関係づくり
    
  • 戦略的展開
    i 地元枠の設定(地元農家の価格上の優位性が少ない場合)
    ii 農家のグループ化(供給日時や量を補い合う)
    

9 武蔵野市の事例(学校給食が最高レベル H19に文科省より表彰)
(1)よい給食の要素
安心できる食材選び
  • 市内産野菜の使用率約20%
  • 減、低農薬栽培野菜約80%
  • 米は農家との契約栽培米で7分ずきの米を使用
  • 伝統食材も使う:ひじき、高野豆腐などの乾物類も使う
手づくり調理へのこだわり
  • 半調理品、カット野菜、化学調味料を使用せず
  • 調味料:国内産、原材料生産者の明確化(鶏がらスープやカレールーなども一から作る)
  • 残留農薬、遺伝子組み換えについても独自の検査を行う
積極的な食育
  • 栄養士による栄養指導とクラス訪問指導(紙芝居やビデオも作成)
  • 調理実習
  • 保護者との交流(定期試食会)
食農教育:一部の小学校では食材供給農家での農業体験を実施
財団法人での運営を検討中

(2)セカンドスクール(農山漁村で宿泊しながら体験)も先進地
  • 開始:小学校全体で1995年から、中学校全体で1996年から
  • 目的:人間として自立するための基礎的能力を身につける
  • 実施機関:4~7泊(全員参加が基本)
  • 実施場所:長野県、山形県、新潟県、山梨県など(学校が選定)
  • 2008年4月から文科省、農水省、総務省の連携で同様のプランがスタート



「新しいアレルギー対応マニュアルにおける学校給食現場と保護者、子供たち の関係性について」

NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク 事務局長
赤城 智美
1 学校のリスクコミュニケーションネットワークの構築が必要(危険回避の ための対話を充実)
危険の中身をはっきりさせること
  • 何が、どのくらい危険、その根拠
  • 設備、人員、経験、環境について検討
全ての情報を関係者全員で共有する
情報の更新が必要(学年や担当者は変わっていく)

2 学校生活管理指導表(アレルギー疾患の児童生徒の情報を把握するため保護者が記入)
配布されたが保護者への聞き取りはない事例がある
提出したが、今までと変わらない事例がある
診断書を提出したが、「これでは不足」と言われた事例がある

3 教育の機会均等(≠みんな同じ)
どの子も健やかに学ぶ権利を持つ
支援があって初めて同じになる子(例:下肢障害児)に対して、どのように支援するかが重要
子ども自身が意欲的に食に立ち向かう力を身につける場とならなければいけない

4 食物アレルギーの傾向
症状の傾向
皮膚症状91.2% 呼吸器31.3% 粘膜症状28.8% 消化器症状(嘔吐、腹痛、下痢)14.6% ショック症状(ぐったり、血圧低下)10.1%
年齢ごとのアレルゲン傾向
加齢とともに鶏卵や乳製品は減るが、甲殻類や果物は増える

5 感受性の背景
 残留農薬、食品添加物、ダイオキシン、水銀、植物が持つ毒性、カビ

6 農薬による体への影響
農薬(化学物質)の作用
量が少ない間はほぼ影響がないが、一定量を過ぎると影響が表れる
トータルボディロード(体の許容限界)
これを超えると、急激に発症→解決策は化学物質の総量を減らすこと
腸内細菌叢への影響
  • 腸内には100種類以上、100兆個の最近が棲んでいる
  • いろいろな菌が棲み分けてバランスを保っている
  • 腸内細菌叢のバランスが悪化すると腸内の微生物が毒素を出し免疫バランスに影響を与える
  • 残留農薬や食品添加物などの化学物質は腸内細菌叢のバランスを乱す
悪循環
  • 食料費中の外食比率、食料費中の加工食品比率、妻の就業者数はいずれも増加傾向
  • 最近の子は、微量のアレルゲンを持つ子が増加している



自治政策講座「持続可能な社会へ 自治体の再構築」 「いま問われる地域社会政策 貧困・格差への行政の役割」

上智大学 社会福祉学科 教授 栃本 一三郎
1 プロローグ
 人口減少と高齢化で、衰退する地域もあれば、維持できている地域もある

2 疑問
 社会福祉の領域での様々な自治体計画は本当に真に求められるものなのか? うまく機能しているのか?

3 社会福祉領域の計画の特徴
老人保健福祉計画、介護保険事業計画、児童分野、障害者分野の自治体計画のうち、介護保険事業計画だけは財源があり必要度が高いので機能している
社会福祉の個別領域の中の計画で連携がない
福祉領域の計画で広がりがない
市民の参画はほとんどない(参加は一部見られる):市民参画には長時間、多数回の検討会の開催が必要

4 錯誤
社会福祉領域での様々な計画は、社会学者や社会計画学者、社会福祉系学者に依頼し、またシンクタンクを活用して策定している→叩き台がそのまま計画になる
それらは真に地域福祉の向上に繋がっているか? 真に自主的な計画か? 実効性は?
結果的に計画作りだけに終わっている:心を込めて計画を作った人がチェック(See)しなくてはならない

5 結果
計画作りに終わる理由
  • 計画という手段が政策という認識で理解されていない(施策であっても政策ではない)
  • 政策学者が加わっていない
  • シンクタンクに依拠している
行政職員も「やらされている」意識で、行政能力の向上に繋がらない。自治体職員は施策は作れるが、政策を作ることは難しい
地域住民の格差や貧困の解決に繋がらない

6 展開
社会福祉から社会政策へ、制度から政策へ
社会福祉について、中央政府では政策をうまく作れなくなっているので、地方政府が作る時代



「地域社会の保全と再生  撤退の農村計画」

慶應義塾大学 環境情報学部 准教授 一ノ瀬 友博
1 はじめに
 消極的撤退→自然消滅
 積極的撤退→農村地域の選択と集中

2 日本の農村地域を取り巻く状況:グローバルとローカルの摩擦
世界的な人口爆発と日本の人口減少
日本の人口:鎌倉時代760万人、江戸幕府成立時1230万人、江戸時代中期3130万人、明治維新3330万人、2100年推計低位4640万人
世界的な農作物の需要増大と日本の食料自給率の低迷
過疎化の進行と耕作放棄地の増加
限界集落問題の顕在化:2035年には国土の4割に人がいなくなる

3 日本の農村地域の変化
江戸時代の人口増加を支えた農村地域→いまは限界集落
自給的な農村地域のあり方と国土管理
必ずしも自然豊かではなかった過去の里山の姿
第二次世界大戦後の国土計画と農村地域における過疎化の進行

4 農村地域の問題
優良農地においても(圃場整備済の農地でも)起こる耕作放棄の問題
→人間関係の希薄化
限界集落化(居住地化)から廃村へ:消極的な撤退の進行
農業が支えてきた自然環境の消滅:里地里山が支える生物多様性
荒廃する農地と林地:誰が国土を守るのか

5 農村地域における選択と集中の必要性:全ての集落の活性化は非現実的
積極的な撤退により必要な資源(資金、人口、労働力)を必要とされる場所(ゾーニングが必要)に投入
集落移転という選択肢と跡地管理のあり方
流域単位(水のつながり、歴史的つながりがある)における多様な主体による国土管理:地方都市を中核とし、50年後の維持を目標
国土レベルにおける選択と集中の必要性:集落移転も視野に入れる。放牧や自給生活の場の提供

6 地方自治体が担う重要な役割
市町村レベルにおける中長期的な戦略的将来像の策定:集落の持続性診断(集落健康診断)。指標はコミュニティ、立地(傾斜)、人口、高齢化率、公共サービス水準、住民意欲などなど
キーパーソンとなる職員の育成:金より人、リーダーよりキーパーソン(企画・調整・事務局がこなせる人)、集落支援員制度も活用
外部の人材の受け入れと積極的な高等教育機関の活用
流域圏と伝統的文化圏における広域連携
ファミリービジネス、コミュニティービジネスを基盤にソーシャルイノベーション(社会変革)をファミリービジネス、コミュニティービジネス:地域課題を分析し、問題解決とビジネス展開。個益と公益のバランスを保つ。地域資産を生かしたスモールビジネス

ポスト新自由主義の世界

日時平成21年7月6日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC講座に参加

「ポスト・新自由主義の世界を読む いまこそ資本論 見直されるマルクス」

雑誌編集者  嶋 崇
1 プロローグ
  • 資本論は物理学のニュートン理論のようなもので、現代でも通じる理論
  • 資本論は勘違いされているようであるが、共産主義の本ではなく、資本主義の批判本でもない。資本主義は人類の発展段階の一段階に過ぎない


2 資本論(第1巻)
(1)商品が全ての基礎になる
    商品には2つの価値(性格)の側面がある
        ⅰ 自分の為でなく他人に使われる
        ⅱ 交換によって他人の手に渡る

(2)商品の価値はどう決まるか
売る側は交換価値(金を介して他のものを手に入れる)として商品を作り、買う側は使用価値(例:パンであれば腹を満たす)として商品を買う
使用価値を作り出す(例:パンを作る)のが具体的労働で、交換価値を作り出すのが抽象的一般労働
労働価値説:働いた時間(労働)が商品の価値に変化する

(3)近代経済学の価値理論(価格と価値)
  • マルクス:価格≠価値
  • 近代経済学:価格=価値

(4)お金の登場と価値
貨幣の3つの機能
i 価値の尺度としての貨幣(商品に入っている価値を示す)
ii 流通の手段としての貨幣
iii 貨幣としての貨幣(傷まないため、価値を貯められる)
モノサシとして機能するお金(商品)は等価形態にあるが、モノサシによって計られる側の商品は相対的価値形態にある
・ある商品が一度貨幣になると、単なる商品という以上の性格を身に付け、強大な魔力を発揮する

(5)貨幣が持つ「価値の蓄蔵機能」
貨幣があることで蓄蔵欲が出てくる:蓄蔵貨幣形成の衝動は、その本性上、限度を知らない
蓄蔵のための蓄蔵←これが厄介な問題
  • 奴隷が1000個パンを作っていた時代→奴隷が1000個パンを作って貨幣に換える時代に
  • 貨幣は社会の道徳的破壊者となった

(6)資本主義の価値の作り方
一般的な商取引:求められるのは使用価値
  • W1(商品)―G(貨幣)―W2(商品)で、W1=W2(価値を増やさない)
資本の運動:求めているのは交換価値(お金)
  • G1-W-G2でG1<G2(価値が増える)
資本の運動の推進的動機と目的は「交換価値の増殖」
  • 不変資本(C):原料や機械はそのままでは価値を増やさない。
    不変資本=労働手段(生産手段)=原料+工場や機械など
  • 可変資本(V):余剰価値を加えるのは労働力。資本家が買うのは労働ではなく労働力(労働能力)
  • 余剰価値(m):新たに作られた価値
  • G1-W-G2を分解すると、G1-W(C+V(原料等+賃金))、W(C+V+m)-G2
「労働の生み出した価値」と「労働力の価値」
  • 明日も働けるだけの体力(労働力)を維持する費用(賃金)=生きた個人の再生産<○時間分の労働が生み出した価値
  • 「労働の生み出した価値」のうち、労働者に支払われるのは「労働力の価値」のみ
  • 労働者が交換価値として売る労働力
  • 資本家が使用価値として使う労働

(7)資本の「交換価値の増殖衝動」のもたらす影響
労働者を降伏させる機械化
i作業の単純化(女性や子供の労働問題)
ii労働時間の延長
iii労働強化
生産労働からはじき出される労働者
・1861年イギリスでの人口調査(総人口2006万人、就業可能人口800万人)で、大きな格差が生じていた
農業労働者         109万8261人
全ての繊維工場の労働者   64万2607人
炭鉱・金属鉱山の労働者   56万5835人
金属工場・金属加工業労働者 39万6998人
召使階級(格差の象徴)   120万8648人
モノが溢れるが価値が増えない
労働者が追い詰められる:出来高払いが管理しやすいし、余剰価値も増大する
資本家は非道なのか?:社会システムの問題であって、資本家は悪ではない

(8)資本主義の発展がもたらすもの
資本構成の高度化:人より機械に投資されていく
資本の有機的構成が高度:機械の構成が高い
資本の集中(企業淘汰や合併)が起こる:富の集中と貧困化が進む
  • この問題を労働運動により解決してきたが、資本主義の暴走の果てである新自由主義により逆戻り(守ったのは資本だけだった)

3 資本論を超えて(マルクスは、どうすれば良いかは書いていない)
  • 便利になっても労働者はその便益を享受できない
  • 生産システムの問題と社会システムの問題とを分ける
  • 無限の価値の蓄積(資本主義の行動原理)とワークシェアリングといったような考え方とのバランス

市民農園、オール電化

日時平成21年7月2日から平成21年7月3日まで2日間
場所7月2日 モンベルクラブ渋谷店
7月3日 浦和コミュニティセンター
用件7月2日 NPO法人日本エコツーリズムセンター主催「エコツアーカフェ」に参加
7月3日 環境テーマグループぐるぐりん主催 「エネルギーを考える会」に参加

「市民農園の楽しみ方」

日本クラインガルテン研究会
事務局長 粕谷 芳則

    ・特定農地貸付法は農地法に穴を開けた(農民以外でも農地を耕せる)

1 市民農園の歴史
  • 産業革命時(貧富の差が生まれた)の英国で食糧自給を目的に生まれた

2 ドイツのクラインガルテン
  • クラインガルテンとは「小さい庭」という意味
  • 全国に100万区画、1区画300㎡、25年or一代続けて利用可
  • 20人に1人が現地のクラインガルテン協会の会員
  • 緑地として位置付けられている
  • 24㎡以下の小屋(利用者のもの)を有する(家族で楽しむのに十分なスペース)。
  • 農薬を使わない有機栽培(太陽光や雨水利用のエコ農園もある)
  • 全て自分たちで行う
  • コミュニティの場になっている

3 日本の市民農園
  • 3,273ヵ所、16万区画、1,137ha(農家開設農園含めると30万区画)
  • 都市地域では、日常型農園が多いが滞在型農園は少ない。農村地域では日常型は少ないが週末型・滞在型が多い。中山間地では日常型は少なく滞在型が多い
  • 日常型の中心は4~60代。滞在型の中心は6~70代
  • 有機でやっている農園もある
  • 滞在型では過疎が止まった地域もある(地元民も誇りを持つ)
  • 滞在型では、平均で年間40万円の利用料。食費や交通費含めて年間100~120万円ほど
  • 滞在型市民農園:優良農地にはほとんどない。1区画800~1,000万円の建設費で、これに対し行政補助が1/2。現在全国に1100区画あり、人気が高く、今後のリタイア数を考えると足りない状況

4 今後の課題
  • 滞在する人を地域でどう使うか。利用者を縛るとうまくいかない
  • 農の多面的価値を明らかにする(生きがいや園芸福祉など)
  • グリーンツーリズムと市民農園の連携
  • 市民農園の余った作物を販売できるようになった(販売目的はダメ)



「オール電化は環境にやさしい?」

へんじゃないかい世話人 環境問題研究家 田沼 博明

1 ハウスメーカー
  • テレビや新聞はスポンサーである産業側の不利益を報道しにくい
  • 宣伝には多大な費用がかかるので、商品価格を上げるか、製造コストを下げるしかない。いわゆる大企業が、安い価格で良質な住宅を提供することは不可能(住宅代金の4割を宣伝営業に当てている)
  • 世界には、地域ごとの工務店はあっても、日本のようなハウスメーカーはない。
  • 日本の住宅平均寿命は25~30年で世界で最も短い
  • 静岡大学の実験結果:木製、鉄製、コンクリート製の飼育箱でマウスを育てると、木箱で育てたマウスの生存率は85%だったが、コンクリート製では7%だった
  • あるハウスメーカーの調査:インフルエンザによる学級閉鎖の割合は、木校舎の場合は10.8%だが、鉄筋コンクリート校舎では2倍
  • 鹿児島県では木造校舎も復活している

2 エコキュート
  • 余っている夜間電力(原発)を利用してお湯を沸かすのだが、現在では原発が作り出す電気だけでは夜間の消費量を賄いきれなくなっている
  • エコキュートを利用すると夜間の電気料金は割安になるが、昼間の電気料金は高くなるので、高齢者世帯など料金は高いものとなる
  • オール電化割引を受けるには、ガスの配管は禁止され、石油ストーブの使用も契約違反になる
  • 太陽光発電装置の生産エネルギーによるCO2排出量は、太陽光発電の4~8年分の削減量に等しい(長期使用できないと逆効果)

3 IH調理器
  • 電磁波が発生するが、その影響は未確定→予防原則に従って避けるべき

PARC講座に参加「株式会社? NPO? それとも~」

日時平成21年5月28日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC講座に参加

「株式会社? NPO? それとも~」

NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会
 事務局長 松原 明
1 法人制度
  • 契約や所有の主体(事業や活動の主体)は2つある。①自然人 ②法人
  • 法律に基づいた法人⇔人格なき社団(任意団体で自然人が代表者)
  • 代表者が死去した場合、①は相続税かかるが②はかからない。①は契約打ち切りだが②は契約継続
  • 法人のメリット:仲間を増やす、継続させる
  • 企業や行政は①と契約したがらない(特に行政)

2 これまでの社団・財団法人(2008年までは公益法人)
  • 2013年までに二つに分類される ①一般社団法人・一般財団法人 ②公益財団法人・公益社団法人
  • ②は公益認定が必要で、利益を出しすぎると料金下げる等で2~3年で使い切らなくてはならない

3 営利とは
  • 営利法人:株主が会社に出資し、会社は利用者や消費者に財サービスを提供することで代金を得て、コストを引いた利益を株主に分配する。いかに利益を生むかが重要。
  • NPO法人、社団法人:NPO等は会員や寄付者からお金を集め、利用者に財サービスを提供し(代金が生じない場合もある)、コストを引いた利益は次の活動に使う(分配しない)。やりたい事のために、いかに金を集めるかが重要。代金の有無や高低、給料の高低はさほど重要ではない。
  • 日本の株式会社の7割は利益が出ていない(世界的に珍しい)→株主が会社役員で、何かと経費で落とすことが多い
  • NPO法人も利益出さなければやっていけない
  • NPO法人は多様な人を巻き込める(行政マンも含む)
  • 誰を巻き込んで、何をするのか(どんな思いか)によって法人を選ぶ
  • NPO法人は、顧客(≠利用者)=お金を払う人(支援者を含む)を集めなくてはならない⇒ビジネスモデルが必要(最低限、団体経営のコストが必要) 例:寄付を集め古城を買収・整備→観光料金・グッズ販売収入・ファンクラブ収入→新たな古城買収
  • NPOは問題の解決の前に解決しようとする人を増やし、巻き込むことが大切

調査費利用情報の更新(H20.07.29~H21.02.12)

平成20年07月29日から21年02月12日のセミナー等の参加情報を調査費利用の資料として追加しました。

平成21年02月12日「投資を変えることで社会を変える」「おカネから社会を変える」
平成21年01月23日生存権 ―- 「生きさせろ」と社会保障制度改革
平成20年12月15日出来レース貿易
平成20年11月26日ここまでできる都市農政
平成20年10月29日グローバリゼーションに対抗する道
平成20年10月20日河川文化を語る会
平成20年09月27日都市問題公開講座
平成20年09月07日システム思考入門セミナー
平成20年08月27日気候講演会
平成20年07月29日プラスチック製品中の重金属類分析調査結果 説明会

シンポジウム「日本版バイオ燃料持続可能性基準の策定に向けて」に参加

日時平成21年4月28日
場所アルカディア市ヶ谷(東京都)
用件シンポジウム「日本版バイオ燃料持続可能性基準の策定に向けて」に参加

エネルギー政策におけるバイオ燃料の位置付けと取組み

資源エネルギー庁 燃料政策企画室長 安居 徹 氏
1 新国家エネルギー戦略における石油依存度の低減
現在、日本の運輸部門の石油依存度はほぼ100%の状況
新国家エネルギー戦略(2006年)においては2030年までに80%に引き下げることを目標
80%を実現するため、わが国の強みを活かした次世代バッテリー、燃料電池、クリーンディーゼル、バイオ燃料、IT化等を内容とする「次世代自動車・燃料イニシアティブ」(2007年)をとりまとめた

2 「次世代自動車・燃料イニシアティブ」
(1)エンジン革新
バッテリー:次世代自動車バッテリープロジェクト
  • 普及促進モデル事業の実施、電池安全性評価試験法等の制度整備
  • 2010年コンパクトEV、2015年プラグイン、2030年EV車本格普及を目指す
水素・燃料電池:技術開発とインフラ整備に配慮
  • 水素インフラ整備を念頭に実証試験を実施
  • 2030年までにガソリン車並の低価格を目指す
(2)燃料革新
クリーンディーゼル:低燃費でクリーンへとイメージ一新
  • 関係者連携でイメージ改善、普及推進策、技術開発を着実に実施
  • 2009年以降、世界で最も排ガス規制が厳しい日本市場にもクリーンディーゼル乗用車の本格普及を目指す
バイオ燃料:制度インフラ整備と第二世代バイオ(食料と非競合)
  • バイオ燃料の品質確保のための制度インフラ整備等
  • 次世代バイオ技術開発の加速化。2015年までに40円/リットル
(3)インフラ革新
世界一やさしいクルマ社会構想:IT活用
  • 産学官の検討体制を創設し、実証プロジェクトの具体策を検討
  • 2030年までに都市部の平均走行速度2倍を目指す(現在、東京:18km/h、パリ26km/h)

3 京都議定書の目標達成と新エネルギー導入見通し
  • 我が国は、バイオエタノールを一つの重要な再生可能エネルギーと位置づけている
  • 京都議定書目標達成計画では、2010年までにバイオエタノールを含むバイオ燃料を原油換算50万KL導入することを目指している
  • 長期エネルギー需給見通しにおける新エネルギー導入見通しでは、バイオ燃料を含むバイオマス熱利用は2020年度に約290万KL~330万KL
4 バイオ燃料導入に向けた政策展開
(1)当面の取組み:導入促進のための制度整備
改正品確法の施行(本年)
  • バイオ燃料の混合事業を行う事業者に対する登録制の創設
  • バイオ燃料の混合事業における品質確認制度の創設
ガソリン税の免税措置の施行(本年より5年間)
  • エタノールをガソリンに混合する場合、混合したエタノール分についてはガソリン税を免税
流通体制の着実な整備
  • ETBE、E3についての流通面での品質管理のノウハウ整備等を目的に実証事業を実施し供給体制の整備を促進
(2)今後の課題
課題
  • バイオ燃料の食料との競合
  • バイオ燃料の持続可能な生産・利用(森林破壊への影響など)
  • 供給安定性、経済性
対策
  • セルロース系の第二世代エタノールの技術革新(食料と競合せず、持続可能性の課題も克服できる)
  • 国際的な基準策定への参画



「バイオ燃料持続可能性研究会」とりまとめの説明

三菱総合研究所 主席研究員 井上 貴至 氏
1 EU、EU各国、米国、国際機関(GBEP)等での検討状況
(1)概要
英国、米国で事業者へのバイオ燃料導入義務制度と組み合わせた持続可能性基準の運用が行われている
EUでも持続可能性基準を定めた指令が採択され、加盟各国で具体的な運用が進められる予定
(2)持続可能性基準の視点(環境分野を中心に運用・検討されている)
環境:GHG(温室効果ガス)削減基準、土地利用変化、生態系・生物多様性、水・土壌、大気
経済:資源利用効率、経済発展、技術
社会:食料、労働・賃金、土地・水の権利
(3)EU再生可能エネルギー指令案の概要
バイオ燃料導入目標:2020年10%
持続可能性に関する制度
  • GHG削減:化石燃料に対する削減率35%以上
  • 社会影響:欧州委員会が社会的持続可能性と食料競合について2年毎に報告書提出
基準達成のインセンティブ:認証されたバイオ燃料のみを各国の目標達成量として算定

2 EUにおける運用状況
(1)GHGに関する持続可能性基準
  • 土地利用変化の扱いについてはGHG排出を20年に均等配分して計上する
(2)土地利用に関する持続可能性基準
  • 生物多様性の高い土地で原料生産していない(生物多様性の高い草地を欧州委員会が指定)
  • 炭素貯留の高い土地(湿地や高質な森林等)で原料生産していない

3 我が国における持続可能性基準の適用可能性
(1)GHG削減効果
ガソリン比35%削減の水準を満たすものはブラジルのサトウキビ(サバンナの転換以外)、東南アジアのキャッサバ(土地利用変化なし)、多収量米(エタノール製造時のエネルギーもバイオ)、稲わら・籾殻(エタノール製造時のエネルギーもバイオ)
同50%を満たすものはサトウキビ、多収量米、稲わら・籾殻
現状の効率水準を想定すると、持続可能性基準を満たすバイオ燃料の調達は容易ではない
(2)食料競合(FAOによる予測)
バイオ燃料導入拡大による穀物価格上昇の可能性
途上国において主食の食品価格が10%上昇した場合、ほとんど全ての世帯で負の影響



パネルディスカッション

泊 みゆき  NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事長
  • 化石燃料をバイオマスに置き換えることは出来ないので、エネルギー需要の削減は必須
  • 土地利用転換、食料生産との競合の考慮が必要
  • バイオ燃料より電気や熱での利用が高効率の場合がある
  • バイオディーゼルは小規模で成功しやすい
  • 液体バイオ燃料を成功させるのは難しい
  • 国内では経済性などの面で、廃食油以外はバイオ燃料に不適
斉藤 健一郎  新日本石油㈱ 研究開発企画部 副部長
  • バイオETBE配合バイオガソリンの販売開始(エタノール化)
  • バイオ燃料供給の安定化のため、バイオ原料生産に着手(セルロース系)
大賀 圭治  日本大学 食品経済学科 教授
  • 食糧供給に影響しないバイオ燃料はない
  • 現在は、原料はトウモロコシ(飼料と競合)が主流
  • 原料生産は耕作放棄地の利用から取り組み始めるべき
  • 森林伐採は逆効果
大西 茂志  全国農業協同組合連合会 営農総合対策部長
  • 多収量米を原料としたバイオエタノールを生産しSSで販売(1000kl/年)
  • 水田農業振興、籾殻も活用、残渣は餌や炭で還元
  • 米粉用や通常米に比べると農家の収入は低下
安居 徹  資源エネルギー庁 燃料政策企画室長
  • バイオマスは発電熱利用のほうがCO2削減に有効だが、燃料利用もやり易さや経済性から取り組む意義はある
  • E3の使用(エタノール混合率3%)は車への影響なし(ゴムの劣化などもなし)→CO2削減の即効性あり
  • E10の使用には車の改造が必要
遠藤 順也  農林水産省 バイオマス推進室長
  • 菜の花プロジェクトや廃食油利用などのバイオディーゼルは小規模、バイオエタノールは大規模
  • バイオメタノール(セルロース系から生産)にも取り組む(離島のエネルギーに適する)

「第1回 エコ印刷研究会セミナー」に参加

日時平成21年4月22日
場所環境パートナーシップオフィス(東京都渋谷区)
用件「第1回 エコ印刷研究会セミナー」に参加

環境報告書の環境配慮

エコ印刷研究会事務局  奥山 淳 氏
1 環境報告書の印刷物としての環境配慮は不可欠な取組み
企業の社会的責任:環境負荷低減は企業活動に欠かせない取組み。中でも環境報告書が環境に過大な負荷をかけるものであってはならない
環境配慮の見える化:印刷物としての環境アピール。企業価値向上に寄与
標準指標:環境配慮レベルの高い印刷物が多く、注目が集まっている
先行事例:環境報告書を先進的な環境配慮印刷物として製作し、その成果を会社案内や広告宣伝物など、全ての印刷物に拡大(全体の負荷削減)

2 環境偽装問題の影響と環境表示
(1)環境偽装問題:再生紙、非木材紙、大豆油インキなど
・信頼性が喪失→環境報告書への環境表示が大幅に減少
(2)再発防止策を講じ、環境表示の再開が必要
企業の社会的責任の一環:環境対応の見える化、環境意識の普及
②あいまいな表示は逆効果
  ・例:R100マークの表示→「再生紙を使用しました」の表示

3 印刷物の環境負荷
:年間3100万トン使用(うち1150万トンは印刷情報用紙)
・繊維原料の4割がバージンパルプで、その7割以上が輸入材
VOC(揮発性有機化合物)排出:印刷は全VOC発生の13%
・塗装に次ぐ2番目の発生源
廃棄物:家庭ゴミの7割が何らかの印刷物と言われている

4 印刷物の環境対応
(1)印刷用紙の選び方
古紙パルプを最大限活用する(古紙配合率の高い用紙を選ぶ)
バージンパルプを使用する場合は、合法性・持続可能性(森林認証材や間伐材など)に配慮
信頼性・担保力:製紙会社の自己主張→第三者認証
その他の配慮項目:有害物質、漂白方法、坪量(紙の重さ)、白色度、塗工量など
(2)大気汚染・VOC排出削減
水なし印刷:VOCを大幅削減
VOC配慮型インキの採用
(3)リサイクル対応
リサイクルに適した資材のみで印刷物を作る
・リサイクル適性Aランク(A~Dがある)資材のみを使う
古紙リサイクル案内表示:リサイクル適性の識別表示
・古紙再生適性マークの使用
(4)地球温暖化対策
カーボンオフセット・グリーン電力証書の活用
カーボンフットプリントによるCO2排出量表示
印刷業者は環境優良型事業者(ISO14001、グリーンプリンティング工場認定制度)を選定:印刷会社が外部委託を行う場合もチェック

5 環境報告書ならではのポイント
紙の厚さ:厚すぎない
定型サイズ:定形外の場合、印刷効率や梱包配送が非効率
表面加工:屋内使用で長期保存目的でないので不要
製本:針金中綴じ。ページ数が多く接着剤を使用する場合はリサイクル対応型を指定
環境配慮表示:マークの説明文を表示する
社会貢献活動その他:読みやすさへの配慮、ユニバーサルデザイン、カラーユニバーサル
配送方法:エコメールなどの簡易包装・省資源型の配送方法。封筒使用時は古紙パルプ配合率の高い再生紙封筒を使用

PARC講座「グローバル経済を読みとく”お金リテラシー”」を受講

日時平成21年2月12日から平成21年2月13日まで日2間
場所PARC自由学校(東京都千代田区)
用件PARC講座「グローバル経済を読みとく”お金リテラシー”」を受講
2月12日

投資を変えることで社会を変える

(株)インテグレックス 代表取締役社長 秋山 をね 氏
1 (株)インテグレックスについて
ウォールストリートでの体験:もうけ第一主義(短期的・表面的評価)
SRI(社会責任投資)との出会いから半年で起業
どれだけ利益を上げているか→どのようにして利益を上げているか(長期的評価)を重視
2 SRIとは
従来型の財務分析による投資基準に加え、社会が求める企業社会責任(CSR)により企業を評価し、安定的な収益を目指す投資手法。株式投資を通じて、企業に影響力を及ぼし、社会責任を果たすよい企業を応援するという考え方で、アメリカで生まれた
米国のSRI
  • キリスト教の価値観、倫理観による投資基準
  • エンロン、ワールドコムの不祥事を契機に企業倫理、コーポレートガバナンス(企業統治)を重視
  • 現在では気候リスクが重視されている
  • 実施形態はネガティブスクリーニングが主:非倫理的とみなされるもの(たばこ、アルコール、ギャンブル、原発、軍事関連など)を排除
  • 社会責任投資残高は2.7兆ドルを超える
欧州のSRI
  • 欧州統合と競争力維持:低賃金国への工場等の移転→EUの財政基準のため、雇用問題を財政出動で解決できず→企業に雇用問題を解決させる仕組みとしてのSRI(年金運用にSRIを組み込んだ)
  • 社会責任投資残高は2兆ユーロを超える
日本のSRI
  • 個人向け公募ファンドが中心
  • ’99年~’03年にはエコファンドが流行
  • 全投資残高に対するSRI残高割合:欧米は12%、日本は1%
3 企業社会責任(CSR)とは
「言っていること」と「やっていること」の一致
3つのキーワード
  • 社会との共生
  • 持続的成長
  • 競争力
企業理念を実現するための組織づくり(基本は誠実さ)
4 CSRへの取組み評価(インテグレックスの評価モデル)
経済的側面:品質、価格、サービスの競争力
社会的側面:人、社会、環境へのやさしさ
経営の誠実さと透明性(企業体質):リーダーシップ、コミュニケーション(ステークホルダーとインターナショナル)、マネジメントシステム(コンプライアンス、リスクマネジメント)
’08年に800社を評価(日本の大企業の9割をカバー)
2月13日

おカネから社会を変える

未来バンク事業組合理事長 田中 優 氏
1 異常な額のアメリカへの外貨準備
  • 対アメリカ貿易黒字よりも、アメリカに貢いでいる(米国債)金額の方が圧倒的に多い→貿易黒字だから国債買わなきゃという理屈は通らない
2 ‘71年のニクソンショック以降、ドルは20倍発行された
ドルは金との兌換性をなくすと、20倍も発行された。その間、、世界中はただの紙切れに全ての商品を譲り渡した
ドルは1/20に価値が落ちてもおかしくない
3 少子高齢化の将来予測
政府発表の見通しは、現実には常に低位の値に一致している→100年後には人口半減
政策変更が必要
4 現在の日本経済とインフレ
国の赤字は現在1000兆円。個人資産は現在1500兆円だが、個人ローンを引くと実質は1000兆円
少子高齢化の進行によって税金・公的負担が増加
財政改革は進まず国の負債は増大する:所得の7割が税金等で持っていかれる
5 円安とハイパーインフレ
  • やがて国の赤字額が個人資産額を上回るようになる→足りない部分を海外投資家から調達→日本の状況から、相当な高金利にならざるをえない→円暴落しハイパーインフレになるかもしれない
6 貯蓄と実現する未来(カネで表現した現実が実現する)
年金、簡易保険、郵便貯金→財投機関→ダム、原発、ODA、IMF→環境破壊、人権侵害
銀行預金→日本の短期国債→アメリカ国債→戦争費用
農協→農林中金(世界銀行債の最大の買い手)→農業自由化
投資信託→グローバル企業→エンロンなど→カジノ経済化
7 非営利バンクの設立
全国で設立されている
カネを東京に集めず、地域で循環させる仕組み
未来バンク
  • ’94年に7人400万円で始めたが、今では2億円の出資額を持ち、累計で8.5億円以上を市民に貸し出した
  • 貸し倒れゼロ、引当金500万円
  • 融資対象は環境、福祉、市民事業で金利は3%の固定で単利
8 単利と複利
単利と複利では、最初は支払いの差はないが、無限を前提とする複利はどんどん支払いが増えていく
自然は単利でしか成長しないが、経済は無限が前提の複利になっている
9 返済率の高い理由
信頼は年輪のようになっている
  • 中心は一番信頼する家族や友人
  • その周りは、ある程度信頼していて欲しい金融機関
  • さらにその周りは、できればカネを貸して欲しい都市銀行
  • 一番外側は、自治体など、信頼されなくても困らない相手
返済されるためには信頼の内側に入り込む(目的の明瞭化など)ことが重要で、不動産などを担保することではない
10 おカネの使い方
未来からカネを奪うか
カネで未来を届けるか
11 事例:天然住宅
森を守りながら健康にいい住まい方をする
くんえん乾燥材の使用
  • 燻煙乾燥木材は日本家屋の柱が囲炉裏からの煙でいぶされ、数百年の耐久性を持つのと同じ原理
  • 反りや狂いが少なく、美しい
  • 化学物質を使わずダニやカビを寄せにくくする
  • 国産杉を資材とし、森林活性化に貢献
  • 燻煙の材料には木材の樹皮やおがくず等を使用するため、環境にやさしくローコスト
どうしたら金持ちでない人に届けられるか
a 建物そのものの価格を下げた(通常では坪単価で100万円以上)
  • モデル化による工期短縮
  • 建具のノックダウン化(自身で組立てる)
  • 現在は坪70万円程
b 家のローンの金利を下げた
  • 金利4%の35年ローンだと、家3000万円に対し金利だけで2574万円になる(人生最大の買い物は家ではなく家のローンだ)
  • オフセットモーゲージローン(家のローン額に対し本人が同じ銀行に持っている貯蓄分を無利子にすることで、ローン負担がずっと少なくなる)の導入
c 生活費を無理せず圧縮する方法をアドバイス
  • 生命保険料の合理化:過剰な保険加入になっている場合が多いので、精査すると月額35,000円程安くなる
  • 「将来に備えた貯蓄」は、「将来の支出の減少が得られる資産形成」と同等:天然住宅は長寿なので建替え費用が減少する
  • 家計の光熱水費:省エネ家電買い替え、高断熱化(木製サッシなど)、ペレットストーブなどへの融資やカーボンオフセットの活用
12 カネで貸してモノで返してもらう仕組み
農家におカネを出資し、農作物で返済してもらう
農家は借り入れと販売先が同時に見つかる
出資者は、どんな時にも農産品が長期的に届く安心感を得られる
偽造困難な「はがき商品券」(生産者が発行する)を活用
13 まちおこしはバケツの穴をふさぐことから
全ての村が一村一品運動をしても売れる商品は少ない→供給側を見ていると失敗する
需要の可能性を見極め、供給を地域化することが重要
二つの資産:持ってて支出を要するものは資産でなく負債
  • 収入が得られるもの
  • 支出を減少させるもの
生活の百姓:金がなくても暮らせる仕組み
  • 百姓とは百の仕事を持っているということ
  • 生活の多様化:会社だけにぶら下がるのではなく、地域やNPOや友人ともつながる生活

グローカル座標塾を受講

日時平成21年1月23日
場所文京シビックホール(東京都文京区)
用件グローカル座標塾を受講

生存権 ―― 「生きさせろ」と社会保障制度改革

ピープルズプラン研究所 白川 真澄 氏
1 生存と自由
派遣切りにあう人は、今年3月までの半年間で3万人と言われていたが、少なくとも8万5千人と言われている。更に4月以降も派遣労働者の解雇が続くとみられている。非正規雇用が雇用全体の1/3以上
この5年間で凍死した人は400人、年平均80人。餓死する人も同程度
派遣労働者はほとんど失業手当てを受け取れない
生活保護は生存権保障の最後の拠り所。受給者は増えているが、その数はワーキングプア(3人世帯で年収200万円という貧困ライン以下の人々)の1/4程度にすぎず、申請しても受けられない人が多い
2 社会保障制度とは何か
(1)「顔を知らない者」同士の社会的連帯の仕組み
日本国憲法では「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」と生存権を規定している。そして、生存権は社会保障制度によって保障される
人間は誰でもリスク(不確実な危険)を背負っている。リスクとは、事故、火災、病気、失業などの危険
リスクへの二つの対応
  • 個人が貯蓄などを行い、自己責任(自助)によって対応する方法で、所得が高いか、資産がある人間に限られる。(新自由主義に則った小泉改革)
  • 皆が助け合って共同して対応する(リスクシェアリング=保険制度)
社会保障制度は、社会保険制度と所得再分配制度(国民全員を強制加入させる制度)から成り立っている
社会保障制度は、人々の生存権を保障し、人々が多様な生き方・働き方を実現する基礎となる
(2)社会保険制度
保険制度(リスク・シェアリング)はリスクに対し、各人が資金(保険料)を拠出してプールし、集団で備える仕組み
二つの保険
  • 民間保険:リスク比例保険料方式で自己負担に近い。応益原則
  • 社会保険:平均保険料方式で強制加入。応能原則
(3)所得再分配
高所得者に累進所得税を課して富裕な人々から多くの税をとり、貧困者への公的扶助だけでなく、医療・介護・年金・教育・保育などのサービスを提供する
公的扶助(日本では生活保護)制度は、収入がなかったり生活できない所得しか得られない貧困者に対し、税金を使って援助したり保護を与える制度である
(4)社会保険方式と税方式
運用方法
  • 社会保険方式では、保険料を払わない人は給付を受けられない(年金、医療、介護、失業手当など)
  • 税方式では、税金を納めない人でもサービスや現金給付を受けることができる(生活保護、教育、保育など)
3 福祉国家にならなかった日本
第二次世界大戦後の復興期から高度経済成長期にかけて、産業インフラ整備(公共事業投資)に財政を重点的に投入した。1970年の対GDP比の政府固定資本形成を見ると、軍事国家のアメリカ、福祉国家のヨーロッパ、企業(土建)国家の日本と特徴づけられる
社会保障制度の確立を先延ばしできたのは、福祉を家族(子による親の扶養や介護)と企業(社宅などの企業内福利厚生)に依存できたから
日本は福祉国家に成熟することなしに、新自由主義の福祉国家批判(企業の競争力重視)に同調し、社会保障費を抑制する行財政改革路線に転換していった(1981)。
4 小泉「構造改革」と社会保障制度の縮小
少子高齢化に伴い、社会保障給付が’04年86兆円から20年後に152兆円に膨らむ予測をもとに、自己負担や保険料の引き上げを行った。
医療制度改革:サラリーマンの窓口負担2割→3割。70歳以上の高齢者の自己負担が定額→1割。長期入院患者の食住費→自己負担。高額医療費の自己負担限度額引き上げ。後期高齢者医療制度導入
年金制度改革:高齢者への給付額を引き下げる保険料固定方式への転換と、保険料率の段階的引き上げ
介護保険改革:軽い要介護認定度者へのサービス打ち切り、施設入所者の食住費を自己負担、介護保険料負担増
障害者自立支援法:応能負担→応益負担(日本だけと言われている)
5 社会保障制度の危機
医療分野の危機
  • 医療サービスの供給不足:医師数抑制政策による医師不足、地方交付税削減や財政健全化法による公立病院の縮小・閉鎖
  • 医療を受けられない人の急増:国民健康保険証の取り上げが増加
高齢者介護の危機:介護サービスの担い手不足(最も高い離職率)
  • 全労働者平均の7割という低い賃金と過酷な労働
  • 介護保険から支払われる介護報酬が低く抑えられてきた
年金の危機:公的年金制度そのものへの信頼低下
  • 年金保険料未払い者の急増
  • 基礎年金の給付額は生活保護を下回っていて、最低生活保障の機能を果たしていない
  • 非正規雇用者で、厚生年金に加入できない人が多数いる
雇用保障の危機:非正規雇用労働者の生存権を守る仕組みがない
  • 雇用保険の条件「週20時間以上働き、1年以上の雇用継続の見込み」に合致しない非正規雇用労働者が大半
  • 自己都合退職は会社に有利(国からの助成金を受けられる)で、労働者に不利(雇用保険の資格や給付が厳しくなる)なので、自己都合を強要される
6 消費税引き上げ議論
(1)日本の国民負担率は40%と国際的に低い。新自由主義の目指す「低福祉・低負担社会」から「高福祉・高負担社会」への転換が必要:負担を増やすか増やさないかの選択ではなく、共同の負担を増やすのか自己負担を増やすのかという選択である
(2)消費税アップの前に行うべきステップ
個人所得税の累進性強化(最高税率70%が現行は40%)
相続税強化(70%に戻す)
証券優遇課税の撤廃
ガソリン税などのエネルギー課税を維持したまま環境税に組み替え、社会保障費に向ける
法人税の引き下げは行わず、大企業への課税優遇措置をやめる
最大のムダである軍事費削減
消費税引き上げの場合は、食品など日常用品を除外する

PARC講座「世界の貧困・そのいくつもの顔」に参加

日時平成20年12月15日
場所PARC自由学校(東京都千代田区)
用件PARC講座「世界の貧困・そのいくつもの顔」に参加

出来レース・ボウエキ ~北の国々が勝ち続ける不公正~

「環境・持続社会」研究センター 佐久間 智子 氏
1 南に依存する北
南のNGOが言うこと:北のNGOの役割は南への依存から北を自立させること
資源(人を含む)の豊かな南、未開拓な市場を抱える南
南の資源と市場に依存する北:その為の植民地支配(60年代まで)、開発援助という金貸し(70年代~現在)、貿易ルール(現在)
2 南から北に流れる資金(援助資金の逆還流)
開発援助は国内の公共事業より魅力的:国の企業が受注できれば、無料の公共事業
途上国の債務残高:6080億ドル(80年)→2.4兆ドル(01年)
現在は、先進国から途上国への新規援助資金より、途上国の利払いや元本返済のほうが多額
3 強制された農業の国際分業
アメリカの食糧援助、アメリカ・EUの農業輸出補助金などで潰される途上国の主食生産
対外債務返済のために、コーヒー・紅茶、油脂原料(パーム・大豆)、熱帯果実、鉱物資源の輸出に特化させられる途上国
自給的農民や先住民は農園労働者かスラム住人に
穀物(小麦・米・トウモロコシ)の主な輸入国のほとんどが途上国
世界の食品輸出国(上位20カ国)のほとんどが先進国
4 WTOの問題点
類をみない強大かつ広範に及ぶ権限
  • 農業、サービス、投資、知的所有権など、モノ以外にも自由化する対象を広げた
  • 関税、数量規制などの国境措置だけでなく、各国内の法規制や基準の国際整合化
司法、立法、行政の一体化:意図された意思決定のグローバル化と各国民や議会の権限低下(経済優先が強調される)
不均衡なルール(ご都合主義)
  • 南北問題、市場と資源の争奪戦など
  • 自由化と保護の並存
  • 自由化そのものに由来する問題:外部不経済の看過は労働ダンピングを生み、セイフティネットの喪失により生存権が問題化し、国際分業は職業選択の自由と地域自給を奪った
非貿易事項(食品・製品の安全性、環境、人権など)の専門性が欠如
5 グローバリゼーションとは
モノ・金・情報・人が世界を動き回ること:移動が自由な者に有利(国家・自治体⇔企業)
国際レベルでの政策が決定されるようになること:国家の中央集権からグローバルな中央集権へ(自治・分権・自立と矛盾)
商品化、大規模化・集中化、格差の拡大
グローバル時代の国家:規制緩和、社会保障カット、企業の税・社会保障負担の軽減、社会サービスの民営化、特定産業の競争力強化、資源確保の優先、新市場開拓
6 グローバル化と富の移転
消費者→企業(投資家):適正価格・適正利潤の判断ができない
労働者→企業(投資家):過労と失業の並存、非正規雇用の拡大
国家・自治体(納税者)→企業(投資家):公共サービス民営化、法人税引き下げ
中小企業→大企業(投資家):フランチャイズ化、テナント化、カンバン方式
預金者→銀行:ゼロ金利政策(消えた預金利息)
7 するべきこと ~生活編~
生活(雇用・消費)の一部の非市場化と非営利化
  • 脱成長、持続可能な「足るを知る経済」(省エネ・省資源・3R)
  • 生活水準ではなく生活の質を求める
  • 非貨幣経済、半貨幣経済の再興:自家菜園、自家発電、食・エネルギー・社会サービスの地域自給
  • 社会的起業、従業員株主制度
国家からの自立と、国家の役割の再定義
  • 家族や地域のネットワークを再構築(相互扶助)
  • 国際的な社会運動ネットワーク
  • 国家に対する交渉力強化(節税・税の使途)
  • 適切な市場規制や社会政策の実施を求める
8 するべきこと ~食と農~
地元農業や環境保全型農業を買い支え、地域自給率を上げる
家庭菜園、市民農園、援農で個人自給率を上げる(生きる技能の開拓、自然に合わせる生き方)
農業政策やWTO交渉に意見する
就農
輸出ダンピング(輸出補助金)をやめさせる
フェアトレードの支援

PARC講座「どうする日本の食と農」を受講

日時平成20年11月26日
場所PARC自由学校(東京都千代田区)
用件PARC講座「どうする日本の食と農」を受講

ここまでできる都市農政

横浜市北部農政事務所 森 能文 氏
1 横浜の都市農政の強み
① 農業専門職を70人配置
② 農家=地主(あらゆる都市農政の要)と密接に顔の繋がっている行政マン
③ 組織風土:施策は現場に聞く。仕事のネタは現場にあり
2 横浜における都市農業の役割と評価
① 農地保全
  • 東京都区部:調整区域は殆どなし→農地が減る
  • 横浜市:市域の1/4が調整区域。うち1/2が農振地域→農地は減らない
② 横浜市の農業生産額は約100億円(野菜が60%)で県内1、2位。4423戸、6577人の農家。1000軒の個人直売所。全国有数の農業自治体
③ 市民とつくる地産地消推進
  はまふうどコンシェルジュ:味わう、巡る、体験する活動で、シェフも参加する。食農教育や環境教育も行う
④ 農家の経営する体験型農園「栽培収穫体験ファーム」:私設農業学校
  • 1992年の生産緑地法改正を受けて創設した1年未満契約の学校
  • 15年間の開設実績90農園、現在は70農園が運営中
  • 相続税納税猶予に耐えうるシステム
  • 農地保全策
  • 生産緑地&調整区域内農地を対象
  • 農家が援農者を育てる時代:省力化→援農による協力化
  • 多様な開設農家:口数少なく控えめな旧来型農民、口数多いスーパー農民、親子で教える農民など
  • 多様な利用者:会社員、自営業、医者、警察官、公務員、芸術家など
3 都市農業を取り巻く今後の課題
① 全国的に見ても高い後継者率を誇るが、それでも農家の高齢化は深刻
② 相続による非農家化や不在地主の農地保有
③ 高齢者を施設に閉じ込めるのではなく畑へ
④ 生産年齢を超えた膨大な市民は農業、農地管理の担い手に成り得る
4 横浜農政の新たな取り組み
① キーワード
  • 都市ならではの多様な市民の多様な暮らし方
  • 地産地消から自産自消へ
② 市民による田んぼ&里山保全
③ 企業による団体体験型体験ファーム
  • 企業の福利厚生としての畑&田んぼづくり
  • 新しいCSR(企業の社会的責任)のあり方:農家支援、脱温暖化
④ ヨコハマ型特定法人貸し付け
  • 株式会社はお呼びでない
  • 小規模、福祉系、NPO法人こそが都市農業を支える(IT系の例も有り)
⑤ 出身(農家or非農家)、年齢、性別、経営規模、作目を問わず、本当に農業をやりたい人が農地を利用できるシステムづくり

PARC講座「どうする日本の食と農」を受講

日時平成20年10月29日
場所PARC自由学校(東京都千代田区)
用件PARC講座「どうする日本の食と農」を受講

グローバリゼーションに対抗する道

 ~どうする日本の食と農~
農業ジャーナリスト  大野 和興 氏
1 グローバル化のなかで起こっていること
  • グローバリゼーションとは、自然、血液、臓器、基本的人権など、あらゆるものを商品化するもので、辺境の地がグローバル化の最前線になる
農民世界の解体:農業恐慌の10年
  • 農産物価格暴落と借金
  • 土地から引き剥がされる農民
広がり、連鎖し、増殖する貧困と食
  • 食を扱う労働者が食えない:水利組合に水代が払えなかったり、土地の借地料が払えない米農家が出てきた
  • 名ばかり店長:低賃金、長時間荷重労働で生活が成り立たない
食の変質
  • 主食が加工食品に:簡単、安価、高カロリー(肥満と貧困に関係)
  • 食の工業化(農薬)から食の化学物質化(遺伝子組み換え)へ
  • 危ない食品は貧乏人を襲う
2 反貧困運動と食・農
生存権を求める戦いが始まった
  • 作り食べる権利(食料主権):作る人がまともな生活ができないと、まともなモノを作れない(農家もワーキングプア)
  • 食管法は、農民の再生産保障水準と消費者が誰でも米を食べられる水準の差を財政で埋める目的
  • 男の正社員給与を100とすると、女正社員は80、男非正規社員60、女非正規社員40
安心して食べることはどんな人も持つ生存権
  • 有機農産品やフェアトレード品を食べられる人は25%:有機農産品やフェアトレード品の再定義が必要
3 足もとでの実践と「生きさせろ!」「食べさせろ!」の戦いの結合
農業って何だろう
  • 自然の生産力に支えられる農業の生産力
  • それぞれの自然、それぞれの農業
  • 多様性と地域性と風土性
関係性を取り戻す:人と人、人と自然(市場経済で崩されている)
農業の総合性(地域性)
  • 農業:生産資材、生産、加工、貯蔵、販売、農村工業(わら・竹細工等)。
    更に、網を打つ、炭焼き、大工、農民加工、直売に広がる
  • 地域:八百屋、魚屋、米屋、豆腐屋、農林水産加工業、小売業
思想としての農業:無制限に欲望を追い求めるのがグローバル化、欲望を律するのが農業
土地問題:自作農→小作農化が進んでいる
  • 私的所有(農民的土地所有、耕作者主義)→資本(企業)による土地所有の進展(農地法が崩れつつある)
  • 農業生産法人の土地取得は条件が緩和されているので、資本が表面に出ることなく土地取得が行われている
  • 農業生産法人は市民でも組織できるので、市民と農民で土地所有する仕組み作りが重要
  • 税金で農地や水路を作ってきたので、これは公のものである
「資本(企業)の農業」と「農民の農業」
  • 資本の農業:資本の回収や回転を重視する短期的経営(移民労働等にも通じる)
  • 農民の農業:子や孫の世代も考える長期的経営

「第125回 河川文化を語る会」に参加

日時平成20年10月20日
場所厚生会館(東京都千代田区)
用件「第125回 河川文化を語る会」に参加

硫黄酸化物と樹木の立ち枯れの関係

 ~炭による立ち枯れ予防と二酸化炭素の削減~
元東邦大学教授 大森 禎子 氏
1 樹木立ち枯れの原因
  • 原因は化石燃料である。燃焼時に出る硫黄酸化物で衰退した結果、抵抗力を失い病害虫に犯される
  • 数年前から発生した病害虫によって枯れるのではなく、30年位前からの衰退が原因
  • 土壌が酸性化されなければ樹木は生き延びられる
  • 風(樹木への堆積が雨で根元に移動)や雪により土壌に硫黄酸化物が濃縮される→酸性土壌にアルミ等の金属が吸収され、金属がリンを奪う→リンやカリウムが欠如すると樹木は生長できない
  • 年輪の幅が急に小さくなった時点(全国各地で年代は違う)から樹木の衰退が始まっている
2 炭の効果と二酸化炭素削減
  • 樹木は土壌から水、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン等を吸収し生長するが、炭の中にはそれらの成分が残っている。
  • 炭を酸性土壌に撒けば雨水に溶解して酸性土壌を中和し、残った成分は再び樹木の栄養源になる。かつ、残った炭は保水剤や微生物の住家となり、土壌の活性化を促し立ち枯れ防止に役立つ
  • 炭は燃焼しない限り二酸化炭素を排出せず、炭(炭素)1㎏は二酸化炭素3.7kg相当量を永久に固定できる
  • 土壌の中和に関しては、石灰石は土を硬くするので、炭のほうが有効。なかでも竹類はアルカリ分が多く有効
  • 炭を燃料とした場合、自身が吸収した二酸化炭素を排出するので大気中の二酸化炭素割合は変化しない

『「第21回 都市問題公開講座」自給率を上げて食の安全を守る』を受講

日時平成20年9月27日
場所日本プレスセンタービル(東京都千代田区)
用件『「第21回 都市問題公開講座」自給率を上げて食の安全を守る』を受講

基調講演 「食料自給率から日本の食と農を考える」

東京大学農学部長 生源寺 眞一 氏

1 食料をめぐる国際環境の変化
異常気象:自国優先の輸出制限等による価格高騰
食糧需給の不安定要因の増幅傾向:人口大国の経済成長と燃料用農産物
中長期的な食料需給逼迫:日本の農業資源の利用価値が高まるが、耕地面積の1割に当たる39万ヘクタール(埼玉県の面積)が耕作放棄地。農地の利用率も93%(ピーク時は二毛作などで134%)に低下。
2 食料自給率低下の要因
日本の穀物自給率(国と国との比較にはカロリーベースは使わない)27%はOECD加盟国29カ国中26番目の低さ。人口1億人以上の11カ国中最下位(日本の次に低いナイジェリアは84%)
1980年代半ばまでは消費要因で低下:経済成長に伴い、畜産物や油脂の消費量が激増(飼料や大豆の大量輸入)。農業生産は1986年までは拡大
最近20年ほどは生産要因で低下:輸入農産物の増加により生産縮小
食べ方の変化:飲食費支出に占める生鮮食品・加工食品・外食の割合は19%・52%・30%。食品産業が輸入原材料を選択
3 日本の農業・農政の課題
地域のエネルギーや自給飼料に立脚した農業生産が注目される(かつての農業技術に光が当たる可能性も)
特に水田地帯の農業は急速に人手不足に陥る:担い手の支援・育成が必要
担い手政策は、所有農地の大小や農家の子弟であるなしにかかわらず意欲のある人に開かれなくてはならない
4 消費者・納税者の観点から
農業経営の規模拡大により生産効率は向上するが、日本の条件ではベストの生産効率が発揮されても海外農産物とのコスト格差は残る
食料安全保障
農業が食生活を支え、食生活が農業を支える関係
1980年頃の食生活が理想的
パネルディスカッション
 大木 美智子 氏(消費科学連合会会長)
 佐藤   弘 氏(西日本新聞社編集委員)
 築地原 優二 氏(全国農業協同組合中央会)
 人見 みゐ子 氏(酪農経営者)
 新藤 宗幸 氏(千葉大学教授)
  • 戦後は人口の60%が農家。現在は3%
  • 外食時や買い物時に産地を聞くなどの一声運動での意識啓発が重要
  • 地道な説明を疎かにしてはならない
  • 飼料自給率は25%
  • 農協が地産地消のネックになっている側面がある(一定条件での地産地消は認めるべき)

「システム思考入門セミナー」に参加

日時平成20年9月7日
場所NHK青山荘(東京都港区)
用件「システム思考入門セミナー」に参加
講師:枝廣淳子
1 システム思考とは
 ①システム思考のアプローチ
  • できごとの裏には時系列パターン、構造、意識・無意識の前提(~は~だ、思い込み)がある。時系列パターンについては時系列パターングラフで、構造についてはループ図で明らかにできる(気付ける)
 ②システム思考の知恵
  • 今日の問題は昨日の解決策から起きている:システム思考があれば副作用を予期し防げる
  • 人を責めない、自分を責めない:問題のパターンは構造が生み出している。構造を変えない限り、人を変えても人や自分を責めても問題は解決しない
2 システム思考のツール
(1)時系列変化パターングラフ

ファイル 333-1.gif
①5つの要素
・変数:増加したり減少したりするもの(やる気など質を表すものでもよい。変えたいもの)
・時間の範囲:過去の傾向から「目標を達成したいと思っている将来時点」までの時間の範囲
・過去:過去の動き(過去のパターン)
・将来(1):大きな変化が起こらない限り予想される将来の動向(このままパターン)
・将来(2):目標とする動き(目標パターン)

②ポイント
・正確なデータは不要で全体的なイメージが明らかになればよい
・増加パターン、減少パターン、その他パターンがある
・目的:単発のできごとではなく、時系列のパターンを見る
・意義:なぜ今のパターンが起きているのか、このままだとどこへ向かうのか、どうすれば望ましいパターンを創り出せるかを考えることへつながる
・効果:未来への分岐点に立っているという意識から、変化への原動力が生み出せる。グループで過去や現状の共有認識や目標のすりあわせができる
(2)ループ図
簡単な例
ファイル 333-2.gif
ループとは:バラバラの要素→要素のつながり→ループ
ループがつながっているときはシステムの力が働き、一度の介入で動き続ける
ループの種類:自己強化ループ、バランス方ループ(世の中の複雑な仕組みも全てこの2種類のループの組み合わせ)
要素のつながり方
同:(例)よい評判が高まると、優秀な仲間が集まる。信頼が下がると、友達が減る
逆:(例)やる気が高まると、取り掛かるまでの時間が短くなる。自由時間が減ると、ストレスが増える
自己強化型ループ
  • ぐるりと最初の要素に戻った時、「ますます」と表現できる場合
  • 好循環にも悪循環にもなる
バランス型ループ
  • 最初の要素が「増える」で始まって、ぐるりと最初の要素に戻った時「減る」となるように、最初と方向が違う場合
  • バランスや安定をもたらす
ループ図の5つの要素
  • 変数:増えたり減ったりするもので名詞形(測定できないものも可)
  • 矢印:因果関係を示す
  • 「同」または「逆」:矢印元の変数の増減が矢印先の変数の増減に同じ方向の影響を与えるか、逆の影響か
  • ループの種類:自己強化型かバランス型か
  • ループの名前
ポイント
  • 正解はなく、世界観を表すもの
  • システム全体像やシステムの要素のつながり、動きが把握しやすい
  • どこに働きかければ、小さな力で大きな変化をもたらすことができるかを考えられる
  • 自分との対話を含め、コミュニケーションのツールとなる

気候講演会「知って防ごう 地球温暖化 in新潟」 に参加

日時平成20年8月27日
場所新潟市民プラザホール
用件気候講演会「知って防ごう 地球温暖化 in新潟」 に参加
新潟県地球温暖化防止活動推進センター長  谷中 隆明 氏
1 新潟県の実情
  • 都道府県別一人当たりCo2削減率42位(悪い)
  • 新潟県CO2排出量:90年比20%増 全国:6%増
  • 新潟県民一人当たり排出量12.6t/年  日本人10t/年
  • 自動車保有台数90年比50%増
  • 世帯数増加したが人口は減少
2 温暖化の新潟県への影響
  • 冬の温度上昇が夏より大きい
  • 100年後:対策なければ平野部は降雪ゼロ、山間部も雨が多い新潟のブナ林はほぼなくなる→保水力への影響
  • 2℃上昇した場合:冬の長岡では雪より雨のほうがよく降る
  • 水資源、観光、産業等への影響が懸念される
  • コメへの影響:気象、水資源、害虫に対し脆弱
3 対策
  • 家電の省エネ化が進んでいるので、省エネ家電の購入
  • 公共交通の利用

「プラスチック製品中の含有重金属類分析調査結果 説明会」に参加

日時平成20年7月29日
場所東京都世田谷区消費生活センター
用件「プラスチック製品中の含有重金属類分析調査結果 説明会」に参加

プラスチック製品中の含有重金属類分析調査結果について

東京23区清掃一部事務組合
1 調査目的
廃プラスチックを焼却しサーマルリサイクルを実施するため、市中に多 量に出回るプラスチック製品中の含有重金属類の分析調査を実施した
2 調査概要
  • 調査期間:平成18年9月15日~平成19年2月28日
  • 調査実施期間:計量事業証明等の公的認定を受けた第三者機関
  • 収集製品:101品目(100円ショップで購入)
3 調査結果
(1)可燃ごみ91品目
  • カドミウム:4検体から検出
  • 鉛:16検体から検出。うち4検体(めがね、木工用ボンド容器、印鑑ケース、保温パック)が1000㎎/㎏を超える高い値
  • 亜鉛(プラスチックの安定材や着色料に使用):74検体から検出。うち8件(めがね、歯ブラシ、ヘアブラシ、シャープペンシルなど)が1000㎎/㎏を超える高い値
  • 総クロム(メッキや着色料に使用):23検体から検出。うち4件(小物たて、皮むき器、ビデオテープ、ボールペン)が1000㎎/㎏を超える高い値
  • 六価クロム、砒素、総水銀、セレン、リチウムは極端に高い数値を示す検体はなかった
(2)不燃ごみ10品目
  • 鉛:8検体から検出。うち2件(腕時計、ライター)が1000㎎/㎏を超える高い値
  • 亜鉛:10検体から検出され、うち8件(おもちゃ、懐中電灯、電卓、ハンディ扇風機、時計など)が1000㎎/㎏を超える高い値
  • 総クロム:9検体から検出され、うち3件(おもちゃ、腕時計、キーホルダー型ライト)が1000㎎/㎏を超える高い値
  • 六価クロム、砒素、総水銀、セレン、リチウムは極端に高い数値を示す検体はなかった
4 まとめ
  • 廃プラスチックをサーマルリサイクルする場合、その他の可燃ごみと併せて焼却するので、含有重金属類が焼却にどの程度影響を与えるかは判断できない
  • 排ガス、排水に含まれる重金属類は適正に処理している
  • 焼却灰や飛灰は薬品処理や溶融を行い、管理型処分場埋め立て、スラグは土木工事に使用、メタルは売却

重金属の基礎知識  ~重金属汚染と健康被害~

循環資源研究所  村田 徳治
  • 焼却炉の排ガス基準:日本は重金属と水銀の基準なし。ドイツはあり
  • 顔料には重金属を含むものがある
  • 重金属は生物濃縮を起こす(厚生省は魚介類摂食を注意)。また、胎児の汚染も引き起こす
1 水銀
国による需要量調査:目的の50%以上がその他
2 鉛
  • プラスチックの安定材にも使われている
  • 胎児へも移行する
  • 低レベルの暴露でも子供の認知・行動発達に影響を及ぼす。注意・集中力持続の困難性や衝動的行動にも影響を与える
  • 生物半減期は5年
3 カドミウム
  • 需要量の把握がされていない
  • 環境ホルモンの疑いがある
  • コメの汚染が深刻(国際的な議論では基準値0.1~0.2mg/kg、日本は0.4mg/kgに固執している)
4 ヒ素
  • 環境ホルモン

調査費利用情報の更新(H19.6.16~H20.1.17)

平成19年6月16日から20年1月17日のセミナー等の参加情報を調査費利用の資料として追加しました。

平成20年1月17日共生と共同の地平へ
平成19年12月8日暖かくて涼しい杉板貼りエコマンションと快適な暮らし
平成19年10月29日ベーシック・インカム
平成19年10月24日NOMA行政管理講座
平成19年10月22日定常型社会の可能性
平成19年10月10日暮らしの安心安全セミナー
平成19年10月4日公権力と公教育への対抗力
平成19年9月20日キューバエクスポージャー
平成19年9月6日ソーシャルファイナンス
平成19年7月19日非営利バンクが必要なわけ
平成19年6月22日カウンセラー4DAYセミナー
平成19年6月16日脳の発達と化学物質

PARC自由学校2007年講座 に参加

日時平成20年1月17日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校2007年講座 に参加

概要

共生と地域自立をめざして ~非営利セクターの実践から~

非営利・共同総合研究所いのちとくらし 石塚 秀雄 氏

1 非営利共同セクターの登場の原因と目標・理念の要約

①原因

  • 福祉国家の転換:政府の失敗(財政難、公的サービスへの市民の不満)
  • 経済成長の停滞:市場の失敗(失業者増大、利潤最大動機)
  • 市民社会の転換:社会構造の転換(不平等拡大、人権拡大)

②目標

  • 社会サービス、医療福祉サービス
  • 雇用創出、企業創出、労働を通じての命と暮らしの確保
  • コミュニティ開発、社会的排除の克服

③理念

  • 連帯、社会的再配分(国内的・国際的)
  • 公平、正義、人権(基本的・社会的・政治的・経済的・文化的)
  • 民主主義(社会的・経済的)
  • 公益、私益、共益の領域(公共経済・市場経済・社会的経済)


2 連帯経済の捉え方

①市場、非市場、準市場との関係:市場にどのような態度を取るのか
②社会的経済との関係:連帯経済と社会的経済との対立共同関係
③非営利組織との関係
④国家との関係

  • 競争原理と貧富の拡大傾向と社会の公正化の調整(機会平等と再配分、企業倫理・企業の社会的責任)
  • 失業、労働市場対策(社会的排除と社会的挿入、外国人労働)
  • 市民運動、消費者運動の発展(消費者主権の出現と限界)
  • 社会主義諸国の解体と再編

⑤グローバル化や南北問題との関係

  • 経済のグローバル化と生活のローカル化の整合
  • 持続的発展、資源問題
  • 反グローバル化か社会的グローバル化か
  • フェアトレードのあり方と発展系
  • 地域開発としての内発的発展方法


3 事例:モンドラゴングループ

  • スペインバスク地方の協同組合、職員数7万人
  • 社会的貢献企業のグループを目指し、加入者数は右肩上がり
  • 現在は、生協・工業協同組合・金融と共済グループが3本柱
  • それぞれの組織(200~300人程度)が自主管理。組織の中でも小グループで意思決定

PARC自由学校 2007年講座 を受講

日時平成19年12月8日
場所エコヴィレッジ鶴川(東京都町田市)
用件PARC自由学校 2007年講座 を受講

概要

暖かくて涼しい杉板貼りエコマンションと快適な暮らし

(株)アンビエックス一級建築事務所 相根 昭典 氏

  • エコヴィレッジ鶴川はエコマンションでありコーポラティブハウス(共同建設住宅)である
  • 1戸平均80㎡、4200万円。修繕費4,000円/月、管理費3,000円/月で格安。半自主管理
  • 化学物質や電磁波は徹底的にカット:エレベーターや風力発電は高周波や低周波の影響を排除するように設置。太陽光発電は電磁波の処理に問題があるので、太陽熱温水器を使用
  • 国産材の使用とペレットや薪ストーブの導入により森林保全に貢献(木を切っても8割が捨てられるのが現状)
  • 外断熱、蓄熱の工夫、屋上緑化等で冷暖房はほとんどいらない(ペレットを使った給湯ができればエネルギー問題はほぼ解決)
  • 販売経費がかからない分、建築費を多くできる。参加者募集は5ヶ月で完了
  • 入居者は健康、快適、安価という理由で購入したが、住んでみるとコミュニティの良さに魅力を感じるようになってきた(集会室があり行事が多い)
  • 屋上に住民農園を整備(70坪あれば親子3人の野菜の自給が可能):雨水利用をするため、屋上の石油防水はせず、樋も非化学物質

調査費利用情報の更新

平成18年4月24日から10月24日のセミナー等の参加情報を調査費利用の資料として追加しました。

日付内容
平成18年10月24日地方議員のための政策立案と条例制定に参加
平成18年10月22日子供たちの脳に何が起きているか に参加
平成18年9月9日どうする日本の化学物質管理 ―市民からの提案― に参加
平成18年7月28日環境効率最新動向セミナー
平成18年4月24,25日「地方議会議員のための地方財政の課題と制度改革への対応」を受講