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民主的な議会運営とは

 今月、5人の会派無所属議員で議長に議会運営に関する申し入れを行いました。
 会派とは政党や派閥のような議員の集団のことです。

~~~~ 以下 申し入れ文書(抜粋) ~~~~

           議 会 運 営 に 関 す る 申 し 入 れ 書

  (中略)
 さて、長岡市議会は時代の変化に対応し、議会の役割を十分に果たすため、最高規範である議会基本条例を制定しました。本条例の(基本理念)は第3条において「議会は、議会が市民の厳粛な信託を受けた議員により構成される合議制の議事機関であることに鑑み、その運営に当たり、公正かつ公平で民主的な議論を十分に尽くすことを旨とし、地方自治の本旨の実現に努めなければならない」と定められています。
 しかしながら、現状では会派に属さない議員は議会運営に十分に関与することができません。有権者の議員への信託は、行政に対するチェックや提言などだけではなく、議会運営に関しても及んでいるものと考えます。
 したがって、会派に属さない議員も議会運営に当たり、公正かつ公平で民主的な議論を十分に尽くせるよう、すみやかに現状を改善していただきますよう申し入れます。

~~~~ ここまで ~~~~

●またしても控室(執務室)問題 
 実は、4月の市会議員選挙後、控室(執務室)の問題が再燃したのです。
 選挙後に、5人だった「しん長岡クラブ」が令和クラブとなり4人に、4人だった共産党市議団が2人に、2人だった会派無所属が5人になり、控室の入れ替えが必要となりました(基本的に人数に応じた大きさの部屋が与えられます)。議会事務局の案は、5人、4人、2人の構成が同じなので、令和クラブが共産党市議団の部屋に、共産党市議団が無所属の部屋に、無所属が令和クラブの部屋に引越すというものでした。しかし、各派代表者会議(会派の代表者が協議する場、以下は各派代)で「会派控室という名称だから会派優先」「無所属は議員同士の打ち合せが不要なので狭くて良い」などの理由で事務局案は採用されず、令和クラブは移動なし、共産党市議団は無所属の部屋に移動、無所属には共産党の部屋と令和クラブの一部を仕切った部屋が分割して支給されたこと等々、我々無所属議員にとっては納得できない状況が続いています。無所属議員は議員同士の打ち合せが会派よりも少ないのは事実と思いますが、全くないわけではありませんし、会派控室という名称を変えるという選択肢も検討できるはずです。

 思い起こせば初当選した20年前の今頃は、私に支給された机・椅子・ロッカーは議員談話室というオープンスペースに置かれ、そこで執務していました。また、最初の数ヵ月は政務調査費(現在の政務活動費)も支給されませんでした。その後は、窓や空調のない部屋(職員からは留置所と呼ばれていた)で長らく過ごしましたが、今の時代ではパワハラ・モラハラにあたるような気がしています。

 各派代では様々な事項が議論され、決定されます。
 議会予算や議会に関する条例などは本会議や委員会でも審議するので、その際に無所属議員も議論できますが、委員会所属や控室については各派代で決定し、公での審議がないので無所属議員は意見が言えません。委員会は会派所属議員で決めた後の残った委員会に所属、控室も各派代で決められた部屋に入らざるを得ない状況です。
 私は20年前から、委員会の所属や控室など、議員活動の基礎的な部分については無所属議員も各派代での調整に入れてもらえるよう(調整の結果希望通りにならないこともあるわけです)歴代議長にお願いしてきました。聞き入れてもらえない状態が20年続いてきましたが、議員の海外視察中止や政務活動費の適正化を主張するなどの議会改革で物議を醸してきたので、他の面については我慢してきたのが実情です。
 しかしながら委員会の所属については、近年は議長が無所属議員の希望を各派代に伝達してくれるようになり,昨年と今年は希望の一部が通ったことで、少しずつではありますが改善傾向にあると評価し、喜んでいたところだったので、今回の控室の問題は残念でなりません。

●会派制とは
 選挙前の会派無所属議員は桑原議員と私の2人でしたが、選挙後は新人も含めて5人に増えました。会派には優れた点、良い点もありますが、現在の市議会では会派の弊害も大きいと感じていますので、無所属議員の増加は意義あることと考えます。
 「長岡市議会は会派制だ」と多くの議員が認識しているようです。しかし、「長岡市議会は会派制である」とは条例にも規則にも書いてありません。「会派を結成できる」とは定められているので、結成しても・しなくても良いのです。各派代の設置目的は「議会運営に関して会派間の意見調整が必要な問題等の協議」ですから、各派代での決定事項は無所属議員を含めた議会全体の意思決定ではありません。私が無所属になる以前は全員が会派に属していたので(数ヵ月を無所属で過ごした議員はおられたようですが長期的な無所属は私が初)、「会派の代表が話し合って決めた事=全議員の承認」でしたから、実質的な会派制が長期間続いていたのは事実と思いますが、それがこの20年も続いているのは手段の目的化と言わざるを得ません。特に直近の10年は私以外にも無所属議員が存在していますから、複数の無所属議員がいることは常態化しています。
 更に、もし会派制であるとしても、何をもって会派制とするのかは定義されていません。「会派に属さねば議員にあらず」との雰囲気を感じる会派に所属する議員もいるように、現状の会派制を定義するとしたら「会派に属した議員だけで運営してもよい」又は「会派所属議員を優遇」という定義になるように思えます。選挙では候補者個人に投票頂いていますから、権利・権限・責任は会派ではなく最終的には議員個人に帰結しなくてはなりません。
 実は、長岡市議会でも過去には柔軟に対処したことがあるようです。元々は「会派は2人以上」との規定だったのですが、某政党の議員が1人になった際に「政党であれば1人でも会派として認める」という規約改正で乗り切り、結果として「各派代の決定=全議員の承認」という仕組みを維持したとのことです。会派制というならば、1人会派を認めるなど、全議員が何らかの形で会派に属するような知恵が必要だと感じます。他市では、議員1人であっても会派と認め、各派代に参加できる民主的な議会もあるのです。

●議会基本条例
 長岡市議会は本年、議会基本条例を制定(基本理念は冒頭の議長への申し入れ書に記載)したのですから、しっかりと実行しなくてはなりません。
 世の中は、多様性の共生・ユニバーサルデザインの時代に入りました。障碍者・LGBTといった少数者や虐げられてきた人々、存在さえしていない未来世代にも配慮した社会を目指す時代です。一人ひとりの議員に向き合えない議会は、一人ひとりの市民にも向き合えないと思うのです。「民主主義とは何か」を真剣に考えなくてはなりません。