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立地適正化計画と公共施設等総合管理計画

日時平成29年5月26日


立地適正化計画と公共施設等総合管理計画

2017.5.26
地方自治体公民連携研究財団   蔵田 幸三
1 日本のまちづくりにおける課題(=立適、総管の両計画が必要な理由)
 (1)インフラ老朽化
 (2)財政逼迫(社会保障費増大)
 (3)まちづくり主体の経営(ヒト・モノ・金・情報)
 (4)人口動態
   ①日本全体の人口は今後30年間で2割程度の厳しい人口減少
   ②政令市を除く県庁所在都市では今後も高齢者が増える
    ・福祉が当面の課題
    ・福祉医療施設を中心部に設置すべき
   ③地方都市では今後30年間で3割程度の厳しい人口減少
    ・高齢者は大きくは増えない
    ・15~64歳人口が3~4割減


2 立地適正化計画のポイント
 (1)コンパクトシティが必要な理由
   ①持続可能な都市経営(財政・経済)のため =最も強い動機
    ・人口密度が小さいほど一人当たり行政コストは増大
    ・公共投資、行政サービスの効率化
    ・ビジネス環境の維持向上など
   ②環境問題のため
    ・二酸化炭素削減など
   ③高齢者・子育て環境のため
    ・子育て、教育、医療福祉の利用環境向上
    ・仕事と生活のバランス改善
    ・コミュニティ力維持など
   ④防災のため
    ・災害危険性の低い地域の重点利用など
 (2)立地適正化計画は市町村都市マスタープランの高度化版
 (3)都市計画と公共交通の一体化
 (4)時間軸を持ったアクションプラン
   ・20~30年かけて実現するもので、性急には行わない


3 公共施設等総合管理計画のポイント、事例
 (1)老朽化対策の推進
   ①公共施設等の管理
    ・長期的視点に立った老朽化対策の推進
    ・適切な維持管理と修繕の実施
    ・トータルコストの算定、縮減、平準化
    ・計画の見直し、充実
   ②まちづくり
    ・PPP、PFIの活用
    ・将来のまちづくりを見据えた検討
    ・議会、住民との情報及び現状認識の共有
   ③国土強靭化
    ・計画的な点検、診断
    ・修繕と更新履歴の集積
    ・公共施設等の安全性確保
    ・耐震化推進
(2)事例紹介
   ・先進自治体での取り組み事例
   ・施設の複合化は高い効果がある。共用部分(玄関、執務室、
    トイレ、エレベーター、廊下など)による効果が大きく、平均で
    17%の面積削減につながる


4 PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:公民連携)、PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)による公有資産の活用、施設整備の事例
 (1)習志野市
   ①2013年以降の25年間で40%の施設しか更新できないことが明らかになる
   ②公共施設再生計画のポイント
    ・総保有量の圧縮、長寿命化、財源確保
    ・施設重視から機能優先へ → 複合化、多機能化
    ・PPP、PFIの推進
   ③大久保地区公共施設再生事業のポイント
    ・8施設(7建物)の機能を保ちながら3建物に統廃合
    ・新築とリノベーション(躯体活用建替)をあわせて実施
    ・施設整備及び維持管理運営にPFI手法を導入
    ・公有地に定期借地権を設定し、民間提案による事業を実施(有効活用)
    ・民間収益事業(市民の利便性を高めるもの)を併設(財政効果)
    ・23年間(建設から運営)での市の負担は82.8憶円(従来方式での整備)
     から79.1億円となり3.7億円(4.4%)の負担軽減


5 今後のまちづくりの方向性
 (1)人口減少社会のまちづくり
   ・立地適正化計画
   ・公共施設等総合管理計画
 (2)PPP、PFIによる事業推進
 (3)行政、民間(企業)、地域(市民)の連携
   ・タイミング(チャンス)を見極める
   ・キーマン(人材)を育てる、連れてくる
   ・キーマンにはコミュニケーション能力、受け止める力、情熱が必要


長岡市も立地適正化計画と公共施設等総合管理計画を策定したが、今後の取り組みを促進 するための参考になった。