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「地域防災防犯展」セミナー他に参加

日時平成23年6月9日から平成23年6月10日まで2日間
場所9日 インテックス大阪
10日 おおさかATCグリーンエコプラザ
用件9日 「地域防災防犯展」セミナー に参加
10日 セミナー「ヒートアイランド対策推進の課題とシナリオ」 に参加
6月9日

●東日本大震災の経済的影響について

関西大学社会安全学部准教授 松永 伸吾
1 マクロ経済的影響
(1)被災地の日本経済における位置づけ
  • 日本のGDPの3%しか占めないが、産業集積の進む沿岸部が壊滅的な被害
  • 東海地震のリスク分散などで、電気や機械産業のウエイトが高い
  • (特に福島県:巨大地震の発生がないと思われていた)
(2)直接被害:地震や津波による被害で16兆円から25兆円と言われる
(3)間接被害:生産活動低下、停電、放射能
(4)影響
阪神淡路大震災は日本経済全体を大きく低下させることはなく、むしろ復興需要で経済が潤った側面がある
東日本大震災は日本経済全体に影響を及ぼしている
a)停電で首都圏の経済活動が制約
b)沿岸部の製造業が壊滅したことで、部品供給が寸断
c)復興需要の波及効果に期待できない
  • 例:仮設住宅の建設資材が足りないが、この事態が長期化するか輸入することになれば国内経済は潤わない
  • 地元建設業が衰退しており、被災地に金が落ちない
d)鉱工業生産:日本全体の生産能力に変化はないが、稼働率低下
e)実質GDP:内需の落ち込みが激しい(消費マインドの冷え込みが深刻)
f)円高加速:復興費調達で日本が外国債券を売ると読んだ投機マネーの動き


2 今後の展開
(1)サプライチェーン(部品供給網)
  • 4月末では、加工業種などで代替調達先の確保が進み7割のサプライチェーンが復旧 (代替調達先が国外の場合もある) → 被災地の仕事が奪われた
  • 円高が引き続き進んでおり、震災を契機に産業空洞化が加速する恐れ (7割のサプライチェーンが可能性を否定していない)
(2)被災地の雇用
数十万人の規模で失業者が発生している
阪神淡路大震災の時は直後から営業した店もあったが、今回は見通しの立たない地域がたくさんある
キャッシュ・フォー・ワーク
  • 災害対応や復興事業に被災者を雇用して報酬を払う手法
  • 仕事と同時に復興に貢献することで、将来の希望ややりがいを創出できる
  • 現在は瓦礫撤去や仮設住宅建設が主だが、今後はそれ以外の仕事も必要で、 その為の教育やコーディネートが課題
(3)経済財政運営のリスクマネジメント(危機管理)
  • 今回のような大規模災害によって経済活動に相当な支障が生じることが、日頃の経済財政運営のシナリオに入っていなかった
  • 税収よりも借金の方が多いという財政運営で、経済が頑張らなくてはいけない時に増税の必要性が叫ばれるといういびつな状況
  • 日本は巨大な災害を受けるリスクがあることを前提として、経済財政運営をしなくてはならない




6月10日

●ヒートアイランド対策推進の課題とシナリオ

大阪ヒートアイランド対策技術コンソーシアム 理事長 水野 稔
1 対策計画の現状と問題点・あり方
(1)現状
  
2004年の「ヒートアイランド対策大綱」により主要自治体が対 策計画を作成するが、大きな進展は見られず → 現計画は不十分 で、レベルアップが必要
(2)問題点・あり方
○○年までに熱帯夜日数3割減などの環境目標(気温目標)はあるが、 行動目標(大気熱負荷目標:温度上昇をもたらす太陽熱や人工 熱の目標)がない → 各セクターがどこまで協力すべきか不明
多くの対策計画が地球温暖化対策の枠組みの中に位置づけられている
  • 省エネ=ヒートアイランド(以下HI)対策との認識で、二酸化炭素削減の管理となっている
  • HI独自の行動計画が必要
自主行動型(性善説)になっている → 重点投資型への移行が必要
総合工学的視点の欠如
反射性塗料と壁面緑化、透水性舗装と緑地増加などの分野内技術
評価はできても、分野間評価ができていない → 重点投資が不可
建築技術への公的支援
a)土木環境技術
  • 対象:公的(建築外)環境
  • 費用負担:公的(税)金
b)建築環境技術
  • 対象:私的(建築内)環境
  • 費用負担:私的(施主)金
c)私的効用と公的効用の分離(例:建築環境技術の日射反射塗料)
  • 私的効用:冷房負荷低減による電気代節減
  • 公的効用:大気熱負荷低減によるHI緩和と節電によるCo2削減
  • 公的効用分は公的負担を


2 大気熱負荷
(1)HIの公的効用を測るモノサシ
その技術を適用した時に削減できる大気への熱負荷量
大気熱負荷:気温への影響は時空間特性あり(いつ、どこで熱を出すかが問題)
(2)熱負荷を出す時間と場所(都心・郊外)の影響 
日中に熱が放出された場合:気温への影響は小さい。場所によって変わらない
夜間に熱が放出された場合:気温への影響は大きい。その中でも都心で小さく、郊外で大きい
HIは主として夜間現象
アスファルトやコンクリートでできた都市は日中の熱を夜間に持ち越す → 熱代謝への配慮が必要


3 大気熱負荷を基礎とした定量的対策
(1)熱負荷低減型対策(太陽熱と人工熱)
 省エネ、表面の改善などの当面の対応
(2)熱拡散改善型対策(建物郡等による拡散の問題)
 風の道の創出、建築物配置改善などの長期的対応
(3)対策体系
気温目標と整合性のある大気熱負荷の削減目標(行動目標)の設定
各地区の熱負荷削減量を設定する
目標達成のための制度的対応
  • 開発要件に加える
  • 容積率ボーナス等のインセンティブ(誘因)を与える
  • 既存地区には補助金
  • 義務化と経済的手法
大気熱削減能力による技術評価
a)目的により、地区、昼夜、気温変化などによる補正係数の導入
  • 例:屋上緑化と地上緑化の比較(高さの違い) 
  • 例:日射高反射塗料と外断熱の比較(大気熱負荷削減の時間が違う)
b)例:サーモウッド(熱処理した木材)で建物を覆う実験
  • 木材パネルの日中温度は剥き出しのコンクリート面と同じ温度まで上昇する
  • 木材パネルは夕方前から温度が急低下し、夜間は気温とほぼ同じ=熱負荷を出さない
  • 剥き出しのコンクリート面は夜間に気温より数度高く、熱を出し続ける
  • 木材パネル内部のコンクリート温度は低く、建物への冷房負苛を低減する
  • 得られたデータを他の技術と比較することが必要
HI配慮計画
a)建築や地区開発に対して「通常設計と比べて○○W/㎡の大気熱負荷削減を実現」と規定する
b)例:大阪市本町地区を1970年代に戻すには
  • 土地面積30万㎡、床面積118万㎡
  • 必要な削減熱負荷は12W/㎡
  • 全てのビルに対し、木材外装47%、屋上緑化74%、高反射塗料(屋上のみの場合)100%の普及率で達成できる




●企業からのプレゼンテーション

㈱いけうちの「霧によるHI対策及び節電」、㈱キタムラの断熱塗料、 四国化成工業㈱の空中緑化システム、大和リース㈱の総合緑化事業