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安全神話 再び

 安倍首相がオリンピック招致のプレゼンで「福島第一原発の状況はコントロールされている。汚染水は全く問題ない。影響は原発港内の0.3㎢の範囲内で完全にブロックされている」と発言しました。
 第一報のニュースを聞いた瞬間、私は我が耳を疑うような心境になりました。官房長官は「外洋とは完全に遮断されてはいないが、放射性物質が薄まって基準値を大幅に下回っているので『完全ブロック』と表現した」と説明しています。その理屈を理解できないことはないのですが、私には共感・納得することはできません。極力問題をつくらない安全神話をまだ脱却できていないように感じます。東電自体も「コントロールできていない」と言っているようですし(本文作成時)、東電ではコントロールできなくなったので、最近になって国が乗り出すことになったばかりです(「それも含めてコントロールしている」ということなのでしょうが)。
 さらに驚いたのは、新聞をはじめとしたマスコミが東京でのオリンピック開催を一面やトップニュースで華々しく報道したことです。オリンピック開催は大ニュースでしょうが、国のトップである総理大臣のこのような認識(私は誤認識だと思います)と発言は更に大きなニュースであるはずだと思います。それを、ついでにチョット流す程度の報道でよいのでしょうか? 更に、その報道内容も「総理の説明が決め手となった」「汚染水問題は、これで国際公約となった」といったもので、総理の発言を追認しているような雰囲気が感じられます。「コントロールする」と公約したのではなくて「コントロールできている」と言ったのです。(本心ではコントロールできていないと思っていても、オリンピックのためにコントロール出来ていると語ったのであっても不誠実で問題です)
 オリンピックに浮かれる気持ちは分からなくもないですが、もっと腰を据えて世の中を見なくてはならないと思います。