日時 | 平成23年5月20日から平成23年5月21日まで2日間 |
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場所 | NHK名古屋放送センタービル |
用件 | NOMA行政管理講座 に参加 |
地方議員のための地域福祉の政策と実践
日本福祉大学 教授 野口 定久 氏
1 今、なぜ地域福祉か ~経済危機の中で~
(1)高齢者施策新長期ビジョン
① | 2025年に団塊世代が後期高齢者になる。高齢化率は40%で、地方では既に達しているところもあるが、都市部では準備ができていない |
② | 目指すべき2030年の未来像(5つの目標)
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(2)最近の世情から ~グローバル化と格差問題~
① | 失業者350万人、有効求人倍率0.43、生活保護世帯120万世帯で過去最悪(生活保護基準以下での生活者は生活保護者より多いと言われている→低所得世帯の増大) |
② | 日本社会は、給料も医療も年金も治安も年々おかしくなっている |
③ | 秋葉原の無差別殺傷事件→「勝ち組への強い怨念に共感する若者の増加。若者は職に就けず、老人は社会から切り捨てられている」 |
④ | 社会への不信感や不安→犯罪や自殺の増加 |
⑤ | 地方都市の駅前アーケード街は多くがシャッター通り |
(3)転換期の社会保障・社会福祉
政権交代がなされたが、年金、雇用、医療、福祉、少子高齢化、貧富の格差、地方の衰退、環境問題など包括的に解決する政治課題が山積(1990年以降、各種制度が現状に合わなくなった) |
(4)少子高齢人口減少社会の到来
① | 2015年に団塊世代が高齢者の仲間入り |
② | 人口減少に歯止めがかからない
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③ | 単独世帯(一人暮らし)の増加、家族のつながりが薄い→家族支援のプログラム必要(例:近隣居住や多世代同居などの住宅政策など) |
2 経済のグローバル化と生活のローカル化
(1)経済のグローバル化と生活のローカル化
① | 現代のグローバル化の特徴
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② | 経済のグローバル化の意味 日常生活の場である地域社会に影響を及ぼしており、ローカル化は日常生活から遠く離れたところで生成した諸問題が身近な地域社会の中で解決を求められている。 |
(2)「新しい貧困」化の現象
① | 高度経済成長期に労働者家族が大量に創出された。中間層が厚く、先進国中でも格差が小さかったが、格差が拡大し、先進国中でも大きい部類となった。 |
② | 家族内労働の商品化や「消費の外部化」「生活の社会化」に伴って家族機能が縮小 |
③ | 家族生活の再生産機能の脆弱化 |
(3)社会保障を脅かす地域主権
① | 当事者の知らぬ間に障害者関連法を改正 |
② | 住民意見の聴取義務や施設の防火基準の廃止、居室基準の引き下げ |
③ | 補助金の一括交付金化で社会保障予算は削減も |
(4)「コモンズの悲劇」を超えて
① | 「コモンズ(共有地)の悲劇」1968年サイエンス誌の寓話羊の放牧のために利用される共有地(村人が誰でも使える林や草地)が、村人の過放牧で荒れ果ててしまうという話 |
② | 「悲劇」→いったん共有地がやせ細っくると、自分だけは利益を確保しようとして、ますます過放牧に走り、事態が悪化 |
③ | コモンズは有限 いかにすれば自己利益の追求を共通の利益に結び付けていくことができるかという「社会のしくみ」にかかわる問題 |
3 限界集落から共生集落へ
(1)ソーシャルビジネスとは
① | ビジネス手法で社会的課題を解決する |
② | 営利と非営利の間の壁が低くなり、事業型NPOや公益を意識した企業が登場 → 政府の失敗、市場の失敗を乗り越えようとする動き |
③ | 社会福祉法人や社会福祉協会はNPOや企業の進出分野に進出すべきでなく、集落での福祉などNPOや企業が進出しない分野を担うべき |
(2)能登半島地震 ~村をそう簡単には捨てれん~
① | 能登半島地震災害の特徴
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② | 復興課題
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4 地域福祉計画の策定と推進方策
(1)地域福祉計画の課題・領域
① | 地域生活の領域(市町村)
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② | 地域福祉政策
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