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胃袋の連帯は可能か

日時平成21年12月14日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校講座に参加

胃袋の連帯は可能か -農の現場から-

農民・レインボープラン推進協議会委員 菅野 芳秀 氏

1 レインボープランの実践から考える
(1)レインボープランとは何か(人口3万の山形県長井市で行なわれている)
仕組み
  • 生ごみは週2回、市内中心部5000世帯を対象に収集。気軽に注意し合えるコミュニティの人間関係が日本一の分別と良質な原料供給を可能にしている
  • コンポストセンターで3ヶ月かけて作った堆肥を農家に販売
  • 堆肥を利用した減農薬、減化学肥料による独自の農産物認証制度
  • 常設店、取扱店を通じて消費者に帰る。学校給食にも供給
みんなが役割を持ちながら土、農、食にかかわっている
使い捨て社会・資源収奪社会から循環型社会へ:生産と消費を、生ごみを接着剤としてくっつける
一級の食、環境、安らぎのまち:堂々たる田舎町を目指す
三つの理念:循環、共に、土は命の源
2000tの生ごみから400~500tの堆肥
最大の課題:高齢農民に環境保全型農業ができるか、だった
最大の成果:数々の賞が与えられたこともあり、「長井が誇り」という人が増えた


(2)いくつかの教訓 ~大転換期だからこそ、風前にともし火を~
転換期としての認識があった:市民の中にたくさんの力がある(新しい時代を創れる人)
対決軸で考えない:対決軸では何かを壊せるが、何も生み出せない
批判と反対から、対案と建設へ:肯定し認め合う事の重要性
地域づくりはいいとこ集め
プラスの連鎖は女性から:ドミノ倒しの最初をどこにするのかをよく考える
正しいこと言うときには気をつけろ


(3)農を基礎とする循環型社会への転換
生産と消費の役割の転換
地域社会と地域農業の離反から融合へ
自給概念を国家から地域へ転換
部分から全体への転換:総論を地域へ
市民と行政の関係の転換
国家(公共事業)依存の縦型地域経済から、市民と自治体依存の横型地域経済へ



2 地域のタスキ渡し ~いま、振り返って~
理(理念)と利(利益):理念だけでは孤立する。利益だけでは腐敗する
対象に惚れることの大切さ:なるべく具体的な青写真を描く
最も努力して、最後に並ぶ
誠実に生きる
プラス思考:役に立たない経験はない
あきらめない:ウサギと亀の話(ウサギは亀を見ていた、亀は目的を見ていた)
笑顔



3 連帯のための哲学

(1)消費者の立場から生産現場が見えるか
ニワトリ達の解放
i ゲージ飼いのニワトリほど不幸な動物はいない:エサ効率しか考えられていない
ii 19世紀のヨーロッパで生まれた家畜福祉という思想
  • 処理の直前まで、その動物らしく生きる。全ての命はつながっているという思想
  • ドイツでは2007年、スイス・オーストラリアでは2009年にゲ-ジから地べたに。EUでは2012年の予定
  • ドイツにおける解放の原動力は消費者運動
  • 日本の消費者運動は、卵の安全に関心があるが、ニワトリ達にまで思いは至らない
米作りの現場
  • 生産原価を下回る売り渡し価格が13年続いている
  • 再生産が不可能な価格=農業の基盤が崩れる
  • 日本の消費者運動は米の安全に関心があるが、生産現場にまで思いは至らない:国内フェアトレードの必要性


(2)草木塔の思想、土と命の哲学
草木塔:江戸中期に作られたもので、山形県南部・置賜地方に60基。
「草木国土皆成仏」などと書かれていて、草木への謝罪と感謝、命の平等性を表している
「競争を基調とする社会」から「命と循環を基調とする社会」へ
土は命の源
  • 土は、生きていたものによってできている(過去の命の集合体)
  • 土は、これから生まれてくるものが眠っている
  • 土を食から考える:みんな等しく土の化身
  • 土を循環から考える:森の営みを街の中に(農業の問題ではなく、命の問題)→レインボープラン

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