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PARC講座「世界の貧困・そのいくつもの顔」に参加

日時平成20年12月15日
場所PARC自由学校(東京都千代田区)
用件PARC講座「世界の貧困・そのいくつもの顔」に参加

出来レース・ボウエキ ~北の国々が勝ち続ける不公正~

「環境・持続社会」研究センター 佐久間 智子 氏
1 南に依存する北
南のNGOが言うこと:北のNGOの役割は南への依存から北を自立させること
資源(人を含む)の豊かな南、未開拓な市場を抱える南
南の資源と市場に依存する北:その為の植民地支配(60年代まで)、開発援助という金貸し(70年代~現在)、貿易ルール(現在)
2 南から北に流れる資金(援助資金の逆還流)
開発援助は国内の公共事業より魅力的:国の企業が受注できれば、無料の公共事業
途上国の債務残高:6080億ドル(80年)→2.4兆ドル(01年)
現在は、先進国から途上国への新規援助資金より、途上国の利払いや元本返済のほうが多額
3 強制された農業の国際分業
アメリカの食糧援助、アメリカ・EUの農業輸出補助金などで潰される途上国の主食生産
対外債務返済のために、コーヒー・紅茶、油脂原料(パーム・大豆)、熱帯果実、鉱物資源の輸出に特化させられる途上国
自給的農民や先住民は農園労働者かスラム住人に
穀物(小麦・米・トウモロコシ)の主な輸入国のほとんどが途上国
世界の食品輸出国(上位20カ国)のほとんどが先進国
4 WTOの問題点
類をみない強大かつ広範に及ぶ権限
  • 農業、サービス、投資、知的所有権など、モノ以外にも自由化する対象を広げた
  • 関税、数量規制などの国境措置だけでなく、各国内の法規制や基準の国際整合化
司法、立法、行政の一体化:意図された意思決定のグローバル化と各国民や議会の権限低下(経済優先が強調される)
不均衡なルール(ご都合主義)
  • 南北問題、市場と資源の争奪戦など
  • 自由化と保護の並存
  • 自由化そのものに由来する問題:外部不経済の看過は労働ダンピングを生み、セイフティネットの喪失により生存権が問題化し、国際分業は職業選択の自由と地域自給を奪った
非貿易事項(食品・製品の安全性、環境、人権など)の専門性が欠如
5 グローバリゼーションとは
モノ・金・情報・人が世界を動き回ること:移動が自由な者に有利(国家・自治体⇔企業)
国際レベルでの政策が決定されるようになること:国家の中央集権からグローバルな中央集権へ(自治・分権・自立と矛盾)
商品化、大規模化・集中化、格差の拡大
グローバル時代の国家:規制緩和、社会保障カット、企業の税・社会保障負担の軽減、社会サービスの民営化、特定産業の競争力強化、資源確保の優先、新市場開拓
6 グローバル化と富の移転
消費者→企業(投資家):適正価格・適正利潤の判断ができない
労働者→企業(投資家):過労と失業の並存、非正規雇用の拡大
国家・自治体(納税者)→企業(投資家):公共サービス民営化、法人税引き下げ
中小企業→大企業(投資家):フランチャイズ化、テナント化、カンバン方式
預金者→銀行:ゼロ金利政策(消えた預金利息)
7 するべきこと ~生活編~
生活(雇用・消費)の一部の非市場化と非営利化
  • 脱成長、持続可能な「足るを知る経済」(省エネ・省資源・3R)
  • 生活水準ではなく生活の質を求める
  • 非貨幣経済、半貨幣経済の再興:自家菜園、自家発電、食・エネルギー・社会サービスの地域自給
  • 社会的起業、従業員株主制度
国家からの自立と、国家の役割の再定義
  • 家族や地域のネットワークを再構築(相互扶助)
  • 国際的な社会運動ネットワーク
  • 国家に対する交渉力強化(節税・税の使途)
  • 適切な市場規制や社会政策の実施を求める
8 するべきこと ~食と農~
地元農業や環境保全型農業を買い支え、地域自給率を上げる
家庭菜園、市民農園、援農で個人自給率を上げる(生きる技能の開拓、自然に合わせる生き方)
農業政策やWTO交渉に意見する
就農
輸出ダンピング(輸出補助金)をやめさせる
フェアトレードの支援