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PARC講座「どうする日本の食と農」を受講

PARC講座「どうする日本の食と農」を受講

日時平成20年10月29日
場所PARC自由学校(東京都千代田区)
用件PARC講座「どうする日本の食と農」を受講

グローバリゼーションに対抗する道

 ~どうする日本の食と農~
農業ジャーナリスト  大野 和興 氏
1 グローバル化のなかで起こっていること
  • グローバリゼーションとは、自然、血液、臓器、基本的人権など、あらゆるものを商品化するもので、辺境の地がグローバル化の最前線になる
農民世界の解体:農業恐慌の10年
  • 農産物価格暴落と借金
  • 土地から引き剥がされる農民
広がり、連鎖し、増殖する貧困と食
  • 食を扱う労働者が食えない:水利組合に水代が払えなかったり、土地の借地料が払えない米農家が出てきた
  • 名ばかり店長:低賃金、長時間荷重労働で生活が成り立たない
食の変質
  • 主食が加工食品に:簡単、安価、高カロリー(肥満と貧困に関係)
  • 食の工業化(農薬)から食の化学物質化(遺伝子組み換え)へ
  • 危ない食品は貧乏人を襲う
2 反貧困運動と食・農
生存権を求める戦いが始まった
  • 作り食べる権利(食料主権):作る人がまともな生活ができないと、まともなモノを作れない(農家もワーキングプア)
  • 食管法は、農民の再生産保障水準と消費者が誰でも米を食べられる水準の差を財政で埋める目的
  • 男の正社員給与を100とすると、女正社員は80、男非正規社員60、女非正規社員40
安心して食べることはどんな人も持つ生存権
  • 有機農産品やフェアトレード品を食べられる人は25%:有機農産品やフェアトレード品の再定義が必要
3 足もとでの実践と「生きさせろ!」「食べさせろ!」の戦いの結合
農業って何だろう
  • 自然の生産力に支えられる農業の生産力
  • それぞれの自然、それぞれの農業
  • 多様性と地域性と風土性
関係性を取り戻す:人と人、人と自然(市場経済で崩されている)
農業の総合性(地域性)
  • 農業:生産資材、生産、加工、貯蔵、販売、農村工業(わら・竹細工等)。
    更に、網を打つ、炭焼き、大工、農民加工、直売に広がる
  • 地域:八百屋、魚屋、米屋、豆腐屋、農林水産加工業、小売業
思想としての農業:無制限に欲望を追い求めるのがグローバル化、欲望を律するのが農業
土地問題:自作農→小作農化が進んでいる
  • 私的所有(農民的土地所有、耕作者主義)→資本(企業)による土地所有の進展(農地法が崩れつつある)
  • 農業生産法人の土地取得は条件が緩和されているので、資本が表面に出ることなく土地取得が行われている
  • 農業生産法人は市民でも組織できるので、市民と農民で土地所有する仕組み作りが重要
  • 税金で農地や水路を作ってきたので、これは公のものである
「資本(企業)の農業」と「農民の農業」
  • 資本の農業:資本の回収や回転を重視する短期的経営(移民労働等にも通じる)
  • 農民の農業:子や孫の世代も考える長期的経営

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