日時 | 平成20年10月20日 |
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場所 | 厚生会館(東京都千代田区) |
用件 | 「第125回 河川文化を語る会」に参加 |
硫黄酸化物と樹木の立ち枯れの関係
~炭による立ち枯れ予防と二酸化炭素の削減~元東邦大学教授 大森 禎子 氏
1 樹木立ち枯れの原因
- 原因は化石燃料である。燃焼時に出る硫黄酸化物で衰退した結果、抵抗力を失い病害虫に犯される
- 数年前から発生した病害虫によって枯れるのではなく、30年位前からの衰退が原因
- 土壌が酸性化されなければ樹木は生き延びられる
- 風(樹木への堆積が雨で根元に移動)や雪により土壌に硫黄酸化物が濃縮される→酸性土壌にアルミ等の金属が吸収され、金属がリンを奪う→リンやカリウムが欠如すると樹木は生長できない
- 年輪の幅が急に小さくなった時点(全国各地で年代は違う)から樹木の衰退が始まっている
2 炭の効果と二酸化炭素削減
- 樹木は土壌から水、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リン等を吸収し生長するが、炭の中にはそれらの成分が残っている。
- 炭を酸性土壌に撒けば雨水に溶解して酸性土壌を中和し、残った成分は再び樹木の栄養源になる。かつ、残った炭は保水剤や微生物の住家となり、土壌の活性化を促し立ち枯れ防止に役立つ
- 炭は燃焼しない限り二酸化炭素を排出せず、炭(炭素)1㎏は二酸化炭素3.7kg相当量を永久に固定できる
- 土壌の中和に関しては、石灰石は土を硬くするので、炭のほうが有効。なかでも竹類はアルカリ分が多く有効
- 炭を燃料とした場合、自身が吸収した二酸化炭素を排出するので大気中の二酸化炭素割合は変化しない