記事一覧

地方自治経営学会研究大会に参加

地方自治経営学会研究大会に参加

日時平成22年5月14日 1日間
場所明治大学(東京都)
用件地方自治経営学会研究大会に参加

パネルディスカッション「事業仕分け、その評価」

司会前鳥取県知事片山 善博 氏
パネリスト行革刷新大臣枝野 幸男 氏
衆議院議員河野 太郎 氏
前我孫子市長福嶋 浩彦 氏
読売新聞編集委員青山 彰久 氏

枝野
事業仕分けの効果
  • 国民が税金の使われ方に関心を持つようになった
  • 政治家の役割についての認識の変化:予算を取ってくるのではなく、使われ方をチェックするのが役割
  • 仕分けされる側の意識転換:天下りや、ムダと判断されそうなものはやらなくなってきた。

河野
1 自民党政権下も仕分けをしていた
事業名目は素晴らしいが、いい加減な予算付けがあった
役所が予算についてしっかり説明できないものがある→政治家のゴリ押しで付いた予算がある
いくら創出するかを決めてから逆算して事業を切ることが重要
2 地方自治体での仕分け
二元代表制だから地方議会のほうが中央よりやりやすい
予算を組み換えるなど、もっと行政と激論すべき

福嶋
1 市長時代
2 事業仕分け
予算が無修正で通過したことはないが、当然のことと考える(市長は市民の立場で予算編成するので、議員の考えは聞かない)
「あれも、これも」の時代ではない。何をやめるかを決めるのは市民
どの事業を仕分けるのかを見定めるのが大事
事業仕分けの進化形:仕分け人は議論するだけで判断しない。判断は議論を聞いた市民代表が行なう

青山
1 事業仕分けの評価
事業仕分けには、市民参加と情報公開が確保されており、参加と公開という民主主義の基本が入っていた
2 事業仕分けの課題
流行だからといってやってはいけない(やることが目的ではない)
現在の仕分けはストレス発散にはなるが、ワクワク感がない(新しい公共サービスの提案などの夢や希望がない)
仕分け人で、資質の低い人がいる(例:事業廃止の理由が、難しい言葉を使っているからという仕分け人)

片山
決算・監査・行政評価・予算審議などの予算のチェックシステムが働いていない

枝野
ミクロに歳出事業をチェックする今回の仕分けは、片山氏の主張を浮き上がらせた

河野
  • 決算委員会の有効活用が必要(担当課長の出席でよい)
  • 「言葉が難しいから止め」もあり:経験上、丁寧な説明ができないものはダメなものが多い

福嶋
仕分けの結論と実際の対応の食い違いがみられる(例:河川管理における草刈で、入札を問題としていたものが、回数の減少で対応された)

枝野
夢や希望の部分については、国家戦略担当大臣が行なう





パネルディスカッション「超高齢社会、その大波」

司会西九州大学客員教授坂田 期雄 氏
パネリスト立教大学教授服部 万里子 氏
NHKチーフプロデューサー小宮 英美 氏
ノンフィクション作家沖藤 典子 氏

服部
介護保険の改正で在宅重視へ転換を
1 現状
国の政策の失敗
  • 2010年要介護認定者数は予測390万人に対して、実際は490万人
  • 介護報酬の削減で訪問介護サービス事業者の経営は苦しい(事業所閉鎖は利用者には死活問題)
  • サービスの利用制限などでH17~21のケアプラン数は減少した
在宅
  • 家族がいないと在宅介護は難しい状況(介護保険の訪問介護サービスは1日の生活を支えるには不十分)
  • 昼はデイサービス、夜は2,000円程度の宿泊施設を利用するパターンが多い
  • アンケート調査によると、在宅サービスが充実すれば在宅介護が可能と答える人が多い
  • 在宅介護の4条件、①お金がある ②家族がいる ③家族関係が良好 ④非認知症
2 対策
  • 訪問介護の制限撤廃
  • 緩やかな見守り制度が必要
  • 事業者主体から利用者主体へ
  • 生活扶助(掃除や洗濯など)、身体介護の制限撤廃(時間や区分け、上限など)

小宮
1 介護保険の問題点
  • 高齢者は、自宅で暮らし続けたいという思いが強い
  • 現在の介護保険は、介護職員を買い叩いている状態
  • 現行の制度は、高齢者や介護職員などのヒトを悪く(不幸に)する制度。もしくは、ヒトを悪くして支える制度となっている
2 対策
介護保険の財源問題:高齢者の負担を考慮すると保険料は上げられない。今すぐ税の比率を増やすべき(無駄をなくしてからの税投入では悲惨な現状が放置され る)

沖藤
1 介護保険の問題点
  • 介護認定を受けてもサービスを受けない人が全国で80万人(背景に貧困問題
  • 訪問介護の利用制限による介護者の負担増で、殺人や虐待が起きる
  • 介護労働者が、職を選んだ理由は「やりがい」。やめる理由は「人間関係、収入(一般労働者平均の6割程度)、経営姿勢」
  • 福祉法人は同族経営の色彩が強く、特養などの施設長に能力がない場合がある
  • 介護認定の軽度傾斜化と軽度者はずし:軽度者を支える仕組みが弱く重度者になりやすい
2 対策
  • 公費負担アップ
  • 介護労働者の収入アップ
  • 大都市の施設不足の改善

服部
  • 介護保険事業計画の達成度をチェックすべき
  • H18の介護保険改正で自己負担が増えた
  • 軽度者を支えず重度者にし、重度者へのサービスを充実させるのは誤り

トラックバック

この記事のトラックバックURL
https://www.sekitaka.net/index-tb.cgi/401

トラックバック一覧