関貴志のホームページ

日時	平成22年4月16日
場所	虎ノ門琴平タワー（東京都）
用件	「BS EN 16001 エネルギーマネジメントシステム」概要解説セミナーに参加

BS EN 16001概要解説とISO14001、ISO50001、改正省エネ法との比較

１ エネルギーマネジメントが問われる背景

（１）省エネ法改正

①	目的：オフィス等業務部門での対策強化
②	改正点：エネルギー使用量の集計単位（対象） 改正前：エネルギー使用量の大きい工場や事業場（ビル） 改正後：エネルギー使用量の大きい企業単位（小さな店舗等も入る）

（２）地球温暖化対策基本法案（22年３月に閣議決定）

2020年に90年比25％減の中期目標 2050年に90年比80％減の長期目標 国内排出量取引制度を明記（総量規制を基本とし、1年以内の導入）

（３）エネルギーマネジメント確立の重要性、メリット

①	リスク管理 改正省エネ法による企業単位でのエネルギーデータ報告 正確な環境パフォーマンスデータの必要性（CO2見える化や環境報告書） エネルギー供給の安定性確保
②	コストメリット 省エネの実現 マネジメントの統合運用によるマネジメントコストの低減 正確な環境パフォーマンスデータの収集システム構築による、データ収集管理、分析コストの低減
③	リスク管理＆コストメリット 国内排出量取引制度の導入に向けた準備となる

２ BS EN 16001とISO50001の概要

（１）エネルギーマネジメントシステムとは

①	システムとプロセスを確立して、エネルギー効率を改善して、
②	コスト削減、温室効果ガス削減をもたらし、
③	継続的改善を可能にするプロセスを導入することで、
④	より効率的なエネルギーの使用を促進し、
⑤	エネルギーモニタリングプラン（エネルギーがどのように使われているか）とエネルギー利用状況の分析を可能にする

（２）環境マネジメントシステム（EMS）とエネルギーマネジメントシステム（EnMS）の違い

①	EMSの目的：環境保護、汚染防止、廃棄物管理、環境パフォーマンス（多様な環境側面を管理）
②	EnMSの目的：エネルギー効率、エネルギー保護、エネルギー管理、エネルギーパフォーマンス（エネルギーに関してのより深い管理）

（３）BS EN 16001

①	EUエネルギーサービス指令（2006年）を満たすために、欧州標準化委員会が開発
②	一般的なマネジメントシステムの用語を使用
③	要求事項とガイダンスの両方を含む
④	組織が既に構築しているマネジメントシステムへの組み込みが可能
⑤	ISO14001（環境マネジメントシステム）の構成との整合性がある
⑥	BS EN 16001以外のエネルギーマネジメントシステム 日本：改正省エネ法 ISO50001：2011年に発行予定、BS EN 16001導入はISO50001導入の準備につながるので、他社に先行できる

（４）ISO50001

①	目的：エネルギーマネジメントの技術的側面と戦略的管理の側面を組み合わせることで、エネルギー効率の改善、コスト削減などに対して実践的なアプローチを提供する
②	特徴 業種、業態、規模に関係なく全ての組織に適用可能 再生可能エネルギーを含めた全てのエネルギーが対象 エネルギー方針を特定し、目的･目標･計画を策定する 法令等や、著しいエネルギー使用を考慮する 既存のマネジメントシステムと併用･統合が可能 パフォーマンスの基準を規定しない ベースの一つはBS EN 16001

３ 省エネ法とエネルギーマネジメントシステム

（１）相違点

①	適用範囲 省エネ法：一定規模以上の企業 EnMS：全ての組織
②	対象 省エネ法：燃料、熱、電気 EnMS：全ての使用エネルギー
③	取組み 省エネ法：義務的、担当者の業務、与えられた目標 EnMS：自主的、経営陣を巻き込んだ全社活動、根本原因からの計画設定

（２）相乗効果

省エネ法への対応に、EnMSを追加することはメリットがある