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働く場所がなくなる

日時平成22年1月18日
場所PARC自由学校(東京都)
用件PARC自由学校講座に参加

働く場所がなくなる ~新自由主義と雇用~

弁護士 中野 麻美 氏

1 格差社会(貧困と格差の拡大)
(1)OECD対日経済審査報告書から
  • 2003年、労働者の4人に1人が150万円未満の所得(男は10人に1人、女は2人に1人で男女格差は国際的にも大きい)
(2)労働市場の二極化・規制緩和政策と世界同時不況
労働者の使い捨てパーツ化
  • 人間的生活ができない → 憲法25条に抵触
  • 将来展望が持てない
女性労働者
  • 女性は家計補助という考え
  • 企業との結びつきが弱い
  • 仕事と家庭の両立が求められる
  • 生活保護は360万円/年(住宅扶助、教育扶助、生活扶助など含む)、パート時給900円台でこの金額を稼ぐとすると、年間4000時間労働。子ども抱えてDV逃れているような場合は大変:パートなくして企業は回らない現状にもかかわらず、働いて死んでしまうような状況

(3)雇用多様化のポジとネガを生み出したもの
男女雇用機会均等法(1985年)
募集・採用区分ごとに比較する法制度がコース別雇用管理の導入や非正規雇用による採用を拡大し、女性労働の多様化をもたらした:正規雇用では男女平等だが、女性はパートや派遣であれば安く雇える
労働者派遣法
それまで違法だった労働者供給を派遣という形で合法化して女性労働の多様化の法的受け皿を拡大するとともに、流動化をもたらした
労働時間規制の緩和・撤廃
労働時間規制の基本が「労働からの自由」であって、当時の男女のダブルスタンダードは「男性に対する差別的」格差であるのに、「何時間働けるか」の物差しによって女性を男性並みの長時間労動に巻き込み、全体としての長時間労働をもたらした
年金法改正(1985年)と第三号被保険者
いくら長時間働いても自立した生活とは程遠い低賃金パートタイム労働の容認・拡大に拍車をかけ、「新性別役割」を生み出した:日本型雇用でも女性は虐げられてきた
商取引関係の法律は競争促進(使用者は買い叩ける)⇔ 労働法は競争抑制


2 非正規雇用化 ~その質的変換~
(1)バッファーから常用代替へ
(2)低賃金雇用の構造的要因:我々はそれを当然のものとして受け入れた
(3)非正規雇用の買い叩き可能な法的構造(労働の商取引化)
  • 有期雇用
  • 商取引を含んだ労働関係


3 格差を利用した正規雇用の買い叩き ~雇用の液状化~
(1)成果・業績主義処遇 → 過労、ダンピング
(2)選択定年制という名の選別
(3)差別と買い叩きの連鎖

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