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妊婦死亡事故

先月、妊婦が脳内出血で8病院に搬送を断られ、出産した後に死亡した事故が発生しましたが、その夫の記者会見に心が揺さぶられました。

彼は「かかわってくれたすべての医療関係者は、人として一生懸命やってくれた。責任追及したり、誰かを責めることで、産婦人科の医師が減っては元も子もないのでその気はない。妻の死を無駄にしない為に医療問題を改善して欲しい。息子には医療を変えたのは母さんだと伝えたい」などと深く静かに話していました。

怒りや責任追及の会見を目にすることは多いのですが、この方のように達観した会見はあまり見かけません。怒りや責任追及を行なう人の気持ちはよく理解できますし、そういった行為で物事が改善していくことも多いので、怒りや責任追及は必要なことなのかもしれません。世間話でも「怒らなきゃダメだ」とか「なんで怒らないの」いう言葉を聞くことがあります。しかし、この方のように、こんな状況の中でさえ感情に流されないで語ることが出来る人は凄い人だなと感じましたし、本当の意味で世の中を変えていけるのは、こういった方々なのかもしれないなと感じました。関係者は彼の気持ちに甘えるのではなく、本当に真摯に受け止めて対処して欲しいものです。

そして、この会見を見た時、以前に聞いたあるインタビューを思い出しました。
9.11テロで夫を亡くし、子供と共に残された妻(日本人)のインタビューです。彼女は「恨み・怒り・憎しみの連鎖を止めなければならない。自分は今回のテロに対し恨み・怒り・憎しみを持ちたくない」といった旨の発言をしていました(随分前なので文言は違っているかもしれません)。
彼も彼女も、悲しみや辛さを既に乗り越えているのではなく、乗り越えようと努力しているのだと思いますが、その姿に心が揺さぶられ、言葉が響くような気がします。

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