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暮らしの中の化学物質に参加

日時平成29年11月23日
用件暮らしの中の化学物質に参加


終わっていない環境ホルモン問題

NPO法人「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」代表
弁護士  中下 裕子 氏
1 環境ホルモン問題の経過
 (1)野生生物の異変(原因として合成化学物質が疑われる)
   ・巣をつくらないハクトウワシ
   ・孵化しないワニやカモメの卵
   ・子を産まないミンク
   ・アザラシ、イルカの大量死
   ・ヒトの精子数の激減 等
 
 (2)ウィングスプレッド宣言(1991年)
     シーア・コルボーン、ピートマイヤーズをはじめとする科学者が
     初めて一堂に会し、化学物質が野生生物や人間の内分泌系を
     かく乱しているとの仮説に基づく以下の合意を提唱
     ・化学物質は生体内に入って女性ホルモンと類似の作用あるいは
      抗男性ホルモン作用を示し、ホルモン系(内分泌系)を
      かく乱させる作用をもつ
     ・多くの野生生物種は、すでにこれらの化学物質影響を受けている
     ・これらの化学物質は人体にも蓄積されている

 (3)コルボーンらによる「奪われし未来」の刊行(1996年)
     環境ホルモン問題が世界的関心事項となる

 (4)環境庁が「環境ホルモン戦略計画 SPEED98」策定(1998年)
     環境ホルモン作用が疑われる67物質のリスト作成(3/4が農薬)

 (5)日本では「環境ホルモン空騒ぎ」論の台頭
    ・中西準子氏を中心に産業界寄りの学者・ジャーナリストによる
     空騒ぎ論が新聞・雑誌に掲載され、単行本も出版される
    ・環境省の調査結果:「一部の物質は魚類への影響が認められたが、
     人間への明らかな影響は認められなかった」
    ・環境省は環境ホルモンリストを廃止し、計画を大幅に縮小

 (6)世界では研究が進む
   ①未解明な点もあるが人間や野生生物にとって極めて重大な課題であると
    認識した
   ②1997年8ヶ国環境大臣会合で「子供の環境保護に関するマイアミ宣言」
    採択
   ③2002年WHO/IPCS「内分泌かく乱物質の化学の現状に対する地球規模
    の評価」公表
    ・野生生物への影響の可能性は認められる
    ・ヒトへの影響の証拠は弱い(証拠はないとの表現ではない)
    ・幅広く国際的な共同研究が必要
   ④2013年WHO/UNEP「内分泌かく乱化学物質の化学の現状2012年版」
    刊行

 (7)WHO報告書「人間と野生生物に対する環境ホルモンの影響」(2013年)
   ①序論
     「・・・・脆弱な時期に内分泌制御の変化に至るような濃度で
     環境ホルモンに暴露された場合には、野生生物や実験動物で
     認められた影響はヒトでも発現する可能性がある。
     ヒトと野生生物ともに特に懸念されるのは初期発達への影響である。
     これらの影響は多くの場合、不可逆的であり、ライフサイクルの
     後期まで明らかにならない可能性があるためである」
   ②対象とされた内分泌器官系と関連疾患
    ・女性の生殖障害:子宮筋腫、子宮内膜症、不妊、早期胸部発達
    ・男性生殖障害:停留精巣、尿道下裂、精巣がん
    ・性比の不均衡:男女性比の不均衡(メス化)
    ・甲状腺疾患:甲状腺機能障害、甲状腺がん
    ・小児発達神経障害:自閉症スペクトラム障害、認知機能・IQ低下
    ・ホルモン関連がん:乳がん、前立腺がん、甲状腺がん、
     子宮内膜ガン、卵巣がん
    ・副腎皮質障害:HPA軸の応答性変化
    ・骨障害:骨障害
    ・代謝障害:肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム
    ・免疫障害:免疫機能障害、リンパ腫、白血病、自己免疫性疾患、
     喘息、子宮内膜症
    ・個体数減少:人口置換水準を下回るような出生率の急激な減少

 (8)環境ホルモン問題の広がり
   ①人間の生殖にも影響が現れ始めた
    ・不妊症と不育症(子宮内で育たない)の増加
    ・男性生殖器官の異常(胎児期の男性ホルモンの濃度低下)
      尿道下裂 1974年 1万人当たり1.1人
           2011年 1万人当たり5.6人  5倍に増加
    ・精子数の減少(男性ホルモンの濃度低下)
      北米、欧州、豪州の男性の精子数は40年前より50%以上
      減少(2017年)マウスの3世代継続実験では第1世代が
      環境エストロゲンに暴露すると精子数が減少し、第2世代に
      引き継がれ、第3世代では精子を全く生産できず生殖能力が
      なくなる
   ②神経系や免疫系にも影響
    ・発達障害の増加
      カリフォルニア州では1990~2006年に自閉症が7~8倍増加
      日本でも特別支援教育在籍児童・生徒数の急激な増加
    ・アレルギー疾患の増加
      日本では喘息が1970~2013年に約10倍に増加

 (9)諸外国の動き
   ①アメリカ
     1990年代 食品品質保護法改正、飲料水安全法改正
     1999年 環境保護庁(EPA)内分泌かく乱物質スクリーニング
         プログラム(EDSP)策定  しかしブッシュ政権中は
         ほとんど動きなし
     2009年 EDSPの動き再開  第1回スクリーニング対象67物質
         (うち58物質が農薬)を選定
     2011年 EDSP21策定(EDSPの加速化)
     2013年 第2回スクリーニング対象109物質を選定
   ②EU
     1999年 内分泌かく乱物質に対する共同体戦略
           原因・結果の研究  
           予防原則に基づいた適切な政策的措置の実施
     2006年 REACH規則(一般化学品)
          内分泌かく乱作用を有し、ヒト又は環境に対し
          発がん性物質等と同等の懸念をもたらす恐れがある
          科学的証拠がある場合は、高懸念化学物質(SVHC)
          リストに記載し認可対象候補物質となる 
     2009年 植物保護製品規則(農薬)
          ヒトに悪影響を与える環境ホルモン(判断基準を
          2017年に公表)は原則禁止
     2009年 化粧品に関する規則
     2012年 殺生物製品規則(殺生物製品)      


2 環境ホルモン問題が提起したもの
 (1)新しい毒性概念
   ①生体のホルモン作用の正常な動きをかく乱し、その結果ヒト、
    野生生物に影響を及ぼす(発がん物質のように細胞に直接作用するもの
    ではない)
    ・本来のホルモンのレベルが変動するので閾値を想定できない
    ・低用量で作用することがある
    ・非単調用量反応関係を示すことがある(用量と反応の関係は
     右上りグラフではない)
    ・暴露のタイミングが極めて重要
    ・経世代影響もある(3世代までの影響は分かっている)
    ・複合影響(複数の化学物質に暴露)を発現することがある
     (現代の人体中からは200~400種類の化学物質が見つかる)
   ②安全な量が決められない
   ③従来のリスク評価手法では対処できない

 (2)子供の脳の発達と環境ホルモン
   ①ある程度の関連が分かった環境ホルモン
    ・PCB → IQ低下
    ・難燃剤(PBDE)→ 多動
    ・ビスフェノールA(BPA)、フタル酸エステル → 攻撃的、多動
    ・水銀、鉛 → 脳の発育遅れ、重い障害、学習機能や注意力低下、
     問題行動増加
   ②発達神経毒性物質の同定は始まったばかり
     2006年に201物質が同定されたが、氷山の一角

 (3)胎児期の環境と病気の関係
   ①「胎児期の環境ホルモン暴露は、糖尿病、高血圧、肥満、心疾患、
    脳こうそくなどの病気の要因となる」との仮説がある
   ②エピジェネティックな変異(環境ホルモンの影響で遺伝子の
    オン/オフに起こる異常)


3 環境ホルモン問題への対処
 (1)新しい対処の枠組みが必要
    産業界やこれと密接な関係省庁が抵抗し、日本では環境ホルモン
    問題は終わったとされている

 (2)赤ちゃんの臍帯血
    200以上の化学物質が検出(2009年アメリカ環境ワーキンググループ)

 (3)香害
   ①合成香料の問題点
    ・合成香料は複合化学物質の塊
      合成ムスク(ジャコウの香り)、フタル酸エステル類などの
      環境ホルモンも含まれている
    ・徐放剤として強毒物質イソシアネートが含まれているものがある
    ・除菌成分の塩化ベンザルコニウムには生殖毒性がある
   ②不十分な日本の法規制
    ・EU
      26種類の香料をアレルギー物質として成分表示
      ムスクキシレンの製造・使用禁止(2011年2月)
      101物質について表示義務化
      12物質について配合比率0.01%以下とすることを提言
    ・日本
      自主規制任せで、表示義務なし

 (4)環境ホルモンを避けるために
   ①食べ物
    ・ポストハーベストに注意
    ・輸入缶詰にはビスフェノールAが使用されている可能性
    ・加工食品よりも生鮮食品
    ・フッ素加工のフライパンなどは使用しない
    ・プラスティックの食器、容器、包装材の使用を減らす
    ・妊婦や子供はマグロを食べない など
   ②化粧品
    ・パラベン、オキシベンゾン、トリクロサンを含む商品を避ける
    ・薬用せっけんより普通の石鹸を使う
    ・妊婦や子供は入浴剤を使用しない
    ・香料を使用している商品を避ける など
   ③生活用品
    ・香料を含むシャンプー、柔軟剤、消臭剤などを使わない
    ・抗菌製品は使わない
    ・防水スプレーは使わない
    ・妊婦や子供の周辺で農薬や殺虫剤は使わない など

 (5)提言
   ①原因不明とされている現代病、特に子どもの病気(アトピー、
    発達障害、喘息など)の増加を、環境ホルモン問題の解明と
    適切な対処によって防ぐことのできる可能性がでてきた。
    ・対処できない場合は次世代の子供や野生生物に取り返しの
     つかない悪影響を及ぼしかねない
   ②環境ホルモンに対する法規制の早期実現
    ・環境ホルモンを含む毒性を有する化学物質についての
     包括的規制の早期確立が必要
    ・環境ホルモンを含む農薬、化粧品、おもちゃの使用を
     禁止すること
    ・環境ホルモンを含む食品、容器・包装、家庭用品、子供用品に
     ついて、その旨の表示を義務付けること
    ・香料、抗菌剤、芳香剤、可塑剤、等の添加剤について、
     その成分表示を義務付けること
    ・胎児、子供、妊産婦の農薬など環境ホルモンへの暴露を
     削減するための有効な措置を講ずること


環境ホルモンに対しては予防原則に則った対処が重要と改めて感じた。

いま、柏崎刈羽原発の再稼働を問うに参加

日時平成29年8月8日
用件いま、柏崎刈羽原発の再稼働を問うに参加


なぜ福島原発事故は防げなかったのか

原子力資料情報室  山口 幸夫 氏
1 決めるのは誰か
 ①専門家に任せてはならない。福島原発事故で専門家の限界が露呈
 ②住民・市民が決める
・柏崎刈羽の「地域の会」は注目に値する
・韓国では熟議型世論調査を実施
 ③柏崎刈羽原発には中越沖地震での塑性歪み(外力によって生じた歪みで永久に
  残るもの)が残っていると思われる
  ・中越沖地震は想定以上の振動だった
  ・塑性歪みの検出は難しい
  ・新潟県の技術小委員会で議論されたが、技術委員会(親委員会)には
   誤った報告がされた(中越沖地震後の再稼働の際)


2 原子力規制委員会は審査を取り消せ
   2017年7月10日に規制委員会が示した7項目の基本的考え方と、
   それに対する東電社長の回答が幼稚
    例
     規制委員会:原子力事業については経済性よりも安全性追求を
           優先しなくてはならない
     東電社長:私は安全性を疎かにして経済性を優先する考えは
          微塵もありません。決して致しません。


3 今後の課題
   新潟県の4つの検証委員会(検証総括委員会を含む)のなかに
   住民・市民がいない
 → 最終的には住民・市民が判断するべき


柏崎刈羽原発をめぐる地震・地質問題

新潟大学名誉教授  立石 雅昭 氏
・一般的な地震動の議論は40万年前まで遡るが、原発敷地の地震動の
 議論は12~13万年前までしか遡らない
・柏崎刈羽原発敷地周辺の地質に関する規制委員会の審査は
 科学的審査と言えない
・審査書案は敷地内に分布する活断層の活動年代について、東電の
 資料・解釈を一方的に採用したものであり、活断層問題研究会が
 提起している敷地内安田層の堆積年代を誤って評価している
・中子軽石層(NG)が模式的に露出するとする地点を誤認するとともに、
 その地点の柱状は、厚さをはじめ、地層の積み重なりさえ正しく
 示していない。さらに、その年代を13万年とする解釈は、その下位に
 位置する安田層下部の汽水成層の年代を最終間氷期(13~12万年)と
 する東電自体の解釈と整合性がない
・中位段丘を構成する13~12万年前の安田層について、中位段丘地
 表面のみを12~13万年に形成されたとする荒唐無稽な解釈を
 受け入れた審査は杜撰である
・国民や県民が抱く東電への強い不信に向き合うことなく、また、
 度重なる東電の隠ぺいを不問に付し、原発運転資格の適格性を
 容認することは認められない。規制委員会は国民や住民の原発再稼働に
 対する不安や危惧に背を向けている。自らが「安全文化」とは何かを
 問い直すべきである



地域経済と原発 ~リスクへの給付と地域振興という神話~

新潟大学経済学部准教授  藤堂 史明 氏
1 基本的考え方
・経済価値と環境(放射線リスク)はトレードオフにならない
 (次元が違うものを比較できない)
・放射線リスクは医学や科学でなく経済学(費用便益分析)で
 語られてきたことが問題


2 原発立地のリスクとベネフィット
 (1)地域振興による原発立地の利益(ベネフィット)の内容
   ①原発一基の建設に伴い、計画段階から運転期間の間に
    約1400億円が支給される(電源立地地域対策交付金など)
   ②そのほかに、原発の建設・運転時のメンテナンスなどに
    建設・製造・サービス業が関わり、経済的波及効果により
    膨大な経済価値が立地自治体にもたらされるはずであった
 (2)財政状況で見た柏崎市の経済効果
   ①財政力指数0.70は県平均の0.50を上回るが、全国類似90団体中
    48位で同平均0.73を下回る
   ②箱モノ支出が増大したため、施設維持費等による経常的経費が
    大きく、経常的支出比率は89.7%で、県平均89.5%、
    全国類似団体平均88.87%を上回る
    (平成24年度の97.4%からは改善傾向)
   ③潤沢な財源が固定支出を増大させ、長期的には財政状況が悪化


3 柏崎刈羽原発と柏崎市の産業・経済の関係
 (1)40年間のデータが示す実態
   ①柏崎市と周辺自治体との比較
    ・原発の経済効果は経済神話なのではないかとして、
     新潟日報社と2015~2016年に共同研究
    ・産業部門別調査では、1号基建設開始の1970年代から7号機完成の
     1990年代を中心とした時系列変化を全国及び県内の
     同一規模都市(県内では三条市、新発田市)の推移と比較した
   ②製造業
     原発の大きな影響を受けていないと思われる
   ③建設業
     原発建設時期に明らかに大きな生産額の増加が見られると
     ともに、建設終了により生産額が減少している
   ④卸売・小売業
     経済効果が最も大きいと思われる建設期間中から落ち込みが
     始まっている
   ⑤サービス業
     原発の建設・運転による効果は見られない
 (2)経済効果が見られない理由
   ①産業連関上は発生するはずの波及効果見られない。とりわけ、
    建設業から他産業への波及効果が見られない。
    (原子力施設建設の特殊性か)
   ②原子力施設で発生する需要の特殊性や、特定の受注に
    依存することが、他需要の受注体制や営業努力に悪影響を
    与えた可能性


4 「経済効果」は「経済神話」
 (1)地域振興に原発は役立たない
   ①データからは、柏崎市における原発による生産額増大効果は
    建設業において原発建設期に顕著にみられる以外は観察されない
   ②先行して行った「100社調査」でも、一部の直接的に関係する
    業者を除いては原発との関係性が薄いとの考察とも合致
   ③新潟の事例以外については調査の余地がある
 (2)矛盾している「原発」と「地域の自立」
   ①経済効果の矛盾
    ・原子炉立地指針では低人口地域が求められているが、
     リスクに対応したベネフィットを享受して、経済発展・
     人口増大することは矛盾
    ・福島事故では立地指針の低人口地域の想定を超えて汚染が
     広がった
    ・原発から半径30~50㎞以内に都市があること自体が問題

多様な側面から柏崎刈羽原発の問題点が提起された。
地質の問題は専門的で難しいものだったが、国や事業者への疑念が深まるものであった

効果的な予算・決算審議を考える

日時平成29年8月8日


効果的な予算・決算審議を考える

2017.8.8
(株)地方議会総合研究所  廣瀬 和彦
1 予算に対する修正
 (1)予算に対する否決
   ①当初予算が否決された場合、行政活動の執行が停滞し、地方公共団体の
    行財政運営に重大な支障をきたすので留意が必要
   ②平成27年度予算の議決状況
     可決(附帯決議なし)764市(94%)
     可決(附帯決議あり)25市(3%)
     修正可決 16市(2%)(増額修正はないが検討の価値あり)
     否決 0
     その他 8市(1%)
   ③専決処分に対する不承認
     地方公共団体の長は速やかに当該処置に関して必要と認める措置を
     講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければならない。

 (2)予算に対する修正
   ①修正動議は定数の1/12以上の議員の発議が必要
   ②予算修正の種類
    ・減額修正…特に問題とならない
    ・増額修正…可能だが、地方自治法97条により、地方公共団体の長の
     予算提出権限を侵すことはできない。予算総額を増額する場合と、
     総額は修正せず科目間で増減を行う場合がある。
   ③「長の提出権限を侵す」の解釈
     増額修正しようとする内容、規模、当該予算全体との関連、当該
     地方公共団体の行財政運営における影響度、などが考慮される。

 (3)修正動議と執行科目(目節)
   ①議会が予算について議決権を行使できるのは款項についてだけなので、
    長の提出した歳入歳出予算事項別明細書は議決の対象にならない
   ②しかし、具体的な内容は修正された目節を中心とした事項別明細書が
    なければ分からないため提出の必要がある

 (4)修正動議の提出時期
   ①本会議における修正動議は、委員会審査終了後、若しくは委員長報告後で、
    討論開始前までに提出することとされている
   ②委員会では議員一人でも修正案を提出可能


2 予算に対する修正以外の議会意思の表示
 (1)予算組み替え動議
   ①議員の求める修正事項について、長がこれを認めて予算を再提出する
    ことを求める動議
   ②予算に対する修正が複雑など、議会事務局が限られた会期日数に
    おいて作成することが困難な場合に活用
   ③要件と形式
    ・発議に定数の1/12以上の議員は不必要(市議会規則による)
    ・議員が修正を求めるべき事項を列記
    ・長に予算を撤回し、修正して再提出する旨を記載
   ④修正動議と違い可決しても法的拘束力はない
    ・長は動議を尊重し、予算を修正して再提出
    ・長は動議が可決されても、なんの措置もとらない
    ・長は予算を修正せず、その代わりに次期定例会や翌年度予算に
     動議の内容を実現させる旨を表明する

 (2)予算に対する附帯決議
   ①可決または修正議決した案件に対する委員会の要望、執行上の
    留意事項等を議決でまとめたもの
   ②付帯決議を可決したら終わりではなく、付帯決議への長の対応を
    文書又は口頭で回答させることもできる
   ③議会は附帯決議への執行機関の対応措置を追跡調査する義務がある

 (3)予算に対する執行留保決議
    「標準市議会会議規則69条」表決には条件を付けることが
    できないので、議会が特定の経費の執行留保を条件として予算を
    可決することは認められない → 事実上は要望と同じ


2 決算審査
 (1)認定の考え方
   ①認定の意義
     議会が決算の内容を審査し、予算の執行が適法かつ適正に行われた
     ことを地方公共団体の意思として確認する行為
   ②効果
     執行機関に対して過去における予算執行に関する政治的責任を
     解除するにとどまり、法令に違反する経費の支出等の違法性を阻却し、
     法的な責任を解除するものではない
   ③不認定
     地方公共団体の意思としての収支の確定がなかったことになるが、
     決算の効力に影響はない
 (2)評価を活用すべき
   ①議会による事務事業評価の実施状況
     813市 中 38市 で実施(H27.12月現在) 実施率4.7%
   ②事務事業評価よりも広範な施策評価を行っている議会もある


特に、予算審議における議員や議会の多様な意思表示方法は今後の参考になる。

電磁波問題市民研究会 定例会に参加

日時平成29年7月19日


電磁波問題市民研究会 定例会

2017.7.19
事務局長  大久保 貞利
地域に2基目の無線基地局が設置されることから、電磁波の影響などについて質問するために参加

  • 2基目が設置された場合は、単純計算で電磁波の影響は倍になる(出力などにより影響が違う)
  • 仙台市太白区では2基目の影響が疑われる住民の健康被害があった
  • 5万円程度の電磁波簡易測定器の数値は20倍程度の誤差が生じる場合があるが、目安には使える。正確な測定には3万円+交通費が必要。
  • 1μW/㎠以上で健康被害がでやすい
  • 簡易測定器による基地局周辺の現在の値0.02~0.5μW/㎠は正しい数値ならば、健康被害は心配しなくてよいレベル
  • 電磁波測定において、事業者は6分平均を使うが、最大値によるダメージが大きいので、本来は1週間程の計測が必要



いくつかの疑問に対して、問題意識を有している専門家の見解を聞くことができ、有意義だった。


長岡市も立地適正化計画と公共施設等総合管理計画を策定したが、今後の取り組みを促進するための参考になった。

立地適正化計画と公共施設等総合管理計画

日時平成29年5月26日


立地適正化計画と公共施設等総合管理計画

2017.5.26
地方自治体公民連携研究財団   蔵田 幸三
1 日本のまちづくりにおける課題(=立適、総管の両計画が必要な理由)
 (1)インフラ老朽化
 (2)財政逼迫(社会保障費増大)
 (3)まちづくり主体の経営(ヒト・モノ・金・情報)
 (4)人口動態
   ①日本全体の人口は今後30年間で2割程度の厳しい人口減少
   ②政令市を除く県庁所在都市では今後も高齢者が増える
    ・福祉が当面の課題
    ・福祉医療施設を中心部に設置すべき
   ③地方都市では今後30年間で3割程度の厳しい人口減少
    ・高齢者は大きくは増えない
    ・15~64歳人口が3~4割減


2 立地適正化計画のポイント
 (1)コンパクトシティが必要な理由
   ①持続可能な都市経営(財政・経済)のため =最も強い動機
    ・人口密度が小さいほど一人当たり行政コストは増大
    ・公共投資、行政サービスの効率化
    ・ビジネス環境の維持向上など
   ②環境問題のため
    ・二酸化炭素削減など
   ③高齢者・子育て環境のため
    ・子育て、教育、医療福祉の利用環境向上
    ・仕事と生活のバランス改善
    ・コミュニティ力維持など
   ④防災のため
    ・災害危険性の低い地域の重点利用など
 (2)立地適正化計画は市町村都市マスタープランの高度化版
 (3)都市計画と公共交通の一体化
 (4)時間軸を持ったアクションプラン
   ・20~30年かけて実現するもので、性急には行わない


3 公共施設等総合管理計画のポイント、事例
 (1)老朽化対策の推進
   ①公共施設等の管理
    ・長期的視点に立った老朽化対策の推進
    ・適切な維持管理と修繕の実施
    ・トータルコストの算定、縮減、平準化
    ・計画の見直し、充実
   ②まちづくり
    ・PPP、PFIの活用
    ・将来のまちづくりを見据えた検討
    ・議会、住民との情報及び現状認識の共有
   ③国土強靭化
    ・計画的な点検、診断
    ・修繕と更新履歴の集積
    ・公共施設等の安全性確保
    ・耐震化推進
(2)事例紹介
   ・先進自治体での取り組み事例
   ・施設の複合化は高い効果がある。共用部分(玄関、執務室、
    トイレ、エレベーター、廊下など)による効果が大きく、平均で
    17%の面積削減につながる


4 PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:公民連携)、PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)による公有資産の活用、施設整備の事例
 (1)習志野市
   ①2013年以降の25年間で40%の施設しか更新できないことが明らかになる
   ②公共施設再生計画のポイント
    ・総保有量の圧縮、長寿命化、財源確保
    ・施設重視から機能優先へ → 複合化、多機能化
    ・PPP、PFIの推進
   ③大久保地区公共施設再生事業のポイント
    ・8施設(7建物)の機能を保ちながら3建物に統廃合
    ・新築とリノベーション(躯体活用建替)をあわせて実施
    ・施設整備及び維持管理運営にPFI手法を導入
    ・公有地に定期借地権を設定し、民間提案による事業を実施(有効活用)
    ・民間収益事業(市民の利便性を高めるもの)を併設(財政効果)
    ・23年間(建設から運営)での市の負担は82.8憶円(従来方式での整備)
     から79.1億円となり3.7億円(4.4%)の負担軽減


5 今後のまちづくりの方向性
 (1)人口減少社会のまちづくり
   ・立地適正化計画
   ・公共施設等総合管理計画
 (2)PPP、PFIによる事業推進
 (3)行政、民間(企業)、地域(市民)の連携
   ・タイミング(チャンス)を見極める
   ・キーマン(人材)を育てる、連れてくる
   ・キーマンにはコミュニケーション能力、受け止める力、情熱が必要


長岡市も立地適正化計画と公共施設等総合管理計画を策定したが、今後の取り組みを促進 するための参考になった。

人口減少時代の自治体財政、議員活動マスター講座に参加

日時平成29年2月19日から2月22日まで 3日間
場所2月20・21日 新大阪丸ビル別館
2月22日 アクロス福岡
用件2月20・21日 人口減少時代の自治体財政
2月22日 議員活動マスター講座      に参加のため


人口減少時代の自治体財政

立命館大学 政策科学部 教授  森 裕之 氏

自治体財政について ~地方財政制度~

1 地方財政計画との関係 ~財政全体から見た地方財政~
 ①内政分野への歳出(民生費、学校教育費、国土開発費、衛生費など)の  大部分は地方財政が賄っている  ②地方財政の仕組み(2014年度における国・地方間の財源配分)   ・国民の租税総額93.9兆円:国税57.8兆円(61.6%)、地方税36兆円(38.4%)   ・歳出ベース:国70兆円(421.7%)、地方97.8兆円(58.3%)   ・税と歳出の配分比率のねじれは先進国中最大    → 国のさせたいことと、 地方のしたいことのねじれ
2 まち・ひと・しごと創生基本方針
(1)時代に合った地域づくり   ①まち・ひと・しごと創生基本方針や骨太の方針で繰り返し要求されている   ②内容     稼げるまちづくり、立地適正化計画(コンパクトシティ)、     地域公共交通網形成計画、連携中枢都市圏、定住自立圏、     公共施設等総合管理計画(公共施設の集     約化・複合化・利活用)、小さな拠点の形成   ③財政支援(2017年度)     ・まち・ひと・しごと創生事業費 1兆円     ・公共施設等適正管理推進事業費 3,500億円(前年度比+1,500憶円)

あなたの自治体の財政を確認

1 財政指標の見方と議論のポイント
 (1)決算カード    ①主な財政指標の経年変化      時系列に現れた変化の背景を探る(経済情勢、財政政策、制度改革など)    ②財政指標の内訳を探る(経常収支比率など)    ③目的別歳出と性質別歳出をクロス分析する    ④類似団体や近隣自治体との比較する    (2)歳入    ①一般財源・特定財源、地方税、国庫支出金、地方債についての説明    ②臨時財政対策債     ・実質的な赤字地方債     ・H26年度の地方債発行額の47%が臨時財政対策債      年々増額、財政規律は崩壊状態、使わなくて済むならば      発行しないのが賢明  (3)歳出    ①目的別経費、性質別経費についての説明    ②公共事業費が減り、福祉費が増えた    ③大規模自治体ほど民生費(福祉)の支出割合が大きい    ④効果のチェック     ・需要と支出のバランス:需要が満たされているか、需要は適切か     ・現在と将来の一般財源の負担の大きさ     ・住民や地元企業との協働できているか  (4)経常収支比率    ①数値が高いほど財政が硬直化している    ②成長期は80%以下が望ましかったが、新規建設量が減った現在は80%を     超えても大きな問題ではない
2 財政健全化法と各種指標
 (1)4つの判断比率    ①実質赤字比率(旧制度はこの指標のみ):普通会計の実質赤字の     標準財政規模に対する比率    ②連結実質赤字比率:全会計の実質赤字等の標準財政規模に対する比率    ③実質公債費比率:地方債元利償還金の標準財政規模に対する比率    ④将来負担比率:公営企業、出資法人等を含めた実質的負債の     標準財政規模に対する比率    ⑤上記いずれかが基準以上の場合、財政健全化計画を策定し議会と国に報告  (2)分析事例(弘前市2014年度決算)     ①性質別歳出の構成比を類似団体と比較     ②人件費、物件費(委託費が含まれる)の比率が低い → かなり人を      減らしている     ③補助費の比率が高い → 事務組合への補助費が大きい
3 これからの地方議員がおさえるべき勘所
 ①国は地方への仕送りを減らすが、地方創生に取り組む自治体には財政支援   ・政府の動きと自治体予算の関係をチェック   ・地方交付税、国庫支出金、地方債などと施策との関連をチェック   ・地方創生への誘導を上手に利用する  ②地元企業や地域団体の社会経済力を引き出す  ③自治体間連携を強めて行財政改革を進める  ④公共施設の再編問題への対応(地方創生の中心)

国土強靭化政策と公共事業

1 地域の公共施設・インフラの現況
 (1)事業主体別行政投資額の推移    ①国2割、都道府県4割(学校と公営住宅の比率が多い)、     市町村4割(うち、小中学校が4割を占める)    ②学校と公営住宅が再編・統合のターゲットになる  (2)社会資本(道路、港湾、空港、公共住宅、下水道、公園、治水、海岸)の     維持管理・更新費の将来推計(国土交通省2010年度)    ①2037年度には維持管理・更新費が投資総額を上回る(新設は不可能)    ②2060年度までの50年間に必要な更新費190兆円のうち16%約30兆円の     更新ができない    ③インフラは更新せざるを得ないので、公共施設(箱もの)を     統廃合するしかない   (3)老朽化と事故   ①水道    ・日本で年間25,000件の事故(一日平均70件)    ・水道管破裂による大規模事故も多い   ②学校    ・市町村が所有管理する公共施設の37%が小中学校    ・ほぼすべてが改修の必要がある    ・タイル、窓などの脱落事故が2011年度だけで14,000件(全国の     公立小中学校は30,000校なので1年間に2校に1校で事故が発生した計算) (4)公共事業の基本的財政スキーム   ①地方公共事業の建設は国庫支出金、地方債、一般財源の組み合わせで    行われるが維持管理や補修は自治体の一般財源で行う   ②自治体の整備してきた社会資本の維持補修は自治体が担う
2 国土強靭化政策の2つの課題
 (1)国土強靭化基本計画    ①被害最小化、迅速な復旧復興、国の経済成長の一翼    ②東京一極集中からの脱却    ③施策の重点化、既存社会資本の有効活用等による費用縮減、民間資金の     積極活用    ④国土強靭化地域計画を定めることができる  (2)国土強靭化地域計画と公共施設      地域計画と公共施設等総合管理計画は連携して整合性を      持たなくてはならない   (3)課題     ①国民の需要の変化や社会資本の老朽化等を踏まえるとともに、持続的な      実施に配慮して施策の重点化を図ること     ②限られた資金を最大限に活用するため、PPP(パブリック・プライベート・      パートナーシップ)やPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)      による民間資金の積極的活用を図ること     ・しかし、PFIの経費節減効果は有効な検証が行われていない     ・最近は、経費削減の手段としてのPFIは採用されなくなっている(民への      解放が目的となっている)
3 強まる行財政誘導と公共施設等総合管理計画
 (1)行財政誘導    ①2014年 日本創成会議の「消滅可能性都市」以降の地方自治法改正、     骨太の方針日本再興計画、国土強靭化基本計画、まち・ひと・しごと     創生本部、国土のグランドデザイン2050で示されたこと     ・都市間連携     ・立地適正化計画(居住地域や都市機能の集約化)     ・東京一極集中是正     ・インフラ長寿命化     ・コンパクトシティ、コンパクトビレッジ(小さな拠点)、ネットワーク     ・PPP、PFI推進     ・公共施設等総合管理計画    ②立地適正化計画     ・人口密度が高いほど一人あたりの財政コストは低い     ・居住誘導区域:従来の都市計画における市街化区域を縮小     ・都市機能誘導区域:福祉、医療、商業等の集積     ・国土強靭化政策との連携:財政支援で計画作成自治体と未作成自治体を      差別化(誘導区域の防災対策には国の支援)     ・公共施設等総合管理計画との連携:管理計画により学校敷地の土地を      供給し、適正化計画の誘導区域として活用する      (例:学校敷地を売却もしくは公営住宅化して居住誘導)    ③公共施設等総合管理計画     ・老朽化や利用の状況の把握     ・人口推移見通しの把握・分析     ・財政収支見込(維持管理、更新等の費用も含む)     ・財政負担の軽減、平準化に向けた数値目標の設定     ・事業推進のための財政措置(補助金や事業債)がさらに拡大される      可能性     ・公共施設縮減によるコスト削減    


㈱地方議会総合研究所 所長  廣瀬 和彦 氏

議員の役割と議員活動の基本

1 問題点
  1 議員間討議が少ない   2 議会事務局の人員不足   3 住民から遠い存在になっている   4 不適切な口利き   5 会派が政策手段ではなくポスト獲得集団になっている   6 議会報告会は住民ニーズを満たしていない。意見交換会(住民の意見を    聞いてほしい)がニーズ
2 議員の権限
(1) 会議内の権利 1 動議の提出権(口頭で求める) 2 表決権:無記名評決をもっと活用すべき 3 議長選挙等における選挙権 4 表決に際しての投票方法等の要求権 5 異議申し立て権 6 事件等の撤回権(一事不再議を回避できる) (2) 会議外の権利 1 臨時会の召集請求権 2 本会議の開議請求権(当日の開議のみ) 3 委員会の召集請求権(当日に限らず) 4 議案の提出権:団体意思決定議案(条例・予算)と  機関意思決定議案(決議) 5 議員としての資格を有しているか等の要求権 6 侮辱者に対する処分請求権 7 請願の紹介権 8 条例による議員報酬、費用弁償、期末手当の受給権
3 議会の権限
(1) 議決権 1 議会の権限が及ぶ範囲は基本的なもの又は重要なものの決定に限られている    地方公共団体の全ての意思決定が委ねられてはいない 2 地方自治法96条2項(追加議決権)    議会で議決する事件を定めることができる(法定受託事務は対象外) (2) 選挙権 1 指名推選      特定の者が当選人となることが予測され、議員の中から異議がなく、      投票を行った場合と同じ結果が得られると認められる場合に当選人と      すべきものを指名し、そのものを当選人と定める手続き 2 議長選挙での立候補制(従来は会派間で事前調整し指名推選)      全国の市議会のうち4割の議会が立候補制 (3) 監視権:執行機関を監視し牽制する権限 1 報告及び書類受理権、検閲検査権、監査請求権     ・報告及び書類受理権(議会の議決権や諸権限の適切な行使を      担保するため)長から提出される報告や資料に対する質疑は可能     ・検閲検査権(地方自治法98条)      議会は地方公共団体の事務に関する書類及び計算書を請求し、事務の      管理、議決の執行及び出納を検査することができる       → 条例や予算審議に反映させる(帯広市議会がよく使う手法)     ・監査請求権      監査委員に監査請求する権限がある      議会及び議員は執行機関に対する一般的な資料要求権はない 2 調査権     ・監視権の中で最も実効性がある     ・地方公共団体の事務に関し、関係人の出頭、証言、記録の提出を      請求できる     ・明確な結論が出ない場合も多い 3 承認権     執行機関によって既に執行された行為(専決処分)について承認する権限 4 同意権     副市長選任などの人事案件や長の法定期日前退職など 5 不信任議決権     最も強力な監視権 (4) 意見表明権:一定の事項について議会としての意思や見解を表明する権限     ・意見提出権      地方公共団体の公益に関する事件についての意見書を国会や行政庁に      提出できる    国会や行政庁は意見書受理の義務は負うが、その意見には拘束されない     ・諮問答申権       執行機関が一定の行為を行うに当たって、議会に諮問することを       義務づけられている案件への答申     ・請願受理権 (5) 自律権(議会の内部的事項を決定し、処理する権限)     議員の資格決定権や議会の自主解散権など

質問・質疑の活用と議員としての発言のあり方

1 質問
 (1) 種類 1 代表質問:所属政党又は会派を代表して行う質問 2 一般質問:個々の議員が行う質問 3 緊急質問:突発的に発生した事態に対する緊急性を有する質問 4 関連質問:質問議員以外の議員が行う (反問権は必要なし)  (2)一般質問    ①質問通告書     ・質問者の数の調整(議会運営委員会にて重複質問への対応)     ・質問者の順序の調整     ・執行機関の答弁の準備    ②執行機関による事前聞き取り     ・議論をかみ合わせるためにある程度必要     ・議員は議長を通して答弁要旨をもらわないとバランスを欠く    ③質問方法(一問一答方式が望ましい)     ・一括質問、一括答弁方式       議事が円滑に進む       執行機関は答弁の準備がしやすい       質問と答弁の間があき、分かりづらい       演説調になりやすい       答弁漏れの可能性が高い     ・一問一答方式       傍聴者にも分かりやすい       論点、争点が明確になる       答弁漏れの可能性が低い       同じ質問が繰り返される可能性がある       執行機関は答弁の負担が大きい       質問数は減る       議場は対面式が望ましい
2 質疑(議題となった案件についての疑問点を提出者に聞くこと)
  1 意見は言えない   2 定例会・臨時会を問わず行うことが可能 議場の説明のなかで、長岡市議会の議場も例示されたが、開会中にブラインドを 下ろしていることを講師は批判した

なにわエコ会議 二酸化炭素削減コンペ  参加

日時平成29年2月8日から2月9日まで 2日間
場所2月8日 大阪市中央公会堂
2月9日 図書館流通センター本社 ホール
用件2月8日 なにわエコ会議 二酸化炭素削減コンペ
2月9日 TRCセミナー          に参加のため

二酸化炭素削減コンペ 省エネセミナー

知って得する省エネ対策

省エネ診断プロフェッショナル 中田 進久 氏
1 省エネとは
(1) 省エネとは何か ・必要な時に必要なだけを無理なく使う ・自社のエネルギー量と運転状況などを知る ・現場を知る責任者が先頭に立つ ・運用改善とはルールを作り直すこと ・ルールは自分たちの言葉と数値の裏付けで決める (2) どうやるのか ~省エネ7~(照明の場合) 1 正味必要量:明るすぎないか照度を見直す。個数を減らす、自然光の利用 2 時間:必要時のみ点灯。回路の細分化、人感センサー 3 高効率:高さを変える、LED化 4 損失⑤回収:清掃による照度回復、室内の配色、反射板の調整      ⑥複数:複数あれば間引く、止める      ⑦新設:制御機能付きにする、レイアウト見直し
2 設備ごとの取り組み
     省エネ7の考え方に沿って、以下の設備について説明があった       照明、空調、電力契約、ポンプ、インバーター、空気圧縮機       

バイオマ産業都市推進シンポジウムに参加

日時平成29年2月3日
場所三井住友銀行本店ビル(東京都)
用件バイオマ産業都市推進シンポジウム に参加のため

1 未利用木質バイオマス発電の地域貢献
グリーン・サーマル(株) 代表取締役 滝澤 誠 氏
    (1) 山元に設置するバイオマス発電の重要性
        1 新エネルギーの供給:他の新エネと違い安定しているのでベース電源になれる
        2 林業振興、山林整備
        3 地元貢献:山元で生産した電力でも送電線網で輸送コストを掛けずに
     納品でき、地方産業の創出に貢献できる

    (2) 山側でのバイオマス発電システムの必要性
        1 伐採された木材はA材(梁などに使用され伐採量の25%)、B材(集成材や
     合板などに使用され伐採量の25%)が利用され、C材(伐採量の40%)、
     D材(伐採量の10%)は未利用材
        2 C、D材が取引されることで売り上げ増となり、次期森林資源循環費用に
     充てられることで適切な森林整備が推進される。計画的植林=計画的伐採
    (3) 事業概要(標準モデル6250kWの場合)
 総事業費 約32億円(チップ加工設備込み)
 面積   12,000~30,000㎡(原木置き場込み)
 開発期間 営業運転まで約3年
 売上   約11億円/年(買取制度20年固定)
 燃料   購入費 約6.5億円/年
      購入量 約8万t(含水50%換算)
 課題   燃料8万tの収集が難しい。賦存量は申し分ない場合が多いが、現
 況で2万t程度の場合が多い。輸入材であるPKS(パーム椰子殻)
 で補充する。


2 バイオマス事業におけるファイナンスの現状と課題
一般社団法人グリーンファイナンス推進機構 専務理事 品川 良一 氏
    (1) 資本と借入金の調達
        1 資本の調達
     ・事業者単独では自己資本が不足するケースが多い:金融機関が事業の
      評価をしにくいので融資ができにくい → 頭金の増大
     ・スポンサーと組んで合弁事業として資本を厚くする等の対策
     ・グリーンファンドによる出資の活用(メザニンファイナンス)  
        2 借入金の調達
 ・プロジェクトファイナンス仕立てによる資金調達
 ・バイオマス事業の事業性評価の難しさ
   事業の実例や情報が不足(太陽光は豊富)
   事業の入口の原料調達、出口の廃棄物等の処理が難しい
   制度の変化が激しい

    (2) メザニンファイナンス
        1 メザニンは中二階という意味で、出資と融資の中間に位置する融資形態。
     一般的には劣後ローン、劣後債、優先株などを意味する。
        2 銀行からの融資では対応困難なリスクマネーの確保に有効
        3 増資による既存株主の議決権希薄化を回避または軽減できる

    (3) プロジェクトファイナンス
 返済財源はプロジェクトから生み出されるキャッシュフロー(例:売電収入)
 であることなどの特徴がある

    (4) 事業性評価の主なポイント
        1 EPC(設計・調達・建設)
・バイオマスのEPCとしての実績
・事業者とEPCの責任分界点
・コストオーバーラン、タイムオーバーランの可能性とその場合の費用負担
        2 燃料供給
・供給量、価格、長期性
・規格(大きさ、形状、含水率等)の適切性
・乾燥の時間、場所
・在庫の有無と場所
        3 メンテナンス
・有資格者の確保
・メンテナンス体制
・海外メーカーの設備の場合の部品調達やメンテ体制
        4 保険
・売電収入補償特約
        5 事業者はハッピーシナリオを採用する場合が多いが、うまくいかなかった
     場合にどの程度で食い止められるのかが重要


3 再生可能のエネルギー市場の動向とバイオマス発電への期待
(株)日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 部長 段野 孝一郎 氏
 (1)2030年度の再生可能エネルギー導入目標でバイオマスに対する期待は大きい
     現状252万kW → 2030年度602~728万kW

 (2)新FIT(固定買取制度)法においても、送配電事業者を介して小売電気
    事業者による電源としての活用は可能で、インバランス(元の計画との
    違い)特例制度も継続することから、小売電気事業者にとってベース
    ロードとしての意義も大きい

 (3)バイオマス発電事業の事業化ポイントは燃料調達リスクと調達コストの
    軽減
   ①山側の事業者にとってもメリットのある仕組みが必要
   ②中小規模案件における運搬コストの低減や熱利用等の工夫が必要
   ③金融機関に対しては、今後は出力制御(*)の影響評価も重要
     出力制御:再生可能エネと省エネの進展や原発再稼働により、
          出力抑制指示の発動リスクが高まっている。バイオマス発電は
          抑制指示順位が比較的高い


4 バイオマス都市さが
佐賀市バイオマス産業都市推進課 創エネ戦略室長 井口 浩樹 氏
    佐賀市における藻類産業集積事例の紹介


5 パネルディスカッション バイオマス事業の課題と今後の展開
パネリストはこれまで講演した各講師
    (1) バイオマス熱利用
        1 排熱は利用できるが事業としては成り立ちにくい(熱は簡単に運べない)
現状では「製材事業者が発電」「発電業者がハウス栽培」などに限られる
        2 国は熱利用に力を入れてくる
・プロジェクトの立案段階で熱利用を考える(後に付け足せない)
・熱利用している業者(銭湯など)がプロジェクトを立ち上げる
        3 熱利用できる立地条件
・燃料の含水率調整用
・熱需要のあるところに発電施設を作る

    (2) 原料確保
        1 集荷側との協力が必要
        2 物流と在庫コントロール
・どの地点まで取りに行くか
・原料の含水率が高いと水を運んでいるようなものでコスト高
        3 失敗事例(収集量変動リスク)
 山側は発電のためではなく製紙や建材用に木を切っているので季節変動がある

    (3) 今後の展開
        1 高付加価値のものから手を付けたい
        2 多重利用(多段階利用)したい
        3 金融機関からの情報提供も重要
        4 CO2削減への貢献度も検証が必要
        5 新事例
 ・パワー(電気、熱):進んでいる
 ・フューエル(バイオエタノールなどの燃料):航空機燃料が有望
 ・マテリアル:資源循環として注目(例:化粧品原料、セルロースナノファ
イバー)


計画から実践へ-真価が問われる公共施設マネジメント 講座に参加

日時平成29年2月9日
場所
用件計画から実践へ - 真価が問われる公共施設マネジメント

公共施設マネジメント 「拡充」から「縮充」への発想転換

東洋大学客員教授  南 学 氏
1 現状
 (1)3年前、総務省が自治体に本年度末までに公共施設管理計画の策定を指示
   ①東村山市では、今後30年間で公共施設の大規模修繕と建替えに
    年平均30億円必要だが、財源は年に20億円ほどの見通し
   ②習志野市などの先進地では、しっかりした計画を策定したが合意形成が
    難しく事業の進捗は遅い
    ・少数だが施設への愛着を持つ市民がネック
    ・職員の知識、意欲、情熱、経験の欠如が問題

 (2)時限爆弾としての公共施設
   ①市民の生命と財産を脅かす:天井崩落など
   ②業務上過失致死傷罪が職員に適用される:流れるプールでの死亡事故
   ③更新費用の財源確保が中心課題


2 公会計改革との結合
  ・建物と設備の情報(メンテナンスが必要な時期と費用)で更新の優先度
   (いつ見限るのかも含めて)を判断する
  ・町田市、江戸川区は事業別・施設別の財務諸表でフルコストを把握し、
   個別プランを作成しており先進的
  ・運営から経営への発想転換
  

3 公共施設マネジメントの方程式
 (1)財源確保(課題)=総面積の統廃合(面積圧縮率)+
             民営化(経費圧縮率)+
             受益者負担増(受益偏在改善率)+
             遊休資産活用(売却・貸付率)
   ①単純な面積圧縮ではない
   ②民営化では官民給与格差(10:7.5)が生きる
   ③受益者負担増:図書館の例
    ・図書館は利用率の高い施設だが、住民の1割程度しか利用していない
      貸出登録率は高いが死亡や転居人も含まれている
      利用者の1割が9割の貸出しを受けている(ヘビーユーザー)
    ・貸出し冊数よりも諸外国のように入館者数で評価すべき
      より多くの人に利用してもらう工夫
      料金アップ
   ④遊休資産活用:学校の例
    ・学校施設の稼働率=年10ヶ月(80%)×週5日(70%)×日7時間(30%)
             =16.8%と低い
    ・特に屋外プールは3週間程度の使用で年間500万円程度の維持費
     →屋内プールで全校共有化もあり得る(専門の水泳指導員や巡回バスも
      検討の余地あり)
    ・音楽室の防音性を上げて、スタジオとして貸し出せる

 (2)注目される大阪での新事例
   ①大阪城天守閣を博物館から観光拠点にした
   ②博物館機能は直営を維持
   ③指定管理料はマイナス(電通が受注し3億円が市に入る)
   ④魅力を高める施設を事業者の負担で整備した(遊覧船、巡回バス、
    レストラン、屋台村、テーマパーク等)
   ⑤性格の異なる複数施設は指定管理が最適
   
 (3)公共施設の包括管理(まんのう町、我孫子市、流山市)
   ①ある調査では1つの管理契約に10万円の人件費がかかっていた
   ②仕様書も見積書もチェックできていない実態
   ③数百本の無責任契約でコストは数千万円
    → 一本化で安全責任と経費削減
   ④地元業者にもメリット
   ⑤予算編成と執行の工夫で包括管理を行える
   

実践先行型 ~成果を生み出す公共施設マネジメント~

特定非営利活動法人 日本PFI・PPP協会 業務部長  寺沢 弘樹 氏
1 公共施設を取り巻く環境
 (1)公共施設やインフラの将来コスト計算
    ・国土交通省所管インフラは2037年に維持管理費が不足
    ・滝川市では今後40年間の公共施設更新に現在の3.2倍の経費が必要、
     薩摩川内市では2.4倍
    ・全自治体共通の事象であり、解決に向けたアクション(自分たちの
     街の生き方の構築)に踏み出すことが求められている

 (2)富津市の財政危機宣言(2014年)に見る単年度会計と現金主義の落とし穴
   ①市債への依存と財政調整基金の取り崩し
     これにより実質収支が赤字に転落することを回避し、単年度会計の
     財政指標は健全だった
   ②財政調整基金の残高減少と枯渇
     ①の手法が取れなくなり、実質収支が赤字転落
   ③抑制する術を失った赤字累積
     財政再建基準を突破
   ④基金残高があるうちは表面化しない
   ⑤普通交付税減額や臨時財政対策債の措置がなされなかった場合には
    富津市のみの問題ではなくなる

 (3)国に自治体を助ける力はあるか
   ①国の財政は自転車操業状態で自治体より厳しい
   ②臨時財政対策債の発行額は増加傾向
    ・その一方で交付税の算定方法の見直し
    ・今を凌ぐことが精一杯で、未来へ向けたマネジメントができていない
   ③国が自治体を助けてくれる時代ではない

 (4)朽ちるインフラ
    ・日本の公共投資は1964年の東京オリンピック前後に大きな山を
     形成したが技術的に未熟だったため、50年後の現在は大きな問題
    ・笹子トンネル崩落事故などが起きている
    ・老朽化は確実に起きる「緩やかな震災」と認識する必要


2 包括施設管理業務委託
 (1)事業スキーム
   ①従来の施設管理業務委託
    ・各課が所管の施設や設備ごとに保守点検業務を発注
    ・事務量、コスト、全体像が見えない
   ②デザインビルド型包括施設管理業務委託(流山市)
    ・保守点検業務を一括発注
      H25 57百万円/34施設51業務・年を1業務へ集約
      H26 63百万円/46施設68業務・年を1業務へ集約
    ・プロポーザル+デザインビルド
      価、+αサービス、柔軟性、市内業者活用などの基準で募集し、
      優先交渉権者と詳細を協議
    ・効果
      事務量、委託費の削減
      民間ノウハウの活用
      専門家による定期巡回の実現
      +αのサービスで保守管理業務充実

 (2)プロセス
     スケジュール、対象施設・設備の抽出、仕様確認、債務負担行為、
     地元業者への配慮、プロポーザルコンペ等についての詳細説明

(3)包括的管理業務委託のメリット
  ①自治体のメリット
   ・事務量の大幅な低減(総括部局で一括発注、施設所管課は日常管理)
     設備把握、仕様書づくり、見積、予算、契約などの業務が不要
   ・スケールメリットによるコスト削減
   ・ビルメンテナンスのプロによる質の向上
     点検業務の内容と品質をビルメンテナンス業者が一括把握、一次検収
   ・施設情報の見える化と効率的な修繕
     月例報告、クラウドサーバーの活用
  ②民間事業者のメリット(特に地元業者)
   ・中期(3~5年)の安定した事業
   ・大手ビルメンテナンスのノウハウを吸収
   ・民間物件の受注機会拡大
     良質な地元業者は大手ビルメンテが受注している民間物件の
     受注機械が拡大

 (4)包括的管理業務委託の留意点
   ①意識・考え方
    ・縦割り、組織を意識し過ぎない
    ・性能発注の理解
      課題、目的、与条件を考える。仕様書を作ろうとしない
    ・プロポーザル、随意契約に先入観を持たない
      より安い高品質サービスを追求
    ・地元業者への配慮と過保護のバランス
    ・民間業者と対等な協議
      発注・受注の関係からパートナーとしての信頼関係へ
   ②技術面
    ・メーカー管理の設備(エレベーターや自動ドア等)が多い施設を
      含める点検単価が高いのでスケールメリットが出やすい
    ・24時間開放、清掃が伴う高コスト施設を含める
      人件費の割合が高いので工夫によるコスト削減が可能
    ・契約期間が異なる業務や配慮が必要な業務を無理に含めない
      トラブルになりやすい
    ・汎用性の高い設備を中心に選択
      民間物件で考えられる範囲が望ましい
    ・予算の一本化
      職員の人件費と労力の削減にも大きな効果を生み出せる


3 発想の転換
   公共施設の有効活用についての事例紹介があった


新たな会計情報によるマネジメント・コントロール

ジャパンシステム(株)  松村 俊英 氏
1 論点整理
 (1)総務省
    ・モノに関する会計情報がなかった
    ・H30.3月末までに発生主義、複式簿記の導入、固定資産台帳の整備を
     地方公共団体に要請
    ・固定資産台帳は公共施設等のマネジメントにも活用可能
    ・統一基準による財務諸類等によって団体間での比較が可能となる
 (2)発生主義の特徴と意義
   ①発生主義(企業会計)導入の理由
    ・減価償却費や引当金など「見えなかったコスト」の明示
      現行の現金主義は現金の動きだけを表す
    ・住民への説明責任の向上
    ・日々の仕訳によって月次や四半期での決算が可能
   ②導入のメリット
    ・将来の税負担に対する意識を醸成できる
    ・フルコスト分析と政策評価への活用
    ・債権、債務管理の高度化
   ③どのように変わるか
    ・従来の歳入歳出決算はそのまま
    ・補助資料として発生ベースの決算書を提示
    ・課別、事業別、施設別などの財務情報を提示
   ④何が必要か
    ・団体保有資産の一元管理(固定資産台帳の作成)
    ・複式簿記に対応した会計システム
    ・職員研修 


2 資産情報の活用
 (1)将来の資産更新必要額
     建物、公共施設(道路等含む)別、年度別の資産更新必要額を導き出せる

 (2)施設簡易評価が可能となる
   ①建物劣化度(安全性):建物性能(竣工年、大規模改修年)、耐震性能
   ②建物管理度(健全性):法定点検、劣化診断、消防点検
   ③運用費用度(経済性):フロー(光熱水費、人件費、保守点検費、
               使用料など)、ストック(補修費)
   ④立地環境性(有用性):人口密度、各種ハザードマップ
   ⑤施設管理度(快適性):バリアフリー度、法定点検、劣化診断
   ⑥施設活用度(利便性):活用率(利用者数)、稼働率(開館日数、開館時間)
 (3)施設別の方針
   ①用途廃止
   ②維持継続
   ③更新
   ④利活用(他施設への移転や他施設との統廃合)

日消連 2016年 春の連続講座「電磁波ってなんだろう?」に参加

日時平成28年2月24日
場所日本消費者連盟(東京都)
用件日消連 2016年 春の連続講座 に参加

電磁波ってなんだろう? 暮らしの中の電磁波を学ぶ

天笠 啓祐 氏
 
1 電磁波とは何か
  (1)電気と磁気(電場(電界)・磁場(磁界))
   ①モーターと発電機の関係
     電気は磁気を作る 磁気は電気を作る
   ②電場と磁場の人体への影響
    ・電場は皮膚の表面に電流を走らせるだけで、体の中に入らない
    ・磁場は体内に入り込むので健康障害の原因となる
   ②静磁場と変動磁場
    ・静磁場:例えば磁石の持つ磁場。問題を起こさない
    ・変動磁場:交流電気によってS・N極が入れ替わる。問題あり
  (2)周波数と波長
    ①周波数(1秒間の波の数 単位:ヘルツ、Hz)
    ②波長(波と波との間の長さ)
  (3)電磁波の種類  
    ①電離放射線(ガンマ線、エックス線)
     ・エネルギー強く、原子と原子を結合させている電子を核から引き
      離すので、分子や細胞を傷つける
    ②光(紫外線、可視光線、赤外線)
    ③電波(ミリ波、短波など300万メガヘルツ以下)
     ・エネルギー弱い
  (4)電磁波の性質   
     ・放射線である
     ・周波数によって性質が異なる
     ・周波数が高いほエネルギーが強い
     ・電離放射線と電波は体内に入り込むが、光は体表面でとどまる
  (5)電波の仲間   
    ①高周波
      携帯電話、電子レンジ、テレビやラジオの電波
    ②低周波
     ・送電線、家電製品(東日本50Hz、西日本60Hz)
     ・波が漏れてくる


2 電磁波の影響を考える
  (1)電磁波の生体への作用 
    ①電離作用:ガンマ線、エックス線、紫外線の一部   
    ②非電離作用
     ・発熱作用:高周波の電波
     ・非熱作用:高周波、低周波の電波で、癌や白血病を引き起こす
  (2)電磁波の単位   
     ・低周波は磁気を示すマイクロステラ(μT)(以前はミリガウス)
     ・高周波は被爆エネルギーを示すmW/㎠
  (3)有害性を示す3つの研究 
    ①地磁気の変動が生物にもたらす影響が分かってきた
    ②レーダーの発熱作用(目に被害が出る、子どもができにくい)
    ③送電線がもたらす白血病増加の研究


3 生体の働きと電気
  (1)生体は電気で動いている
     ・神経の情報伝達の基本は電気
     ・心電図や脳波などは体内の微弱な電気を計測している
  (2)電磁波は子どもへの影響がより大きい(磁気は体内で電気を作る)
     ・細胞分裂とコピーミス
     ・体内の電気的情報伝達や信号への介入
  (3)電気はバイオテクノロジーに用いられている
      細胞融合、遺伝子組み換え(エレクトロポレーション法)


4 送電線(変電所)がもたらす健康への影響
 (1)送電線(特に高圧送電線)の電磁波と小児白血病への影響から始まる
   ①1979年ワルトハイマー論文以降
    ・強い磁場にいる子どもは、弱い磁場にいる子どもに比べて白血病に
     なる確率が高まる
 (2)スウェーデン・カロリンスカ研究所の研究(1992年)
    ・0.1μT以下に比べ、0.2μT以上で2.7倍 
    ・0.1μT以下に比べ、0.3μT以上で3.8倍
    ・スウェーデンは送電線近くの学校や保育園などを移設した
 (3)ラピット計画(米国国会がエネルギー政策法の中で命じた研究)
   ①NCI(国立がん研究所)
   ・送電線と小児白血病の関連:0.1μTと0.4μTで6.41倍
    ・家電製品(電気毛布、テレビ、カールアイロンなど)と小児白血病
     の関連も指摘された
 (4)国立環境健康科学研究所での科学者の評価
   ・発がん性との関連:「可能性あり」が28人中19人
   ・小児白血病との関連:「証拠あり(最も強い表現)」が26人中20人
   ・職業人の急性リンパ性白血病:「証拠あり」が25人中14人
   ・大人の住民の発がん性:「証拠不十分」が25人中24人
 (5)送電線や変電所と精子異常、初期流産、低体重児との関連を示す多数
    の研究結果が発表された
   ①ホルモン(メラトニン)への影響は確定している
    ・メラトニンは24時間リズムを支配しており、脳内ホルモンとも関
     連している
   ②エストロゲンの増加と乳がん
   ③長期微量の被爆が問題
   ④子どもほど影響が大きい


方自治活性化研究会 特別講演会/発事故の責任を考える学習会 に参加

日時平成28年2月8日から平成28年2月9日まで2日間
場所8日 みなとみんなのスタジオ(東京都)
9日 参議院議員会館(東京都)
用件8日 地方自治活性化研究会 特別講演会 に参加のため
9日 原発事故の責任を考える学習会 に参加のため

8日 「官僚と政治の関係」

政策コンサルティング会社社長(元経済産業省官僚) 原 英史 氏
1 官僚による公共政策分野の独占(対案がどこからも出てこない)
 (1)政治に対しては官僚主導、地方に対しては中央主権、民間に対しては
    官僚統制(規制)
 (2)公共政策は政治との関係で歪みやすくなっている
    ①歪む原因の一つは官僚機構と政治の構造なので、改革が必要
     ・例えば、甘利前大臣はURに対する口利き疑惑が指摘されている
      が、同じような事件は数多くある。つまり、政・官ともに好都合      
      なもたれ合い構造がある。



2 総理が方針表明しても改革は進まない
 (1)小泉総理2004年9月「混合診療解禁の年内決定を指示」
    ①10年以上を経て患者申出療養制度(2015年)
 (2)安倍総理2014年ダボス会議で岩盤規制改革を2年で達成と明言
    ①農業分野:農協改革などは実施されたが企業参入の問題が未実施
    ②医療分野:患者申出療養は実施されたが企業参入の問題が未実施
    ③労働分野:労働時間規制、解雇ルールが未実施
    ④外国人就労:一部分野での就労が可能になったのみ
 (3)規制改革が進まない要因
    ①総理の諮問機関である「規制改革会議」2009年の意見書
      「族議員と言われる政治家、規制と天下り先を温存したい官僚、
       既得権を持つ事業者や団体が鉄のトライアングルとして結託
       し、改革を阻んできた」
    ②特定利権を持つ事業者や団体は国民の中では極少数であるが、その
     他の大多数の一般国民と利益が対立しやすい
    ③メディアにも記者クラブという特定利権が存在し、鉄のトライアン
     グルと連動している
    ④利権の温存は世界共通の現象だが、アメリカでは事業者や団体が主
     導し、日本では官僚が主導している。



3 政策の歪み改革
  (1)個別政策分野の改革:岩盤規制改革、公共事業改革など
     構造的改革:官僚機構改革、地方分権改革、選挙制度改革など
  (2)官僚機構の問題
     ①意識
      ・官僚の特殊性に対する幻想:全体の奉仕者で公正・中立だと思
       っている。また、自己の無謬性(間違いがない)を信じている
       ので、間違いを認めず微修正で対応することが多く、逆に傷口
       を広げてしまう。
     ②人事システム
      ・給与・手当の厚遇批判:仕事をする人しない人が同じ給与であ
       ることが問題。適正評価を導入し年功序列の打破が必要。
      ・総務省「人事評価に関する検討会」報告書(2014年):国家公
       務員全体の評価で、「一般職員能力評価 S(優)5.8%、A53.8
       %、B39.8%、C0.5%、D(劣)0.1%」幹部評価も同傾向。差
       がつく評価になっていない。
      ・天下り:年功序列の終着点で省庁人事当局によるあっせん。結
       果として、外郭団体などの増殖と延命、省庁への忠誠心
     ③行政運営システム
      ・国民の代表たる大臣は、官僚から見たら一日警察署長のような
       もの。本物の署長は事務次官なので、官僚は事務次官を見て仕
       事をする。  




9日 「漂流する責任」 ~福島第1原発事故の前年に何があったか~

共同通信 科学部 記者  鎮目 宰司 氏
1  衝撃の告白 小林調書(政府事故調)
   2010年7月頃、原子力安全・保安院の耐震安全審査室長だった小林氏
   は3号機の安全性を原子力安全委員会で審議するよう訴えたが、野口・
   原子力発電安全審査課長は「その件は安全委と手を握っている(安全委
   はチェックしないことと思われる)から、余計なことを言うな」とし、
   人事担当の課長からも「クビになるよ」と警告を受けた。



2 背景
   2006年 原発耐震指針の改定で、耐震バックチェック(再評価)開始
   2007年 中越沖地震があり、チェックは各原発で1基となる
   2008年 東電が5号機中間報告を保安院に提出
   2009年2月 地元4町が3号機のプルサーマル議論再開を県に要請(プ
         ルサーマル助成金が減らされる状況が影響か)
   2009年6月 5号機の審査で貞観津波(過去の巨大津波)が指摘される
         も後回しとなる(貞観津波の評価は最終報告書に先送り)
   2009年7月 佐藤知事がプルサーマル議論の再開を表明
         保安院が5号機バックチェック審査の中間報告書を出す
   2010年2月 知事が3号機プルサーマルの条件付き(3号機の耐震安全
         性、老朽化対策、燃料の健全性の3要件)受入れを表明
        当時、東電は福島県に3号機でのプルサーマル実施を求めていた。県は
        経産省に3号機の耐震安全性を特別に確認してほしいと伝えていた。
   2010年3月 県担当者が資源エネルギー庁担当者と面談し「津波評価抜
         き、安全委のチェック抜き」を、あ・うんの呼吸で合意



3 一体 何があったのか
  (1)新たな知見
    ①「津波堆積物調査にもとづく地震発生履歴に関する研究」(地震調
     査研究推進本部)
      2007年と2008年に常磐海岸地域における、869年貞観津波イベ
      ントを確認
②「平安の人々が見た巨大津波を再現する」(産業技術総合研究所)
      巨大津波の再来間隔は、およそ450~800年
  (2)エネ庁
    ①2010.4月 長官が直嶋大臣と面談
      長官「安全委の評価が必要かを知事に確認すると、『やってくれ』
        となるので、知事まで上げるのは得策でない。大臣の指示が
        あれば作業を開始する」
      大臣「そうしようか」
      経産省は保安院に、5号機で確認済みだがもう一度3号機で耐震
      安全性チェックをするよう求めた。
    ②安全委を関与させない理由
      ・原発定期検査の関係で、燃料装荷は2010.8月を逃すと次は1
       年後になる(東電の要求に間に合わない)
      ・時間が限定されているため、作業は省内で完結したい(内閣府
       の安全委が関わると時間が読めない。保安院は融通がきく)
      ・県の要請を受けたのは経産省で安全委ではない
  (3)原子力安全・保安院   
    ①森山 審議官
     ・「保安院は他のサイトへの影響を懸念して反対だったが、大臣の
      指示ならやむを得ない」
     ・審議官から小林室長らへのメール(2010.3月)「3号機の耐震バ
      ックチェックでは、貞観地震の津波評価が最大の不確定要素であ
      る旨を院長、次長に話しておきました。バックチェック評価をや
      れと言われても何が起こるか分からないと伝えておいた」
    ②名倉 審査官
      「審議官からのメールを見た時、福島担当の自分が評価しなけれ
      ばならないとはすぐに分かったが、他の仕事もあったのでやりた
      くなかった。小林室長とも『やりたくないな』という話をした。」
    ③小林 室長
     ・「私としては3号機の評価作業をやるのであれば、貞観津波をし
      っかり議論しなければならないと思っていた」
     ・「5号機の評価作業以降に得られた貞観津波の知見に関する議論
      が、完全に抜け落ちた状態で審議が進んでいった」
  (4)東京電力  
      吉田 原子力設備管理部長
      ・「無理やりやれという勢力があるわけですよ。立地地域部とい
       うか、はっきり言うと、地元の意向でずっと来ている連中です」
      ・「我々技術屋からすると、急に降って湧いたようにプルサーマ
       ルの話ですぐに動きそうだという話を2月頃に受けている」
      ・「保安院とエネ庁の中で、やるだの、やらないだの、くだらな
       いことをやっていたんです。あの馬鹿な官僚どもがね」


4 心当たりがない
  (1)角田 原子力安全委員会 審査指針課長への取材
     Q 手を握るという内容は?
     A まったく心当たりがない
     Q 貞観地震については?
     A 恥ずかしながら、3.11後に初めて知った
     Q 事故調の聴取は?
     A ない
  (2)内堀 福島県副知事(現知事)への質問
     ・「プルサーマルの技術的3条件の取り扱いについて、経産省の方
      と私は具体的なやり取りを一切行っていない」
     ・「県担当者とエネ庁担当者とのやり取りについて、報告を受けた
      かどうか、記憶は定かでない」
  (3)小山 福島県原子力安全対策課長(当時の県の担当者)への取材   
     Q 副知事に(エネ庁とのやり取りを)報告していないはずがない
       でしょう?
     A そういうことを今になって取材に答える必要はないと思うが…
       いや、それは……副知事に上がるのは自然です



5 学ぶべきこと
   ・津波対策を取る時間はあった
   ・規制官庁は原子力規制委員会に変わったが、推進官庁、立地自治体、
    事業者は変わっていない → 大丈夫か
   ・原子力規制委員会の独立は保たれるのか


自治調査研究会「安倍内閣の光と影」講演会に参加

日時平成27年7月29日
場所かながわ県民サポートセンター(神奈川県)
用件自治調査研究会 講演会に参加のため

「安倍内閣の光と影」

元経済産業省事務次官 望月 晴文 氏
1 過去の経済政策運営
 (1)自民党長期政権と失われた20年 
    ・高度成長政策の成功と失敗
    ・構造変化(少子高齢化など)への適応失敗
 (2)民主党政権への交代の功罪
    ・功:既得権益(例:全中、医師会など)が薄れたことで、第二次
       安倍政権でまともな議論ができている
    ・罪:民主党は組織マネジメントが分からなかった   



2 アベノミクスの意味
 (1)リフレ政策としての第一の矢(異次元金融政策)、第二の矢(財政政
策)の狙い
    ・グローバル化した日本市場でプレーヤーとしての政府の役割を果た
     す
 (2)政策効果
    ・行き過ぎた、円高と株安の是正
    ・結果として経済の好循環(企業収益の回復→賃上げ→消費拡大→
     経済成長)を生んだ
 (3)課題
    ・政府の力により、中小企業も好循環の環に加え、日本経済全体の
     好循環の創出



3 第3の矢の意義
 (1)持続可能な成長のための政策
    ・第一、第二の矢は病気の症状を和らげるための政策
 (2)日本社会の構造変化に対応する構造改革が必要=成長戦略
    ・少子高齢化、人口減社会でも成長する社会づくり



4 成長戦略
 (1)世界の成長センターであるアジアの成長を日本に取り込む
    ・閉ざされた地域でなく、人(ビザなど)、モノ、金(税金など)が
     自由に行き来することが可能な開かれた地域にすることが必要⇒
     TPPやFTAなどで制度の統一が必要
 (2)世界で最も企業活動のしやすい国へ
    ・法人税改革、規制改革により設備投資、研究開発投資の増加を促す
 (3)世界で最も働きやすい労働環境へ(高齢化を強みに)
    ・女性管理職登用、定年延長など
    ・高齢者のニーズ把握
 (4)外へ向かって発展する農業の振興
    ・農地利用の制度改革から農協改革まで


NOMA行政管理講座に参加

日時平成25年5月10日
場所日本経営協会 関西本部
用件NOMA行政管理講座に参加

地方財政の課題と制度改革への対応

(一社)日本経営協会 専任講師 山岡 洋志 氏
1 財政の現状
(1)国の財政と地方の財政
   ①国の財政状況     ・国の財政構造       歳出構造の問題点:義務的経費の増大=財政の硬直化                地方交付税は削減の最大のターゲット             歳入構造の問題点:5割弱という高い公債依存度       税収と歳出のギャップの推移:平成2年のバブル崩壊以降に拡大           公債残高の累増:平成24年度末見込み残高709兆円     ・国の債務       国債残高に借入金等を加えると平成24年12月末で997兆円    ②地方の財政状況     ・地方財政の構造(平成25年度地方財政計画)       歳入構造:地方税41.5%、地方交付税20.8%、国庫支出金14.5%、            地方債13.6%が4本柱で90%を占める       歳出構造:給与関係費24.1%、一般行政経費38.9%、公債費16%、            投資的経費13%が4本柱で90%を占める     ・地方の債務       平成25年度末借入金見込み残高は201兆円で10年間横ばい       地方自治体は経常業務が多いので削減は大変     ・国と地方       役割分担:国民生活に係わる行政のほとんどは地方団体が担う            歳出割合は国:地方≒41:59       財源配分:所得税移譲で地方配分が厚くなった国:地方≒55:45            地方における財源の偏在が起きている
(2)構造改革と地方分権
   ①構造改革(小泉政権から今日まで続いている)     ・経済運営       規制行政(護送船団方式)から自由競争原理に基づく政策へ転換     ・小さな政府志向       財政的行き詰まりは旧来の方法では打開できない       経済活動は官僚主導では活性化しない(画一行政の終焉)     ・キャッチフレーズ       官から民へ(行政経費の削減)       国から地方へ(地方分権推進)    ②地方分権     ・地方への権限移譲→財源移譲(国の責任放棄という面もある)     ・多様性への対応→地域実態に合った行政     ・自主的な事業運営能力の醸成→人的・組織的能力のレベルアップ→                         市町村合併→道州制?     ・地方における内部矛盾       都道府県と市町村         都道府県と市町村の分配ルール         都道府県から市町村への権限移譲       都市と地方(農村)         税源移譲で潤うのは都市(東京都だけ)→地方は財政難に         地方分権の推進は国と地方を通じた行財政改革の一環
(3)地方財政健全化法
   ①新制度の特徴は2段構えであること     ・財政悪化時       早期健全化(自主的な改善努力による健全化)       財政健全化計画(議会承認と住民公表が必要)の策定と実施     ・更に悪化した場合       財政再生(国等の関与による再生)       財政再生計画の策定と実施    ②健全化判断比率等の対象となる会計     ・旧法では一般会計+一部の特別会計     ・新法では一般会計+特別会計+広域連合等+公社・三セク
2 財政の役割
(1)財政の3つの機能
  ①資源の適正配分(最適配分)     ・資源       労働(人)、土地(もの)、資本(金)などの経済資源     ・配分先       個人、企業、政府などの経済主体     ・適正配分       最大多数の最大幸福が実現するように資源を配分する       市場メカニズムの限界を財政が補う(公共財の提供や税)    ②所得再配分(高所得者から吸い上げ、低所得者に配分)      ・累進課税制度:高所得者への高税率、低所得者への低税率     ・社会保障制度に使う:失業保険、生活保護、福祉政策、年金     ・その他の使い道:義務教育、低家賃(公営)住宅など    ③景気調整=経済安定:政府の経済活動を景気調整に活かす     ・好況時:税収を多くし、歳出を抑制     ・不況時:税収を少なくし、歳出を膨らます     ・景気の自動調節装置:累進課税制度や社会保障制度は好況時・不況                時の財政の役割を自動的に果たす制度
(2)国の役割と地方の役割
   ①国の財政の役割     ・日本全域や県境を越えた広域事業は国の所管としたほうが効率的     ・国民生活の水準が全国的に低い場合は国主導の財政運営が有効     ・大量生産、大量消費が経済の主流である時は国の財政力が必要     ・国の財政には柔軟性が強く求められる       政治的・経済的・自然的な危機状況への対応       歳入の景気弾性値は高く(景気の影響大)、応能的な税が主    ②地方財政の役割        ・住民生活に直結する行政は地方の役割     ・地方財政には安定性が強く求められる       自治体の仕事は経常的業務(止められない事業)が多い       歳入の景気弾性値は低く、応益的な税が主     ・分権が進めば、景気対策などの国が担ってきた政策を地方が担うの      で、安定性から一歩踏み出す必要がある
3 地方財政制度の構造
(1)地方税制度
   ①三割自治     ・中央集権的財政制度のため、地方の自主性・自立性が損なわれてい      るという意味     ・地方財政に占める税収割合は3割程度であったが、近年の税源移譲      で割合は上がってきた    ②地方税の性格      住民生活に密接な事業を行うことから、税負担も広く薄く負担を求      め(均等割り等)、応益性の強い税制    ③地方税の構成     ・地方税収35兆円 市町村税:都道府県税=56%:44%     ・市町村税20兆円のうち、固定資産税が40%、個人住民税が30%    ④税源の偏在     ・歳入総額に占める地方税の割合       都道府県・市町村の6割以上が30%未満(分不相応の支出も一                                 要素)     ・地方法人二税は地域間格差が大きく、消費税や固定資産税は格差が 小さい(人口一人当たりで比較)
(2)国庫支出金制度
   ①国庫支出金の種類     ・国庫負担金:国と地方が共同責任を負う事業で、負担区分に応じて            国が義務的に負担     ・国庫補助金       奨励的補助金:国が必要と認める施策を推進する場合       財政援助的補助金:地方財政上、特別の必要性がある場合     ・国庫委託金:国が実施すべき事務を地方団体に委託(例:国政選挙)    ②国庫支出金の問題点     ・国の地方支配:国庫支出金に依存すると、施策展開で国に追従     ・縦割り行政の弊害:省庁間の矛盾が地方で非効率を生む(例:保育               園と幼稚園、国道と並行する農道)     ・三位一体改革で交付金化が拡大し、財源総額は縮小傾向
(3)地方交付税制度
   ①制度の目的     ・財源調整機能:地方自治体間の財政力の格差解消     ・財源保障機能       マクロ:総額保障=国税5税の一定割合       ミクロ:どの団体にも必要な財源を保障    ②交付税の種類     ・普通地方交付税:財源不足団体に交付(交付税総額の94%)     ・特別地方交付税:災害等の特別財政需要に交付(交付税総額の6%)    ③制度の問題      交付税特別会計が膨大な借金を抱えている        このうち地方負担分が33兆円(1年間の交付税総額は17兆円)
(4)地方債制度
   ①地方債の意味:地方公共団体の資金調達のための債務で、返済が1会            計年度を越えるもの    ②地方債の機能     ・財源の年度間調整       財源不足時に借金し、余裕が生じた時に返済する(逆が基金)     ・世代間の負担均衡       社会資本整備のために借金し、現世代と後世代とで負担を分担     ・一般財源の補完     ・国の経済政策との調整       現在の地方債増大の要因になっている    ③地方債計画     ・意義:地方債の同意基準(事業別・資金別の予定額の提示)     ・関係する計画       財政投融資計画:地方公共団体は財政投融資の対象機関の一つ       地方財政計画:歳入の地方債=地方債計画の普通会計分    ④地方債の資金と借入方法     ・資金:財政融資、地方公共団体金融機構、民間、その他     ・借入方法:証書借入と債券発行    ⑤制度改革     ・平成17年度まで許可制、以降は協議制     ・許可制の意義:国全体の資金調整     ・協議制の意義:地方債の円滑な発行、財源保障、財政健全化など
4 財務管理の法制と財政分析
(1)財政分析の基礎
   ①普通会計:概念上の会計で、自治体の健全性はこの会計数値で判断     ・自治体の財政状況比較や地方財政全体の統計に使われる会計区分     ・個々に異なる団体別、会計別の範囲の数値を、総務省の基準で再構      成して普通会計数値を算出する(例:水道会計を一般会計に入れて      いる団体もあれば、公営企業特別会計としている団体もある)    ②普通会計の財源・収入・経費の区分     ・財源区分:自主・一般財源(地方税)の多いほうが望ましい       自主財源と依存財源         自前の金(地方税・負担金・使用料など)か国や県への依存         金(普通地方交付税・国庫支出金など)かの違い       一般財源と特定財源         使途が自由(地方税・普通地方交付税)か特定される(負担         金・使用料・国庫支出金など)かの違い     ・収入区分:一般的には経常的収入が多いほうが望ましい       経常的収入:安定的・継続的(地方税・普通地方交付税)       臨時的収入:臨時的(特別地方交付税・地方債)     ・経費区分       経常的経費と臨時的経費         継続的・恒常的(人件費・物件費・扶助費・補助費など)か、         一時的かの違いで、経常的経費の比率が大きいと財政の柔軟         性に欠ける       義務的経費と投資的経費         義務的(人件費・扶助費・公債費)か投資的(道路・施設な         ど)かの違いで、義務的経費が大きいと財政が硬直化してい         ることを示す        ・経常的経費を経常的収入で賄って、なお余裕があることが望ましい       ③形式収支・実質収支と比率(●は健全化判断比率)     ・形式収支       決算における歳入-歳出で、一会計年度の現金収支。マイナスは       赤字で現金不足を表す     ・実質収支:赤字の場合(その額を実質赤字額)は赤字団体と呼ぶ       形式収支から翌年度へ繰り越すべき財源を控除したもの     ・実質収支比率       実質収支額÷標準財政規模(経常的一般財源の規模)     ●実質赤字比率:一般会計等の赤字の程度を指標化       実質赤字額の標準財政規模に対する比率     ・財政力指数:1を超えると普通交付税の不交付団体       基準財政収入額÷基準財政需要額の過去3年の平均     ・経常収支比率       経常経費充当一般財源額÷経常一般財源総額×100     ●連結実質赤字比率:全会計の赤字・黒字を合算した赤字の程度       公営企業会計を含む当該地方公共団体の全会計を対象にした実       質赤字額又は資金不足額の標準財政規模に対する比率     ●実質公債費比率:借入金返済額の大きさを指標化し、資金繰りの              程度を示す       一般会計等が負担する元利償還金及び準元利償還金の標準財政       規模を基本とした額に対する比率     ●将来負担比率:一般会計等の借入金や将来支払う可能性のある負担             等の現時点での残額を指標化        地方公社や出資法人等に係わるものも含め、当該地方公共団体        の一般会計等が将来負担すべき負債の標準財政規模を基本と        した額に対する比率     ●資金不足比率:公営企業の資金不足を、公営企業の料金収入と比較             して指標化し経営状態の悪化度合いを示す             公営企業会計ごとの資金不足額の事業規模に対する比率
5 今後の地方財政
(1)今後の地方財政の巣用課題は事業実施の効率化
   ①効率化を阻む要因     ・既存事業の見直しが困難       事業に関係する利害関係団体との調整が困難       公務員は既存事業に固執する傾向が強い     ・国への依存心(国は「地方に依存される」ことに依存する)       道路公団改革、郵政改革も大都市を除くと反対が強かった       ほとんどの地方団体が地方交付税の十全な額の確保を要望    ②効率化を促す手段     ・自由競争原理への回帰       自由競争社会=適者生存の社会(例:日本版金融ビックバン)    ③効率化の限界     ・効率化:「より少ない経費で同等以上の効果を上げる」or「同じ経          費でより大きな成果を得る」     ・効率化で現在の財政状況を克服できるか疑問       抜本的に事業の組み立てを変える必要がある
(2)地方自治再考
   ①「地方自治は住民自治と団体自治の両足で立っている」と言われる      団体自治は住民自治の上に乗っているのではないか?     ②団体自治のための地方自治、住民自治なき地方自治になっていないか      地方分権は、国から地方への権限・財源の移譲で団体自治の強化に      はなるが、住民自治の強化にもなるだろうか?    ③「住民要望に応える」という住民自治をイメージさせる言葉     ・声の大きな住民の声が重視されすぎていないか?     ・将来の住民の声、過去の人たちの声を聞いているか?       権利と義務、受益と負担の関係が住民間でアンバランスになって       いるのではないか?    ④国民・住民のための行政であったのか     ・国と地方の財政状況に、国民や住民の不安は募る       生活の安定、福祉の増進に逆行する結果になっているのでは?       世代間の受益と負担のアンバランスも許容しがたい水準では?     ・国も地方も財政破綻の説明責任を果たしていない       原因解明なしの財政再建では民主主義は弱体化する    ⑤今後の地方自治において、選挙で選ばれた人の責任は重い      首長に比べて地方議員の存在感が希薄なのは問題

震災瓦れき処理状況の視察

日時平成24年11月20日から平成24年11月21日まで2日間
場所岩手県大槌町、山田町
用件震災瓦れき処理状況の視察


11月21日 10:30 山田町破砕選別施設
1 岩手県の災害廃棄物(岩手県の説明)
(1)岩手県の被害状況
 死者 4,671名  行方不明 1,216名  産業被害 8,178憶円

(2)仮置き場の状況
  • 重機の入りづらい場所がある
  • 瓦れきがあることで、土地のかさ上げができない
  • 数か所の仮置き場で火災が発生し、鎮火に25日かかった事例 もある
  • 悪臭や害虫の発生が認められる    


(3)処理状況
  • 被災現場からは、平成24年3月末までに概ね撤去済み
  • 災害廃棄物処理は平成26年3月末までの完了を目標
  • 災害廃棄物の量は525万tで、県内一般廃棄物発生量の12年 分に相当
  • 24年9月末で処理できた量は93/525万tで全体の18%


(4)広域処理の必要性(平成24年5月のデータ)
525万t中、焼却・埋立て等の処理が必要な量は326万t
県内処理
  • 県内施設(市町村の清掃センターやセメント工場等)で最大限 処理を実施
  • 仮設焼却炉(宮古地区95t/日、釜石地区109t/日)も稼働
  • 県内施設を最大限活用した場合の26年3月末における推計処 理量は207万tなので118万tの広域処理が不可欠
広域処理の状況
  • 広域処理の目処が立った量は24万t(可燃物や柱材・角材)
  • 処理方法が未確定なものの量は94万t(不燃物や漁具・漁網)
放射性物質の測定結果
  • 可燃物:山田町 76.6Bq/㎏  大槌町 83.1Bq/㎏
  • 宮古市清掃センターのセシウム濃度:主灰10Bq/㎏  飛灰 133Bq/㎏(混焼割合27% H23.9月データ)
  • 盛岡・紫波地区環境施設組合のセシウム濃度:主灰 ND(検出 限界以下) 飛灰 143Bq/㎏(混焼割合8.4%)
  • 東京都受入3施設(宮古市分を混焼)においても国の安全基準 を下回る



2 施設内見学(業務委託企業体の説明)
  • 長岡市が焼却を予定している大槌町の木質チップはこちらで処理し ているが「とても品質が良く、リサイクルできるレベルなので焼却 するのはもったいない」との説明があった。実際に持ち込んだ線量 計で計測しても、高い数値は計測されなかった。
  • 現在は、漁網などの処理の難しいものの処分が停滞している。
  • 宮城県石巻市と女川町の瓦れき処理と同様に、現地ではかなりしっ かりと処理されている印象を受けた。






11月21日 13:30 大槌町破砕選別施設
1 業務説明(業務委託企業体の説明)

(1)業務概要と処理計画
東日本大震災による大槌地区の災害廃棄物について、再資源化また は焼却等の処理を適切に行うために必要な、選別・破砕および運搬 等を行う。
大槌町には、災害廃棄物を一時的に集積した一時仮置場が17箇所 点在する。この一時仮置場で粗選別を行い、二次仮置場(本日の視 察現場)に運搬した後、破砕選別処理をして、指定処分先に運搬す る。
機械選別の後工程への人力選別多用により、選別処理能力の向上を はかっている
処理数量:可燃系混合物 44,830t  不燃系混合物 116,490t
東京都へは可燃物を一日に146t搬出している


(2)運搬計画と地元雇用
GPS運行管理システム等の活用によりスムーズな運行管理や不法 投棄防止等を徹底している
被災地では失業者が多い(特に漁業関連の失業者)ので、地元優先 に雇用している



2 施設内見学(業務委託企業体の説明)
  • 午前中の山田町や宮城県の処理現場に比べると、やや乱雑な印象を 受けた
  • 木質チップの処理は順調に進んでおり、近いうちに完了するのでは ないかとの説明を受ける

災害廃棄物処理現場の視察

日時平成24年4月17日から平成24年4月18日まで2日間
場所宮城県石巻市、女川町
用件災害廃棄物処理現場の視察


●長岡市が東日本大震災によって発生した瓦礫の受け入れを表明したため、被 災地での処理状況を視察した。但し、この時点では搬出元自治体は決まって いない。



●17日 石巻市 石巻ブロック二次仮置き場


1 石巻地区での災害廃棄物処理業務の概要
(1)石巻ブロック概況
宮城県では県全体を4ブロックに分けて災害廃棄物の処理を進めて いる。石巻ブロックは石巻市、東松島市、女川町で構成
このブロックの災害廃棄物発生量は県全体の47%と膨大
  • ブロックの災害廃棄物8,463千t
  • このうち県外処理(リサイクルが多い)は2,940千tを予定
市町が実施できない部分を県が実施する
国の目標は被災後3年以内の処理完了


(2)廃棄物処理の流れ
被災地において粗選別
一次仮置き場
  • 市町内に数か所ある
  • 粗選別と粗破砕
  • 有価物はリサイクルと売却
二次仮置き場(中間処理)
  • 選別、破砕、焼却し最終処分、リサイクルへ
  • このブロックの二次仮置き場は国内最大で、破砕分別能力3,000t/ 日、焼却能力1,500t/日
  • PCBやアスベスト等の有害物質も適切に処理する



2 災害廃棄物の現状
(1)逼迫する仮置き場
  • 重機の入れない個所を除き、散乱した瓦れきの撤去率は100%
  • 現在は家屋解体や海中からの引き上げ瓦れきの解体が主
  • 家屋は14,000棟が要解体で50%が未解体
  • 県東部と北部は平地が少なく仮置き場が不足。そのため、生活空間 近傍にも仮置き場が存在、また、瓦れきの内部発酵で火災が頻発

(2)広域処理について
県外処理2,940千tの内訳
  • 混合ごみ398千t
  • 飼料(汚染なし)40千t
  • 木くずの再生利用568千t(処理の緊急性が高い)
  • 可燃物の焼却1,248千t(処理の緊急性が高い)
  • 廃プラの再生68千t
  • 管理型品目の最終処分163千t(処理の緊急性が高い)
  • 安定型品目(焼却の必要ないもの)の最終処分275千t(処理の緊 急性が高い)
県内処理
  • 石巻以外のブロックでは、今後完成見込みの仮設焼却炉での処理が かなり進む見込み
  • 他ブロックでの焼却処理が完了すれば、石巻ブロックの廃棄物を引 き受けることができる





  • 3 現地視察
    • 二次仮置き場の膨大な廃棄物
    • 建設中の仮設焼却炉



    ●18日 女川町 災害廃棄物処理施設

    1 震災廃棄物について
    (1)概要
    種別ごとの数量、比率(主なもの)
    • 総量444千t
    • 木材84千t(19%)、コンクリート193千t(44%)、金属68千 t(15%)、可燃物65千t(15%)、土砂23千t(5%)
    • そのうち焼却処理対象は106千t

    (2)処理
    一次選別
    • 機械と人手による選別
    • 遺留品、貴重品、危険物のピックアップも行う
    二次選別
    • ベルトコンベアラインに流し、手選別
    • かなり細かく、正確に選別している印象を受けた


    2 東京都による放射能の測定
    • 東京都は女川町の災害廃棄物を受け入れている
    (1)空間線量率
    基準値
    • 選別エリアはバックグランド空間線量率の3倍超は搬出しない
    • 遮蔽線量率は0.01uSv/h超は搬出しない
    事前測定値(H23年12月3日~19日)
      • 選別エリア6地点(地上1m)0.09~0.11μSv/h、バックグラン ドは0.10~0.11uSv/h
      • ストックヤードでの遮蔽線量率(*)0.000~0.003uSv/h
        (*)遮蔽線量率…廃棄物の放射能濃度を測定することが望まし いが、1週間程度かかるため、鉛容器内での計測値からバ ックグランド遮蔽線量を引いた遮蔽線量率を用いる
    事前測定値(H23年8月3日)
    • 選別エリア6地点(地上1m)0.13~0.18μSv/h、バックグラン ドは0.16uSv/h
    • ストックヤードでの遮蔽線量率0.001~0.011uSv/h。0.011は土 砂
    現在の測定体制
    • シンチレーションサーベイメーターで測定
    • バックグランドは10回測定した平均値
    • 選別エリア空間線量率は一時間に一回
    • ストックヤード遮蔽線量率はコンテナごと

    (2)放射能濃度
    事前測定値(H23年9月8日)
    • 133Bq/㎏
    事前測定値(H23年12月7日~19日)
    • 57~71 Bq/㎏
    現在の測定体制
    • 月一回



    3 現地視察
    • 選別現場
    • 搬出現場
    • この測定体制で十分かどうかは別として、サンプリングをはじめと して、決められた作業は高い精度で行われている印象

    市町村議会議員特別セミナーに参加

    日時平成24年4月12日から平成24年4月13日まで2日間
    場所全国市町村国際文化研修所(滋賀県)
    用件市町村議会議員特別セミナーに参加
    4月12日

    ●これからの子育て支援  ― 「地域子育て文化」の再構築をめざして ―

    早稲田大学教授 増山 均 氏
    1 「子育て支援」の時代

    (1)少子化対策
    1990年の1.57ショック(合計特殊出生率低下)から子育て支援の 取組が始まる
    しかし、少子化対策としての子育て支援 = 親が働きやすい環境づ くりという構図だった
    現在の子育て支援は乳幼児期に集中している
    現在の3つの課題
    • ミクロ:家庭での親子の関わり
    • マクロ:社会全体での取り組み(例:子ども手当)
    • 中間:地域社会での子育て

    (2)地域子育て文化
    もともとあったもの(例:子どもによる子守、手伝い)
    地域子育てへの支援が必要
    • 子育てとは我が子の育児だけではない
    • 子育てを通じて、親も人間として豊かになることが大切


    2 日本の歴史の中の「地域子育て文化」
    (1)外国人が賞賛した日本の子ども・子育て(江戸~明治)
    日本は子供の天国
    父親が子育てに参加している
    日本には体罰がない

    (2)地域社会全体で子供を育てる仕組み ― 「人練る」「人なす」時代
    子育ては子ども自身に任せる(子ども同士の相互教育力を重視)
    • 兄弟、義兄弟の絆(例:けやき兄弟(山形県鶴岡市浜岡地区))
    • 子守(保育労働)を通じた子育て学習
    • 子どもたち(ガキ大将や子ども組)の中での育ちあい
    • 子ども集団の練り上げ(自治・自律)に任せる
    • 子ども同士の相互教育力は東日本大震災でも発揮された
    • 現代は子どもの遊び声が騒音とされる悲劇
    • 現代の母親中心主義の子育ては限界
    若者が子どもの手本となり大人へと導いた
    • 子ども組から若者組へ進化していた
    • 若者たちは大人や故老に見守られ指導されていた
    • 地域ぐるみの世代間交流があった(ボランティアの付き合いでは なく、一緒に○○をした)
    地域の大人が共同で子供を見守り育てた
    • 生んだ親だけでは育てられないので、何人もの「親」をつくって おいた(例:名付け親、拾い親、烏帽子親)
    • 広島市の日本初のメンター制度(子育て応援団)は要注目
    地域社会に子育ての習俗と通過儀礼があった
    • お食い初め、誕生餅、七五三、一三参り
    子どもを見守り、諌める地域の守り神がいた
    • お地蔵さん、なまはげ


    3 産業化・文明化と「地域子育て文化」の衰弱・解体・喪失
    (1)学校教育文化による地域子育て文化の軽視・排除
    学校教育はたかだか100年程度の歴史
    子育て=遊育+教育+養育、子育て≠学校教育、子育て≠家庭教育、 子育て>教育、家庭=養育(食・寝・雰囲気)

    (2)産業構造の転換
    第一次産業の衰弱:農業の原理→工業の原理
    (3)大転換期としての高度経済成長時代
    地域共同体の縁、絆の弱まり
    無縁社会、限界集落の進行


    4 これからの子育て ― 地域子育て文化の再構築
    (1)地域づくり、まちづくり、地域ネットワークへの注目
    地域とは、行政区の末端であり、コミュニティであり、価値(風土・ 伝統・文化)共有である

    (2)地域の価値を子育てに生かす
    子育ては「自然の摂理」「生産労働」に根ざした「生活実感に結び つく会話」が不可欠
    子育ては子どもの「内なる自然」に上手に手を入れること
    「旬を味わう」ことがもたらす子育て力
    • 旬=自然の恵みの食彩と旨さは、「五感に訴える力」「想像力を喚 起する力」を秘めているので、下記項目の基礎を耕す
    • 感応力=季節感、共に味わう喜び、満たされた幸福感、恵みに感 謝する心
    • 想像力=生産プロセスへの興味、生産する人の苦労への気配り、 ふるさとを想うこころ
    • 生きる力=命を大切にすること、自己肯定感の確認
    • 人間的感情=信じること、希望を持つこと、愛すること
    細切れ・いいとこどりではなく全プロセスを体験する (例:ソーメン流しの子育て論)
    • 伐り出すのは難しい
    • 作るのは楽しい
    • 茹で上がるのが待ち遠しい
    • 食べて美味しい
    • 流す役も嬉しい
    • 片付けして清々しい
    • 振り返って懐かしい

    (3)子育ては子どもの「いのち」を強くし「たましい」を輝かせること
    アニマシオンの原理への注目
    • アニマ=たましいの活性化、子どもの遊び・遊びごころ
    • エデュカシオン=教育
    イキイキ(ウキウキ、ワクワク、ハラハラ、ドキドキ)することが 子どもを元気づけ、育てていく原動力


    5 子育て支援の土台
     自然エネルギーを吸収できる日光浴・海水浴・森林浴のように、人間浴(つながり・やくわり・ぬくもり)ができる地域社会




    ●ユニバーサル社会の実現を目指して

    (社福)プロップ・ステーション 理事長 竹中 ナミ 氏
    1 プロップ・ステーション
    (1)プロップとは
    支え合うということ
    重症心身障害の長女を授かり(現在も全介護を要する)、人生が変わる
    • 社会には色んな人が居ると心底学ぶ
    • 人の成長スピードは一人一人違って当たり前と心底学ぶ
    • 娘は自分の宝で恩師なので、可哀想と呼んでほしくない

    (2)活動
    米国では障害者をチャレンジド(神から挑戦の機会を与えられた 人々)と呼ぶ
    ICTを駆使してチャレンジドの自立と社会参画を支援する:障害者 が納税者になれる日本

    (3)理念
    すべての人が「支え合うという誇り」を持って生きられるユニバー サル社会の実現を目指す
    ユニバーサル社会(共生・共助社会):人がみな、自分の身の丈に あった活躍ができ、お互いに尊重し・支え合う社会


    2 ユニバーサル社会の実現に向けて
    (1)システム
    チャレンジド個人の努力だけでなく、社会全体が「障害によるマイ ナス部分のみを見るのではなく、可能性に着目し、それを引き出す 技術や制度を生み出すこと」が必要
    人が自分や社会に挑戦する意欲を持つためには、社会全体の意識転 換と同時に、その人が「支えられる存在」であるだけでなく、「支 える側にもなれる」柔軟なシステムが必要

    (2)意識
    人は障害の有無に関わりなく「誰かから期待されている時」自分に 誇りが持てる。マイナスだけに注目する福祉は、慈愛が込められて いても人の誇りを奪う
    人の力を眠らせることほど「もったいない」ことはない





    4月13日

    ●児童虐待の現状と対策の必要性

    子どもの虹情報研修センター 川崎 二三彦 氏
    1 はじめに
     深刻な児童虐待は事件は後を絶たない。子どもだけでなく、加害者の 親も苦しむ児童虐待を克服するには、関係機関や職員だけでは解決で きない。社会が抱える困難や矛盾点の解決に取り組まなくてはならな い。

    2 「児童虐待の防止等に関する法律」(H12年制定)
    (1)目的(第一条)
     「…児童の人権を著しく侵害し、その心身の成長及び人格の形成に重大 な影響を与えるとともに、我が国における将来の世代の育成にも懸念を 及ぼす…」と認識:虐待は人権侵害ということ
    (2)児童虐待の定義(第2条)
     「…保護者がその監護する児童について行う…」:本来は子の人権侵 害を守るべき保護者であるが故に虐待対応は難しい
    (3)児童虐待に係る通告
     「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに…通告 しなければならない」

    3 児童虐待の実情
    (1)虐待対応件数
     厚労省はH2年度から統計を取り始め、この年は1,101件、H22年度 は56,384件で、20年で50倍以上に増加。この背景には、法の制定 などによって社会的認知が進んだことなどの要因もある
    (2)虐待の種類
    • H22年度では身体的虐待38%、ネグレクト(養育放棄)33%、心 理的虐待27%、性的虐待3%
    • 当初は身体的虐待が多かった。性的虐待は10年間ほぼ3%である が、最も把握しにくい虐待なので潜在的には更に多いと思われる

    (3)主たる虐待者
     この10年あまり、実母の割合がほぼ60%で推移。母親の育児負担( 炊事、遊び相手など)が過重なのではないか。また、虐待死に至るよ うなケースでは継父や内縁男性による暴行が珍しくない

    4 虐待死の実情
    (1)死亡した子どもの人数
    • H12~22年に780人が虐待死
    • 身体的虐待59%、ネグレクト(車中放置、火遊び、火災を含む) 39%の割合

    (2)死亡した子どもの年齢と理由
    H21年度に虐待死した子どもの年齢
    • 0歳41%(うち0ヶ月が45%、そのうち0日児が87%)、1 歳16%、2歳6%、3歳14%、4歳4%、5歳6%、7歳4%、 9歳2%、15歳2%
    理由
    • 3歳未満は子の存在拒否が最多、3歳以上は「しつけのつもり」 が最多
    しつけと虐待
    • しつけと虐待は全く異なるが、区別がつかないとの声もある
    • 民法の懲戒権規定の改正(今年):親権の規定に「子の利益のた めに」という文言が追加
    • 体罰はしつけには必要ないと考える


    5 関係機関の対応
    • 虐待死事例にいて、通告があるのは20%程度
    • 児童福祉士数はH13年1480人、H23年2606人で件数増加に追いつ いていない
    • 子どもに危険が及ぶので親子分離するかどうかの判断が難しい


    6 児童虐待に対する認知
    (1)保護者の認知
     加害者となる保護者は援助を求めようとしない気持ちがかなり強い
    (2)子どもの認知
     年齢が高くなるにつれて「不当にひどいことをされたと感じる」割合 が高くなっているので、少しずつ客観的な見方が身につくが、基本的 には子どもが自ら受けている行為を虐待と認識するのは簡単なこと ではない

    7 虐待はなぜ起きるか(2000年「健やか親子21」検討会報告書)
    (1)多くの親は子ども時代に大人から愛情を受けていなかった
    (2)生活にストレス(経済不安・夫婦不和・育児負担など)が積み重なって危機的状況にある
    (3)社会的に孤立し、援助者がいない
    (4)親にとって意に添わない子(望まぬ妊娠・愛着形成阻害・育てにくい子など)である


    8 これからの虐待対応
    (1)児童相談所と市町村の連携(H16年の法改正で市町村を位置づけ)
    第一義的相談は市町村で、専門的相談は児童相談所という縦の関係 になっている
    子育て支援や虐待未然防止などを行う市町村と、法的対応を行う児 童相談所の横の関係(きっちり切り分けない)が必要

    (2)虐待そのものを減らす
    大人から愛情を受けてこなかった親へのケア
    ストレス(経済不安・夫婦不和・育児負担など)を抱える親への手 厚い対策
    孤立している親への対策(地域連帯・コミュニティづくりなど)
    意に添わない子を持つ親へ、子どもに対する正しい理解の促進を図る

    ●地域福祉と自治体の役割 ~ 日本一の子育て村を目指して ~

    島根県邑南町長 石橋 良治 氏
    1 高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画での具体的事例
    地域支えあいミニデイサービス
    • 生活圏域で近隣の高齢者同士が近所で集い交流し閉じこもり防止を図 っている(介護予防や創作活動など)。34グループ540人
    • 行政の支援はサポートリーダーの育成
    介護支援ボランティアの登録、受け入れ機関の登録
    • 元気な高齢者が福祉施設等でボランティア活動を行うことにより、本 人の健康増進や介護予防、生きがいづくりを促進。また、地域の活性 化や住民のつながり強化を図り、高齢社会を乗り切る地域力の醸成を 目指す。
    • 行政の支援はボランティアの実績ポイントにより年間最高5,000円の 町商工会の商品券を支給


    2 障害福祉計画・障害者計画での具体的事例
    福祉医療
    • 町独自で重度心身障害者やひとり親に対し県の補助金に上乗せ467人 3,515千円/年
    通院支援
    • 精神障害者の通院や授産施設への交通費を助成120人2,181千円/年
    障害者雇用連絡会
    • 町内の事業所と障害者の就労相談会を実施


    3 次世代育成支援行動計画の具体的事例
    保育士加配
    • 発達障害などがあっても保護者が受容できない子どもについて、受け 入れ保育所に町単独で加配、7名6,836千円/年
    第2子以降保育料無料化
    • 262名34,400千円/年
    第一子の保育料負担軽減
    • 国基準より40%軽減、50,000千円/年
    保育所完全給食
    • 3歳以上児の主食は国の補助事業から外れていたため米飯持参であっ ったが、夏の衛生管理や冬の冷たいご飯など課題があったため、地元 農家からコシヒカリを購入。
    赤ちゃん登校日(小学5年生を対象)
    • 赤ちゃんを通してコミュニケーション力をつける。赤ちゃんの親にと っては、出産した喜びや我が子の10年後のイメージを持て、生徒に とっては自分が生まれた意味や世話する喜びを感じる。
    病児保育
    • 公立病院と民間医院に病児保育室を設置し、保育士と看護師を配置
    子育て支援関連の保健事業
    • 子どもの医療費無料化:中学校卒業まで保険適用分医療費が無料
    • 一般不妊治療費助成:1年につき上限15万円を3年間助成
    • 予防歯科費用助成:フッ素塗布(3歳半まで)フッ素洗口(中学生まで)全額助成
    • 妊婦一般検診費用助成:国が定める検査項目について全16回分を全 額助成
    • ワクチン予防接種費用全額助成:ヒブ、小児肺炎球菌、子宮頸がん予防接種無料
    • 妊婦歯科検診費用助成:妊婦(5~7ヵ月)の歯科検診費用全額助成

    調査費利用情報(H22.04.16~H23.05.20)

    平成22年04月16日から23年05月20日のセミナー等の参加情報を調査費利用の資料として追加しました。

    平成22年04月16日「BS EN 16001 エネルギーマネジメントシステム」
    概要解説セミナーに参加
    平成22年04月20日「松下圭一先生特別教室」に参加 他
    平成22年05月11日NOMA行政管理講座に参加
    平成22年05月14日地方自治経営学会研究大会に参加
    平成23年05月20日NOMA行政管理講座に参加

    「農薬を使わないガーデニングは水もきれいにする」に参加

    日時平成23年11月15日
    場所さいたま市民会館うらわ(埼玉県)
    用件「農薬を使わないガーデニングは水もきれいにする」に参加

    農薬を使わないガーデニングは水もきれいにする ~虫や雑草と楽しむ~

    ひきちガーデンサービス 曳地 義治・曳地 トシ 氏
    1 オーガニック・ガーデンとは
    (1)害虫?
    ①害虫・益虫はいない。人間視点で区別したもの。天敵はいる
    ②病虫害 ≠ 病害虫

    (2)住宅地における農薬使用の現状、危険性
    身の回りにあふれる農薬、知らないうちにまかれている農薬
    害虫ごとの殺虫剤、その他害虫用殺虫剤
    長期にわたって環境に影響を及ぼす農薬
    30年前に使用禁止となった農薬がカボチャなどから検出される
    農薬などの化学物質がもたらす健康被害
  • 農薬に弱い益虫も死ぬ
  • イモ虫などを食べた鳥も暴露する
  • ネオニコチノイド農薬は粒で、植物の体内に入る
  • 農薬中毒:5つ以上該当すれば農薬中毒の恐れあり
  • 頭痛や片頭痛
  • 眠れない、夜中に目が覚める
  • 体がだるく何もやる気がしない
  • めまい、立ちくらみ
  • ぼやけて見える、視力が落ちた
  • 胸が痛い、動悸がする
  • イライラする、キレやすい
  • 仕事や家事が進まない
  • 指先が震える
  • 風邪の症状が続く、春先から夏にかけて風邪の様な症状が続く
  • 民生転用
  • 農薬は毒ガス(戦争用)の民生転用
  • 化学肥料は爆薬の民生転用
  • 原発は原爆の民生転用

  • (3)オーガニックガーデンの要素
    ①多様性:単一栽培や少品種多栽培などではない
    ②地域特性:グローバリズムやF1種、遺伝子組み換えなどではない
    ③循環:分解しない・土に戻れないものではない(化学物質や放射能など)

    (4)身近な自然からみる生態系
    ①例:ハイタカ(日本で最小の猛禽類で1羽のハイタカが生きるには420haの森が必要)
  • ハイタカが食べるシジュウカラは1年で779羽
  • シジュウカラが食べるマツシャクトリムシは1年で12万5千匹
  • ハイタカが生きるためにはマツシャクトリムシが1年で1億匹必要→ ハイタカがいれば農薬は必要ない
  • 何かの大量発生は生態系のバランスが崩れていることを示す
  • ②生態系ピラミッド
  • 弱肉強食というより、多くの生命(底部)に支えられている。生き物たちは進化の中で多様化しながら互いに棲み分け、共生している
  • 生態系ピラミッドで最初にいなくなるのは頂点の動物
  • 分解者(ダンゴ虫、シロアリ、バクテリア、センチュウ等)は有機物を無機物(栄養素:チッソ、リン酸、カリ等)に変える
  • 生産者(植物)は無機物を有機物に変える
  • 化学肥料も微生物にダメージを与える
  • 生態系維持のためにテデトール(手で取る)、ムシフーム(虫を踏みつける)が大切



  • 2 オーガニックガーデンをつくる
    (1)虫力をつける:虫をよく見る、虫の生活史を知る、天敵を知る
    ①例:アリ
  • アリは桜のボディーガード
  • シロアリの天敵はアリ
  • ②例:テントウ虫
  • アブラムシを食べるテントウ虫:ナナホシテントウ、ナミテントウ、コクロヒメテントウ
  • うどん粉病の菌を食べるテントウ虫:シロホシテントウ、キイロテントウ
  • タマカタカイガラムシを食べるテントウ:アカホシテントウ
  • ③例:ツバキにつくチャドクガに寄生するハチ(チャドクガの天敵)
  • ツバキが元気なら、チャドクガの唾液と葉の成分が反応し、寄生バチを呼び込む
  • 寄生バチは化学物質に弱い → チャドクガの大量発生は農薬を使い始めた戦後から起こった
  • ④無知のために、ただの虫が害虫にされている実態

    (2)雑草力をつける:雑草は敵か?
    ①除草剤使用はかえって雑草を増やす結果になる
    ②雑草にも自然界の中での役目はたくさんある
  • 土や微生物を守っている
  • 土を耕す、微量成分を固定する
  • 土壌改良できるのは雑草だけ
  • 雑草の位置は土壌改良の進捗とともに移っていく
  • ナメクジは雑草があればそれを先に食す
  • ③事例
  • スギナ:酸性土に生えて中和してくれる
  • イヌタデ:土壌の浄化作用(カドミウムの浄化など)
  • ヨモギ:深根性で、固い土に生えて耕している
  • オオバコ:踏まれるところに生える
  • ④雑草は5cmの高さで刈る(土から5cm残す)と最も伸びが遅い
  • 5cm以上:残った株が急速に成長
  • 5cm以下:新しい芽が急速に成長

  • (3)風通し、日当たりのよい庭づくり
    ①上手な剪定で病虫害を防げる
    ②合わない風土に植えた植物は弱い

    地方議会議員研修会に参加

    日時平成23年10月24日から平成23年10月25日まで2日間
    場所京都市 京都リサーチパーク
    用件地方議会議員研修会に参加
    ●10月24日

    記念講演 災害から住民をいかに守るか ~防災・減災における国と自治体の役割~

    関西学院大学教授 室崎 益輝 氏
    1 「防災」と東日本大震災を教訓とした「減災」の考え方
     
    防災:防げる災害(例:寝タバコによる火災)
    減災:大きな自然に対しての小さな人間のあり方をふまえた対策の 足し算による被害の引き算


    2 減災のための対策の足し算と住民視点
           
    時間の足し算(持続的取組み):被災者支援や間接被害軽減
    手段・手間の足し算(多面的取組み):ヒューマンウェア
    空間の足し算(公共的取組み):身近な公共と減災まちづくり
       
    • 大きな公共:大きな道路や大きな公園
    •  
    • 小さな公共:路地裏や小さな空間
    人間の足し算(共創的取組み):減災のためのパートナーシップ


    3 被災者の立場に立つ支援
  • 阪神淡路大震災の「被災者復興支援会議」(行政と被災者の中間組織だ  が、やや被災者寄り)のような役割が必要
    (1)姿勢:被災者に心を通わせる
       
    支援3原則
    • 被災者の声に耳を傾けて応える(寄り添う)
    • 被災者の勇気や自立を引き出す(引き出す)
    • 被災者から学ぶ姿勢を大切にする(学びあう):支援する側とされる側がWin・Win
    被災度認定、避難所運営、住宅再建支援、建築制限、高台移転など
    • 大岡裁き(法律の柔軟な解釈)が大切
    • 迅速性、正確性、公平性の両立が大切:特に正確性はトラブル減少を生み、迅速性に貢献する
    (2)戦略:暮らしの総体を支える
       
    被災者の住まいだけでなく、生きがいや仕事にも目を向ける
    暮らしの基盤の復興、住宅よりも仕事・雇用
    • 人とのつながり、土地とのつながり(防災に極めて重要)
    • コミュニティサポート、コミュニティワーク


    4 住民の減災リテラシー教育
    (1)ヒューマンウェア(災害に強い住民を育成)
         
    心・・・減災の心や意識を育てる
    技・・・減災の知識や技能を鍛える
    体・・・減災の作法や規範を身につけさせる
    (2)実践:三位一体の減災教育
       
    学校教育、地域教育、家庭教育の展開
    自助、共助、公助
    (3)内容:地域防災活動の再点検(ハウツウものからの脱却)
         
    五感で感じる教育
     触れて学ぶ:まち歩きや触れ合い訪問
    応用力を鍛える教育
     考えて学ぶ:様々な状況を与えて考えさせる
    暮らしに溶け込む教育
     遊んで学ぶ:祭礼や習俗に昇華(賽の神、翌朝の服を準備など)


    5 持続的な減災まちづくり
    (1)持続可能で、安全で安心できる地域社会を構築する
       
    アメニティ(文化)があり、コミュニティがあればセキュリティはおのずからついてくる
    自然や歴史との共生を心がけるとともに、福祉や防犯などの課題との融合を心がける
    (2)運動:まちづくりへの行政支援(住民主体の運動を促す)
         
    仕組みづくり支援:自主防災組織、ワークショップ(井戸端会議)
    ひとづくり支援:リーダー研修、まちづくり教本
    ことづくり支援:包括的支援金、デザインガイド


    6 共創のパートナーシップ
    (1)責任回避という「もたれ合い」システムから自立連携という「助け合い」システムへ
       
    住民と行政の2極構造から、中間組織を加えた3層構造へ
    自助と公助の限界を補完する共助の役割
    阪神大震災で人を助けた比率は、6(自助):3(共助):1(公助)、本来は3:3:3
    (2)組織:多角ネットワークの形成
     減災の正四面体と安心の地域ネットワーク
    • 減災の正四面体:住民、行政、メディア、専門家
    • 安心のネットワーク:住民、行政、CBO、NPO、学校、事業所、専門家
    (3)規範:パートナーシップの原則
     相互信頼と顔の見える関係をつくりあげる4原則
           
    コミュニケーション(情報共有)
    コーディネーション(調整、対等、1+1=3)
    コーオペレーション(協働)
    コラボレーション(一緒に汗をかく)

    特別講義 福島原発事故から何を学ぶか

    元静岡大学教授 深尾 正之 氏
    1 この事故の特徴と処理方法の問題点
    (1)初めての長時間電源喪失
    対応マニュアルがない → 未経験事態に対応不能
    制御室が暗闇、温度や圧力などの測定装置が不作動
    (2)危機管理
    マニュアルにない事態に対応するのが危機管理技術
    事態掌握、点検、対処の優先順位付けの訓練が必要
    炉の構造に精通している人は電力会社より製造会社にいる。 OBをを含めて人材を集め、その人達の助言に対しては責任を問わない措置が必要
    事実の公表を拒み、被害を小さく見せる報告・報道は被害を拡大した。 後出しで都合よく辻褄合わせするのは東電の常套手段


    2 収束に向かっているのか?
    燃料の発熱量は水蒸発量にして1日100t以下に減衰している
    燃料がどのような形で炉の下部に留まっているのか?
    • 圧力容器と格納容器を溶かし、更に流れ出たのか?
    100日たって10sv/hのホットスポットが発電所内のあちこちで発見されるなど、 ビックリする事態が今なお起こっている


    3 電力供給系の近代化のために
    電力会社は地域独占と電力料金総括原価方式で放漫経営 → 送配電と発電の分離が必要
    周波数は60Hzに統一
    熱を使う企業は先ず発電し、その廃熱を利用するコジェネの活用により 総合エネルギー効率80%(最新の火力発電でも50%が限界)
    自然エネルギーの高値購入(EUでは自然エネルギー開発に成功)


    4 将来のエネルギーについて 
    (1)ウラン
    現在稼動中の原子炉の燃料はウラン235で資源量は現在の需給で100年程度
    新興国が原子力依存を強めれば50年で枯渇
    高速増殖炉でウラン238を利用できれば資源量は100倍になるが、 フランスが国威をかけた計画も頓挫。日本の六ヶ所村の再処理施設や「もんじゅ」も動く気配なし。
    核燃料再処理やウラン238の利用が正常に行なわれたとしても、 放射性廃棄物の処理方法はなく、数千~数万年にわたる管理が必要
    人類の歴史上、たまたま20~21世紀の50~100年ほど生きた人間の生活様式のために、 子孫に長期の負の遺産を残すべきでない
    (2)RPS法
    電気事業者に新エネルギー等から発電される電気を 一定割合以上利用することを義務づけ、新エネルギー等を普及促進させる法律
    現状は、低い買取目標値などで、自然エネルギー活用運動を抑制
    震災後に更新された新RPS法も例外規定があり、運用が課題
    (3)2050年のエネルギー
    2050年までに火力発電も全廃する必要がある
    2007年統計では人類のエネルギー供給は自然エネルギー6%、 原子力6%、化石燃料88%であり、2050年の化石燃料全廃は無理との見方もある
    太陽光は夜間・雨天を平均しても0.1kw/㎡降り注いでいる。 一般家庭でのエネルギー消費量はガス・灯油などを含め2~3kwなので、 20~30㎡に降り注ぐ太陽光と同等。熱利用効率50%とすれば60㎡の面積に降り注ぐ太陽光で賄える
    太陽光から電気への変換効率は現状15%程度で技術革新が必要だが、 熱源利用(太陽熱発電など)であれば様々な応用が可能
    運輸(自動車など)や工業用の高密度エネルギーの供給には工夫が必要。 石油代替には水素(太陽熱発電による電気分解など)が有望
    潮流発電が注目されており、日本にも適地は多い
    植物の太陽エネルギー変換効率は低いが、広域での活用は有効


    5 放射線障害
    (1)放射線被爆
    大量被爆での即死・重症などの因果関係は明白
    ガンなどの晩発性症状の取り扱いは困難
       
    • 確率的な人体への影響:被爆線量が1/10になれば発症率も1/10
    •  
    • 閾値:被爆線量がある値以下なら発症しないという閾値はない
    •  
    • 因果関係:ガン発症した場合、放射線による影響かどうかは不明
    放射線被爆に関しては「合理的に達成できる範囲で、できるだけ低く」が世界的合意
    (2)許容被爆線量
    現実問題として、許容基準の設定は必要
    ICRP勧告
       
    • 一般公衆:1mSv/年
    •  
    • 作業に従事する人:50mSv/年
    •  
    • 内部被爆を過小評価、又は無視しているとの批判がある(米国の 核戦略と強く関連している)
    暫定基準
       
    • 政府は子供を含む一般公衆の暫定基準を20mSv/年としたが、 これは無謀な行為(子供たちは特に影響を受けやすい)





    ●10月25日

    分科会 自治体財政の基礎を学ぶ

    高知大学准教授 霜田 博史 氏
    1 地方財政の仕組みと見方
    (1)地方財政の仕組み
     
    日常生活と地方財政のかかわり
    地方財政の主な仕事:家庭が支えていた生産と生活の社会化が進むと、 公共機関に求められる役割が増す
    (2)地方財政の状況
     
    地方政府の経済的活動
    • 連邦制国家(州の権限が大)と単一制国家(国の権限が大)の違い
    • 日本は、支出は連邦型(地方が大)、収入は単一型(国が大)の為、  国から地方への移転(交付税や補助金)が大
    • 日本は福祉国家としては未成熟:政府支出は公共事業が手厚く、 社会保障が手薄(主要国との比較)
    (3)日本の地方財政制度の特徴
         
    集権的分散システム(神野直彦)
    • 地方財政の自治権が確立せず、地方自治の発展が阻まれている
    • 過大な地方財政調整制度:自主税源が不十分で、ほとんどの団体が  地方交付税の交付団体のため、事実上の国の下部機関として画一的  な行政を行っている
    集権的分散システムのメリット、デメリット
    • メリット
      地方税負担率の不均衡の解消、ナショナルミニマム水準の向上、 自治体による円滑な社会資本整備、国と地方が連動した景気対策
    • デメリット
      自治能力の弱体化、地方財政の浪費性の増加、国と地方の財政赤字の連動
    地方分権議論の高まり(地方分権の2つの流れ)
    • 新自由主義的分権論の潮流
      小さな政府を目指し、自治体の財政的自立を促進(財政再建)
    • 地球環境の維持可能な社会と民主主義の前進を求める潮流
      分権的福祉政府構想で、地方分権の目的を考えるとこの潮流が望ましい。分権と参加を求める


    2 地方主権改革と地方財政の課題
    (1)地方分権改革の流れ
     
    • 新たな問題に対して、自治体による迅速で個性的な対応、地域総合行政のよさを発揮させる
    • 団体自治、住民自治が強化される(自治体の仕事が増えると、住民の無関心は悲劇を招く)
    • 国の機関が国際的な調整業務に集中できる
     
    • 第二次分権改革:地方自治体の自立を目指した地方税源充実確保のための改革が必要
    • 3割自治の問題(現在は3.5~4割)
       
    地方分権を進める理由
    第二次分権改革としての地方税財政改革の提起
    第二次分権改革としての三位一体の改革
    • 経済財政諮問会議「骨太の方針2003」で中央政府と地方政府間の税財政改革の方向が明らかにされた
    • 三位とは、国庫補助負担金、地方交付税、中央から地方への税源移譲を含む税源配分のあり方
    三位一体の改革(2003~2006年)の結果
    • 国から地方への税源移譲3兆円:結果として交付税が減った
    • 国庫補助負担金の廃止、縮減4.4兆円:これにより地方の事業が減り、基準財政需要額が減った
    • 地方交付税の抑制3.4兆円:基準財政需要額が減ったため
    • 実態は補助金改革で、国による財源の吸い上げという結果になった
    (2)民主党の地域主権改革
       
    三位一体改革の反動による民主党政権の誕生と地域主権改革
    • 地域主権改革は定義されているが、地域主権は定義されていない
    • 地域主権改革が目指す国のかたち
      補完性の原則:住民サービスは住民に近い基礎自治体が提供
      住民による選択と責任
    • 国と地方の責任分担の明確化(地方自治体の自立)
      改革の進展で地方公共団体間で行政サービスに差異が生じる
    地域主権改革の課題
    • 何の、誰のための地域主権改革か
    • ナショナルミニマムの充実と地域主権改革は両立するか
    • 地方交付税をめぐる議論
      自主財源主義は理想だが限界があり、一般財源の財政調整機能が 必要であるが、国家財政は急速に悪化


    3 地域経済と地方財政
    (1)日本の地域間経済格差の状況
       
    地方税収の地域間格差
    • 日本の租税収入総額は85.4兆円(H20)、国税が45.8兆円(53.7%)  地方税が39.6兆円(46.3%)
    • 税収の地域格差(H20での人口一人当たり都道府県税額)
      東京都25.6万円、沖縄県8.2万円と3.1倍の格差
    現代日本の地域経済
    • 法人所得は人口規模と経済規模(地域GDP)で決まる
      日本の法人所得を1000とした場合、東京都は236、大阪府は118、 鳥取県は1、高知県は3(人口の格差以上)
    • 預金や貸出金といった金融機能は東京に集中
      日本の貸出金を1000とした場合、東京都は378、大阪府は106、 鳥取県は3、島根県は3
    • 一人当たりの県民所得
      東京都415万円、沖縄県203万円(財政調整により1960年より も格差は縮まった)
    (2)地方圏の経済で公共部門がもつ重要性
       
    現代日本の地域経済と財政の特徴
    • 地方経済では政府部門の存在が極めて重要になっている(経済の財政依存は持続可能性が低い)
      例:高知県では県GDPにおける政府部門の割合は41%
    • 地域経済はコスト高で代替手段(民間)がない
    • 地方経済が公共部門への依存を高めてきた理由
      地域開発政策と地方財政調整制度
    地域開発政策
    • 地域間の経済格差を是正し、国の経済成長を進める政策
    • 5次にわたる全国総合開発計画と特定地域の地域政策
    • 公共事業に社会保障的性格(雇用促進)があった
  • オイコスフォーラム「自然共生建築を求めて」 に参加

    日時平成23年9月30日
    場所東京ウィメンズプラザ
    用件オイコスフォーラム「自然共生建築を求めて」 に参加

    ●暖める ~暖房システム再考~

    東京都市大学教授 宿谷 昌則
    1 人体のしくみ
    人体に入るもの(飲食物)=人体にたまるもの(ほとんどない)+排 泄物であって、エネルギーも同じ原理である。従って、人体に入って きたエネルギーは全て熱として外に出る。

    2 暖房
    (1)室内温熱環境の要素
    周壁平均温度(放射温度)
    空気温度
    風速(気流)
    空気湿度
     (②~④は空気の性質のため、冷暖房は空気を冷暖することと思われてきた)

    (2)快適な室内空間
      
    暖房とは
    「体に熱を与えること」ではなく「ほどほどに放熱するようにしてあげること」 
    放射温度の調整がカギ
    • 窓、壁、床、天井などの建築部材からは、その温度に応じた放射がされる(放射=電磁波=光)
    • 人体の代謝熱量(=放熱量)が少ないと快適
    • 風速と空気湿度を一定にした場合、人体の代謝熱量は周壁平均温 度、及び室内空気温度と相関する。そして、その相関図をみると 暖房で空気を加熱するよりも周囲の壁や床を温めるほうが有効 なことが分かる(「低い気温でも太陽に当たると暖かい」とか「 床暖房は快適」というのは同じ原理)
    • 建築物の断熱性向上に取り組んだ上で、室内空気を管理すること が重要で、これは省エネにもつながる
    • この原理は冷房にも当てはまる

    「地域防災防犯展」セミナー他に参加

    日時平成23年6月9日から平成23年6月10日まで2日間
    場所9日 インテックス大阪
    10日 おおさかATCグリーンエコプラザ
    用件9日 「地域防災防犯展」セミナー に参加
    10日 セミナー「ヒートアイランド対策推進の課題とシナリオ」 に参加
    6月9日

    ●東日本大震災の経済的影響について

    関西大学社会安全学部准教授 松永 伸吾
    1 マクロ経済的影響
    (1)被災地の日本経済における位置づけ
    • 日本のGDPの3%しか占めないが、産業集積の進む沿岸部が壊滅的な被害
    • 東海地震のリスク分散などで、電気や機械産業のウエイトが高い
    • (特に福島県:巨大地震の発生がないと思われていた)
    (2)直接被害:地震や津波による被害で16兆円から25兆円と言われる
    (3)間接被害:生産活動低下、停電、放射能
    (4)影響
    阪神淡路大震災は日本経済全体を大きく低下させることはなく、むしろ復興需要で経済が潤った側面がある
    東日本大震災は日本経済全体に影響を及ぼしている
    a)停電で首都圏の経済活動が制約
    b)沿岸部の製造業が壊滅したことで、部品供給が寸断
    c)復興需要の波及効果に期待できない
    • 例:仮設住宅の建設資材が足りないが、この事態が長期化するか輸入することになれば国内経済は潤わない
    • 地元建設業が衰退しており、被災地に金が落ちない
    d)鉱工業生産:日本全体の生産能力に変化はないが、稼働率低下
    e)実質GDP:内需の落ち込みが激しい(消費マインドの冷え込みが深刻)
    f)円高加速:復興費調達で日本が外国債券を売ると読んだ投機マネーの動き


    2 今後の展開
    (1)サプライチェーン(部品供給網)
    • 4月末では、加工業種などで代替調達先の確保が進み7割のサプライチェーンが復旧 (代替調達先が国外の場合もある) → 被災地の仕事が奪われた
    • 円高が引き続き進んでおり、震災を契機に産業空洞化が加速する恐れ (7割のサプライチェーンが可能性を否定していない)
    (2)被災地の雇用
    数十万人の規模で失業者が発生している
    阪神淡路大震災の時は直後から営業した店もあったが、今回は見通しの立たない地域がたくさんある
    キャッシュ・フォー・ワーク
    • 災害対応や復興事業に被災者を雇用して報酬を払う手法
    • 仕事と同時に復興に貢献することで、将来の希望ややりがいを創出できる
    • 現在は瓦礫撤去や仮設住宅建設が主だが、今後はそれ以外の仕事も必要で、 その為の教育やコーディネートが課題
    (3)経済財政運営のリスクマネジメント(危機管理)
    • 今回のような大規模災害によって経済活動に相当な支障が生じることが、日頃の経済財政運営のシナリオに入っていなかった
    • 税収よりも借金の方が多いという財政運営で、経済が頑張らなくてはいけない時に増税の必要性が叫ばれるといういびつな状況
    • 日本は巨大な災害を受けるリスクがあることを前提として、経済財政運営をしなくてはならない




    6月10日

    ●ヒートアイランド対策推進の課題とシナリオ

    大阪ヒートアイランド対策技術コンソーシアム 理事長 水野 稔
    1 対策計画の現状と問題点・あり方
    (1)現状
      
    2004年の「ヒートアイランド対策大綱」により主要自治体が対 策計画を作成するが、大きな進展は見られず → 現計画は不十分 で、レベルアップが必要
    (2)問題点・あり方
    ○○年までに熱帯夜日数3割減などの環境目標(気温目標)はあるが、 行動目標(大気熱負荷目標:温度上昇をもたらす太陽熱や人工 熱の目標)がない → 各セクターがどこまで協力すべきか不明
    多くの対策計画が地球温暖化対策の枠組みの中に位置づけられている
    • 省エネ=ヒートアイランド(以下HI)対策との認識で、二酸化炭素削減の管理となっている
    • HI独自の行動計画が必要
    自主行動型(性善説)になっている → 重点投資型への移行が必要
    総合工学的視点の欠如
    反射性塗料と壁面緑化、透水性舗装と緑地増加などの分野内技術
    評価はできても、分野間評価ができていない → 重点投資が不可
    建築技術への公的支援
    a)土木環境技術
    • 対象:公的(建築外)環境
    • 費用負担:公的(税)金
    b)建築環境技術
    • 対象:私的(建築内)環境
    • 費用負担:私的(施主)金
    c)私的効用と公的効用の分離(例:建築環境技術の日射反射塗料)
    • 私的効用:冷房負荷低減による電気代節減
    • 公的効用:大気熱負荷低減によるHI緩和と節電によるCo2削減
    • 公的効用分は公的負担を


    2 大気熱負荷
    (1)HIの公的効用を測るモノサシ
    その技術を適用した時に削減できる大気への熱負荷量
    大気熱負荷:気温への影響は時空間特性あり(いつ、どこで熱を出すかが問題)
    (2)熱負荷を出す時間と場所(都心・郊外)の影響 
    日中に熱が放出された場合:気温への影響は小さい。場所によって変わらない
    夜間に熱が放出された場合:気温への影響は大きい。その中でも都心で小さく、郊外で大きい
    HIは主として夜間現象
    アスファルトやコンクリートでできた都市は日中の熱を夜間に持ち越す → 熱代謝への配慮が必要


    3 大気熱負荷を基礎とした定量的対策
    (1)熱負荷低減型対策(太陽熱と人工熱)
     省エネ、表面の改善などの当面の対応
    (2)熱拡散改善型対策(建物郡等による拡散の問題)
     風の道の創出、建築物配置改善などの長期的対応
    (3)対策体系
    気温目標と整合性のある大気熱負荷の削減目標(行動目標)の設定
    各地区の熱負荷削減量を設定する
    目標達成のための制度的対応
    • 開発要件に加える
    • 容積率ボーナス等のインセンティブ(誘因)を与える
    • 既存地区には補助金
    • 義務化と経済的手法
    大気熱削減能力による技術評価
    a)目的により、地区、昼夜、気温変化などによる補正係数の導入
    • 例:屋上緑化と地上緑化の比較(高さの違い) 
    • 例:日射高反射塗料と外断熱の比較(大気熱負荷削減の時間が違う)
    b)例:サーモウッド(熱処理した木材)で建物を覆う実験
    • 木材パネルの日中温度は剥き出しのコンクリート面と同じ温度まで上昇する
    • 木材パネルは夕方前から温度が急低下し、夜間は気温とほぼ同じ=熱負荷を出さない
    • 剥き出しのコンクリート面は夜間に気温より数度高く、熱を出し続ける
    • 木材パネル内部のコンクリート温度は低く、建物への冷房負苛を低減する
    • 得られたデータを他の技術と比較することが必要
    HI配慮計画
    a)建築や地区開発に対して「通常設計と比べて○○W/㎡の大気熱負荷削減を実現」と規定する
    b)例:大阪市本町地区を1970年代に戻すには
    • 土地面積30万㎡、床面積118万㎡
    • 必要な削減熱負荷は12W/㎡
    • 全てのビルに対し、木材外装47%、屋上緑化74%、高反射塗料(屋上のみの場合)100%の普及率で達成できる




    ●企業からのプレゼンテーション

    ㈱いけうちの「霧によるHI対策及び節電」、㈱キタムラの断熱塗料、 四国化成工業㈱の空中緑化システム、大和リース㈱の総合緑化事業

    「オイコスフォーラム ~自然共生建築を求めて~」に参加

    日時平成23年5月27日
    場所東京ウィメンズプラザ
    用件「オイコスフォーラム ~自然共生建築を求めて~」に参加

    ●巨大技術から身の丈にあった技術へ

    東京都市大学教授 宿屋 昌則
    1 原子力発電という巨大技術の限界
    (1)原子力発電
    • 原発事故の状況を見ると、これまでの専門家に任せておけない
    • 原子力発電の基本原理は火力発電と変わらず、発熱方法が違うだけ
    • 火力発電は500℃を超える水温を得られるが、原子力発電では300℃ 程度で、発電効率は火力発電が上
    • 料のウランの原子番号は92で、陽子をつなぐ核力の限界。産出さ れる元素では一番大きい
    • 核分裂で物質Aは→ A1+A2+エネルギー に変わる。ウランの分裂 エネルギーはH2OをHとOに分けるエネルギーの2億倍
    • 電力とは「電磁気現象を利用して運ばれた動力」である。たかが動力 を得るために核分裂反応を使わなくてもよい
    • 送発分離を行い、電気を選べるようにすることが大切
    • 原発の廃炉ビジネスも相当なものになる


    (2)放射線
    • 宇宙の放射線が少なくなって生命進化が始まった。生命と放射線は相 容れない
    • 長期の低線量被爆リスクは分からない事がある
    • 原子力発電で産み出される放射性物質は、放射性と発熱性が長期に続 くので、世代を超える長期的で徹底的な管理が必要



    2 身の丈にあった自然の理に適う暖冷房
    (例)40億年の生命史が生み出した体温37℃に保つ人体
     
    寒い時の調整
    • 身体を閉じる姿勢にする
    • セーターなど羽織ったり、居場所を変えたりする
    • 末梢神経が収縮する
    • 「非震え産熱」という僅かな発熱現象が起きる
    • 震え産熱が起こる(健康を害するレベル)
    暑い時
    • 身体を開く姿勢にする
    • 扇ぐ
    • 服を脱ぐ
    • 末梢神経が膨張する
    • 発汗により蒸発冷却を行なう
     
    具体的な冷暖房の講義は次回以降

    ケミネットシンポジウム「今こそ化学物質政策基本法の制定を」に参加

    日時平成23年5月24日
    場所参議院議員会館
    用件ケミネットシンポジウム「今こそ化学物質政策基本法の制定を」に参加

    ●化学物質政策基本法の必要性

    有害化学物質ネットワーク(ケミネット) 中地 重晴 
    1 現行法制度の問題点
    (1)司令塔なき省庁縦割り
    (2)規制と推進が同一官庁にある(原発と同じ構図)
    (3)化学物質の影響を受ける側(国民・生態系)に立っていない
    (4)複合影響の評価が欠如→リスクの過小評価のおそれ有
    (5)これらの結果、対策に隙間が生じ、統合性が欠如し、後追いになる
    (6)化学物質による子どもたちへの負荷は年々増加(喘息・アレルギー、先天性奇形、発達障害児などが増加している) 
    (7)事例
    殺虫剤(ネオニコチノイド系農薬)
    a 毒性
    • 子どもの発達への影響が懸念される
    • 人への被害報告あり
    • ミツバチ大量死の原因

    b 同じ成分でも所管法令が異なる→規制の隙間
    • 用途が、松枯れ防除・ガーデニング・農業用の場合は農薬取締法
    • 用途が、ペットのノミ取り剤の場合は薬事法
    • 用途が、家庭用殺虫剤・シロアリ駆除剤・建材の場合は直接の規制法がない
    シックハウス・化学物質過敏症対策
    a シックハウスに関する主な法律
    • 学校は文科省、建築物や品質は国交省、衛生環境は厚労省と所轄官庁が分かれており、対象化学物質も異なる

    b 13物質の代替化は進んだが、安全性は高まっていない
    • ホルムアルデヒドは削減されたが、ネオニコチノイド系農薬が 使用されるようになった
    • これまで問題とされてきた13物質の使用は削減されたが、他の未規制VOC(揮発性有機化合物)の使用が増え、TVOC(総揮発性有機化合物)はむしろ増大傾向。例えば、 最近はカーペットの接着剤が問題となっている
    • 化学物質過敏症対策は手付かずのまま
    家庭用品 
    • 有害家庭用品規制法の指定物質はわずか20物質のみ (市場に出回っている化学物質は約10万種)
    • 成分表示が義務付けられていないものが多い (消臭・芳香剤や抗菌・除菌製品など)
    • 毒性が分かっていないものも少なくない (有機リン化合物、有機フッ素化合物、ナノ物質など)
    表示が所管法令ごとにバラバラ
    一般名:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムは、 医薬部外品ではポリオキシエチレンラリルエーテル硫酸塩と、 化粧品ではラウレス硫酸Naやパレス硫酸Naと、洗濯用洗剤では アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムと表示される
    アスベスト問題  
    • 被害が明らかになった後での規制では遅い
    • 有害性を調査し、規制する体制が必要

    2 ケミネットの提案
    (1)基本理念
    化学物質の総量削減
    「ノーデータ・ノーマーケット」原則 (データのないものは市場に出せない)
    化学物質の影響を受けやすい人々 (胎児や子どもなど)や生態系への配慮
    化学物質のライフサイクル管理 (研究開発、製造、使用、リサイクル、廃棄処分に至るまで)
    予防原則(安全が証明できないものは使用しない)
    代替原則(より有害性の低い物質に代える)
    協働原則(全ての利害関係者の参加)
    国際的協調
    (2)化学物質安全委員会の設置
    業界を所管する省庁ではなく、国民の健康と環境を 守るという立場に立つ、中立・公正な独立組織
    ステークホルダー会議を設置し、施策の立案に 当たって広く関係者と協議
    事務局員は、省庁職員やNGOなどからの民間登用とする



    ●市街地・公共施設での農薬被害について

    滝ヶ崎 照子
    1 農薬使用規制の現状
    (1)屋外(公園緑地、街路樹、一般植栽など)では、 「住宅地等における農薬使用について」(農水省・環境省通知、2007年)と 「公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル」(環境省、2008年)がある
    • 物理的防除(剪定・捕殺・焼却など)の優先
    • 発生初期の防除
    • フェロモンなど生物農薬の利用
    • 散布以外の方法を優先
    • 散布時の立ち入り制限や事前周知など
    • 有機リン系農薬の現地混合禁止
    • 定期散布の禁止
    (2)屋内では「建築物衛生法」(厚労省、2003年改正)と 「建築物における維持管理マニュアル」(厚労省、2008年)がある
    • IPM(総合防除)を行なう
    • 十分な清掃
    • 生息状況調査の導入
    • 殺鼠剤や殺虫剤を使用する場合の人体への安全性の担保: 処理前後3日間の掲示や、日常的に乳児がいる区域への薬剤散布を避ける等
    2 行政施設での化学物質使用状況調査の結果
    (1)千葉県内22市町へのアンケート、及び千葉県立学校における 農薬の使用状況調査
    (2)住宅地通知が守られていない例 (適正使用さえ守られていない例がある)
    • 事前通知なしで散布されている
    • 希釈倍率が守られていない
    • 有機リン系農薬の現地混合散布
    • 定期散布
    • 使用農薬は有機リン系が多い
    (3)有機リン系農薬
    • 有機リン系はPRTR法で1種(劇物)に指定されているものが多い
    • 低濃度でも摂取した子どもはADHDになりやすいとの報告がある
    • 母体内で暴露した子どもは就学年齢前後のIQが低くなるとの報告がある
    • EUではほとんど使用禁止
    (4)対策
    • 無農薬による管理を実施している自治体もある
    • 通知やマニュアルの限界 → 法制化して罰則を設けることが必要
    3 今の子どもたちの現状
      
    (1)ダイオキシン類・DDT・水銀など、新生児の100%から検出される物質があり、 胎児の時点で数多くの環境汚染物質にさらされている
    (2)症例
    • 家具屋に入ると頭痛がする
    • 車は窓を開けないと気分が悪くなる
    • ホームセンターへ行くと鼻水が止まらなくなる
    • プールの塩素処理室の前で咳き込む
    • 新築物件に転居し喘息が悪化
    • 小学校の耐震化工事をきっかけに化学物質過敏症を発症
    (3)現状のまま化学物質にさらされ続けると、化学物質過敏症の発症リスクは限りなく大きい



    ●表示について

    協同組合石けん運動連絡会
    1 PRTR(科学物質排出移動量届出制度)指定物質の排出量
    • 合成界面活性剤(AEやLAS)を含む合成洗剤が連続してワースト10入り
    • 家庭で排出されるPRTR指定物質の半分は合成洗剤で、殺虫剤も多い
    2 自治体アンケート結果
    • 合成界面活性剤が有害:2/3が認識
    • 石けんはPRTRに指定されていない:1/2が認識
    3 探せない成分名
    • PRTR対象成分は分かるが、どの商品に入っているか分からない。 メーカーのwebでも分からない
    • 同じ成分でも所管省庁によって表示が異なる(別名が多い)
    4 分かりやすい表示へ
    • 表示名の統一が必要
    • GHS制度(化学品の分類及び表示に関する世界調和システム)のような有害性のラベル表示が必要

    NOMA行政管理講座 に参加

    日時平成23年5月20日から平成23年5月21日まで2日間
    場所NHK名古屋放送センタービル
    用件NOMA行政管理講座 に参加

    地方議員のための地域福祉の政策と実践

    日本福祉大学 教授 野口 定久 氏

    1 今、なぜ地域福祉か ~経済危機の中で~
    (1)高齢者施策新長期ビジョン
    2025年に団塊世代が後期高齢者になる。高齢化率は40%で、地方では既に達しているところもあるが、都市部では準備ができていない
    目指すべき2030年の未来像(5つの目標)
    • 安心、安全居住の街と伝統文化の融合(安全に安心して住み続けられる家庭と地域社会を構築する) 
    • 広域と小地域包括ケアシステムの有機的展開(中学校区に介護予防を含めた医療・福祉・介護を包括した在宅中心の地域包括ケアシステムを構築する)
    • 健康寿命85歳の実現
    • ソーシャルキャピタルの向上(社会関係資本(人と人との絆)を向上させ、高齢者や障害者の生活の質を改善させる。また、犯罪率や出生率とも関連する)
    • 新たな公共による協働経営と運営システムの定着(地域の問題をビジネスで解決するコミュニティビジネスを活用する。担い手は企業やNPOで、行政と連携する)

    (2)最近の世情から ~グローバル化と格差問題~
    失業者350万人、有効求人倍率0.43、生活保護世帯120万世帯で過去最悪(生活保護基準以下での生活者は生活保護者より多いと言われている→低所得世帯の増大)
    日本社会は、給料も医療も年金も治安も年々おかしくなっている
    秋葉原の無差別殺傷事件→「勝ち組への強い怨念に共感する若者の増加。若者は職に就けず、老人は社会から切り捨てられている」
    社会への不信感や不安→犯罪や自殺の増加
    地方都市の駅前アーケード街は多くがシャッター通り

    (3)転換期の社会保障・社会福祉
    政権交代がなされたが、年金、雇用、医療、福祉、少子高齢化、貧富の格差、地方の衰退、環境問題など包括的に解決する政治課題が山積(1990年以降、各種制度が現状に合わなくなった)

    (4)少子高齢人口減少社会の到来
    2015年に団塊世代が高齢者の仲間入り
    人口減少に歯止めがかからない
    • 労働力人口減少社会が基調
    • 年金や医療など社会保障費用や社会福祉費用等の財政支出の増加
    単独世帯(一人暮らし)の増加、家族のつながりが薄い→家族支援のプログラム必要(例:近隣居住や多世代同居などの住宅政策など)



    2 経済のグローバル化と生活のローカル化
    (1)経済のグローバル化と生活のローカル化
    現代のグローバル化の特徴
    • 世界の市場を高速に流通する資本や金融の量的規模の拡大
    • 開発途上国から先進国への労働力の移動(日本では医療・介護)
    • 情報の瞬時の移動
    • 生活資源の流動化
    経済のグローバル化の意味
    日常生活の場である地域社会に影響を及ぼしており、ローカル化は日常生活から遠く離れたところで生成した諸問題が身近な地域社会の中で解決を求められている。

    (2)「新しい貧困」化の現象
    高度経済成長期に労働者家族が大量に創出された。中間層が厚く、先進国中でも格差が小さかったが、格差が拡大し、先進国中でも大きい部類となった。
    家族内労働の商品化や「消費の外部化」「生活の社会化」に伴って家族機能が縮小
    家族生活の再生産機能の脆弱化

    (3)社会保障を脅かす地域主権
    当事者の知らぬ間に障害者関連法を改正
    住民意見の聴取義務や施設の防火基準の廃止、居室基準の引き下げ
    補助金の一括交付金化で社会保障予算は削減も

    (4)「コモンズの悲劇」を超えて
    「コモンズ(共有地)の悲劇」1968年サイエンス誌の寓話羊の放牧のために利用される共有地(村人が誰でも使える林や草地)が、村人の過放牧で荒れ果ててしまうという話
    「悲劇」→いったん共有地がやせ細っくると、自分だけは利益を確保しようとして、ますます過放牧に走り、事態が悪化
    コモンズは有限
    いかにすれば自己利益の追求を共通の利益に結び付けていくことができるかという「社会のしくみ」にかかわる問題



    3 限界集落から共生集落へ
    (1)ソーシャルビジネスとは
    ビジネス手法で社会的課題を解決する
    営利と非営利の間の壁が低くなり、事業型NPOや公益を意識した企業が登場 → 政府の失敗、市場の失敗を乗り越えようとする動き
    社会福祉法人や社会福祉協会はNPOや企業の進出分野に進出すべきでなく、集落での福祉などNPOや企業が進出しない分野を担うべき

    (2)能登半島地震 ~村をそう簡単には捨てれん~
    能登半島地震災害の特徴
    • 中山間地、地方都市で発生した災害
    • 高齢化、過疎化が進行する地域での災害
    • 地域の住宅、生業、コミュニティの破壊
    • 地方の衰退、財政危機のなかでの災害
    復興課題
    • 限界集落の維持:コスト効率化との闘い
    • 住宅の再生  
    • 地場産業、商店街、農業基盤の再生
    • コミュニティの生活基盤と機能の再生



    4 地域福祉計画の策定と推進方策
    (1)地域福祉計画の課題・領域
    地域生活の領域(市町村)
    • 小学校区単位での活動計画(住民自治)
    地域福祉政策
    • ローカルガバナンス
    • 地域主権
    • 社会サービスの開発
    • セーフティネットの張替え
    • ソーシャルキャピタルの蓄積
    • 新しい公共の拡充
    • 新しい共同の創造
    • 地域居住資源の発見
    • 居住福祉

    調査費利用情報(H21.04.22~H22.02.08)

    平成21年04月22日から22年02月08日のセミナー等の参加情報を調査費利用の資料として追加しております。

    平成21年04月22日エコ印刷研究会セミナー
    平成21年04月28日日本版バイオ燃料持続可能性基準の策定に向けて
    平成21年05月28日法人制度
    平成21年07月02日市民農園、オール電化
    平成21年07月06日ポスト新自由主義の世界
    平成21年07月29日学校給食学習会 自治政策講座
    平成21年09月17日ワンクリックで世界は変えられる
    平成21年10月15日自らの手で新しい公共を生み出そう
    平成21年11月03日新時代シンポジウム
    平成21年11月09日仕事・家族・教育の循環
    平成21年11月17日地球温暖化「世界と日本への影響」 全国消費者大会
    平成21年12月14日胃袋の連帯は可能か
    平成22年01月07日漂流する、させられる若者たち
    平成22年01月18日働く場所がなくなる
    平成22年02月08日生存の彼方へ

    地方自治経営学会研究大会に参加

    日時平成22年5月14日 1日間
    場所明治大学(東京都)
    用件地方自治経営学会研究大会に参加

    パネルディスカッション「事業仕分け、その評価」

    司会前鳥取県知事片山 善博 氏
    パネリスト行革刷新大臣枝野 幸男 氏
    衆議院議員河野 太郎 氏
    前我孫子市長福嶋 浩彦 氏
    読売新聞編集委員青山 彰久 氏

    枝野
    事業仕分けの効果
    • 国民が税金の使われ方に関心を持つようになった
    • 政治家の役割についての認識の変化:予算を取ってくるのではなく、使われ方をチェックするのが役割
    • 仕分けされる側の意識転換:天下りや、ムダと判断されそうなものはやらなくなってきた。

    河野
    1 自民党政権下も仕分けをしていた
    事業名目は素晴らしいが、いい加減な予算付けがあった
    役所が予算についてしっかり説明できないものがある→政治家のゴリ押しで付いた予算がある
    いくら創出するかを決めてから逆算して事業を切ることが重要
    2 地方自治体での仕分け
    二元代表制だから地方議会のほうが中央よりやりやすい
    予算を組み換えるなど、もっと行政と激論すべき

    福嶋
    1 市長時代
    2 事業仕分け
    予算が無修正で通過したことはないが、当然のことと考える(市長は市民の立場で予算編成するので、議員の考えは聞かない)
    「あれも、これも」の時代ではない。何をやめるかを決めるのは市民
    どの事業を仕分けるのかを見定めるのが大事
    事業仕分けの進化形:仕分け人は議論するだけで判断しない。判断は議論を聞いた市民代表が行なう

    青山
    1 事業仕分けの評価
    事業仕分けには、市民参加と情報公開が確保されており、参加と公開という民主主義の基本が入っていた
    2 事業仕分けの課題
    流行だからといってやってはいけない(やることが目的ではない)
    現在の仕分けはストレス発散にはなるが、ワクワク感がない(新しい公共サービスの提案などの夢や希望がない)
    仕分け人で、資質の低い人がいる(例:事業廃止の理由が、難しい言葉を使っているからという仕分け人)

    片山
    決算・監査・行政評価・予算審議などの予算のチェックシステムが働いていない

    枝野
    ミクロに歳出事業をチェックする今回の仕分けは、片山氏の主張を浮き上がらせた

    河野
    • 決算委員会の有効活用が必要(担当課長の出席でよい)
    • 「言葉が難しいから止め」もあり:経験上、丁寧な説明ができないものはダメなものが多い

    福嶋
    仕分けの結論と実際の対応の食い違いがみられる(例:河川管理における草刈で、入札を問題としていたものが、回数の減少で対応された)

    枝野
    夢や希望の部分については、国家戦略担当大臣が行なう





    パネルディスカッション「超高齢社会、その大波」

    司会西九州大学客員教授坂田 期雄 氏
    パネリスト立教大学教授服部 万里子 氏
    NHKチーフプロデューサー小宮 英美 氏
    ノンフィクション作家沖藤 典子 氏

    服部
    介護保険の改正で在宅重視へ転換を
    1 現状
    国の政策の失敗
    • 2010年要介護認定者数は予測390万人に対して、実際は490万人
    • 介護報酬の削減で訪問介護サービス事業者の経営は苦しい(事業所閉鎖は利用者には死活問題)
    • サービスの利用制限などでH17~21のケアプラン数は減少した
    在宅
    • 家族がいないと在宅介護は難しい状況(介護保険の訪問介護サービスは1日の生活を支えるには不十分)
    • 昼はデイサービス、夜は2,000円程度の宿泊施設を利用するパターンが多い
    • アンケート調査によると、在宅サービスが充実すれば在宅介護が可能と答える人が多い
    • 在宅介護の4条件、①お金がある ②家族がいる ③家族関係が良好 ④非認知症
    2 対策
    • 訪問介護の制限撤廃
    • 緩やかな見守り制度が必要
    • 事業者主体から利用者主体へ
    • 生活扶助(掃除や洗濯など)、身体介護の制限撤廃(時間や区分け、上限など)

    小宮
    1 介護保険の問題点
    • 高齢者は、自宅で暮らし続けたいという思いが強い
    • 現在の介護保険は、介護職員を買い叩いている状態
    • 現行の制度は、高齢者や介護職員などのヒトを悪く(不幸に)する制度。もしくは、ヒトを悪くして支える制度となっている
    2 対策
    介護保険の財源問題:高齢者の負担を考慮すると保険料は上げられない。今すぐ税の比率を増やすべき(無駄をなくしてからの税投入では悲惨な現状が放置され る)

    沖藤
    1 介護保険の問題点
    • 介護認定を受けてもサービスを受けない人が全国で80万人(背景に貧困問題
    • 訪問介護の利用制限による介護者の負担増で、殺人や虐待が起きる
    • 介護労働者が、職を選んだ理由は「やりがい」。やめる理由は「人間関係、収入(一般労働者平均の6割程度)、経営姿勢」
    • 福祉法人は同族経営の色彩が強く、特養などの施設長に能力がない場合がある
    • 介護認定の軽度傾斜化と軽度者はずし:軽度者を支える仕組みが弱く重度者になりやすい
    2 対策
    • 公費負担アップ
    • 介護労働者の収入アップ
    • 大都市の施設不足の改善

    服部
    • 介護保険事業計画の達成度をチェックすべき
    • H18の介護保険改正で自己負担が増えた
    • 軽度者を支えず重度者にし、重度者へのサービスを充実させるのは誤り

    NOMA行政管理講座に参加

    日時平成22年5月11日から平成22年5月12日まで 2日間
    場所日本経営協会中部本部(名古屋市)
    用件NOMA行政管理講座に参加

    地方議員・議会事務局職員のための 判例に学ぶ政務調査費の適正支出チェックポイント

    全国市議会議長会法制参事 廣瀬 和彦 氏

    1 政務調査費の交付対象
    (1)交付対象類型 
    会派
    議員
    会派及び議員
    (2)一人会派も認めるべき
    国会の立法事務費では一人会派を認めている
    政務調査費法制化以前の調査交付金の際にも認められていた
    2 政務調査費による調査研究活動と議員活動との区別
    (1)理論的には区別可能だが、調査研究活動とそれ以外の議員活動の2面性を有している場合が多い
    (2)理論上は区別可能だが、実務上は区別困難な場合が多い
    合理的に区別困難な場合は、それぞれの活動の実態に即して支出した費用を按分すべき
    裁判例における按分率
    • H19.4.26仙台高裁:議員活動と政務調査活動が並存する場合は1/2。
      プライベートな活動及び議員活動並びに政務調査活動が並存する場合は1/4
    • H19.12.26大阪高裁:議員活動と政務調査活動が並存する場合は1/3。
      プライベートな活動及び議員活動並びに政務調査活動が並存する場合は1/9
    3 政務調査費の使途基準
    (1)政務調査費の基本的な考え方
    本来の目的は、日常活動への補助(視察は本旨ではない)
    ランニングコストを政務調査費で負担する
    (2)使途基準マニュアルの裁判における有効性
    各議会で要綱やマニュアルを作成する例が多い
    どのように要綱やマニュアルを作成したかが重要他市の引用では有効性に問題あり
    (3)調査旅費
    旅費
    • 費用弁償の性質を有するため、議会事務局での計算旅費ではなく実費を弁償すべき
    日当及び宿泊料金の定額支給
    • H19.12.20大阪高裁:日当や宿泊料金に食事代は含まれる
    視察先へのお土産代は社会通念上の範囲内で使用可能
    振り込み手数料は使用不可能
    自動車経費
    • 自動車購入には充てられない:調査活動の環境整備には使用不可
    • ガソリン代:上記按分率にて按分
    • 高速道路代や駐車料金:政務調査活動に伴う費用であることを立証すれば支出可能
    (4)広報費
    基本的な考え方 議会活動及び市政に関する政策等を住民に知らせることは、市政に対する住民の意思を的確に収集、把握するための前提として意義を有する
    ウェブサイトの維持管理費 H18.11.18東京高裁:政務調査費からの支出可能
    一般質問のみを掲載した広報誌 会派の調査研究活動、議会活動及び市の施策について住民に報告し、PRするために要する経費であるため、内容次第では可能
    (5)事務所費
    備品
    • 購入の場合は上記の按分率にて按分
    • 議員辞職等の場合の所有権 会計処理上の手続き(減価償却等)を経た上で残存価値があればその額を収支報告書の雑収入又は雑所得として計上する

    「松下圭一先生特別教室」に参加 他

    日時平成22年4月20日から平成22年4月21日まで2日間
    場所4月20日 飯田橋レインボービル(東京都)
    4月21日 衆議院第一議員会館(東京都)
    用件4月20日「松下圭一先生特別教室」に参加
    4月21日「化学物質政策を考える連続学習会」に参加


    4月20日

    「自治体法務はなぜ必要か」

    法学博士 松下 圭一 氏
    1 国のありようと地方との関係
    (1)実質的な国権の最高機関は行政機関
    大学における憲法学では、「国会は国権の最高機関ではない」と解釈
    • 立法権、司法権は分家(付属物)で、本家は行政権:内閣法ばかりで立法権が機能していない現状
    • 大臣はお飾りで、実権は事務次官が持つ
    • 内閣法制局長官が法解釈するのはおかしい
    (2)国と地方との関係
    地方自治体は国のコントロール下にある
    • 機関委任事務の考え:国 → 県 → 市町村
    • 首長の行政権は内閣の行政権のおこぼれという考え
    国際的に主流の考え
    市民が出来ないことは市長にやらせる。市長が出来ないことは知事にやらせる。知事が出来ないことは国。国が出来ないことは国際機関
    地方分権一括法施行(2000年)後
    • 国と地方は同格:内閣の行政権は国だけの仕事をコントロールし、首長はそれぞれの自治体の行政権を持つ
    • 2000年までの通達は失効し、2000年からの通達には権限なし
    • 文章上は分権したが、実態は変わらず:1400人が国から県へ出向していて、重要ポストも多い
    2 自治体法務の必要性
    (1)2000年の分権改革で法律上の基礎ができた
    政策法務や自治体法務が行政法学に入ってきた
    先進自治体に政策法務室ができた→自治立法、自治解釈が進む
    • 文書室や文書課を衣替え
    • 都道府県で政策法務室を設置しているところはない(やる気がない)
    法の解釈権は自治体にも市民にもある:対立した時は裁判
    (2)国や県は仕事の意欲が低下している
    市町村が新しい基準を作って仕事をしなくてはならない



    4月21日

    ネオニコチノイド系農薬の登録・販売中止を求めて

    1 ミツバチ大量死とネオニコチノイド系農薬
    日本在来種みつばちの会会長 藤原 誠太 氏
    • 今、世界中でミツバチの大量失踪や大量死滅など、蜂群崩壊症候群(CCD)が問題になっている。
    • 原因として、ダニ・ウィルス・ストレス・地球温暖化・農薬などが疑われている。
    • 日本でも、2005年に岩手県で最初にミツバチの大量死が発覚し、致死量のネオニコチノイド系農薬が検出される等、この農薬とミツバチ異常の関連が強く疑われている。個人的には間違いなく関連していると考える
    • 「銀座ミツバチプロジェクト」にも関わっているが、農薬を使わない都会では被害がない



    2 ネオニコチノイド系農薬の健康被害
    青山内科小児科医院 院長 青山 美子 氏
    (1)無人ヘリコプターによる有機リン系殺虫剤散布
    1995年以降、急速に導入
    • 全国散布面積は265万ha(神奈川県の10倍、2006年)
    多数の健康被害
    • 有機リン:ディプテレックス、スミチオン
    • 高濃度(5~8倍希釈)での散布(人が撒く時は1000倍希釈)
    • 地上5mから1回あたり10~100L散布
    • 私有地、ゴルフ場でも散布
    1996年以後の自殺者数の急激な増加と空中散布の開始時期が一致
    (2)ネオニコチノイド系農薬
    群馬県において、マツクイムシ予防散布が行なわれ、ネオニコチノイド中毒患者が増加した(現在、群馬県は全国で唯一の空散禁止県)
    国産の果物とお茶は、この農薬による汚染が大きい
    症例
    • 8才男児:母親が健康のために、梨やりんごを毎日食べさせていたところ胸部苦悶にて受診。バナナ以外の果物を禁止し、1ヶ月で症状消失
    • 3才男児:2006年9月4日ぶどう狩りに行き、翌日ぶどうジュースを作って飲んだ。9月8日に失禁、腹痛、動かない症状。9月11日にADHD様症状が出現し暴れ、手がつけられない。9月16日全く普通の状態に戻る
    • 14才女性:2006年10月5日から頭痛、記憶障害、眼の調節障害などが次々発症。12月27日にりんご、みかん、いちご、緑茶を禁止し、1月16日に改善
    代表的症状
    • 手指振戦(指先のふるえ)
    • 短期記憶障害(もの忘れ)
    • 腹痛や胃痛
    • 長期間続くセキ、又は頻繁なじんま疹
    • 不整脈、動悸
    子どもの暴力行為件数が05年以降急増している→生物学的背景を疑うべき
    日本はネオニコチノイドの残留基準が欧米の5~500倍ゆるい



    3 物忘れ・不整脈・手のふるえ ~ネオニコチノイド中毒の特徴~
    東京女子医大麻酔科 平 久美子 氏
    (1)ネオニコチノイド系殺虫剤
    2000年頃から日本国内で使用されるようになった
    水溶性と浸透性:葉や根から吸収され、洗ってもとれない
    残功性と蓄積性:ほとんどが有機塩素系で、時間がたっても無毒化されない。環境内、植物体内に蓄積し、動物体内の蛋白質に結合し蓄積する
    ニコチン様の毒性:細胞機能を変化させる。脳、自律神経、筋肉、心臓、胃腸、目、肺、皮膚に作用する
    世界のネオニコチノイド出荷額は有機リンについで第2位。日本のネオニコチノイド出荷額は350億円(H20)
    (2)ネオニコチノイドの問題点
    日本の食品残留基準値が欧米に比べて桁外れに高い(20~500倍)
    国産の果物、野菜、茶飲料を多めに摂取すると中毒量に達する(健康志向の強い人や女性に中毒が多い)
    ネオニコチノイド被爆を証明する物質が患者の尿から検出された
    胎児発達毒性がある
    毒性のポイント
    • 亜急性または慢性中毒 特に中間代謝産物(少し分解されたもの)のアセタミプリドは人体からの排出が遅い。被爆が積み重なって発症する
    • 食品や人体から検出されないから安全とは言えない神経に蓄積するので、血液や尿中には一部が出現するのみ。また、中間代謝産物の種類が多く、検出が困難で、産物の毒性が強いため、原体が残留基準値内の食品でも中毒をおこしうる



    4 ネオニコチノイドへの海外の対応と日本
    ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議 水野 玲子 氏
    (1)海外の対応
    世界中に広がるミツバチ大量死2007年春までに北半球のハチの1/4が消えた
    フランス ミツバチ大量死の直接的原因はネオニコチノイドとし、1999年に予防原則を適用。2009年に農薬使用量半減目標を設定
    イギリス 政府は09年に「健康なミツバチ10年計画」発表。生協CO-OP(国内最大の農業事業体)は09年にネオニコチノイドを使用した農作物の流通を禁止
    ドイツ 08年に南部で5億匹のミツバチが大量死し8種類のネオニコチノイド(種子処理剤)禁止
    (2)日本の現状
    ネオニコチノイド系農薬の国内出荷量が過去10年で3倍の増加
    ネオニコチノイド農薬が原因でミツバチが大量死した県は6県。花粉交配用ミツバチが不足している県は21都県(09年農水省)
    農水省の対応
    • ダニ説、ストレス説などに注目し農薬問題から目をそらしている
    • ミツバチ確保のため、安定的確保支援
    • ミツバチへの栄養補給支援
    (3)ネオニコチノイドの問題
    ネオニコチノイドは毒のカクテルの起爆剤になりえる
    • ネオニコチノイドと有機リンなどの混用で、ミツバチへの毒性が数百倍から1000倍に増幅される
    • ミツバチはすでに98種類の農薬とその代謝物に汚染されており、ネオニコチノイドが入ると一気に症状がでる
    ネオニコチノイドによる人体被害拡大の恐れ
    長崎県、茨城県、群馬県、長野県などで被害
    (4)今後の対応
    ミツバチ大量死の原因は複合要因が絡むが、ネオニコチノイド農薬が一因である証拠は蓄積しており、日本では人間にも被害が及んでいる → 「予防原則でネオニコチノイドの登録・販売中止を」

    「BS EN 16001 エネルギーマネジメントシステム」概要解説セミナーに参加

    日時平成22年4月16日
    場所虎ノ門琴平タワー(東京都)
    用件「BS EN 16001 エネルギーマネジメントシステム」概要解説セミナーに参加

    BS EN 16001概要解説とISO14001、ISO50001、改正省エネ法との比較


    1 エネルギーマネジメントが問われる背景
    (1)省エネ法改正
    目的:オフィス等業務部門での対策強化
    改正点:エネルギー使用量の集計単位(対象)
    改正前:エネルギー使用量の大きい工場や事業場(ビル)
    改正後:エネルギー使用量の大きい企業単位(小さな店舗等も入る)
    (2)地球温暖化対策基本法案(22年3月に閣議決定)
    • 2020年に90年比25%減の中期目標
    • 2050年に90年比80%減の長期目標
    • 国内排出量取引制度を明記(総量規制を基本とし、1年以内の導入)
    (3)エネルギーマネジメント確立の重要性、メリット
    リスク管理
    • 改正省エネ法による企業単位でのエネルギーデータ報告
    • 正確な環境パフォーマンスデータの必要性(CO2見える化や環境報告書)
    • エネルギー供給の安定性確保
    コストメリット
    • 省エネの実現
    • マネジメントの統合運用によるマネジメントコストの低減
    • 正確な環境パフォーマンスデータの収集システム構築による、データ収集管理、分析コストの低減
    リスク管理&コストメリット
    • 国内排出量取引制度の導入に向けた準備となる
    2 BS EN 16001とISO50001の概要
    (1)エネルギーマネジメントシステムとは
    システムとプロセスを確立して、エネルギー効率を改善して、
    コスト削減、温室効果ガス削減をもたらし、
    継続的改善を可能にするプロセスを導入することで、
    より効率的なエネルギーの使用を促進し、
    エネルギーモニタリングプラン(エネルギーがどのように使われているか)とエネルギー利用状況の分析を可能にする
    (2)環境マネジメントシステム(EMS)とエネルギーマネジメントシステム(EnMS)の違い
    EMSの目的:環境保護、汚染防止、廃棄物管理、環境パフォーマンス(多様な環境側面を管理)
    EnMSの目的:エネルギー効率、エネルギー保護、エネルギー管理、エネルギーパフォーマンス(エネルギーに関してのより深い管理)
    (3)BS EN 16001
    EUエネルギーサービス指令(2006年)を満たすために、欧州標準化委員会が開発
    一般的なマネジメントシステムの用語を使用
    要求事項とガイダンスの両方を含む
    組織が既に構築しているマネジメントシステムへの組み込みが可能
    ISO14001(環境マネジメントシステム)の構成との整合性がある
    BS EN 16001以外のエネルギーマネジメントシステム
    • 日本:改正省エネ法
    • ISO50001:2011年に発行予定、BS EN 16001導入はISO50001導入の準備につながるので、他社に先行できる
    (4)ISO50001
    目的:エネルギーマネジメントの技術的側面と戦略的管理の側面を組み合わせることで、エネルギー効率の改善、コスト削減などに対して実践的なアプローチを提供する
    特徴
    • 業種、業態、規模に関係なく全ての組織に適用可能
    • 再生可能エネルギーを含めた全てのエネルギーが対象
    • エネルギー方針を特定し、目的・目標・計画を策定する
    • 法令等や、著しいエネルギー使用を考慮する
    • 既存のマネジメントシステムと併用・統合が可能
    • パフォーマンスの基準を規定しない
    • ベースの一つはBS EN 16001
    3 省エネ法とエネルギーマネジメントシステム
    (1)相違点
    適用範囲
    省エネ法:一定規模以上の企業
    EnMS:全ての組織
    対象
    省エネ法:燃料、熱、電気
    EnMS:全ての使用エネルギー
    取組み
    省エネ法:義務的、担当者の業務、与えられた目標
    EnMS:自主的、経営陣を巻き込んだ全社活動、根本原因からの計画設定
    (2)相乗効果
    省エネ法への対応に、EnMSを追加することはメリットがある

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