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震災瓦れき処理状況の視察

日時平成24年11月20日から平成24年11月21日まで2日間
場所岩手県大槌町、山田町
用件震災瓦れき処理状況の視察


11月21日 10:30 山田町破砕選別施設
1 岩手県の災害廃棄物(岩手県の説明)
(1)岩手県の被害状況
 死者 4,671名  行方不明 1,216名  産業被害 8,178憶円

(2)仮置き場の状況
  • 重機の入りづらい場所がある
  • 瓦れきがあることで、土地のかさ上げができない
  • 数か所の仮置き場で火災が発生し、鎮火に25日かかった事例 もある
  • 悪臭や害虫の発生が認められる    


(3)処理状況
  • 被災現場からは、平成24年3月末までに概ね撤去済み
  • 災害廃棄物処理は平成26年3月末までの完了を目標
  • 災害廃棄物の量は525万tで、県内一般廃棄物発生量の12年 分に相当
  • 24年9月末で処理できた量は93/525万tで全体の18%


(4)広域処理の必要性(平成24年5月のデータ)
525万t中、焼却・埋立て等の処理が必要な量は326万t
県内処理
  • 県内施設(市町村の清掃センターやセメント工場等)で最大限 処理を実施
  • 仮設焼却炉(宮古地区95t/日、釜石地区109t/日)も稼働
  • 県内施設を最大限活用した場合の26年3月末における推計処 理量は207万tなので118万tの広域処理が不可欠
広域処理の状況
  • 広域処理の目処が立った量は24万t(可燃物や柱材・角材)
  • 処理方法が未確定なものの量は94万t(不燃物や漁具・漁網)
放射性物質の測定結果
  • 可燃物:山田町 76.6Bq/㎏  大槌町 83.1Bq/㎏
  • 宮古市清掃センターのセシウム濃度:主灰10Bq/㎏  飛灰 133Bq/㎏(混焼割合27% H23.9月データ)
  • 盛岡・紫波地区環境施設組合のセシウム濃度:主灰 ND(検出 限界以下) 飛灰 143Bq/㎏(混焼割合8.4%)
  • 東京都受入3施設(宮古市分を混焼)においても国の安全基準 を下回る



2 施設内見学(業務委託企業体の説明)
  • 長岡市が焼却を予定している大槌町の木質チップはこちらで処理し ているが「とても品質が良く、リサイクルできるレベルなので焼却 するのはもったいない」との説明があった。実際に持ち込んだ線量 計で計測しても、高い数値は計測されなかった。
  • 現在は、漁網などの処理の難しいものの処分が停滞している。
  • 宮城県石巻市と女川町の瓦れき処理と同様に、現地ではかなりしっ かりと処理されている印象を受けた。






11月21日 13:30 大槌町破砕選別施設
1 業務説明(業務委託企業体の説明)

(1)業務概要と処理計画
東日本大震災による大槌地区の災害廃棄物について、再資源化また は焼却等の処理を適切に行うために必要な、選別・破砕および運搬 等を行う。
大槌町には、災害廃棄物を一時的に集積した一時仮置場が17箇所 点在する。この一時仮置場で粗選別を行い、二次仮置場(本日の視 察現場)に運搬した後、破砕選別処理をして、指定処分先に運搬す る。
機械選別の後工程への人力選別多用により、選別処理能力の向上を はかっている
処理数量:可燃系混合物 44,830t  不燃系混合物 116,490t
東京都へは可燃物を一日に146t搬出している


(2)運搬計画と地元雇用
GPS運行管理システム等の活用によりスムーズな運行管理や不法 投棄防止等を徹底している
被災地では失業者が多い(特に漁業関連の失業者)ので、地元優先 に雇用している



2 施設内見学(業務委託企業体の説明)
  • 午前中の山田町や宮城県の処理現場に比べると、やや乱雑な印象を 受けた
  • 木質チップの処理は順調に進んでおり、近いうちに完了するのでは ないかとの説明を受ける

災害廃棄物処理現場の視察

日時平成24年4月17日から平成24年4月18日まで2日間
場所宮城県石巻市、女川町
用件災害廃棄物処理現場の視察


●長岡市が東日本大震災によって発生した瓦礫の受け入れを表明したため、被 災地での処理状況を視察した。但し、この時点では搬出元自治体は決まって いない。



●17日 石巻市 石巻ブロック二次仮置き場


1 石巻地区での災害廃棄物処理業務の概要
(1)石巻ブロック概況
宮城県では県全体を4ブロックに分けて災害廃棄物の処理を進めて いる。石巻ブロックは石巻市、東松島市、女川町で構成
このブロックの災害廃棄物発生量は県全体の47%と膨大
  • ブロックの災害廃棄物8,463千t
  • このうち県外処理(リサイクルが多い)は2,940千tを予定
市町が実施できない部分を県が実施する
国の目標は被災後3年以内の処理完了


(2)廃棄物処理の流れ
被災地において粗選別
一次仮置き場
  • 市町内に数か所ある
  • 粗選別と粗破砕
  • 有価物はリサイクルと売却
二次仮置き場(中間処理)
  • 選別、破砕、焼却し最終処分、リサイクルへ
  • このブロックの二次仮置き場は国内最大で、破砕分別能力3,000t/ 日、焼却能力1,500t/日
  • PCBやアスベスト等の有害物質も適切に処理する



2 災害廃棄物の現状
(1)逼迫する仮置き場
  • 重機の入れない個所を除き、散乱した瓦れきの撤去率は100%
  • 現在は家屋解体や海中からの引き上げ瓦れきの解体が主
  • 家屋は14,000棟が要解体で50%が未解体
  • 県東部と北部は平地が少なく仮置き場が不足。そのため、生活空間 近傍にも仮置き場が存在、また、瓦れきの内部発酵で火災が頻発

(2)広域処理について
県外処理2,940千tの内訳
  • 混合ごみ398千t
  • 飼料(汚染なし)40千t
  • 木くずの再生利用568千t(処理の緊急性が高い)
  • 可燃物の焼却1,248千t(処理の緊急性が高い)
  • 廃プラの再生68千t
  • 管理型品目の最終処分163千t(処理の緊急性が高い)
  • 安定型品目(焼却の必要ないもの)の最終処分275千t(処理の緊 急性が高い)
県内処理
  • 石巻以外のブロックでは、今後完成見込みの仮設焼却炉での処理が かなり進む見込み
  • 他ブロックでの焼却処理が完了すれば、石巻ブロックの廃棄物を引 き受けることができる





  • 3 現地視察
    • 二次仮置き場の膨大な廃棄物
    • 建設中の仮設焼却炉



    ●18日 女川町 災害廃棄物処理施設

    1 震災廃棄物について
    (1)概要
    種別ごとの数量、比率(主なもの)
    • 総量444千t
    • 木材84千t(19%)、コンクリート193千t(44%)、金属68千 t(15%)、可燃物65千t(15%)、土砂23千t(5%)
    • そのうち焼却処理対象は106千t

    (2)処理
    一次選別
    • 機械と人手による選別
    • 遺留品、貴重品、危険物のピックアップも行う
    二次選別
    • ベルトコンベアラインに流し、手選別
    • かなり細かく、正確に選別している印象を受けた


    2 東京都による放射能の測定
    • 東京都は女川町の災害廃棄物を受け入れている
    (1)空間線量率
    基準値
    • 選別エリアはバックグランド空間線量率の3倍超は搬出しない
    • 遮蔽線量率は0.01uSv/h超は搬出しない
    事前測定値(H23年12月3日~19日)
      • 選別エリア6地点(地上1m)0.09~0.11μSv/h、バックグラン ドは0.10~0.11uSv/h
      • ストックヤードでの遮蔽線量率(*)0.000~0.003uSv/h
        (*)遮蔽線量率…廃棄物の放射能濃度を測定することが望まし いが、1週間程度かかるため、鉛容器内での計測値からバ ックグランド遮蔽線量を引いた遮蔽線量率を用いる
    事前測定値(H23年8月3日)
    • 選別エリア6地点(地上1m)0.13~0.18μSv/h、バックグラン ドは0.16uSv/h
    • ストックヤードでの遮蔽線量率0.001~0.011uSv/h。0.011は土 砂
    現在の測定体制
    • シンチレーションサーベイメーターで測定
    • バックグランドは10回測定した平均値
    • 選別エリア空間線量率は一時間に一回
    • ストックヤード遮蔽線量率はコンテナごと

    (2)放射能濃度
    事前測定値(H23年9月8日)
    • 133Bq/㎏
    事前測定値(H23年12月7日~19日)
    • 57~71 Bq/㎏
    現在の測定体制
    • 月一回



    3 現地視察
    • 選別現場
    • 搬出現場
    • この測定体制で十分かどうかは別として、サンプリングをはじめと して、決められた作業は高い精度で行われている印象

    市町村議会議員特別セミナーに参加

    日時平成24年4月12日から平成24年4月13日まで2日間
    場所全国市町村国際文化研修所(滋賀県)
    用件市町村議会議員特別セミナーに参加
    4月12日

    ●これからの子育て支援  ― 「地域子育て文化」の再構築をめざして ―

    早稲田大学教授 増山 均 氏
    1 「子育て支援」の時代

    (1)少子化対策
    1990年の1.57ショック(合計特殊出生率低下)から子育て支援の 取組が始まる
    しかし、少子化対策としての子育て支援 = 親が働きやすい環境づ くりという構図だった
    現在の子育て支援は乳幼児期に集中している
    現在の3つの課題
    • ミクロ:家庭での親子の関わり
    • マクロ:社会全体での取り組み(例:子ども手当)
    • 中間:地域社会での子育て

    (2)地域子育て文化
    もともとあったもの(例:子どもによる子守、手伝い)
    地域子育てへの支援が必要
    • 子育てとは我が子の育児だけではない
    • 子育てを通じて、親も人間として豊かになることが大切


    2 日本の歴史の中の「地域子育て文化」
    (1)外国人が賞賛した日本の子ども・子育て(江戸~明治)
    日本は子供の天国
    父親が子育てに参加している
    日本には体罰がない

    (2)地域社会全体で子供を育てる仕組み ― 「人練る」「人なす」時代
    子育ては子ども自身に任せる(子ども同士の相互教育力を重視)
    • 兄弟、義兄弟の絆(例:けやき兄弟(山形県鶴岡市浜岡地区))
    • 子守(保育労働)を通じた子育て学習
    • 子どもたち(ガキ大将や子ども組)の中での育ちあい
    • 子ども集団の練り上げ(自治・自律)に任せる
    • 子ども同士の相互教育力は東日本大震災でも発揮された
    • 現代は子どもの遊び声が騒音とされる悲劇
    • 現代の母親中心主義の子育ては限界
    若者が子どもの手本となり大人へと導いた
    • 子ども組から若者組へ進化していた
    • 若者たちは大人や故老に見守られ指導されていた
    • 地域ぐるみの世代間交流があった(ボランティアの付き合いでは なく、一緒に○○をした)
    地域の大人が共同で子供を見守り育てた
    • 生んだ親だけでは育てられないので、何人もの「親」をつくって おいた(例:名付け親、拾い親、烏帽子親)
    • 広島市の日本初のメンター制度(子育て応援団)は要注目
    地域社会に子育ての習俗と通過儀礼があった
    • お食い初め、誕生餅、七五三、一三参り
    子どもを見守り、諌める地域の守り神がいた
    • お地蔵さん、なまはげ


    3 産業化・文明化と「地域子育て文化」の衰弱・解体・喪失
    (1)学校教育文化による地域子育て文化の軽視・排除
    学校教育はたかだか100年程度の歴史
    子育て=遊育+教育+養育、子育て≠学校教育、子育て≠家庭教育、 子育て>教育、家庭=養育(食・寝・雰囲気)

    (2)産業構造の転換
    第一次産業の衰弱:農業の原理→工業の原理
    (3)大転換期としての高度経済成長時代
    地域共同体の縁、絆の弱まり
    無縁社会、限界集落の進行


    4 これからの子育て ― 地域子育て文化の再構築
    (1)地域づくり、まちづくり、地域ネットワークへの注目
    地域とは、行政区の末端であり、コミュニティであり、価値(風土・ 伝統・文化)共有である

    (2)地域の価値を子育てに生かす
    子育ては「自然の摂理」「生産労働」に根ざした「生活実感に結び つく会話」が不可欠
    子育ては子どもの「内なる自然」に上手に手を入れること
    「旬を味わう」ことがもたらす子育て力
    • 旬=自然の恵みの食彩と旨さは、「五感に訴える力」「想像力を喚 起する力」を秘めているので、下記項目の基礎を耕す
    • 感応力=季節感、共に味わう喜び、満たされた幸福感、恵みに感 謝する心
    • 想像力=生産プロセスへの興味、生産する人の苦労への気配り、 ふるさとを想うこころ
    • 生きる力=命を大切にすること、自己肯定感の確認
    • 人間的感情=信じること、希望を持つこと、愛すること
    細切れ・いいとこどりではなく全プロセスを体験する (例:ソーメン流しの子育て論)
    • 伐り出すのは難しい
    • 作るのは楽しい
    • 茹で上がるのが待ち遠しい
    • 食べて美味しい
    • 流す役も嬉しい
    • 片付けして清々しい
    • 振り返って懐かしい

    (3)子育ては子どもの「いのち」を強くし「たましい」を輝かせること
    アニマシオンの原理への注目
    • アニマ=たましいの活性化、子どもの遊び・遊びごころ
    • エデュカシオン=教育
    イキイキ(ウキウキ、ワクワク、ハラハラ、ドキドキ)することが 子どもを元気づけ、育てていく原動力


    5 子育て支援の土台
     自然エネルギーを吸収できる日光浴・海水浴・森林浴のように、人間浴(つながり・やくわり・ぬくもり)ができる地域社会




    ●ユニバーサル社会の実現を目指して

    (社福)プロップ・ステーション 理事長 竹中 ナミ 氏
    1 プロップ・ステーション
    (1)プロップとは
    支え合うということ
    重症心身障害の長女を授かり(現在も全介護を要する)、人生が変わる
    • 社会には色んな人が居ると心底学ぶ
    • 人の成長スピードは一人一人違って当たり前と心底学ぶ
    • 娘は自分の宝で恩師なので、可哀想と呼んでほしくない

    (2)活動
    米国では障害者をチャレンジド(神から挑戦の機会を与えられた 人々)と呼ぶ
    ICTを駆使してチャレンジドの自立と社会参画を支援する:障害者 が納税者になれる日本

    (3)理念
    すべての人が「支え合うという誇り」を持って生きられるユニバー サル社会の実現を目指す
    ユニバーサル社会(共生・共助社会):人がみな、自分の身の丈に あった活躍ができ、お互いに尊重し・支え合う社会


    2 ユニバーサル社会の実現に向けて
    (1)システム
    チャレンジド個人の努力だけでなく、社会全体が「障害によるマイ ナス部分のみを見るのではなく、可能性に着目し、それを引き出す 技術や制度を生み出すこと」が必要
    人が自分や社会に挑戦する意欲を持つためには、社会全体の意識転 換と同時に、その人が「支えられる存在」であるだけでなく、「支 える側にもなれる」柔軟なシステムが必要

    (2)意識
    人は障害の有無に関わりなく「誰かから期待されている時」自分に 誇りが持てる。マイナスだけに注目する福祉は、慈愛が込められて いても人の誇りを奪う
    人の力を眠らせることほど「もったいない」ことはない





    4月13日

    ●児童虐待の現状と対策の必要性

    子どもの虹情報研修センター 川崎 二三彦 氏
    1 はじめに
     深刻な児童虐待は事件は後を絶たない。子どもだけでなく、加害者の 親も苦しむ児童虐待を克服するには、関係機関や職員だけでは解決で きない。社会が抱える困難や矛盾点の解決に取り組まなくてはならな い。

    2 「児童虐待の防止等に関する法律」(H12年制定)
    (1)目的(第一条)
     「…児童の人権を著しく侵害し、その心身の成長及び人格の形成に重大 な影響を与えるとともに、我が国における将来の世代の育成にも懸念を 及ぼす…」と認識:虐待は人権侵害ということ
    (2)児童虐待の定義(第2条)
     「…保護者がその監護する児童について行う…」:本来は子の人権侵 害を守るべき保護者であるが故に虐待対応は難しい
    (3)児童虐待に係る通告
     「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに…通告 しなければならない」

    3 児童虐待の実情
    (1)虐待対応件数
     厚労省はH2年度から統計を取り始め、この年は1,101件、H22年度 は56,384件で、20年で50倍以上に増加。この背景には、法の制定 などによって社会的認知が進んだことなどの要因もある
    (2)虐待の種類
    • H22年度では身体的虐待38%、ネグレクト(養育放棄)33%、心 理的虐待27%、性的虐待3%
    • 当初は身体的虐待が多かった。性的虐待は10年間ほぼ3%である が、最も把握しにくい虐待なので潜在的には更に多いと思われる

    (3)主たる虐待者
     この10年あまり、実母の割合がほぼ60%で推移。母親の育児負担( 炊事、遊び相手など)が過重なのではないか。また、虐待死に至るよ うなケースでは継父や内縁男性による暴行が珍しくない

    4 虐待死の実情
    (1)死亡した子どもの人数
    • H12~22年に780人が虐待死
    • 身体的虐待59%、ネグレクト(車中放置、火遊び、火災を含む) 39%の割合

    (2)死亡した子どもの年齢と理由
    H21年度に虐待死した子どもの年齢
    • 0歳41%(うち0ヶ月が45%、そのうち0日児が87%)、1 歳16%、2歳6%、3歳14%、4歳4%、5歳6%、7歳4%、 9歳2%、15歳2%
    理由
    • 3歳未満は子の存在拒否が最多、3歳以上は「しつけのつもり」 が最多
    しつけと虐待
    • しつけと虐待は全く異なるが、区別がつかないとの声もある
    • 民法の懲戒権規定の改正(今年):親権の規定に「子の利益のた めに」という文言が追加
    • 体罰はしつけには必要ないと考える


    5 関係機関の対応
    • 虐待死事例にいて、通告があるのは20%程度
    • 児童福祉士数はH13年1480人、H23年2606人で件数増加に追いつ いていない
    • 子どもに危険が及ぶので親子分離するかどうかの判断が難しい


    6 児童虐待に対する認知
    (1)保護者の認知
     加害者となる保護者は援助を求めようとしない気持ちがかなり強い
    (2)子どもの認知
     年齢が高くなるにつれて「不当にひどいことをされたと感じる」割合 が高くなっているので、少しずつ客観的な見方が身につくが、基本的 には子どもが自ら受けている行為を虐待と認識するのは簡単なこと ではない

    7 虐待はなぜ起きるか(2000年「健やか親子21」検討会報告書)
    (1)多くの親は子ども時代に大人から愛情を受けていなかった
    (2)生活にストレス(経済不安・夫婦不和・育児負担など)が積み重なって危機的状況にある
    (3)社会的に孤立し、援助者がいない
    (4)親にとって意に添わない子(望まぬ妊娠・愛着形成阻害・育てにくい子など)である


    8 これからの虐待対応
    (1)児童相談所と市町村の連携(H16年の法改正で市町村を位置づけ)
    第一義的相談は市町村で、専門的相談は児童相談所という縦の関係 になっている
    子育て支援や虐待未然防止などを行う市町村と、法的対応を行う児 童相談所の横の関係(きっちり切り分けない)が必要

    (2)虐待そのものを減らす
    大人から愛情を受けてこなかった親へのケア
    ストレス(経済不安・夫婦不和・育児負担など)を抱える親への手 厚い対策
    孤立している親への対策(地域連帯・コミュニティづくりなど)
    意に添わない子を持つ親へ、子どもに対する正しい理解の促進を図る

    ●地域福祉と自治体の役割 ~ 日本一の子育て村を目指して ~

    島根県邑南町長 石橋 良治 氏
    1 高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画での具体的事例
    地域支えあいミニデイサービス
    • 生活圏域で近隣の高齢者同士が近所で集い交流し閉じこもり防止を図 っている(介護予防や創作活動など)。34グループ540人
    • 行政の支援はサポートリーダーの育成
    介護支援ボランティアの登録、受け入れ機関の登録
    • 元気な高齢者が福祉施設等でボランティア活動を行うことにより、本 人の健康増進や介護予防、生きがいづくりを促進。また、地域の活性 化や住民のつながり強化を図り、高齢社会を乗り切る地域力の醸成を 目指す。
    • 行政の支援はボランティアの実績ポイントにより年間最高5,000円の 町商工会の商品券を支給


    2 障害福祉計画・障害者計画での具体的事例
    福祉医療
    • 町独自で重度心身障害者やひとり親に対し県の補助金に上乗せ467人 3,515千円/年
    通院支援
    • 精神障害者の通院や授産施設への交通費を助成120人2,181千円/年
    障害者雇用連絡会
    • 町内の事業所と障害者の就労相談会を実施


    3 次世代育成支援行動計画の具体的事例
    保育士加配
    • 発達障害などがあっても保護者が受容できない子どもについて、受け 入れ保育所に町単独で加配、7名6,836千円/年
    第2子以降保育料無料化
    • 262名34,400千円/年
    第一子の保育料負担軽減
    • 国基準より40%軽減、50,000千円/年
    保育所完全給食
    • 3歳以上児の主食は国の補助事業から外れていたため米飯持参であっ ったが、夏の衛生管理や冬の冷たいご飯など課題があったため、地元 農家からコシヒカリを購入。
    赤ちゃん登校日(小学5年生を対象)
    • 赤ちゃんを通してコミュニケーション力をつける。赤ちゃんの親にと っては、出産した喜びや我が子の10年後のイメージを持て、生徒に とっては自分が生まれた意味や世話する喜びを感じる。
    病児保育
    • 公立病院と民間医院に病児保育室を設置し、保育士と看護師を配置
    子育て支援関連の保健事業
    • 子どもの医療費無料化:中学校卒業まで保険適用分医療費が無料
    • 一般不妊治療費助成:1年につき上限15万円を3年間助成
    • 予防歯科費用助成:フッ素塗布(3歳半まで)フッ素洗口(中学生まで)全額助成
    • 妊婦一般検診費用助成:国が定める検査項目について全16回分を全 額助成
    • ワクチン予防接種費用全額助成:ヒブ、小児肺炎球菌、子宮頸がん予防接種無料
    • 妊婦歯科検診費用助成:妊婦(5~7ヵ月)の歯科検診費用全額助成

    調査費利用情報(H22.04.16~H23.05.20)

    平成22年04月16日から23年05月20日のセミナー等の参加情報を調査費利用の資料として追加しました。

    平成22年04月16日「BS EN 16001 エネルギーマネジメントシステム」
    概要解説セミナーに参加
    平成22年04月20日「松下圭一先生特別教室」に参加 他
    平成22年05月11日NOMA行政管理講座に参加
    平成22年05月14日地方自治経営学会研究大会に参加
    平成23年05月20日NOMA行政管理講座に参加

    「農薬を使わないガーデニングは水もきれいにする」に参加

    日時平成23年11月15日
    場所さいたま市民会館うらわ(埼玉県)
    用件「農薬を使わないガーデニングは水もきれいにする」に参加

    農薬を使わないガーデニングは水もきれいにする ~虫や雑草と楽しむ~

    ひきちガーデンサービス 曳地 義治・曳地 トシ 氏
    1 オーガニック・ガーデンとは
    (1)害虫?
    ①害虫・益虫はいない。人間視点で区別したもの。天敵はいる
    ②病虫害 ≠ 病害虫

    (2)住宅地における農薬使用の現状、危険性
    身の回りにあふれる農薬、知らないうちにまかれている農薬
    害虫ごとの殺虫剤、その他害虫用殺虫剤
    長期にわたって環境に影響を及ぼす農薬
    30年前に使用禁止となった農薬がカボチャなどから検出される
    農薬などの化学物質がもたらす健康被害
  • 農薬に弱い益虫も死ぬ
  • イモ虫などを食べた鳥も暴露する
  • ネオニコチノイド農薬は粒で、植物の体内に入る
  • 農薬中毒:5つ以上該当すれば農薬中毒の恐れあり
  • 頭痛や片頭痛
  • 眠れない、夜中に目が覚める
  • 体がだるく何もやる気がしない
  • めまい、立ちくらみ
  • ぼやけて見える、視力が落ちた
  • 胸が痛い、動悸がする
  • イライラする、キレやすい
  • 仕事や家事が進まない
  • 指先が震える
  • 風邪の症状が続く、春先から夏にかけて風邪の様な症状が続く
  • 民生転用
  • 農薬は毒ガス(戦争用)の民生転用
  • 化学肥料は爆薬の民生転用
  • 原発は原爆の民生転用

  • (3)オーガニックガーデンの要素
    ①多様性:単一栽培や少品種多栽培などではない
    ②地域特性:グローバリズムやF1種、遺伝子組み換えなどではない
    ③循環:分解しない・土に戻れないものではない(化学物質や放射能など)

    (4)身近な自然からみる生態系
    ①例:ハイタカ(日本で最小の猛禽類で1羽のハイタカが生きるには420haの森が必要)
  • ハイタカが食べるシジュウカラは1年で779羽
  • シジュウカラが食べるマツシャクトリムシは1年で12万5千匹
  • ハイタカが生きるためにはマツシャクトリムシが1年で1億匹必要→ ハイタカがいれば農薬は必要ない
  • 何かの大量発生は生態系のバランスが崩れていることを示す
  • ②生態系ピラミッド
  • 弱肉強食というより、多くの生命(底部)に支えられている。生き物たちは進化の中で多様化しながら互いに棲み分け、共生している
  • 生態系ピラミッドで最初にいなくなるのは頂点の動物
  • 分解者(ダンゴ虫、シロアリ、バクテリア、センチュウ等)は有機物を無機物(栄養素:チッソ、リン酸、カリ等)に変える
  • 生産者(植物)は無機物を有機物に変える
  • 化学肥料も微生物にダメージを与える
  • 生態系維持のためにテデトール(手で取る)、ムシフーム(虫を踏みつける)が大切



  • 2 オーガニックガーデンをつくる
    (1)虫力をつける:虫をよく見る、虫の生活史を知る、天敵を知る
    ①例:アリ
  • アリは桜のボディーガード
  • シロアリの天敵はアリ
  • ②例:テントウ虫
  • アブラムシを食べるテントウ虫:ナナホシテントウ、ナミテントウ、コクロヒメテントウ
  • うどん粉病の菌を食べるテントウ虫:シロホシテントウ、キイロテントウ
  • タマカタカイガラムシを食べるテントウ:アカホシテントウ
  • ③例:ツバキにつくチャドクガに寄生するハチ(チャドクガの天敵)
  • ツバキが元気なら、チャドクガの唾液と葉の成分が反応し、寄生バチを呼び込む
  • 寄生バチは化学物質に弱い → チャドクガの大量発生は農薬を使い始めた戦後から起こった
  • ④無知のために、ただの虫が害虫にされている実態

    (2)雑草力をつける:雑草は敵か?
    ①除草剤使用はかえって雑草を増やす結果になる
    ②雑草にも自然界の中での役目はたくさんある
  • 土や微生物を守っている
  • 土を耕す、微量成分を固定する
  • 土壌改良できるのは雑草だけ
  • 雑草の位置は土壌改良の進捗とともに移っていく
  • ナメクジは雑草があればそれを先に食す
  • ③事例
  • スギナ:酸性土に生えて中和してくれる
  • イヌタデ:土壌の浄化作用(カドミウムの浄化など)
  • ヨモギ:深根性で、固い土に生えて耕している
  • オオバコ:踏まれるところに生える
  • ④雑草は5cmの高さで刈る(土から5cm残す)と最も伸びが遅い
  • 5cm以上:残った株が急速に成長
  • 5cm以下:新しい芽が急速に成長

  • (3)風通し、日当たりのよい庭づくり
    ①上手な剪定で病虫害を防げる
    ②合わない風土に植えた植物は弱い

    地方議会議員研修会に参加

    日時平成23年10月24日から平成23年10月25日まで2日間
    場所京都市 京都リサーチパーク
    用件地方議会議員研修会に参加
    ●10月24日

    記念講演 災害から住民をいかに守るか ~防災・減災における国と自治体の役割~

    関西学院大学教授 室崎 益輝 氏
    1 「防災」と東日本大震災を教訓とした「減災」の考え方
     
    防災:防げる災害(例:寝タバコによる火災)
    減災:大きな自然に対しての小さな人間のあり方をふまえた対策の 足し算による被害の引き算


    2 減災のための対策の足し算と住民視点
           
    時間の足し算(持続的取組み):被災者支援や間接被害軽減
    手段・手間の足し算(多面的取組み):ヒューマンウェア
    空間の足し算(公共的取組み):身近な公共と減災まちづくり
       
    • 大きな公共:大きな道路や大きな公園
    •  
    • 小さな公共:路地裏や小さな空間
    人間の足し算(共創的取組み):減災のためのパートナーシップ


    3 被災者の立場に立つ支援
  • 阪神淡路大震災の「被災者復興支援会議」(行政と被災者の中間組織だ  が、やや被災者寄り)のような役割が必要
    (1)姿勢:被災者に心を通わせる
       
    支援3原則
    • 被災者の声に耳を傾けて応える(寄り添う)
    • 被災者の勇気や自立を引き出す(引き出す)
    • 被災者から学ぶ姿勢を大切にする(学びあう):支援する側とされる側がWin・Win
    被災度認定、避難所運営、住宅再建支援、建築制限、高台移転など
    • 大岡裁き(法律の柔軟な解釈)が大切
    • 迅速性、正確性、公平性の両立が大切:特に正確性はトラブル減少を生み、迅速性に貢献する
    (2)戦略:暮らしの総体を支える
       
    被災者の住まいだけでなく、生きがいや仕事にも目を向ける
    暮らしの基盤の復興、住宅よりも仕事・雇用
    • 人とのつながり、土地とのつながり(防災に極めて重要)
    • コミュニティサポート、コミュニティワーク


    4 住民の減災リテラシー教育
    (1)ヒューマンウェア(災害に強い住民を育成)
         
    心・・・減災の心や意識を育てる
    技・・・減災の知識や技能を鍛える
    体・・・減災の作法や規範を身につけさせる
    (2)実践:三位一体の減災教育
       
    学校教育、地域教育、家庭教育の展開
    自助、共助、公助
    (3)内容:地域防災活動の再点検(ハウツウものからの脱却)
         
    五感で感じる教育
     触れて学ぶ:まち歩きや触れ合い訪問
    応用力を鍛える教育
     考えて学ぶ:様々な状況を与えて考えさせる
    暮らしに溶け込む教育
     遊んで学ぶ:祭礼や習俗に昇華(賽の神、翌朝の服を準備など)


    5 持続的な減災まちづくり
    (1)持続可能で、安全で安心できる地域社会を構築する
       
    アメニティ(文化)があり、コミュニティがあればセキュリティはおのずからついてくる
    自然や歴史との共生を心がけるとともに、福祉や防犯などの課題との融合を心がける
    (2)運動:まちづくりへの行政支援(住民主体の運動を促す)
         
    仕組みづくり支援:自主防災組織、ワークショップ(井戸端会議)
    ひとづくり支援:リーダー研修、まちづくり教本
    ことづくり支援:包括的支援金、デザインガイド


    6 共創のパートナーシップ
    (1)責任回避という「もたれ合い」システムから自立連携という「助け合い」システムへ
       
    住民と行政の2極構造から、中間組織を加えた3層構造へ
    自助と公助の限界を補完する共助の役割
    阪神大震災で人を助けた比率は、6(自助):3(共助):1(公助)、本来は3:3:3
    (2)組織:多角ネットワークの形成
     減災の正四面体と安心の地域ネットワーク
    • 減災の正四面体:住民、行政、メディア、専門家
    • 安心のネットワーク:住民、行政、CBO、NPO、学校、事業所、専門家
    (3)規範:パートナーシップの原則
     相互信頼と顔の見える関係をつくりあげる4原則
           
    コミュニケーション(情報共有)
    コーディネーション(調整、対等、1+1=3)
    コーオペレーション(協働)
    コラボレーション(一緒に汗をかく)

    特別講義 福島原発事故から何を学ぶか

    元静岡大学教授 深尾 正之 氏
    1 この事故の特徴と処理方法の問題点
    (1)初めての長時間電源喪失
    対応マニュアルがない → 未経験事態に対応不能
    制御室が暗闇、温度や圧力などの測定装置が不作動
    (2)危機管理
    マニュアルにない事態に対応するのが危機管理技術
    事態掌握、点検、対処の優先順位付けの訓練が必要
    炉の構造に精通している人は電力会社より製造会社にいる。 OBをを含めて人材を集め、その人達の助言に対しては責任を問わない措置が必要
    事実の公表を拒み、被害を小さく見せる報告・報道は被害を拡大した。 後出しで都合よく辻褄合わせするのは東電の常套手段


    2 収束に向かっているのか?
    燃料の発熱量は水蒸発量にして1日100t以下に減衰している
    燃料がどのような形で炉の下部に留まっているのか?
    • 圧力容器と格納容器を溶かし、更に流れ出たのか?
    100日たって10sv/hのホットスポットが発電所内のあちこちで発見されるなど、 ビックリする事態が今なお起こっている


    3 電力供給系の近代化のために
    電力会社は地域独占と電力料金総括原価方式で放漫経営 → 送配電と発電の分離が必要
    周波数は60Hzに統一
    熱を使う企業は先ず発電し、その廃熱を利用するコジェネの活用により 総合エネルギー効率80%(最新の火力発電でも50%が限界)
    自然エネルギーの高値購入(EUでは自然エネルギー開発に成功)


    4 将来のエネルギーについて 
    (1)ウラン
    現在稼動中の原子炉の燃料はウラン235で資源量は現在の需給で100年程度
    新興国が原子力依存を強めれば50年で枯渇
    高速増殖炉でウラン238を利用できれば資源量は100倍になるが、 フランスが国威をかけた計画も頓挫。日本の六ヶ所村の再処理施設や「もんじゅ」も動く気配なし。
    核燃料再処理やウラン238の利用が正常に行なわれたとしても、 放射性廃棄物の処理方法はなく、数千~数万年にわたる管理が必要
    人類の歴史上、たまたま20~21世紀の50~100年ほど生きた人間の生活様式のために、 子孫に長期の負の遺産を残すべきでない
    (2)RPS法
    電気事業者に新エネルギー等から発電される電気を 一定割合以上利用することを義務づけ、新エネルギー等を普及促進させる法律
    現状は、低い買取目標値などで、自然エネルギー活用運動を抑制
    震災後に更新された新RPS法も例外規定があり、運用が課題
    (3)2050年のエネルギー
    2050年までに火力発電も全廃する必要がある
    2007年統計では人類のエネルギー供給は自然エネルギー6%、 原子力6%、化石燃料88%であり、2050年の化石燃料全廃は無理との見方もある
    太陽光は夜間・雨天を平均しても0.1kw/㎡降り注いでいる。 一般家庭でのエネルギー消費量はガス・灯油などを含め2~3kwなので、 20~30㎡に降り注ぐ太陽光と同等。熱利用効率50%とすれば60㎡の面積に降り注ぐ太陽光で賄える
    太陽光から電気への変換効率は現状15%程度で技術革新が必要だが、 熱源利用(太陽熱発電など)であれば様々な応用が可能
    運輸(自動車など)や工業用の高密度エネルギーの供給には工夫が必要。 石油代替には水素(太陽熱発電による電気分解など)が有望
    潮流発電が注目されており、日本にも適地は多い
    植物の太陽エネルギー変換効率は低いが、広域での活用は有効


    5 放射線障害
    (1)放射線被爆
    大量被爆での即死・重症などの因果関係は明白
    ガンなどの晩発性症状の取り扱いは困難
       
    • 確率的な人体への影響:被爆線量が1/10になれば発症率も1/10
    •  
    • 閾値:被爆線量がある値以下なら発症しないという閾値はない
    •  
    • 因果関係:ガン発症した場合、放射線による影響かどうかは不明
    放射線被爆に関しては「合理的に達成できる範囲で、できるだけ低く」が世界的合意
    (2)許容被爆線量
    現実問題として、許容基準の設定は必要
    ICRP勧告
       
    • 一般公衆:1mSv/年
    •  
    • 作業に従事する人:50mSv/年
    •  
    • 内部被爆を過小評価、又は無視しているとの批判がある(米国の 核戦略と強く関連している)
    暫定基準
       
    • 政府は子供を含む一般公衆の暫定基準を20mSv/年としたが、 これは無謀な行為(子供たちは特に影響を受けやすい)





    ●10月25日

    分科会 自治体財政の基礎を学ぶ

    高知大学准教授 霜田 博史 氏
    1 地方財政の仕組みと見方
    (1)地方財政の仕組み
     
    日常生活と地方財政のかかわり
    地方財政の主な仕事:家庭が支えていた生産と生活の社会化が進むと、 公共機関に求められる役割が増す
    (2)地方財政の状況
     
    地方政府の経済的活動
    • 連邦制国家(州の権限が大)と単一制国家(国の権限が大)の違い
    • 日本は、支出は連邦型(地方が大)、収入は単一型(国が大)の為、  国から地方への移転(交付税や補助金)が大
    • 日本は福祉国家としては未成熟:政府支出は公共事業が手厚く、 社会保障が手薄(主要国との比較)
    (3)日本の地方財政制度の特徴
         
    集権的分散システム(神野直彦)
    • 地方財政の自治権が確立せず、地方自治の発展が阻まれている
    • 過大な地方財政調整制度:自主税源が不十分で、ほとんどの団体が  地方交付税の交付団体のため、事実上の国の下部機関として画一的  な行政を行っている
    集権的分散システムのメリット、デメリット
    • メリット
      地方税負担率の不均衡の解消、ナショナルミニマム水準の向上、 自治体による円滑な社会資本整備、国と地方が連動した景気対策
    • デメリット
      自治能力の弱体化、地方財政の浪費性の増加、国と地方の財政赤字の連動
    地方分権議論の高まり(地方分権の2つの流れ)
    • 新自由主義的分権論の潮流
      小さな政府を目指し、自治体の財政的自立を促進(財政再建)
    • 地球環境の維持可能な社会と民主主義の前進を求める潮流
      分権的福祉政府構想で、地方分権の目的を考えるとこの潮流が望ましい。分権と参加を求める


    2 地方主権改革と地方財政の課題
    (1)地方分権改革の流れ
     
    • 新たな問題に対して、自治体による迅速で個性的な対応、地域総合行政のよさを発揮させる
    • 団体自治、住民自治が強化される(自治体の仕事が増えると、住民の無関心は悲劇を招く)
    • 国の機関が国際的な調整業務に集中できる
     
    • 第二次分権改革:地方自治体の自立を目指した地方税源充実確保のための改革が必要
    • 3割自治の問題(現在は3.5~4割)
       
    地方分権を進める理由
    第二次分権改革としての地方税財政改革の提起
    第二次分権改革としての三位一体の改革
    • 経済財政諮問会議「骨太の方針2003」で中央政府と地方政府間の税財政改革の方向が明らかにされた
    • 三位とは、国庫補助負担金、地方交付税、中央から地方への税源移譲を含む税源配分のあり方
    三位一体の改革(2003~2006年)の結果
    • 国から地方への税源移譲3兆円:結果として交付税が減った
    • 国庫補助負担金の廃止、縮減4.4兆円:これにより地方の事業が減り、基準財政需要額が減った
    • 地方交付税の抑制3.4兆円:基準財政需要額が減ったため
    • 実態は補助金改革で、国による財源の吸い上げという結果になった
    (2)民主党の地域主権改革
       
    三位一体改革の反動による民主党政権の誕生と地域主権改革
    • 地域主権改革は定義されているが、地域主権は定義されていない
    • 地域主権改革が目指す国のかたち
      補完性の原則:住民サービスは住民に近い基礎自治体が提供
      住民による選択と責任
    • 国と地方の責任分担の明確化(地方自治体の自立)
      改革の進展で地方公共団体間で行政サービスに差異が生じる
    地域主権改革の課題
    • 何の、誰のための地域主権改革か
    • ナショナルミニマムの充実と地域主権改革は両立するか
    • 地方交付税をめぐる議論
      自主財源主義は理想だが限界があり、一般財源の財政調整機能が 必要であるが、国家財政は急速に悪化


    3 地域経済と地方財政
    (1)日本の地域間経済格差の状況
       
    地方税収の地域間格差
    • 日本の租税収入総額は85.4兆円(H20)、国税が45.8兆円(53.7%)  地方税が39.6兆円(46.3%)
    • 税収の地域格差(H20での人口一人当たり都道府県税額)
      東京都25.6万円、沖縄県8.2万円と3.1倍の格差
    現代日本の地域経済
    • 法人所得は人口規模と経済規模(地域GDP)で決まる
      日本の法人所得を1000とした場合、東京都は236、大阪府は118、 鳥取県は1、高知県は3(人口の格差以上)
    • 預金や貸出金といった金融機能は東京に集中
      日本の貸出金を1000とした場合、東京都は378、大阪府は106、 鳥取県は3、島根県は3
    • 一人当たりの県民所得
      東京都415万円、沖縄県203万円(財政調整により1960年より も格差は縮まった)
    (2)地方圏の経済で公共部門がもつ重要性
       
    現代日本の地域経済と財政の特徴
    • 地方経済では政府部門の存在が極めて重要になっている(経済の財政依存は持続可能性が低い)
      例:高知県では県GDPにおける政府部門の割合は41%
    • 地域経済はコスト高で代替手段(民間)がない
    • 地方経済が公共部門への依存を高めてきた理由
      地域開発政策と地方財政調整制度
    地域開発政策
    • 地域間の経済格差を是正し、国の経済成長を進める政策
    • 5次にわたる全国総合開発計画と特定地域の地域政策
    • 公共事業に社会保障的性格(雇用促進)があった
  • オイコスフォーラム「自然共生建築を求めて」 に参加

    日時平成23年9月30日
    場所東京ウィメンズプラザ
    用件オイコスフォーラム「自然共生建築を求めて」 に参加

    ●暖める ~暖房システム再考~

    東京都市大学教授 宿谷 昌則
    1 人体のしくみ
    人体に入るもの(飲食物)=人体にたまるもの(ほとんどない)+排 泄物であって、エネルギーも同じ原理である。従って、人体に入って きたエネルギーは全て熱として外に出る。

    2 暖房
    (1)室内温熱環境の要素
    周壁平均温度(放射温度)
    空気温度
    風速(気流)
    空気湿度
     (②~④は空気の性質のため、冷暖房は空気を冷暖することと思われてきた)

    (2)快適な室内空間
      
    暖房とは
    「体に熱を与えること」ではなく「ほどほどに放熱するようにしてあげること」 
    放射温度の調整がカギ
    • 窓、壁、床、天井などの建築部材からは、その温度に応じた放射がされる(放射=電磁波=光)
    • 人体の代謝熱量(=放熱量)が少ないと快適
    • 風速と空気湿度を一定にした場合、人体の代謝熱量は周壁平均温 度、及び室内空気温度と相関する。そして、その相関図をみると 暖房で空気を加熱するよりも周囲の壁や床を温めるほうが有効 なことが分かる(「低い気温でも太陽に当たると暖かい」とか「 床暖房は快適」というのは同じ原理)
    • 建築物の断熱性向上に取り組んだ上で、室内空気を管理すること が重要で、これは省エネにもつながる
    • この原理は冷房にも当てはまる

    「地域防災防犯展」セミナー他に参加

    日時平成23年6月9日から平成23年6月10日まで2日間
    場所9日 インテックス大阪
    10日 おおさかATCグリーンエコプラザ
    用件9日 「地域防災防犯展」セミナー に参加
    10日 セミナー「ヒートアイランド対策推進の課題とシナリオ」 に参加
    6月9日

    ●東日本大震災の経済的影響について

    関西大学社会安全学部准教授 松永 伸吾
    1 マクロ経済的影響
    (1)被災地の日本経済における位置づけ
    • 日本のGDPの3%しか占めないが、産業集積の進む沿岸部が壊滅的な被害
    • 東海地震のリスク分散などで、電気や機械産業のウエイトが高い
    • (特に福島県:巨大地震の発生がないと思われていた)
    (2)直接被害:地震や津波による被害で16兆円から25兆円と言われる
    (3)間接被害:生産活動低下、停電、放射能
    (4)影響
    阪神淡路大震災は日本経済全体を大きく低下させることはなく、むしろ復興需要で経済が潤った側面がある
    東日本大震災は日本経済全体に影響を及ぼしている
    a)停電で首都圏の経済活動が制約
    b)沿岸部の製造業が壊滅したことで、部品供給が寸断
    c)復興需要の波及効果に期待できない
    • 例:仮設住宅の建設資材が足りないが、この事態が長期化するか輸入することになれば国内経済は潤わない
    • 地元建設業が衰退しており、被災地に金が落ちない
    d)鉱工業生産:日本全体の生産能力に変化はないが、稼働率低下
    e)実質GDP:内需の落ち込みが激しい(消費マインドの冷え込みが深刻)
    f)円高加速:復興費調達で日本が外国債券を売ると読んだ投機マネーの動き


    2 今後の展開
    (1)サプライチェーン(部品供給網)
    • 4月末では、加工業種などで代替調達先の確保が進み7割のサプライチェーンが復旧 (代替調達先が国外の場合もある) → 被災地の仕事が奪われた
    • 円高が引き続き進んでおり、震災を契機に産業空洞化が加速する恐れ (7割のサプライチェーンが可能性を否定していない)
    (2)被災地の雇用
    数十万人の規模で失業者が発生している
    阪神淡路大震災の時は直後から営業した店もあったが、今回は見通しの立たない地域がたくさんある
    キャッシュ・フォー・ワーク
    • 災害対応や復興事業に被災者を雇用して報酬を払う手法
    • 仕事と同時に復興に貢献することで、将来の希望ややりがいを創出できる
    • 現在は瓦礫撤去や仮設住宅建設が主だが、今後はそれ以外の仕事も必要で、 その為の教育やコーディネートが課題
    (3)経済財政運営のリスクマネジメント(危機管理)
    • 今回のような大規模災害によって経済活動に相当な支障が生じることが、日頃の経済財政運営のシナリオに入っていなかった
    • 税収よりも借金の方が多いという財政運営で、経済が頑張らなくてはいけない時に増税の必要性が叫ばれるといういびつな状況
    • 日本は巨大な災害を受けるリスクがあることを前提として、経済財政運営をしなくてはならない




    6月10日

    ●ヒートアイランド対策推進の課題とシナリオ

    大阪ヒートアイランド対策技術コンソーシアム 理事長 水野 稔
    1 対策計画の現状と問題点・あり方
    (1)現状
      
    2004年の「ヒートアイランド対策大綱」により主要自治体が対 策計画を作成するが、大きな進展は見られず → 現計画は不十分 で、レベルアップが必要
    (2)問題点・あり方
    ○○年までに熱帯夜日数3割減などの環境目標(気温目標)はあるが、 行動目標(大気熱負荷目標:温度上昇をもたらす太陽熱や人工 熱の目標)がない → 各セクターがどこまで協力すべきか不明
    多くの対策計画が地球温暖化対策の枠組みの中に位置づけられている
    • 省エネ=ヒートアイランド(以下HI)対策との認識で、二酸化炭素削減の管理となっている
    • HI独自の行動計画が必要
    自主行動型(性善説)になっている → 重点投資型への移行が必要
    総合工学的視点の欠如
    反射性塗料と壁面緑化、透水性舗装と緑地増加などの分野内技術
    評価はできても、分野間評価ができていない → 重点投資が不可
    建築技術への公的支援
    a)土木環境技術
    • 対象:公的(建築外)環境
    • 費用負担:公的(税)金
    b)建築環境技術
    • 対象:私的(建築内)環境
    • 費用負担:私的(施主)金
    c)私的効用と公的効用の分離(例:建築環境技術の日射反射塗料)
    • 私的効用:冷房負荷低減による電気代節減
    • 公的効用:大気熱負荷低減によるHI緩和と節電によるCo2削減
    • 公的効用分は公的負担を


    2 大気熱負荷
    (1)HIの公的効用を測るモノサシ
    その技術を適用した時に削減できる大気への熱負荷量
    大気熱負荷:気温への影響は時空間特性あり(いつ、どこで熱を出すかが問題)
    (2)熱負荷を出す時間と場所(都心・郊外)の影響 
    日中に熱が放出された場合:気温への影響は小さい。場所によって変わらない
    夜間に熱が放出された場合:気温への影響は大きい。その中でも都心で小さく、郊外で大きい
    HIは主として夜間現象
    アスファルトやコンクリートでできた都市は日中の熱を夜間に持ち越す → 熱代謝への配慮が必要


    3 大気熱負荷を基礎とした定量的対策
    (1)熱負荷低減型対策(太陽熱と人工熱)
     省エネ、表面の改善などの当面の対応
    (2)熱拡散改善型対策(建物郡等による拡散の問題)
     風の道の創出、建築物配置改善などの長期的対応
    (3)対策体系
    気温目標と整合性のある大気熱負荷の削減目標(行動目標)の設定
    各地区の熱負荷削減量を設定する
    目標達成のための制度的対応
    • 開発要件に加える
    • 容積率ボーナス等のインセンティブ(誘因)を与える
    • 既存地区には補助金
    • 義務化と経済的手法
    大気熱削減能力による技術評価
    a)目的により、地区、昼夜、気温変化などによる補正係数の導入
    • 例:屋上緑化と地上緑化の比較(高さの違い) 
    • 例:日射高反射塗料と外断熱の比較(大気熱負荷削減の時間が違う)
    b)例:サーモウッド(熱処理した木材)で建物を覆う実験
    • 木材パネルの日中温度は剥き出しのコンクリート面と同じ温度まで上昇する
    • 木材パネルは夕方前から温度が急低下し、夜間は気温とほぼ同じ=熱負荷を出さない
    • 剥き出しのコンクリート面は夜間に気温より数度高く、熱を出し続ける
    • 木材パネル内部のコンクリート温度は低く、建物への冷房負苛を低減する
    • 得られたデータを他の技術と比較することが必要
    HI配慮計画
    a)建築や地区開発に対して「通常設計と比べて○○W/㎡の大気熱負荷削減を実現」と規定する
    b)例:大阪市本町地区を1970年代に戻すには
    • 土地面積30万㎡、床面積118万㎡
    • 必要な削減熱負荷は12W/㎡
    • 全てのビルに対し、木材外装47%、屋上緑化74%、高反射塗料(屋上のみの場合)100%の普及率で達成できる




    ●企業からのプレゼンテーション

    ㈱いけうちの「霧によるHI対策及び節電」、㈱キタムラの断熱塗料、 四国化成工業㈱の空中緑化システム、大和リース㈱の総合緑化事業

    「オイコスフォーラム ~自然共生建築を求めて~」に参加

    日時平成23年5月27日
    場所東京ウィメンズプラザ
    用件「オイコスフォーラム ~自然共生建築を求めて~」に参加

    ●巨大技術から身の丈にあった技術へ

    東京都市大学教授 宿屋 昌則
    1 原子力発電という巨大技術の限界
    (1)原子力発電
    • 原発事故の状況を見ると、これまでの専門家に任せておけない
    • 原子力発電の基本原理は火力発電と変わらず、発熱方法が違うだけ
    • 火力発電は500℃を超える水温を得られるが、原子力発電では300℃ 程度で、発電効率は火力発電が上
    • 料のウランの原子番号は92で、陽子をつなぐ核力の限界。産出さ れる元素では一番大きい
    • 核分裂で物質Aは→ A1+A2+エネルギー に変わる。ウランの分裂 エネルギーはH2OをHとOに分けるエネルギーの2億倍
    • 電力とは「電磁気現象を利用して運ばれた動力」である。たかが動力 を得るために核分裂反応を使わなくてもよい
    • 送発分離を行い、電気を選べるようにすることが大切
    • 原発の廃炉ビジネスも相当なものになる


    (2)放射線
    • 宇宙の放射線が少なくなって生命進化が始まった。生命と放射線は相 容れない
    • 長期の低線量被爆リスクは分からない事がある
    • 原子力発電で産み出される放射性物質は、放射性と発熱性が長期に続 くので、世代を超える長期的で徹底的な管理が必要



    2 身の丈にあった自然の理に適う暖冷房
    (例)40億年の生命史が生み出した体温37℃に保つ人体
     
    寒い時の調整
    • 身体を閉じる姿勢にする
    • セーターなど羽織ったり、居場所を変えたりする
    • 末梢神経が収縮する
    • 「非震え産熱」という僅かな発熱現象が起きる
    • 震え産熱が起こる(健康を害するレベル)
    暑い時
    • 身体を開く姿勢にする
    • 扇ぐ
    • 服を脱ぐ
    • 末梢神経が膨張する
    • 発汗により蒸発冷却を行なう
     
    具体的な冷暖房の講義は次回以降

    ケミネットシンポジウム「今こそ化学物質政策基本法の制定を」に参加

    日時平成23年5月24日
    場所参議院議員会館
    用件ケミネットシンポジウム「今こそ化学物質政策基本法の制定を」に参加

    ●化学物質政策基本法の必要性

    有害化学物質ネットワーク(ケミネット) 中地 重晴 
    1 現行法制度の問題点
    (1)司令塔なき省庁縦割り
    (2)規制と推進が同一官庁にある(原発と同じ構図)
    (3)化学物質の影響を受ける側(国民・生態系)に立っていない
    (4)複合影響の評価が欠如→リスクの過小評価のおそれ有
    (5)これらの結果、対策に隙間が生じ、統合性が欠如し、後追いになる
    (6)化学物質による子どもたちへの負荷は年々増加(喘息・アレルギー、先天性奇形、発達障害児などが増加している) 
    (7)事例
    殺虫剤(ネオニコチノイド系農薬)
    a 毒性
    • 子どもの発達への影響が懸念される
    • 人への被害報告あり
    • ミツバチ大量死の原因

    b 同じ成分でも所管法令が異なる→規制の隙間
    • 用途が、松枯れ防除・ガーデニング・農業用の場合は農薬取締法
    • 用途が、ペットのノミ取り剤の場合は薬事法
    • 用途が、家庭用殺虫剤・シロアリ駆除剤・建材の場合は直接の規制法がない
    シックハウス・化学物質過敏症対策
    a シックハウスに関する主な法律
    • 学校は文科省、建築物や品質は国交省、衛生環境は厚労省と所轄官庁が分かれており、対象化学物質も異なる

    b 13物質の代替化は進んだが、安全性は高まっていない
    • ホルムアルデヒドは削減されたが、ネオニコチノイド系農薬が 使用されるようになった
    • これまで問題とされてきた13物質の使用は削減されたが、他の未規制VOC(揮発性有機化合物)の使用が増え、TVOC(総揮発性有機化合物)はむしろ増大傾向。例えば、 最近はカーペットの接着剤が問題となっている
    • 化学物質過敏症対策は手付かずのまま
    家庭用品 
    • 有害家庭用品規制法の指定物質はわずか20物質のみ (市場に出回っている化学物質は約10万種)
    • 成分表示が義務付けられていないものが多い (消臭・芳香剤や抗菌・除菌製品など)
    • 毒性が分かっていないものも少なくない (有機リン化合物、有機フッ素化合物、ナノ物質など)
    表示が所管法令ごとにバラバラ
    一般名:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムは、 医薬部外品ではポリオキシエチレンラリルエーテル硫酸塩と、 化粧品ではラウレス硫酸Naやパレス硫酸Naと、洗濯用洗剤では アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムと表示される
    アスベスト問題  
    • 被害が明らかになった後での規制では遅い
    • 有害性を調査し、規制する体制が必要

    2 ケミネットの提案
    (1)基本理念
    化学物質の総量削減
    「ノーデータ・ノーマーケット」原則 (データのないものは市場に出せない)
    化学物質の影響を受けやすい人々 (胎児や子どもなど)や生態系への配慮
    化学物質のライフサイクル管理 (研究開発、製造、使用、リサイクル、廃棄処分に至るまで)
    予防原則(安全が証明できないものは使用しない)
    代替原則(より有害性の低い物質に代える)
    協働原則(全ての利害関係者の参加)
    国際的協調
    (2)化学物質安全委員会の設置
    業界を所管する省庁ではなく、国民の健康と環境を 守るという立場に立つ、中立・公正な独立組織
    ステークホルダー会議を設置し、施策の立案に 当たって広く関係者と協議
    事務局員は、省庁職員やNGOなどからの民間登用とする



    ●市街地・公共施設での農薬被害について

    滝ヶ崎 照子
    1 農薬使用規制の現状
    (1)屋外(公園緑地、街路樹、一般植栽など)では、 「住宅地等における農薬使用について」(農水省・環境省通知、2007年)と 「公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアル」(環境省、2008年)がある
    • 物理的防除(剪定・捕殺・焼却など)の優先
    • 発生初期の防除
    • フェロモンなど生物農薬の利用
    • 散布以外の方法を優先
    • 散布時の立ち入り制限や事前周知など
    • 有機リン系農薬の現地混合禁止
    • 定期散布の禁止
    (2)屋内では「建築物衛生法」(厚労省、2003年改正)と 「建築物における維持管理マニュアル」(厚労省、2008年)がある
    • IPM(総合防除)を行なう
    • 十分な清掃
    • 生息状況調査の導入
    • 殺鼠剤や殺虫剤を使用する場合の人体への安全性の担保: 処理前後3日間の掲示や、日常的に乳児がいる区域への薬剤散布を避ける等
    2 行政施設での化学物質使用状況調査の結果
    (1)千葉県内22市町へのアンケート、及び千葉県立学校における 農薬の使用状況調査
    (2)住宅地通知が守られていない例 (適正使用さえ守られていない例がある)
    • 事前通知なしで散布されている
    • 希釈倍率が守られていない
    • 有機リン系農薬の現地混合散布
    • 定期散布
    • 使用農薬は有機リン系が多い
    (3)有機リン系農薬
    • 有機リン系はPRTR法で1種(劇物)に指定されているものが多い
    • 低濃度でも摂取した子どもはADHDになりやすいとの報告がある
    • 母体内で暴露した子どもは就学年齢前後のIQが低くなるとの報告がある
    • EUではほとんど使用禁止
    (4)対策
    • 無農薬による管理を実施している自治体もある
    • 通知やマニュアルの限界 → 法制化して罰則を設けることが必要
    3 今の子どもたちの現状
      
    (1)ダイオキシン類・DDT・水銀など、新生児の100%から検出される物質があり、 胎児の時点で数多くの環境汚染物質にさらされている
    (2)症例
    • 家具屋に入ると頭痛がする
    • 車は窓を開けないと気分が悪くなる
    • ホームセンターへ行くと鼻水が止まらなくなる
    • プールの塩素処理室の前で咳き込む
    • 新築物件に転居し喘息が悪化
    • 小学校の耐震化工事をきっかけに化学物質過敏症を発症
    (3)現状のまま化学物質にさらされ続けると、化学物質過敏症の発症リスクは限りなく大きい



    ●表示について

    協同組合石けん運動連絡会
    1 PRTR(科学物質排出移動量届出制度)指定物質の排出量
    • 合成界面活性剤(AEやLAS)を含む合成洗剤が連続してワースト10入り
    • 家庭で排出されるPRTR指定物質の半分は合成洗剤で、殺虫剤も多い
    2 自治体アンケート結果
    • 合成界面活性剤が有害:2/3が認識
    • 石けんはPRTRに指定されていない:1/2が認識
    3 探せない成分名
    • PRTR対象成分は分かるが、どの商品に入っているか分からない。 メーカーのwebでも分からない
    • 同じ成分でも所管省庁によって表示が異なる(別名が多い)
    4 分かりやすい表示へ
    • 表示名の統一が必要
    • GHS制度(化学品の分類及び表示に関する世界調和システム)のような有害性のラベル表示が必要

    NOMA行政管理講座 に参加

    日時平成23年5月20日から平成23年5月21日まで2日間
    場所NHK名古屋放送センタービル
    用件NOMA行政管理講座 に参加

    地方議員のための地域福祉の政策と実践

    日本福祉大学 教授 野口 定久 氏

    1 今、なぜ地域福祉か ~経済危機の中で~
    (1)高齢者施策新長期ビジョン
    2025年に団塊世代が後期高齢者になる。高齢化率は40%で、地方では既に達しているところもあるが、都市部では準備ができていない
    目指すべき2030年の未来像(5つの目標)
    • 安心、安全居住の街と伝統文化の融合(安全に安心して住み続けられる家庭と地域社会を構築する) 
    • 広域と小地域包括ケアシステムの有機的展開(中学校区に介護予防を含めた医療・福祉・介護を包括した在宅中心の地域包括ケアシステムを構築する)
    • 健康寿命85歳の実現
    • ソーシャルキャピタルの向上(社会関係資本(人と人との絆)を向上させ、高齢者や障害者の生活の質を改善させる。また、犯罪率や出生率とも関連する)
    • 新たな公共による協働経営と運営システムの定着(地域の問題をビジネスで解決するコミュニティビジネスを活用する。担い手は企業やNPOで、行政と連携する)

    (2)最近の世情から ~グローバル化と格差問題~
    失業者350万人、有効求人倍率0.43、生活保護世帯120万世帯で過去最悪(生活保護基準以下での生活者は生活保護者より多いと言われている→低所得世帯の増大)
    日本社会は、給料も医療も年金も治安も年々おかしくなっている
    秋葉原の無差別殺傷事件→「勝ち組への強い怨念に共感する若者の増加。若者は職に就けず、老人は社会から切り捨てられている」
    社会への不信感や不安→犯罪や自殺の増加
    地方都市の駅前アーケード街は多くがシャッター通り

    (3)転換期の社会保障・社会福祉
    政権交代がなされたが、年金、雇用、医療、福祉、少子高齢化、貧富の格差、地方の衰退、環境問題など包括的に解決する政治課題が山積(1990年以降、各種制度が現状に合わなくなった)

    (4)少子高齢人口減少社会の到来
    2015年に団塊世代が高齢者の仲間入り
    人口減少に歯止めがかからない
    • 労働力人口減少社会が基調
    • 年金や医療など社会保障費用や社会福祉費用等の財政支出の増加
    単独世帯(一人暮らし)の増加、家族のつながりが薄い→家族支援のプログラム必要(例:近隣居住や多世代同居などの住宅政策など)



    2 経済のグローバル化と生活のローカル化
    (1)経済のグローバル化と生活のローカル化
    現代のグローバル化の特徴
    • 世界の市場を高速に流通する資本や金融の量的規模の拡大
    • 開発途上国から先進国への労働力の移動(日本では医療・介護)
    • 情報の瞬時の移動
    • 生活資源の流動化
    経済のグローバル化の意味
    日常生活の場である地域社会に影響を及ぼしており、ローカル化は日常生活から遠く離れたところで生成した諸問題が身近な地域社会の中で解決を求められている。

    (2)「新しい貧困」化の現象
    高度経済成長期に労働者家族が大量に創出された。中間層が厚く、先進国中でも格差が小さかったが、格差が拡大し、先進国中でも大きい部類となった。
    家族内労働の商品化や「消費の外部化」「生活の社会化」に伴って家族機能が縮小
    家族生活の再生産機能の脆弱化

    (3)社会保障を脅かす地域主権
    当事者の知らぬ間に障害者関連法を改正
    住民意見の聴取義務や施設の防火基準の廃止、居室基準の引き下げ
    補助金の一括交付金化で社会保障予算は削減も

    (4)「コモンズの悲劇」を超えて
    「コモンズ(共有地)の悲劇」1968年サイエンス誌の寓話羊の放牧のために利用される共有地(村人が誰でも使える林や草地)が、村人の過放牧で荒れ果ててしまうという話
    「悲劇」→いったん共有地がやせ細っくると、自分だけは利益を確保しようとして、ますます過放牧に走り、事態が悪化
    コモンズは有限
    いかにすれば自己利益の追求を共通の利益に結び付けていくことができるかという「社会のしくみ」にかかわる問題



    3 限界集落から共生集落へ
    (1)ソーシャルビジネスとは
    ビジネス手法で社会的課題を解決する
    営利と非営利の間の壁が低くなり、事業型NPOや公益を意識した企業が登場 → 政府の失敗、市場の失敗を乗り越えようとする動き
    社会福祉法人や社会福祉協会はNPOや企業の進出分野に進出すべきでなく、集落での福祉などNPOや企業が進出しない分野を担うべき

    (2)能登半島地震 ~村をそう簡単には捨てれん~
    能登半島地震災害の特徴
    • 中山間地、地方都市で発生した災害
    • 高齢化、過疎化が進行する地域での災害
    • 地域の住宅、生業、コミュニティの破壊
    • 地方の衰退、財政危機のなかでの災害
    復興課題
    • 限界集落の維持:コスト効率化との闘い
    • 住宅の再生  
    • 地場産業、商店街、農業基盤の再生
    • コミュニティの生活基盤と機能の再生



    4 地域福祉計画の策定と推進方策
    (1)地域福祉計画の課題・領域
    地域生活の領域(市町村)
    • 小学校区単位での活動計画(住民自治)
    地域福祉政策
    • ローカルガバナンス
    • 地域主権
    • 社会サービスの開発
    • セーフティネットの張替え
    • ソーシャルキャピタルの蓄積
    • 新しい公共の拡充
    • 新しい共同の創造
    • 地域居住資源の発見
    • 居住福祉

    調査費利用情報(H21.04.22~H22.02.08)

    平成21年04月22日から22年02月08日のセミナー等の参加情報を調査費利用の資料として追加しております。

    平成21年04月22日エコ印刷研究会セミナー
    平成21年04月28日日本版バイオ燃料持続可能性基準の策定に向けて
    平成21年05月28日法人制度
    平成21年07月02日市民農園、オール電化
    平成21年07月06日ポスト新自由主義の世界
    平成21年07月29日学校給食学習会 自治政策講座
    平成21年09月17日ワンクリックで世界は変えられる
    平成21年10月15日自らの手で新しい公共を生み出そう
    平成21年11月03日新時代シンポジウム
    平成21年11月09日仕事・家族・教育の循環
    平成21年11月17日地球温暖化「世界と日本への影響」 全国消費者大会
    平成21年12月14日胃袋の連帯は可能か
    平成22年01月07日漂流する、させられる若者たち
    平成22年01月18日働く場所がなくなる
    平成22年02月08日生存の彼方へ

    地方自治経営学会研究大会に参加

    日時平成22年5月14日 1日間
    場所明治大学(東京都)
    用件地方自治経営学会研究大会に参加

    パネルディスカッション「事業仕分け、その評価」

    司会前鳥取県知事片山 善博 氏
    パネリスト行革刷新大臣枝野 幸男 氏
    衆議院議員河野 太郎 氏
    前我孫子市長福嶋 浩彦 氏
    読売新聞編集委員青山 彰久 氏

    枝野
    事業仕分けの効果
    • 国民が税金の使われ方に関心を持つようになった
    • 政治家の役割についての認識の変化:予算を取ってくるのではなく、使われ方をチェックするのが役割
    • 仕分けされる側の意識転換:天下りや、ムダと判断されそうなものはやらなくなってきた。

    河野
    1 自民党政権下も仕分けをしていた
    事業名目は素晴らしいが、いい加減な予算付けがあった
    役所が予算についてしっかり説明できないものがある→政治家のゴリ押しで付いた予算がある
    いくら創出するかを決めてから逆算して事業を切ることが重要
    2 地方自治体での仕分け
    二元代表制だから地方議会のほうが中央よりやりやすい
    予算を組み換えるなど、もっと行政と激論すべき

    福嶋
    1 市長時代
    2 事業仕分け
    予算が無修正で通過したことはないが、当然のことと考える(市長は市民の立場で予算編成するので、議員の考えは聞かない)
    「あれも、これも」の時代ではない。何をやめるかを決めるのは市民
    どの事業を仕分けるのかを見定めるのが大事
    事業仕分けの進化形:仕分け人は議論するだけで判断しない。判断は議論を聞いた市民代表が行なう

    青山
    1 事業仕分けの評価
    事業仕分けには、市民参加と情報公開が確保されており、参加と公開という民主主義の基本が入っていた
    2 事業仕分けの課題
    流行だからといってやってはいけない(やることが目的ではない)
    現在の仕分けはストレス発散にはなるが、ワクワク感がない(新しい公共サービスの提案などの夢や希望がない)
    仕分け人で、資質の低い人がいる(例:事業廃止の理由が、難しい言葉を使っているからという仕分け人)

    片山
    決算・監査・行政評価・予算審議などの予算のチェックシステムが働いていない

    枝野
    ミクロに歳出事業をチェックする今回の仕分けは、片山氏の主張を浮き上がらせた

    河野
    • 決算委員会の有効活用が必要(担当課長の出席でよい)
    • 「言葉が難しいから止め」もあり:経験上、丁寧な説明ができないものはダメなものが多い

    福嶋
    仕分けの結論と実際の対応の食い違いがみられる(例:河川管理における草刈で、入札を問題としていたものが、回数の減少で対応された)

    枝野
    夢や希望の部分については、国家戦略担当大臣が行なう





    パネルディスカッション「超高齢社会、その大波」

    司会西九州大学客員教授坂田 期雄 氏
    パネリスト立教大学教授服部 万里子 氏
    NHKチーフプロデューサー小宮 英美 氏
    ノンフィクション作家沖藤 典子 氏

    服部
    介護保険の改正で在宅重視へ転換を
    1 現状
    国の政策の失敗
    • 2010年要介護認定者数は予測390万人に対して、実際は490万人
    • 介護報酬の削減で訪問介護サービス事業者の経営は苦しい(事業所閉鎖は利用者には死活問題)
    • サービスの利用制限などでH17~21のケアプラン数は減少した
    在宅
    • 家族がいないと在宅介護は難しい状況(介護保険の訪問介護サービスは1日の生活を支えるには不十分)
    • 昼はデイサービス、夜は2,000円程度の宿泊施設を利用するパターンが多い
    • アンケート調査によると、在宅サービスが充実すれば在宅介護が可能と答える人が多い
    • 在宅介護の4条件、①お金がある ②家族がいる ③家族関係が良好 ④非認知症
    2 対策
    • 訪問介護の制限撤廃
    • 緩やかな見守り制度が必要
    • 事業者主体から利用者主体へ
    • 生活扶助(掃除や洗濯など)、身体介護の制限撤廃(時間や区分け、上限など)

    小宮
    1 介護保険の問題点
    • 高齢者は、自宅で暮らし続けたいという思いが強い
    • 現在の介護保険は、介護職員を買い叩いている状態
    • 現行の制度は、高齢者や介護職員などのヒトを悪く(不幸に)する制度。もしくは、ヒトを悪くして支える制度となっている
    2 対策
    介護保険の財源問題:高齢者の負担を考慮すると保険料は上げられない。今すぐ税の比率を増やすべき(無駄をなくしてからの税投入では悲惨な現状が放置され る)

    沖藤
    1 介護保険の問題点
    • 介護認定を受けてもサービスを受けない人が全国で80万人(背景に貧困問題
    • 訪問介護の利用制限による介護者の負担増で、殺人や虐待が起きる
    • 介護労働者が、職を選んだ理由は「やりがい」。やめる理由は「人間関係、収入(一般労働者平均の6割程度)、経営姿勢」
    • 福祉法人は同族経営の色彩が強く、特養などの施設長に能力がない場合がある
    • 介護認定の軽度傾斜化と軽度者はずし:軽度者を支える仕組みが弱く重度者になりやすい
    2 対策
    • 公費負担アップ
    • 介護労働者の収入アップ
    • 大都市の施設不足の改善

    服部
    • 介護保険事業計画の達成度をチェックすべき
    • H18の介護保険改正で自己負担が増えた
    • 軽度者を支えず重度者にし、重度者へのサービスを充実させるのは誤り

    NOMA行政管理講座に参加

    日時平成22年5月11日から平成22年5月12日まで 2日間
    場所日本経営協会中部本部(名古屋市)
    用件NOMA行政管理講座に参加

    地方議員・議会事務局職員のための 判例に学ぶ政務調査費の適正支出チェックポイント

    全国市議会議長会法制参事 廣瀬 和彦 氏

    1 政務調査費の交付対象
    (1)交付対象類型 
    会派
    議員
    会派及び議員
    (2)一人会派も認めるべき
    国会の立法事務費では一人会派を認めている
    政務調査費法制化以前の調査交付金の際にも認められていた
    2 政務調査費による調査研究活動と議員活動との区別
    (1)理論的には区別可能だが、調査研究活動とそれ以外の議員活動の2面性を有している場合が多い
    (2)理論上は区別可能だが、実務上は区別困難な場合が多い
    合理的に区別困難な場合は、それぞれの活動の実態に即して支出した費用を按分すべき
    裁判例における按分率
    • H19.4.26仙台高裁:議員活動と政務調査活動が並存する場合は1/2。
      プライベートな活動及び議員活動並びに政務調査活動が並存する場合は1/4
    • H19.12.26大阪高裁:議員活動と政務調査活動が並存する場合は1/3。
      プライベートな活動及び議員活動並びに政務調査活動が並存する場合は1/9
    3 政務調査費の使途基準
    (1)政務調査費の基本的な考え方
    本来の目的は、日常活動への補助(視察は本旨ではない)
    ランニングコストを政務調査費で負担する
    (2)使途基準マニュアルの裁判における有効性
    各議会で要綱やマニュアルを作成する例が多い
    どのように要綱やマニュアルを作成したかが重要他市の引用では有効性に問題あり
    (3)調査旅費
    旅費
    • 費用弁償の性質を有するため、議会事務局での計算旅費ではなく実費を弁償すべき
    日当及び宿泊料金の定額支給
    • H19.12.20大阪高裁:日当や宿泊料金に食事代は含まれる
    視察先へのお土産代は社会通念上の範囲内で使用可能
    振り込み手数料は使用不可能
    自動車経費
    • 自動車購入には充てられない:調査活動の環境整備には使用不可
    • ガソリン代:上記按分率にて按分
    • 高速道路代や駐車料金:政務調査活動に伴う費用であることを立証すれば支出可能
    (4)広報費
    基本的な考え方 議会活動及び市政に関する政策等を住民に知らせることは、市政に対する住民の意思を的確に収集、把握するための前提として意義を有する
    ウェブサイトの維持管理費 H18.11.18東京高裁:政務調査費からの支出可能
    一般質問のみを掲載した広報誌 会派の調査研究活動、議会活動及び市の施策について住民に報告し、PRするために要する経費であるため、内容次第では可能
    (5)事務所費
    備品
    • 購入の場合は上記の按分率にて按分
    • 議員辞職等の場合の所有権 会計処理上の手続き(減価償却等)を経た上で残存価値があればその額を収支報告書の雑収入又は雑所得として計上する

    「松下圭一先生特別教室」に参加 他

    日時平成22年4月20日から平成22年4月21日まで2日間
    場所4月20日 飯田橋レインボービル(東京都)
    4月21日 衆議院第一議員会館(東京都)
    用件4月20日「松下圭一先生特別教室」に参加
    4月21日「化学物質政策を考える連続学習会」に参加


    4月20日

    「自治体法務はなぜ必要か」

    法学博士 松下 圭一 氏
    1 国のありようと地方との関係
    (1)実質的な国権の最高機関は行政機関
    大学における憲法学では、「国会は国権の最高機関ではない」と解釈
    • 立法権、司法権は分家(付属物)で、本家は行政権:内閣法ばかりで立法権が機能していない現状
    • 大臣はお飾りで、実権は事務次官が持つ
    • 内閣法制局長官が法解釈するのはおかしい
    (2)国と地方との関係
    地方自治体は国のコントロール下にある
    • 機関委任事務の考え:国 → 県 → 市町村
    • 首長の行政権は内閣の行政権のおこぼれという考え
    国際的に主流の考え
    市民が出来ないことは市長にやらせる。市長が出来ないことは知事にやらせる。知事が出来ないことは国。国が出来ないことは国際機関
    地方分権一括法施行(2000年)後
    • 国と地方は同格:内閣の行政権は国だけの仕事をコントロールし、首長はそれぞれの自治体の行政権を持つ
    • 2000年までの通達は失効し、2000年からの通達には権限なし
    • 文章上は分権したが、実態は変わらず:1400人が国から県へ出向していて、重要ポストも多い
    2 自治体法務の必要性
    (1)2000年の分権改革で法律上の基礎ができた
    政策法務や自治体法務が行政法学に入ってきた
    先進自治体に政策法務室ができた→自治立法、自治解釈が進む
    • 文書室や文書課を衣替え
    • 都道府県で政策法務室を設置しているところはない(やる気がない)
    法の解釈権は自治体にも市民にもある:対立した時は裁判
    (2)国や県は仕事の意欲が低下している
    市町村が新しい基準を作って仕事をしなくてはならない



    4月21日

    ネオニコチノイド系農薬の登録・販売中止を求めて

    1 ミツバチ大量死とネオニコチノイド系農薬
    日本在来種みつばちの会会長 藤原 誠太 氏
    • 今、世界中でミツバチの大量失踪や大量死滅など、蜂群崩壊症候群(CCD)が問題になっている。
    • 原因として、ダニ・ウィルス・ストレス・地球温暖化・農薬などが疑われている。
    • 日本でも、2005年に岩手県で最初にミツバチの大量死が発覚し、致死量のネオニコチノイド系農薬が検出される等、この農薬とミツバチ異常の関連が強く疑われている。個人的には間違いなく関連していると考える
    • 「銀座ミツバチプロジェクト」にも関わっているが、農薬を使わない都会では被害がない



    2 ネオニコチノイド系農薬の健康被害
    青山内科小児科医院 院長 青山 美子 氏
    (1)無人ヘリコプターによる有機リン系殺虫剤散布
    1995年以降、急速に導入
    • 全国散布面積は265万ha(神奈川県の10倍、2006年)
    多数の健康被害
    • 有機リン:ディプテレックス、スミチオン
    • 高濃度(5~8倍希釈)での散布(人が撒く時は1000倍希釈)
    • 地上5mから1回あたり10~100L散布
    • 私有地、ゴルフ場でも散布
    1996年以後の自殺者数の急激な増加と空中散布の開始時期が一致
    (2)ネオニコチノイド系農薬
    群馬県において、マツクイムシ予防散布が行なわれ、ネオニコチノイド中毒患者が増加した(現在、群馬県は全国で唯一の空散禁止県)
    国産の果物とお茶は、この農薬による汚染が大きい
    症例
    • 8才男児:母親が健康のために、梨やりんごを毎日食べさせていたところ胸部苦悶にて受診。バナナ以外の果物を禁止し、1ヶ月で症状消失
    • 3才男児:2006年9月4日ぶどう狩りに行き、翌日ぶどうジュースを作って飲んだ。9月8日に失禁、腹痛、動かない症状。9月11日にADHD様症状が出現し暴れ、手がつけられない。9月16日全く普通の状態に戻る
    • 14才女性:2006年10月5日から頭痛、記憶障害、眼の調節障害などが次々発症。12月27日にりんご、みかん、いちご、緑茶を禁止し、1月16日に改善
    代表的症状
    • 手指振戦(指先のふるえ)
    • 短期記憶障害(もの忘れ)
    • 腹痛や胃痛
    • 長期間続くセキ、又は頻繁なじんま疹
    • 不整脈、動悸
    子どもの暴力行為件数が05年以降急増している→生物学的背景を疑うべき
    日本はネオニコチノイドの残留基準が欧米の5~500倍ゆるい



    3 物忘れ・不整脈・手のふるえ ~ネオニコチノイド中毒の特徴~
    東京女子医大麻酔科 平 久美子 氏
    (1)ネオニコチノイド系殺虫剤
    2000年頃から日本国内で使用されるようになった
    水溶性と浸透性:葉や根から吸収され、洗ってもとれない
    残功性と蓄積性:ほとんどが有機塩素系で、時間がたっても無毒化されない。環境内、植物体内に蓄積し、動物体内の蛋白質に結合し蓄積する
    ニコチン様の毒性:細胞機能を変化させる。脳、自律神経、筋肉、心臓、胃腸、目、肺、皮膚に作用する
    世界のネオニコチノイド出荷額は有機リンについで第2位。日本のネオニコチノイド出荷額は350億円(H20)
    (2)ネオニコチノイドの問題点
    日本の食品残留基準値が欧米に比べて桁外れに高い(20~500倍)
    国産の果物、野菜、茶飲料を多めに摂取すると中毒量に達する(健康志向の強い人や女性に中毒が多い)
    ネオニコチノイド被爆を証明する物質が患者の尿から検出された
    胎児発達毒性がある
    毒性のポイント
    • 亜急性または慢性中毒 特に中間代謝産物(少し分解されたもの)のアセタミプリドは人体からの排出が遅い。被爆が積み重なって発症する
    • 食品や人体から検出されないから安全とは言えない神経に蓄積するので、血液や尿中には一部が出現するのみ。また、中間代謝産物の種類が多く、検出が困難で、産物の毒性が強いため、原体が残留基準値内の食品でも中毒をおこしうる



    4 ネオニコチノイドへの海外の対応と日本
    ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議 水野 玲子 氏
    (1)海外の対応
    世界中に広がるミツバチ大量死2007年春までに北半球のハチの1/4が消えた
    フランス ミツバチ大量死の直接的原因はネオニコチノイドとし、1999年に予防原則を適用。2009年に農薬使用量半減目標を設定
    イギリス 政府は09年に「健康なミツバチ10年計画」発表。生協CO-OP(国内最大の農業事業体)は09年にネオニコチノイドを使用した農作物の流通を禁止
    ドイツ 08年に南部で5億匹のミツバチが大量死し8種類のネオニコチノイド(種子処理剤)禁止
    (2)日本の現状
    ネオニコチノイド系農薬の国内出荷量が過去10年で3倍の増加
    ネオニコチノイド農薬が原因でミツバチが大量死した県は6県。花粉交配用ミツバチが不足している県は21都県(09年農水省)
    農水省の対応
    • ダニ説、ストレス説などに注目し農薬問題から目をそらしている
    • ミツバチ確保のため、安定的確保支援
    • ミツバチへの栄養補給支援
    (3)ネオニコチノイドの問題
    ネオニコチノイドは毒のカクテルの起爆剤になりえる
    • ネオニコチノイドと有機リンなどの混用で、ミツバチへの毒性が数百倍から1000倍に増幅される
    • ミツバチはすでに98種類の農薬とその代謝物に汚染されており、ネオニコチノイドが入ると一気に症状がでる
    ネオニコチノイドによる人体被害拡大の恐れ
    長崎県、茨城県、群馬県、長野県などで被害
    (4)今後の対応
    ミツバチ大量死の原因は複合要因が絡むが、ネオニコチノイド農薬が一因である証拠は蓄積しており、日本では人間にも被害が及んでいる → 「予防原則でネオニコチノイドの登録・販売中止を」

    「BS EN 16001 エネルギーマネジメントシステム」概要解説セミナーに参加

    日時平成22年4月16日
    場所虎ノ門琴平タワー(東京都)
    用件「BS EN 16001 エネルギーマネジメントシステム」概要解説セミナーに参加

    BS EN 16001概要解説とISO14001、ISO50001、改正省エネ法との比較


    1 エネルギーマネジメントが問われる背景
    (1)省エネ法改正
    目的:オフィス等業務部門での対策強化
    改正点:エネルギー使用量の集計単位(対象)
    改正前:エネルギー使用量の大きい工場や事業場(ビル)
    改正後:エネルギー使用量の大きい企業単位(小さな店舗等も入る)
    (2)地球温暖化対策基本法案(22年3月に閣議決定)
    • 2020年に90年比25%減の中期目標
    • 2050年に90年比80%減の長期目標
    • 国内排出量取引制度を明記(総量規制を基本とし、1年以内の導入)
    (3)エネルギーマネジメント確立の重要性、メリット
    リスク管理
    • 改正省エネ法による企業単位でのエネルギーデータ報告
    • 正確な環境パフォーマンスデータの必要性(CO2見える化や環境報告書)
    • エネルギー供給の安定性確保
    コストメリット
    • 省エネの実現
    • マネジメントの統合運用によるマネジメントコストの低減
    • 正確な環境パフォーマンスデータの収集システム構築による、データ収集管理、分析コストの低減
    リスク管理&コストメリット
    • 国内排出量取引制度の導入に向けた準備となる
    2 BS EN 16001とISO50001の概要
    (1)エネルギーマネジメントシステムとは
    システムとプロセスを確立して、エネルギー効率を改善して、
    コスト削減、温室効果ガス削減をもたらし、
    継続的改善を可能にするプロセスを導入することで、
    より効率的なエネルギーの使用を促進し、
    エネルギーモニタリングプラン(エネルギーがどのように使われているか)とエネルギー利用状況の分析を可能にする
    (2)環境マネジメントシステム(EMS)とエネルギーマネジメントシステム(EnMS)の違い
    EMSの目的:環境保護、汚染防止、廃棄物管理、環境パフォーマンス(多様な環境側面を管理)
    EnMSの目的:エネルギー効率、エネルギー保護、エネルギー管理、エネルギーパフォーマンス(エネルギーに関してのより深い管理)
    (3)BS EN 16001
    EUエネルギーサービス指令(2006年)を満たすために、欧州標準化委員会が開発
    一般的なマネジメントシステムの用語を使用
    要求事項とガイダンスの両方を含む
    組織が既に構築しているマネジメントシステムへの組み込みが可能
    ISO14001(環境マネジメントシステム)の構成との整合性がある
    BS EN 16001以外のエネルギーマネジメントシステム
    • 日本:改正省エネ法
    • ISO50001:2011年に発行予定、BS EN 16001導入はISO50001導入の準備につながるので、他社に先行できる
    (4)ISO50001
    目的:エネルギーマネジメントの技術的側面と戦略的管理の側面を組み合わせることで、エネルギー効率の改善、コスト削減などに対して実践的なアプローチを提供する
    特徴
    • 業種、業態、規模に関係なく全ての組織に適用可能
    • 再生可能エネルギーを含めた全てのエネルギーが対象
    • エネルギー方針を特定し、目的・目標・計画を策定する
    • 法令等や、著しいエネルギー使用を考慮する
    • 既存のマネジメントシステムと併用・統合が可能
    • パフォーマンスの基準を規定しない
    • ベースの一つはBS EN 16001
    3 省エネ法とエネルギーマネジメントシステム
    (1)相違点
    適用範囲
    省エネ法:一定規模以上の企業
    EnMS:全ての組織
    対象
    省エネ法:燃料、熱、電気
    EnMS:全ての使用エネルギー
    取組み
    省エネ法:義務的、担当者の業務、与えられた目標
    EnMS:自主的、経営陣を巻き込んだ全社活動、根本原因からの計画設定
    (2)相乗効果
    省エネ法への対応に、EnMSを追加することはメリットがある

    生存の彼方へ

    日時平成22年2月8日
    場所PARC自由学校(東京都)
    用件PARC自由学校講座に参加

    生存の彼方へ

    龍谷大学 講師 廣瀬 純 氏

    • ボリビアでは、10万人が集まって多数決でも代議でもなくコンセンサスを得る試みが行なわれた

    • 生存が危うくなるほどの疲労(生物学的に生存可能な身体的、肉体的条件)を回避する仕組み=代議制、行政など

    • ヤーコプ・フォン・コクスキュル『生物から見た世界』(岩波文庫)におけるダニについての一考:ダニは太陽光と酪酸と動物の体温の3つの情報だけをキャッチする(情報を選別している) → 選別しているから生きていられる。生きるためには選別せざるを得ないが、死ぬ権利とは選別しないことである

    • 「いかなる存在に対しても、いかなる事物に対しても、いかなる幻影に対しても、それらを選別することなく知覚すること」= 開放された状態 = 絶対的な民主主義 = 生きたまま死ぬ権利

    働く場所がなくなる

    日時平成22年1月18日
    場所PARC自由学校(東京都)
    用件PARC自由学校講座に参加

    働く場所がなくなる ~新自由主義と雇用~

    弁護士 中野 麻美 氏

    1 格差社会(貧困と格差の拡大)
    (1)OECD対日経済審査報告書から
    • 2003年、労働者の4人に1人が150万円未満の所得(男は10人に1人、女は2人に1人で男女格差は国際的にも大きい)
    (2)労働市場の二極化・規制緩和政策と世界同時不況
    労働者の使い捨てパーツ化
    • 人間的生活ができない → 憲法25条に抵触
    • 将来展望が持てない
    女性労働者
    • 女性は家計補助という考え
    • 企業との結びつきが弱い
    • 仕事と家庭の両立が求められる
    • 生活保護は360万円/年(住宅扶助、教育扶助、生活扶助など含む)、パート時給900円台でこの金額を稼ぐとすると、年間4000時間労働。子ども抱えてDV逃れているような場合は大変:パートなくして企業は回らない現状にもかかわらず、働いて死んでしまうような状況

    (3)雇用多様化のポジとネガを生み出したもの
    男女雇用機会均等法(1985年)
    募集・採用区分ごとに比較する法制度がコース別雇用管理の導入や非正規雇用による採用を拡大し、女性労働の多様化をもたらした:正規雇用では男女平等だが、女性はパートや派遣であれば安く雇える
    労働者派遣法
    それまで違法だった労働者供給を派遣という形で合法化して女性労働の多様化の法的受け皿を拡大するとともに、流動化をもたらした
    労働時間規制の緩和・撤廃
    労働時間規制の基本が「労働からの自由」であって、当時の男女のダブルスタンダードは「男性に対する差別的」格差であるのに、「何時間働けるか」の物差しによって女性を男性並みの長時間労動に巻き込み、全体としての長時間労働をもたらした
    年金法改正(1985年)と第三号被保険者
    いくら長時間働いても自立した生活とは程遠い低賃金パートタイム労働の容認・拡大に拍車をかけ、「新性別役割」を生み出した:日本型雇用でも女性は虐げられてきた
    商取引関係の法律は競争促進(使用者は買い叩ける)⇔ 労働法は競争抑制


    2 非正規雇用化 ~その質的変換~
    (1)バッファーから常用代替へ
    (2)低賃金雇用の構造的要因:我々はそれを当然のものとして受け入れた
    (3)非正規雇用の買い叩き可能な法的構造(労働の商取引化)
    • 有期雇用
    • 商取引を含んだ労働関係


    3 格差を利用した正規雇用の買い叩き ~雇用の液状化~
    (1)成果・業績主義処遇 → 過労、ダンピング
    (2)選択定年制という名の選別
    (3)差別と買い叩きの連鎖

    漂流する、させられる若者たち

    日時平成22年1月7日
    場所PARC自由学校(東京都)
    用件PARC自由学校講座に参加

    漂流する/させられる若者たち

    NPO自立生活サポートセンター「もやい」事務局長 湯浅 誠 氏

    1 雇用の流動化
    高度成長~80年代まで(金の卵の時代)
    日雇い労働者は建設現場で働き飯場(現場に近い所で雑魚寝)で寝泊り → 特定の現場持たない飯場の登場 → 飯場が山谷などに集約 → 単身男性の街となる(子どもには悪環境)
    90年代
    中高年齢化とバブル崩壊で仕事がなくなる(山谷などの機能が崩壊)→ 簡易宿泊所に泊まれなくなる → 野宿 → 食料調達が容易な新宿などへ移動(携帯電話で仕事が取れる)→ 社会問題化
    雇用代替(雇用の非正規化・流動化)
    • 1985年から法改正が始まり、2004年に製造業でも派遣が可能になる=国策による流動化
    • 現在は人材派遣会社の寮が飯場状態(寮も派遣会社の儲けにつながる)
    • 派遣社員の標準月収は15万円だが、標準の家賃と光熱費で8万円が消える=お金が貯められない


    2 公の対応
    人は流動化するが、福祉サービスは自治体で行うというミスマッチ
    一つの自治体が住所不定者に対応(シェルターや住宅対策)すると、そこに殺到してしまう(例:年越し派遣村や名古屋市中村区)ことを恐れ、自治体での対応が進まない
    アパートと路上生活の間(ネットカフェ、カプセルホテル、居候、寮など)の人間も増加している(100万人と予想)が実態がつかめないため潜在化 → シェルターがあれば顕在化し、対策の必要性が叫ばれる


    3 対策
    住宅
    • 日本は諸権利(年金、国民健康保険、選挙権など)が住宅、住居にぶらさがっている → 住居なくすと権利を受けられない
    • 臨時的シェルターが必要
    • 公的住宅が不足のため、家賃補助や住宅扶助が必要:現代版雇用促進住宅が必要
    • 住宅手当ての支給が始まった:6ヶ月間、生活保護の住宅手当と同額
    • 制度を知らない人が多い
    国と自治体の役割分担 生活保護:費用は国3/4、自治体1/4だが、全国でのプールを厚労省が検討

    胃袋の連帯は可能か

    日時平成21年12月14日
    場所PARC自由学校(東京都)
    用件PARC自由学校講座に参加

    胃袋の連帯は可能か -農の現場から-

    農民・レインボープラン推進協議会委員 菅野 芳秀 氏

    1 レインボープランの実践から考える
    (1)レインボープランとは何か(人口3万の山形県長井市で行なわれている)
    仕組み
    • 生ごみは週2回、市内中心部5000世帯を対象に収集。気軽に注意し合えるコミュニティの人間関係が日本一の分別と良質な原料供給を可能にしている
    • コンポストセンターで3ヶ月かけて作った堆肥を農家に販売
    • 堆肥を利用した減農薬、減化学肥料による独自の農産物認証制度
    • 常設店、取扱店を通じて消費者に帰る。学校給食にも供給
    みんなが役割を持ちながら土、農、食にかかわっている
    使い捨て社会・資源収奪社会から循環型社会へ:生産と消費を、生ごみを接着剤としてくっつける
    一級の食、環境、安らぎのまち:堂々たる田舎町を目指す
    三つの理念:循環、共に、土は命の源
    2000tの生ごみから400~500tの堆肥
    最大の課題:高齢農民に環境保全型農業ができるか、だった
    最大の成果:数々の賞が与えられたこともあり、「長井が誇り」という人が増えた


    (2)いくつかの教訓 ~大転換期だからこそ、風前にともし火を~
    転換期としての認識があった:市民の中にたくさんの力がある(新しい時代を創れる人)
    対決軸で考えない:対決軸では何かを壊せるが、何も生み出せない
    批判と反対から、対案と建設へ:肯定し認め合う事の重要性
    地域づくりはいいとこ集め
    プラスの連鎖は女性から:ドミノ倒しの最初をどこにするのかをよく考える
    正しいこと言うときには気をつけろ


    (3)農を基礎とする循環型社会への転換
    生産と消費の役割の転換
    地域社会と地域農業の離反から融合へ
    自給概念を国家から地域へ転換
    部分から全体への転換:総論を地域へ
    市民と行政の関係の転換
    国家(公共事業)依存の縦型地域経済から、市民と自治体依存の横型地域経済へ



    2 地域のタスキ渡し ~いま、振り返って~
    理(理念)と利(利益):理念だけでは孤立する。利益だけでは腐敗する
    対象に惚れることの大切さ:なるべく具体的な青写真を描く
    最も努力して、最後に並ぶ
    誠実に生きる
    プラス思考:役に立たない経験はない
    あきらめない:ウサギと亀の話(ウサギは亀を見ていた、亀は目的を見ていた)
    笑顔



    3 連帯のための哲学

    (1)消費者の立場から生産現場が見えるか
    ニワトリ達の解放
    i ゲージ飼いのニワトリほど不幸な動物はいない:エサ効率しか考えられていない
    ii 19世紀のヨーロッパで生まれた家畜福祉という思想
    • 処理の直前まで、その動物らしく生きる。全ての命はつながっているという思想
    • ドイツでは2007年、スイス・オーストラリアでは2009年にゲ-ジから地べたに。EUでは2012年の予定
    • ドイツにおける解放の原動力は消費者運動
    • 日本の消費者運動は、卵の安全に関心があるが、ニワトリ達にまで思いは至らない
    米作りの現場
    • 生産原価を下回る売り渡し価格が13年続いている
    • 再生産が不可能な価格=農業の基盤が崩れる
    • 日本の消費者運動は米の安全に関心があるが、生産現場にまで思いは至らない:国内フェアトレードの必要性


    (2)草木塔の思想、土と命の哲学
    草木塔:江戸中期に作られたもので、山形県南部・置賜地方に60基。
    「草木国土皆成仏」などと書かれていて、草木への謝罪と感謝、命の平等性を表している
    「競争を基調とする社会」から「命と循環を基調とする社会」へ
    土は命の源
    • 土は、生きていたものによってできている(過去の命の集合体)
    • 土は、これから生まれてくるものが眠っている
    • 土を食から考える:みんな等しく土の化身
    • 土を循環から考える:森の営みを街の中に(農業の問題ではなく、命の問題)→レインボープラン

    地球温暖化「世界と日本への影響」 全国消費者大会

    日時平成21年11月17日・18日(2日間)
    場所浜離宮朝日ホール(東京都)
    全労済ホール(東京都)

    11月17日

    地球温暖化「世界と日本への影響」

    基調講演
    IPCC ワーキンググループII 事務局長 クリスティ・イーバイ 博士
    オランダ デルフト工科大学 スティーブ 教授

    • IPCCは、より良い政策決定のための情報提供機関である
    • 地球温暖化の淡水資源や食糧生産(漁業や林業も含む)への影響が大きくなっている
    • 温暖化は移民、移住、貧困をもたらしている


    研究成果から 1 地球温暖化「日本への影響」
    (独)国立環境研究所 肱岡 靖明 氏
    (1) 全ての大陸と海洋で気温上昇の影響を受けている
    (2) 日本への影響
    現在
    • 桜の開花など、生態系への影響がでている
    • 農作物の品質低下や適地の移動が起こっている
    将来(2050年~世紀末)
    • 温室効果ガスの削減努力しない場合、ある程度の温度上昇までは一部で好影響もあるが、各分野で様々な影響がでる(例:西日本や太平洋側では、ブナ林の適地はほとんどなくなる)
    • 洪水による影響:削減努力しない場合は年間8.7兆円、努力により温室効果ガスの低位安定の場合でも6.4兆円
    • 森林への影響:努力なしの場合は、森林適域が32%に、努力した場合でも64%
    大幅かつ早急な温室効果ガスの削減が必要
    • 温暖化の影響は長期に及ぶ
    • 削減の対策とっても、今後20年間は温度上昇が続く


    研究成果から 2 日本における豪雨災害
    東北大学 准教授 風間 聡 氏
    100㎜/hという豪雨の発生頻度が著しく増加する(主に東北~北海道)
    土砂災害
    • 降雨変化に伴い危険地域が変化
    • 2030年過ぎに、被害額が現在の6倍以上になり、2100年頃には13~20倍になる
    洪水被害:2030年に年間1兆円


    研究成果から 3 地球温暖化の健康影響
    筑波大学 教授 本田靖 氏
    オーストラリアの事例:干ばつによる農業へのダメージによって、自殺や死亡率が増加
    下痢などによる死亡も増加する(アフリカ、東南アジアなど)
    熱関連死亡への影響
    • 冬期の死亡率は夏期より高いが、冬期間の気温差による死亡率の変化はない
    • 夏期は、気温の高い日ほど死亡率が上がる → 今後の温暖化による影響が心配




    11月18日

    第48回 全国消費者大会
    私たちはなぜ、安心して暮らせないのか

    應義塾大学 教授 金子 勝 氏
    1 現代の格差と貧困は、なぜこれほど激しくなったのか
    バブル崩壊後の失われた10年 + 小泉構造改革 = 失われた20年
    小泉改革が格差と貧困を生み出し、新産業創出もなく輸出系の既存企業だけが儲かり、国際競争力は低下した
    消費は産業や労働を変えることができる
    その為には小泉改革の総括が必要(金融自由化、市場主義、ゼロ金利、雇用費用の減、環境・エネルギーと農業に後ろ向き)


    2 貧困や格差の原因は自己責任なのか

     失われた20年で、地域崩壊、子どもの貧困、国家財政悪化、年金崩壊、少子高齢化進展、医療崩壊などが顕在化し、持続不可能な社会になった

    3 みんなで安心して暮らすために
    新産業(農業とエネルギー産業)のあり方を消費者が求めていく
    社会保障や保育などの問題を地域で解決する
    民意集約のルートがない政治の打破


    パネルディスカッション  みんなで安心して暮らすために
    • 07年の貧困率は15.7%で6人に1人(OECD30カ国中、メキシコ、トルコ、アメリカに次いで4番目に悪い)
    • 日本のホームレスは16,000人
    • 自殺者の6割が無職者
    子供について
    淑徳大学 准教授 小木曾 宏 氏
    • 少年院に入る少年の70%は過去に重篤な虐待を受けている
    • 年間4万件の虐待、虐待による死亡は年間100件
    • 家庭で生活することを理不尽に奪われた少年たち(暴力・放任・無視)にとって、安心・安全な場が必要。
    • 無償の愛を授けてくれる大人を持たなかった少年たちにとって、待つ大人がいる場が必要
    • 少年たちにとって、仕事は生きる糧。未熟で傷が癒えない彼らが仕事をしていく力を獲得するには多くの失敗と時間を要するので、就労支援の職場や資格取得の支援制度が必要
    • 子どもの頑張りで何とかなる状態ではない


    若者について
    NPO法人 自立生活サポートセンター もやい 富樫 匡孝 氏
    「もやい」とは
    • 野宿者支援から始まる
    • 保証人提供、生活保護申請同行、20~30代のための居場所作り
    • 相談件数は週50件超
    事例から
    • 家族に苦しむ若者たち:「いい若い者が家の中でブラブラして」「おまえが悪いからクビになるんだ」など、現在の雇用情勢を認識できない家族
    • セーフティーネットの未整備:いざとう時にどうすればいいか、誰に聞いても分からない
    • 病院も役所も警察も、誰一人、生活保護の話をしなかった:問題が長引くことのコストを考慮する必要性
    • 自分を支える要素(家庭状況、派遣などの就労状況など)の弱い人ほど生活ができない状態に陥りやすい


    高齢者について
    NPO法人 ほっとポット 宮澤 進 氏
    ほっとポットの活動
    • 生活困窮者支援が2年半で1000件超
    • 職員は全て社会福祉士か精神保健福祉士で、個々の多様な生活課題に適切な福祉・法律などの社会資源をコーディネートしている
    • 住居喪失した方に、1年を目安に部屋を提供し、自立を目指す
    活動を通じて見える貧困
    • 健康で文化的な生活(生存権保障)はどこにいったのか
    • 「H20犯罪白書 高齢犯罪者の実態」によると、窃盗事犯者の犯行動機として、生活困窮が66%、空腹が19%:犯罪に至る前に機能すべきであった福祉の相談専門機関が機能していない(制度と情報の貧困)→ 一般社会には見えにくい
    • 高齢者、障害者、病弱者、子供が真っ先に被害を受けている

    仕事・家族・教育の循環

    日時平成21年11月9日
    場所PARC自由学校(東京都)
    用件PARC自由学校講座に参加

    仕事・家族・教育の循環をいかにして再構築するか

    東京大学 大学院 教授 本田 由紀 氏

    1 社会変化のイメージ
    高度成長期~バブル経済崩壊まで
    時間の経過と共に、豊かさや地位が増加する
    90年代以降
    • 「別々の閉ざされた世界」の出現と、それぞれの内部の同質化
    • それらの世界の「垂直的格差化」と相互の無視、憎悪、侮辱、羨望
    • 個々の世界の中で、負の特徴が出現し顕在化
    • 別々の世界を広く覆う共通の圧力(例:自己責任論)が、それぞれの世界の分断をますます強くする


    2 若者の働き方の変化
    正規雇用者が減り、非正規雇用者が増えた
    非正社員の苦境
    • 賃金:パート・アルバイトの9割が年収200万円以下で、高年齢になるほど賃金格差拡大(日本特有)
    • 脱出困難と不安定雇用:貧困と将来展望のなさ、スキルを要しない単純作業、継続的な人間関係形成の難しさ(個々が切り離されている)。典型が日雇い派遣
    • それでも暴動が起きない理由:親世代への依存が可能
    正社員の苦境
    • 長時間労働化が進行(海外と比べても異常な長時間労働):10年以上にわたる採用抑制で、従来の職務を少人数でこなす
    • 昔ほど上がらない賃金
    • 心身を病む正社員の増加(精神障害の6割は30代以下):体力があるので精神にでる。同年齢集団の縮小、成果主義、就労形態の多様化により、ギスギスし始めた職場の人間関係
    • これらの結果、不満や病気による離脱の増加
    格差意識:大卒や院卒などの有利な層ほど格差認知が低く(格差はないと思っている)、格差拡大を是認している
    違法な処遇(残業代もらえない、有給休暇とれない等)は非正社員に多い
    非正社員は、やりがいを感じる割合が少ない


    3 家族・教育・仕事の連動
    家庭の教育意識・行動の分断の拡大:子供の成績が上がって欲しいと考える母親の割合は、大卒or短大卒の母親が、それ以外の学歴の母親より高く、その比率差も広がってきている
    1ヵ月あたりの教育費にゆとりがあると答える割合は増加、ゆとりがないと答える割合も増加 → 二極化
    東京都立高校を調査した結果、偏差値の高い高校ほど中学時の成績上位者が通い、偏差値の高い高校ほど通学時間が長い
    高学歴の若年者しか大企業に入れない傾向が年々強まっている


    4 社会変化の構造的把握
    バブル崩壊により、完全失業者と貯蓄非保有者が増加し、日本社会の底が抜けた → 時代背景が違うため、団塊世代は団塊ジュニア世代を理解できない
    経済成長率:1956~73年は平均9.1%、74~90年は平均3.8%、91~08年は平均1.1%
    教育への公的支出が少ない=教育の家計への依存の大きい
    世界的に見て、富裕層と貧困層との格差は大きい
    富の拡大の停止・縮小のもたらすもの
    • 争奪の激化(裸の拳の殴り合い)、有利な層による争奪ルールの歪曲
    • 同時に、富や地位の争奪への懐疑の広がり
    • 上記2つの矛盾下にある個人
    • 目下の利潤を確保するための最大限の効率追求、しかし、しばしば近視眼的ないし形骸的効率追求に終わる
    分断を生み出すもの
    • ネオリベラリズム化の市場主義、普遍的相互尊重としての「社会」の脆弱さ
    • 組織、集団、層内の凝集性(ボンド)の過剰な強さと所属による内外差別、所属を超えた関係性としてのブリッジの脆弱さ:ボンドへのしがみつきとボンドを失った場合の孤立
    • 発言による変革(内部に留まりながら改革を目指す)への諦観、幻の出口(離脱と選択)への希望がもたらす自己責任化
    日本の「学校と仕事の関係」の特徴
    i 高度成長期~90年代初頭
    • 学校卒業とともに、大半が正社員に移行
    • しばしば学校や教員、OBが就職を斡旋・支援
    • 学校で職業能力を身に着けていることは期待されない
    ii 90年代半ば以降
    • 正社員になるルートが細くなり、もう一つのルート(非正社員)が現れる(ダブル・トラック化)
    • 二つのルート間に大きな隔たり
    • 非正社員ルートの出現が正社員ルートに影響
    ダブル・トラックの背後にあるもの
    • 両トラックの相対立する原理
    • 正社員(作業なき帰属意識):強固な参入制限、「包括的人事権」による職種・勤務地等のフリーハンド的決定、要因管理(マンパワー×労働時間=業務量)の発想の欠落が生む過重労働、専門性の阻害が生む非効率性
    • 非正社員(帰属意識なき作業):抱え込む価値の低い労働の切り出し、必然的に低スキル作業への偏り


    5 若者の論じられ方
    フリーター論の変遷
    • 1980年代~90年代半ば:「フリーター」=「新しい自由な働き方」
    • 90年代後半:「フリーター」=「気楽、モラトリアム」(パラサイト・シングル論)
    • 2000年代初頭:「フリーター」=「決められない・働くのが怖い」
    • この間、一貫して「フリーター」の増加は若者自身の職業意識の変化が原因とみなされる
    • 2003年:フリーター増加の最大の理由は企業の採用抑制(国民生活白書)
    • 2004年~:ニート論の台頭
    日本におけるニート論の特徴
    • 若者の心理・意識の強調:ニートは自分に自身がもてない等
    • 「ひきこもり」との類似性を暗に含意:ニートの多くは、働くことだけでなく、全てに悲観的。引きこもりもニートの一部など
    • 家庭や親の責任を強調
    • 「ニート」という言葉の拡大適用 → 不活発さの象徴に:ニート主婦、家庭ごとニート、社会人のニート化など
    • 恣意的な原因論と対策論:愛国心が足りない、残虐ゲームのせい、自衛隊に入ってサマーワに行けば3ヶ月で変わる等
    強調される人間力
    • 各種調査や報告書に登場
    • 「人間力」「生きる力」の主要全国紙への登場回数が増加
    「フリーター」「ニート」以後
    • 2006年以降、マスメディアにおける若者バッシングや「ニート」という言葉の出現率は減少
    • 代わって、「ワーキングプア」「ロストジェネレーション」「ネットカフフェ難民」「貧困」など、現実をニュートラルに表現する言葉の増加、若者が参加するユニオンや様々な活動・発言も増加
    • 「フリーター」「ニート」への否定的な見方は強固に存続し、彼らの置かれている状況には大きな改善なし


    6 働き方の変化の背景:3つの区別すべき要因
    不幸な偶然:バブル期における団塊ジュニア世代の過剰採用と、団塊世代の中高年化が、バブル後の長期不況で急激な若年採用抑制をもたらす
    後戻りできない世界的変化:グローバル化、生産サイクル短期化が安価でで量的調整が容易な非典型労働力需要を拡大
    日本の学校と仕事の奇妙な関係:学校教育の職業的意義(労働基準法なども含めた職業的知識や技能の獲得)の希薄さ、正社員の供給源を新卒者と他社での正社員経験者に限定しがち、抽象的採用基準による新卒一括採用(人事部が一括していて、必要な部門に必要な人を探さない)が生み出すミスマッチのリスク


    7 必要な対策
    循環の再構築(もともと異常だった戦後日本型循環モデルには戻らない)
    • 仕事:ある程度の安定性、収入、向上機会を備えた「適正な働き方」の回復、自らが担う仕事領域そのものへの誇りの形成
    • 家族:固有の原理(情愛や余暇の充実)の回復
    • 仕事→家族:リスク分散としての共働き、ワークライフバランス
    • 教育:学習内容の意義の回復、格差の最小化と個々の学習者への承認の付与
    • 教育→仕事:新卒一括採用慣行の克服と教育の職業的意義(適応+抵抗)の向上
    • 家族→教育:費用と意欲の面での教育の家族依存を切断
    • セーフティネット:仕事・家族・教育の隙間を公的な社会保障で満たす
    目指すべき若年労働市場
    • ほどほどの作業とほどほどの帰属意識を通じたキャリア形成
    • 正社員と非正社員間の柔軟な移動と均等処遇
    自己責任の転換
    • 孤立した自己に閉ざされた自己責任から、「自分の苦しい状態は社会構造によるものであり、その社会構造を変革する責任の一端を自分は担っている」という自己の社会的責任へ
    日本社会の多くの課題
    • 分断された各部分間でのパイの分配のあり方についての議論と合意形成
    • パイの争奪競争に代わる意味や価値の模索
    今の日本にはない、真っ当な社会の最低限の要素
    • ある時点で不利な状態に陥った人が、いつまでも不利でい続ける必要がなく、
    • 人々が出来るだけ不利にならないための準備や支援が幅広く提供されており、
    • 人々が自分の尊厳と他者への敬意をもって生きていくことができる、
    • そういう社会を少しづつでも作っていくための地鳴りを生み出す必要性

    新時代シンポジウム

    日時平成21年11月3日
    場所SYDホール(東京都)
    用件’09新時代シンポジウム「大転換期の展望と選択」に参加

    1 思風庵哲学研究所 所長 芳村 思風 氏

    • 現在は、西洋的価値観→東洋的価値観、理性重視→感性重視への過渡期
    • 日本では、太平洋(アメリカ)→日本海(アジア)の時代への過渡期
    • 資本主義経済=お金を目的とする経済=アメリカ的経済→人間を中心とした経済への過渡期
    • 時代は変化を求めていて、変化対応力(問題の後追い)では乗り切れない
      →自ら変化を創り出す、自由独創の精神が重要
    • 人格主義経済(経済活動により人格が向上する江戸時代の商法)を復活させる必要がある
    • 政党なき政治が重要(政党政治→合議政治)
    • 民主主義社会(権利を主張し合い、責め合う)→互敬主義社会(愛を基にする)実現が重要
    • 遷都が有効:風土を変えることにより、違う文化や文明を創り出す。また、内需創出の効果もある



    2 林英臣政経塾 塾長 林 英臣 氏

    • 内なる声を聞け~素直さが必要:自分の持っているセンサーを生かす。自分を通して全体を知ることが出来る
    • 「どう考えるか」が感性を創っていく
    • 21世紀は大混乱に陥るが、それを救うのは東洋
    • 世界が行き詰った原因は部分観にある。全体観を養わなければならない。そして、全体観には「扇の要」が必要
    • 原点と大局をつかめ
      原点:日本とはいかなる国かを知り、感じる(例:世界から集まってくるモノを纏める力がある)
      大局:東西文明の波動交代に乗れ(800年サイクル説)
    • 原点と大局をつかんだ上で、志を立てて天命に生きよ



    3 エッセイスト 福田 純子 氏

    • 現代は、どれが本流か分からない時代
    • 環境適応能力(どの道に行ってもうまくいく)が必要
    • 被害者が加害者を赦すことで生まれるものは大きい(例:日本は原爆投下されたが、10年で相手を赦し、30年で友達になった)
    • 登山の時代→下山の時代へ
    • これからの時代:二極化、リーダー不在、女(母:母性)の時代



    4 シンクタンク 藤原事務所 所長 藤原 直哉 氏

    • アメリカ(西洋)覇権の崩壊:国々(個人も)が横に手を取って生きていく(巨大な力で世界を動かすことはできない)
    • 混乱(古いものが整理される時)は必ず終息する:混乱に混乱しないこと
    • 現在のような乱世は今日の事を考えていてはダメ:明日や未来を考える
    • 量子論の時代:モノも想いもエネルギー。想いが大切



    5 はる研究院 代表 大和 信春 氏

    • キーワードは三重終末
      200年続いた資本主義社会体制の終末(資本や市場はなくならないので、経済はあり続けるが)
      1600年ぶりの西洋文明の終末
      人類前史の終末
    • 今回の変化は、明治維新+戦後というレベルの変化ではない



    6 パネルディスカッション  林 英臣 氏  福田 純子 氏  大和 信春 氏

    大和 氏
    • 20世紀の成功定義(偉くなる、儲ける)が終わる
    • 平凡な人は、変化を見て元に戻ろうとする(例:中心商店街):時代の潮流が読めない
    • 仕事を原点に帰って見つめる:それが必要で、役に立つか
    • 資本主義の終わり:営利(利益追求)→営義(役立ち追求)
    福田 氏
    • 降りていく生き方の時代:山に登ったら降りなければならない。降りて初めて成功となる。降りるときに景色が見える
    • 意識によって集まる時代:理論や理屈で集まらない
    林 氏
    • 国家の寿命:ヨーロッパは尽き、EUへ向かっている。アメリカはもう少しあるが、チャンピオンではなくなる
    • 共生文明の時代(人と人、人と自然)
    福田 氏
    • 渋柿や 渋がそのまま 甘さかな:自分で自分を笑うことが大事
    大和 氏
    • 明治憲法制定は明治22年である。つまり、幕末から長い時間かけて変化し、安定した:その時代を生きていた人は、いつが転換点だったかは知らない
    林 氏
    • 転換期は、破壊期と創成期からなる
    • 幕末の志士が学んだもの
      i国学・神道:原点回帰(日本とは何か、日本の原点)
      ii蘭学・洋楽:世界の大局
      iii儒学・陽明学
    福田 氏
    • 神道は、全てに感謝し、汚れを嫌う。
    • 大変な時代は、支え合いが大切:どれだけ仲間がいるかがカギ
    大和 氏
    • 大変な時代は自分の役割や天命に目覚める時代
    林 氏
    • 二宮尊徳:困った時は人を助ける(俺が俺がと言う人は淘汰される)
    大和 氏
    • 偉い人は、苦しい時ほど種を蒔く(次の手を打つ):上杉鷹山や小林虎三郎

    自らの手で新しい公共を生み出そう

    日時平成21年10月15日
    場所PARC自由学校(東京都)
    用件PARC講座に参加

    「自らの手で新しい公共を生み出そう」

    NPO法人コトバノアトリエ代表  山本 繁 氏
    1 社会的起業に求められる要素
    社会性・社会的センス
    問題発見(例:ホームレスが多い、ニートや不登校の増加)→問題分析→課題発見→対策立案(ソリューション開発)
    事業性・事業的センス
    ビジネスモデルを考える→プライシング(値付け)→創業→経営

    2 社会的起業がうまくいかない理由
    そもそもソリューションがソリューションになっていない(やっても解決しない)
    ビジネス的に成り立たない
    本人たちの実力不足(創業・経営の問題)

    3 実践例(注:コトバノアトリエがフリーターやニートの若者支援をしてきたノウハウが基礎となっている)
    (1)トキワ荘プロジェクト
    社会性:東京の高額な家賃が、若者たちの挑戦と成長の足かせになっているのではないか?という問題意識のもと、2006年8月からスタート(このプロジェクトは漫画家志望者を対象)
    事業性:漫画家志望の若者に格安で住居を提供する(NPOが一軒家を借り、若者の共同生活の場とする)ことで、クリエイターとしてのスタートアップ期を支援(1年更新で、最長3年間支援)。現在15棟に70数名が居住(ほぼ満室)。月額3.2~5.8万円だが、敷金・礼金無し、光熱水費、家具・家電、インターネット回線料込なので、実質家賃は2~2.5万円程度

    (2)中退予防研究所
    社会性:日本では、年間13万人以上が大学・短大・専門学校を中退し、その後、約6割が一貫してフリーターまたは無職(ニート)。中退がフリーター・ニートの川上問題である。 また、ニートの増加は将来の生活保護費増加をもたらす。
    事業性:厳しさを増している大学経営の観点では、中退の増加は収入減につながる(80万円/人・年)。インタビュー調査により、中退理由は「人間関係」か「学習意欲喪失」で、中退のリスクについても楽観視していたことが分かった。大学と提携し、自然な人間関係が作れる工夫・教授へのカウンセリング・生徒に短期目標を持たせるなどの対策を行なう。

    ワンクリックで世界は変えられる

    日時平成21年9月17日
    場所PARC自由学校
    用件PARC講座に参加

    「ワンクリックで世界は変えられる」

    ユナイテッドピープル(株) 代表取締役 関根 健次

    1 イーココロ
    ユナイテッドピーピル社(世界の問題の解決策を提案・提供する企業)が運営するNPOやNGOへの無料募金サイト
    仕組み
    • スポンサー企業は広告費を支払い、イーココロに出店。ユーザーが会員登録(無料)して買い物、資料請求、アクセスをするとポイントが貯まる。ポイントはユーザーが支援したい団体に寄付(1ポイント= 1円)できる仕組み
    • 出店企業は本、家電、花、食品、旅行、保険等など様々なジャンルに及ぶ
    • クリック、買い物、資料請求といったいつも通りのインターネット利用で募金が実現する

    2 イーココロ クリック募金
    会員登録や買い物、資料請求しなくとも、クリックだけでNPOやNGOに無料で募金できる(募金費用はスポンサー負担)サイト
    仕組み
    • サイトには、○○会社の支援している植林事業、××会社の支援する地雷撤去などのメニューが並んでいる。ユーザーが関心のある事業をクリックすると1円が募金され、支援している会社のHPなどが立ち上がる。
    • スポンサーにとってはアクセスの増加、ブランディング(顧客にとっての価値を高める)効果が見込める。社会貢献意識の高いユーザーが多いので、目的を持って広告を見てもらえる。
    • 月に7万人がアクセス。これまでの累積募金は04年数万円、07年1000万円、08年2000万円、09年5000万円に達する見込み

    3 オンライン署名サイト「署名TV」
    • 多数の声を結集し、市民の声、有権者の声としてメッセージを届けられる
    • 会員登録をすると署名活動を始められる:署名活動の開始は有料。NPOやNGOは無料
    • 署名するだけの人は無料
    • 累積署名プロジェクト数870件、うち600件が進行中
    • 累積署名数50万件、うち15%がモバイル
    • 月に20万人がアクセス
    • 会社の売り上げは広告収入

    学校給食学習会 自治政策講座

    日時平成21年7月29日から7月31日まで3日間
    場所 7月29・30日 ローズホテル横浜
    7月31日  自動車会館(東京都)
    用件 7月29・30日 学校給食学習会 に参加
    7月31日  自治政策講座 に参加
    学校給食学習会

    「食育と学校給食、政策と学校給食現場のギャップ」

    学校給食ニュース 坂下 圭貴
    1 学校給食法改定のポイント
    食への感謝の念や学校給食を通した地域文化への理解、郷土への愛着など、食育推進上の教育的意義を明確にする
    学校給食実施基準を法体系に位置づけ
    栄養教諭の役割・義務の明確化
    学校給食衛生管理の基準を法体系に位置づけ


    2 学校給食法の課題
    学校給食の実施者は誰か:地方自治体だが、実施基準と衛生管理基準の権限強化で自主性が薄れるのでは
    学校給食を義務化せず実施できるのか:推奨法(やるならこの方法)のまま、給食センター化も認める(食育法は単独が望ましいとしている)現状で食育の目標が達成できるのか。栄養教諭の配置も不安定なまま
    更なる合理化につながるのでは:民間委託、センター化、加工食品や大量生産品の利用などの道を広げるのではないか
    学校や地域の特徴を生かせるか:実施基準で柔軟性が失われるのでは


    3 学校給食センター化の流れが加速
    大規模センターの現状
    1万食を超えるセンターが07年で全国19施設。計画中、建設中も多数
    センター化急増の理由
    • 老朽化、更新期
    • 市町村合併によるシステム統合
    • 少子化による学校統廃合
    • 学校給食法改定と衛生管理基準強化への対応
    • 地方財政問題
    • PFI方式が可能となった(初期の財政負担が減少)
    合理化通知≠センター化促進
    「合理化通知は単独調理場を共同調理場に変えていくという趣旨として出したものではない」(2004年 文科省)
    山口県周南市では13000食のセンターが計画されていたが、食育を理由に単独・親子方式に転換


    4 学校給食の現実
    正規調理員の減少(委託やセンター化による)
    民間委託が増加
    食材の発注も委託業者が行う事例あり(食材の質の確保は大丈夫か)


    5 食育と学校給食
    栄養教諭
    食育推進計画での位置づけ:各地域の栄養教諭を中核として、学校、家庭、地域住民、保育所、PTA、生産者団体、栄養士会等の関係機関・団体が連携・協力
    地場産使用が運動から政策へ
    • 食育推進基本計画で、学校給食の地場産物使用割合目標は30%以上
    • 今治市の食材調達のルール
      産地優先順位は学区→市内→県内→地域内→国産で、有機農産物を優先し国外産は使わない



    「地産地消に根ざした食育の方向性」

    日本獣医生命科学大学 教授 佐々木 輝雄
    1 食の意義・役割
    食は体をつくる:体は3ヶ月あまりで総改装
    食は能力をつくる:頭のネットワーク(シナプス)は食事の内容次第
    食は寿命をつくる:血管年齢・骨年齢・腸年齢の若さはバランスある食事。生活習慣病にも影響

    2 輸入が止まれば悲惨な状態
    ご飯でさえも毎日食べられない
    主な食品の自給率:野菜79%、豚肉50%、牛肉43%、魚57%、大豆5%、果物41%

    3 食材・食品を捨てる日本
    毎日3000万人分(供給の1/4)の食材を廃棄
    飢えている人:10億人(増加中) 飢えで死ぬ人:年間500万人以上

    4 日本の食料過剰と食生活の乱れ
    外食依存症:食支出の中で、外食+中食(パンや弁当など)が44.5%
    ⇒糖分、塩分、脂肪、添加物の取り過ぎ
    増える単身者
    • 男性単身者で食事を作れる人は18.9%(家事を知らない単身高齢者は悲惨な状況)
    • 総世帯数は4956万で増加中:単身世帯、夫婦のみ世帯が増加
    大学生アンケート
    • 結婚するなら料理のできる人・・・男女とも90%前後
    • 料理をまったくしない人・・・男46%、女38%
    • 男女が互いに苦手を相手に期待

    5 食育基本法
    食育の目的
    • 何を、どのようにして料理して、どのような心がけで、どのように食し、どのように伝えていくか
    • より良く生きるために、食を通して考え、実行していく
    • 智育、徳育、体育の基礎となるべきもの
    いくつかの視点
    • 生産から食卓までを学ぶ:流通で働く人の役割を知る
    • 食べ方、作り方、体への作用:食の作法、栄養と体の関係を知る
    • 食からの人生:誕生から死までの食の大切さ、有り難さ、楽しみ方を知る

    6 食育の進め方
    (1)食育の内容
    基礎の習得
    • 食の場のコミュニケーション:一家団欒の楽しさ
    • 食に関する基本所作:マナー
    基礎の理解
    • 自然の恩恵などへの感謝:モッタイナイ
    • 食文化:郷土料理、年中行事と行事食
    健全な食生活の実践
    • 食品の安全性:食中毒、衛生
    • 栄養のバランス:偏食の悪さ、生活習慣病の理解
    • 食生活リズム:朝の欠食、早寝早起き朝ごはん

    (2)2006年 武蔵野市のアンケート結果より
    家庭で行いたい食育:「食べ物を粗末にしない」「規則正しい食事」「作法としつけ」が上位
    給食に期待する食育:「栄養バランス」「偏食の矯正」など若い親の苦手な点が目立つ

    7 地産地消のすすめ
    (1)地球上の自然法則
    食は命のもと
    • 4里四方の食材を大切に、身土不二
    • 風土が体をつくる(例:日本人はアルコールや牛乳の消化弱く、腸が長い)
    食の供給を他民族任せの国はない
    生き物は全て地産地消
    • 生き物は自分の縄張りを持っている
    • 餌が足りなければ他の地域へ
    • それでも餌が足りないと「飛ぶ、泳ぐ、冬眠」で地産地消を維持

    (2)地産地消の範囲
    目的により範囲の想定が変わる
    • 食材や調理法を大切に→市町村が多い
    • 生産者の顔が見える、安全な食材→都道府県単位が多い
    • 日本食、和食を大切に(≒自給率向上運動)→日本全体が範囲
    共通項
    • 産地や生産者が把握できる
    • 新鮮である

    8 地産地消で食育を
    (1)学校給食への食材提供
    ①食育推進基本計画にみる地場産使用の推奨
    • 地場産物:顔が見える、話ができる(生きた教材)
    • 3つの効果
      i 地域の自然、文化、産業を理解
      ii 感謝の念を育む
      iii 地産地消の推進
      
    地場産野菜等を導入するときの利益配分の理念
    • 生徒に:美味しさと関心を(次世代に食育で夢を託す)
    • 地元農家に:供給継続を可能な価格保障を(農業衰退ストップ)
    • 学校、調理場に:調理上の手間を負担し、調達不安の克服(マイナスの利益配分にならざるを得ないが、使命を貫く)
    利点と課題
    • 学校(保護者)にとって:食育の進展
    • 農家にとって:新たな生きがい(栽培意欲増進)、種類と量に応えられるか、経理などの事務処理をどうするか
    • 調理場にとって:規格の不ぞろいのため、調理上の苦労が大きい。農産物の生育度によって使える部分が変わる
    • 他の課題:配送の手配や負担。給食費値上げの問題
    地場産の利用可能性モデル
    • 農家個人との契約が主:武蔵野市、昭島市等の都市住宅地域
    • 農家グループとの契約が主:日野市等の住宅地と農地の調和地域
    • 地域農協や直売所との契約も含む:埼玉県、栃木県等、農業維持を行政目標にしている地域
    • 給食食材の調達ルート
      i 学校給食会(都道府県単位に存在)に依存 
      ii 学校が基準を作り取引企業を選定
      iii 品目ごとに入札で調達
      iv 栄養士等が農産物生産者や加工業者と関係づくり
      
    • 戦略的展開
      i 地元枠の設定(地元農家の価格上の優位性が少ない場合)
      ii 農家のグループ化(供給日時や量を補い合う)
      

    9 武蔵野市の事例(学校給食が最高レベル H19に文科省より表彰)
    (1)よい給食の要素
    安心できる食材選び
    • 市内産野菜の使用率約20%
    • 減、低農薬栽培野菜約80%
    • 米は農家との契約栽培米で7分ずきの米を使用
    • 伝統食材も使う:ひじき、高野豆腐などの乾物類も使う
    手づくり調理へのこだわり
    • 半調理品、カット野菜、化学調味料を使用せず
    • 調味料:国内産、原材料生産者の明確化(鶏がらスープやカレールーなども一から作る)
    • 残留農薬、遺伝子組み換えについても独自の検査を行う
    積極的な食育
    • 栄養士による栄養指導とクラス訪問指導(紙芝居やビデオも作成)
    • 調理実習
    • 保護者との交流(定期試食会)
    食農教育:一部の小学校では食材供給農家での農業体験を実施
    財団法人での運営を検討中

    (2)セカンドスクール(農山漁村で宿泊しながら体験)も先進地
    • 開始:小学校全体で1995年から、中学校全体で1996年から
    • 目的:人間として自立するための基礎的能力を身につける
    • 実施機関:4~7泊(全員参加が基本)
    • 実施場所:長野県、山形県、新潟県、山梨県など(学校が選定)
    • 2008年4月から文科省、農水省、総務省の連携で同様のプランがスタート



    「新しいアレルギー対応マニュアルにおける学校給食現場と保護者、子供たち の関係性について」

    NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク 事務局長
    赤城 智美
    1 学校のリスクコミュニケーションネットワークの構築が必要(危険回避の ための対話を充実)
    危険の中身をはっきりさせること
    • 何が、どのくらい危険、その根拠
    • 設備、人員、経験、環境について検討
    全ての情報を関係者全員で共有する
    情報の更新が必要(学年や担当者は変わっていく)

    2 学校生活管理指導表(アレルギー疾患の児童生徒の情報を把握するため保護者が記入)
    配布されたが保護者への聞き取りはない事例がある
    提出したが、今までと変わらない事例がある
    診断書を提出したが、「これでは不足」と言われた事例がある

    3 教育の機会均等(≠みんな同じ)
    どの子も健やかに学ぶ権利を持つ
    支援があって初めて同じになる子(例:下肢障害児)に対して、どのように支援するかが重要
    子ども自身が意欲的に食に立ち向かう力を身につける場とならなければいけない

    4 食物アレルギーの傾向
    症状の傾向
    皮膚症状91.2% 呼吸器31.3% 粘膜症状28.8% 消化器症状(嘔吐、腹痛、下痢)14.6% ショック症状(ぐったり、血圧低下)10.1%
    年齢ごとのアレルゲン傾向
    加齢とともに鶏卵や乳製品は減るが、甲殻類や果物は増える

    5 感受性の背景
     残留農薬、食品添加物、ダイオキシン、水銀、植物が持つ毒性、カビ

    6 農薬による体への影響
    農薬(化学物質)の作用
    量が少ない間はほぼ影響がないが、一定量を過ぎると影響が表れる
    トータルボディロード(体の許容限界)
    これを超えると、急激に発症→解決策は化学物質の総量を減らすこと
    腸内細菌叢への影響
    • 腸内には100種類以上、100兆個の最近が棲んでいる
    • いろいろな菌が棲み分けてバランスを保っている
    • 腸内細菌叢のバランスが悪化すると腸内の微生物が毒素を出し免疫バランスに影響を与える
    • 残留農薬や食品添加物などの化学物質は腸内細菌叢のバランスを乱す
    悪循環
    • 食料費中の外食比率、食料費中の加工食品比率、妻の就業者数はいずれも増加傾向
    • 最近の子は、微量のアレルゲンを持つ子が増加している



    自治政策講座「持続可能な社会へ 自治体の再構築」 「いま問われる地域社会政策 貧困・格差への行政の役割」

    上智大学 社会福祉学科 教授 栃本 一三郎
    1 プロローグ
     人口減少と高齢化で、衰退する地域もあれば、維持できている地域もある

    2 疑問
     社会福祉の領域での様々な自治体計画は本当に真に求められるものなのか? うまく機能しているのか?

    3 社会福祉領域の計画の特徴
    老人保健福祉計画、介護保険事業計画、児童分野、障害者分野の自治体計画のうち、介護保険事業計画だけは財源があり必要度が高いので機能している
    社会福祉の個別領域の中の計画で連携がない
    福祉領域の計画で広がりがない
    市民の参画はほとんどない(参加は一部見られる):市民参画には長時間、多数回の検討会の開催が必要

    4 錯誤
    社会福祉領域での様々な計画は、社会学者や社会計画学者、社会福祉系学者に依頼し、またシンクタンクを活用して策定している→叩き台がそのまま計画になる
    それらは真に地域福祉の向上に繋がっているか? 真に自主的な計画か? 実効性は?
    結果的に計画作りだけに終わっている:心を込めて計画を作った人がチェック(See)しなくてはならない

    5 結果
    計画作りに終わる理由
    • 計画という手段が政策という認識で理解されていない(施策であっても政策ではない)
    • 政策学者が加わっていない
    • シンクタンクに依拠している
    行政職員も「やらされている」意識で、行政能力の向上に繋がらない。自治体職員は施策は作れるが、政策を作ることは難しい
    地域住民の格差や貧困の解決に繋がらない

    6 展開
    社会福祉から社会政策へ、制度から政策へ
    社会福祉について、中央政府では政策をうまく作れなくなっているので、地方政府が作る時代



    「地域社会の保全と再生  撤退の農村計画」

    慶應義塾大学 環境情報学部 准教授 一ノ瀬 友博
    1 はじめに
     消極的撤退→自然消滅
     積極的撤退→農村地域の選択と集中

    2 日本の農村地域を取り巻く状況:グローバルとローカルの摩擦
    世界的な人口爆発と日本の人口減少
    日本の人口:鎌倉時代760万人、江戸幕府成立時1230万人、江戸時代中期3130万人、明治維新3330万人、2100年推計低位4640万人
    世界的な農作物の需要増大と日本の食料自給率の低迷
    過疎化の進行と耕作放棄地の増加
    限界集落問題の顕在化:2035年には国土の4割に人がいなくなる

    3 日本の農村地域の変化
    江戸時代の人口増加を支えた農村地域→いまは限界集落
    自給的な農村地域のあり方と国土管理
    必ずしも自然豊かではなかった過去の里山の姿
    第二次世界大戦後の国土計画と農村地域における過疎化の進行

    4 農村地域の問題
    優良農地においても(圃場整備済の農地でも)起こる耕作放棄の問題
    →人間関係の希薄化
    限界集落化(居住地化)から廃村へ:消極的な撤退の進行
    農業が支えてきた自然環境の消滅:里地里山が支える生物多様性
    荒廃する農地と林地:誰が国土を守るのか

    5 農村地域における選択と集中の必要性:全ての集落の活性化は非現実的
    積極的な撤退により必要な資源(資金、人口、労働力)を必要とされる場所(ゾーニングが必要)に投入
    集落移転という選択肢と跡地管理のあり方
    流域単位(水のつながり、歴史的つながりがある)における多様な主体による国土管理:地方都市を中核とし、50年後の維持を目標
    国土レベルにおける選択と集中の必要性:集落移転も視野に入れる。放牧や自給生活の場の提供

    6 地方自治体が担う重要な役割
    市町村レベルにおける中長期的な戦略的将来像の策定:集落の持続性診断(集落健康診断)。指標はコミュニティ、立地(傾斜)、人口、高齢化率、公共サービス水準、住民意欲などなど
    キーパーソンとなる職員の育成:金より人、リーダーよりキーパーソン(企画・調整・事務局がこなせる人)、集落支援員制度も活用
    外部の人材の受け入れと積極的な高等教育機関の活用
    流域圏と伝統的文化圏における広域連携
    ファミリービジネス、コミュニティービジネスを基盤にソーシャルイノベーション(社会変革)をファミリービジネス、コミュニティービジネス:地域課題を分析し、問題解決とビジネス展開。個益と公益のバランスを保つ。地域資産を生かしたスモールビジネス

    ポスト新自由主義の世界

    日時平成21年7月6日
    場所PARC自由学校(東京都)
    用件PARC講座に参加

    「ポスト・新自由主義の世界を読む いまこそ資本論 見直されるマルクス」

    雑誌編集者  嶋 崇
    1 プロローグ
    • 資本論は物理学のニュートン理論のようなもので、現代でも通じる理論
    • 資本論は勘違いされているようであるが、共産主義の本ではなく、資本主義の批判本でもない。資本主義は人類の発展段階の一段階に過ぎない


    2 資本論(第1巻)
    (1)商品が全ての基礎になる
      商品には2つの価値(性格)の側面がある
          ⅰ 自分の為でなく他人に使われる
          ⅱ 交換によって他人の手に渡る

    (2)商品の価値はどう決まるか
    売る側は交換価値(金を介して他のものを手に入れる)として商品を作り、買う側は使用価値(例:パンであれば腹を満たす)として商品を買う
    使用価値を作り出す(例:パンを作る)のが具体的労働で、交換価値を作り出すのが抽象的一般労働
    労働価値説:働いた時間(労働)が商品の価値に変化する

    (3)近代経済学の価値理論(価格と価値)
    • マルクス:価格≠価値
    • 近代経済学:価格=価値

    (4)お金の登場と価値
    貨幣の3つの機能
    i 価値の尺度としての貨幣(商品に入っている価値を示す)
    ii 流通の手段としての貨幣
    iii 貨幣としての貨幣(傷まないため、価値を貯められる)
    モノサシとして機能するお金(商品)は等価形態にあるが、モノサシによって計られる側の商品は相対的価値形態にある
    ・ある商品が一度貨幣になると、単なる商品という以上の性格を身に付け、強大な魔力を発揮する

    (5)貨幣が持つ「価値の蓄蔵機能」
    貨幣があることで蓄蔵欲が出てくる:蓄蔵貨幣形成の衝動は、その本性上、限度を知らない
    蓄蔵のための蓄蔵←これが厄介な問題
    • 奴隷が1000個パンを作っていた時代→奴隷が1000個パンを作って貨幣に換える時代に
    • 貨幣は社会の道徳的破壊者となった

    (6)資本主義の価値の作り方
    一般的な商取引:求められるのは使用価値
    • W1(商品)―G(貨幣)―W2(商品)で、W1=W2(価値を増やさない)
    資本の運動:求めているのは交換価値(お金)
    • G1-W-G2でG1<G2(価値が増える)
    資本の運動の推進的動機と目的は「交換価値の増殖」
    • 不変資本(C):原料や機械はそのままでは価値を増やさない。
      不変資本=労働手段(生産手段)=原料+工場や機械など
    • 可変資本(V):余剰価値を加えるのは労働力。資本家が買うのは労働ではなく労働力(労働能力)
    • 余剰価値(m):新たに作られた価値
    • G1-W-G2を分解すると、G1-W(C+V(原料等+賃金))、W(C+V+m)-G2
    「労働の生み出した価値」と「労働力の価値」
    • 明日も働けるだけの体力(労働力)を維持する費用(賃金)=生きた個人の再生産<○時間分の労働が生み出した価値
    • 「労働の生み出した価値」のうち、労働者に支払われるのは「労働力の価値」のみ
    • 労働者が交換価値として売る労働力
    • 資本家が使用価値として使う労働

    (7)資本の「交換価値の増殖衝動」のもたらす影響
    労働者を降伏させる機械化
    i作業の単純化(女性や子供の労働問題)
    ii労働時間の延長
    iii労働強化
    生産労働からはじき出される労働者
    ・1861年イギリスでの人口調査(総人口2006万人、就業可能人口800万人)で、大きな格差が生じていた
    農業労働者         109万8261人
    全ての繊維工場の労働者   64万2607人
    炭鉱・金属鉱山の労働者   56万5835人
    金属工場・金属加工業労働者 39万6998人
    召使階級(格差の象徴)   120万8648人
    
    モノが溢れるが価値が増えない
    労働者が追い詰められる:出来高払いが管理しやすいし、余剰価値も増大する
    資本家は非道なのか?:社会システムの問題であって、資本家は悪ではない

    (8)資本主義の発展がもたらすもの
    資本構成の高度化:人より機械に投資されていく
    資本の有機的構成が高度:機械の構成が高い
    資本の集中(企業淘汰や合併)が起こる:富の集中と貧困化が進む
    • この問題を労働運動により解決してきたが、資本主義の暴走の果てである新自由主義により逆戻り(守ったのは資本だけだった)

    3 資本論を超えて(マルクスは、どうすれば良いかは書いていない)
    • 便利になっても労働者はその便益を享受できない
    • 生産システムの問題と社会システムの問題とを分ける
    • 無限の価値の蓄積(資本主義の行動原理)とワークシェアリングといったような考え方とのバランス

    市民農園、オール電化

    日時平成21年7月2日から平成21年7月3日まで2日間
    場所7月2日 モンベルクラブ渋谷店
    7月3日 浦和コミュニティセンター
    用件7月2日 NPO法人日本エコツーリズムセンター主催「エコツアーカフェ」に参加
    7月3日 環境テーマグループぐるぐりん主催 「エネルギーを考える会」に参加

    「市民農園の楽しみ方」

    日本クラインガルテン研究会
    事務局長 粕谷 芳則

        ・特定農地貸付法は農地法に穴を開けた(農民以外でも農地を耕せる)

    1 市民農園の歴史
    • 産業革命時(貧富の差が生まれた)の英国で食糧自給を目的に生まれた

    2 ドイツのクラインガルテン
    • クラインガルテンとは「小さい庭」という意味
    • 全国に100万区画、1区画300㎡、25年or一代続けて利用可
    • 20人に1人が現地のクラインガルテン協会の会員
    • 緑地として位置付けられている
    • 24㎡以下の小屋(利用者のもの)を有する(家族で楽しむのに十分なスペース)。
    • 農薬を使わない有機栽培(太陽光や雨水利用のエコ農園もある)
    • 全て自分たちで行う
    • コミュニティの場になっている

    3 日本の市民農園
    • 3,273ヵ所、16万区画、1,137ha(農家開設農園含めると30万区画)
    • 都市地域では、日常型農園が多いが滞在型農園は少ない。農村地域では日常型は少ないが週末型・滞在型が多い。中山間地では日常型は少なく滞在型が多い
    • 日常型の中心は4~60代。滞在型の中心は6~70代
    • 有機でやっている農園もある
    • 滞在型では過疎が止まった地域もある(地元民も誇りを持つ)
    • 滞在型では、平均で年間40万円の利用料。食費や交通費含めて年間100~120万円ほど
    • 滞在型市民農園:優良農地にはほとんどない。1区画800~1,000万円の建設費で、これに対し行政補助が1/2。現在全国に1100区画あり、人気が高く、今後のリタイア数を考えると足りない状況

    4 今後の課題
    • 滞在する人を地域でどう使うか。利用者を縛るとうまくいかない
    • 農の多面的価値を明らかにする(生きがいや園芸福祉など)
    • グリーンツーリズムと市民農園の連携
    • 市民農園の余った作物を販売できるようになった(販売目的はダメ)



    「オール電化は環境にやさしい?」

    へんじゃないかい世話人 環境問題研究家 田沼 博明

    1 ハウスメーカー
    • テレビや新聞はスポンサーである産業側の不利益を報道しにくい
    • 宣伝には多大な費用がかかるので、商品価格を上げるか、製造コストを下げるしかない。いわゆる大企業が、安い価格で良質な住宅を提供することは不可能(住宅代金の4割を宣伝営業に当てている)
    • 世界には、地域ごとの工務店はあっても、日本のようなハウスメーカーはない。
    • 日本の住宅平均寿命は25~30年で世界で最も短い
    • 静岡大学の実験結果:木製、鉄製、コンクリート製の飼育箱でマウスを育てると、木箱で育てたマウスの生存率は85%だったが、コンクリート製では7%だった
    • あるハウスメーカーの調査:インフルエンザによる学級閉鎖の割合は、木校舎の場合は10.8%だが、鉄筋コンクリート校舎では2倍
    • 鹿児島県では木造校舎も復活している

    2 エコキュート
    • 余っている夜間電力(原発)を利用してお湯を沸かすのだが、現在では原発が作り出す電気だけでは夜間の消費量を賄いきれなくなっている
    • エコキュートを利用すると夜間の電気料金は割安になるが、昼間の電気料金は高くなるので、高齢者世帯など料金は高いものとなる
    • オール電化割引を受けるには、ガスの配管は禁止され、石油ストーブの使用も契約違反になる
    • 太陽光発電装置の生産エネルギーによるCO2排出量は、太陽光発電の4~8年分の削減量に等しい(長期使用できないと逆効果)

    3 IH調理器
    • 電磁波が発生するが、その影響は未確定→予防原則に従って避けるべき

    PARC講座に参加「株式会社? NPO? それとも~」

    日時平成21年5月28日
    場所PARC自由学校(東京都)
    用件PARC講座に参加

    「株式会社? NPO? それとも~」

    NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会
     事務局長 松原 明
    1 法人制度
    • 契約や所有の主体(事業や活動の主体)は2つある。①自然人 ②法人
    • 法律に基づいた法人⇔人格なき社団(任意団体で自然人が代表者)
    • 代表者が死去した場合、①は相続税かかるが②はかからない。①は契約打ち切りだが②は契約継続
    • 法人のメリット:仲間を増やす、継続させる
    • 企業や行政は①と契約したがらない(特に行政)

    2 これまでの社団・財団法人(2008年までは公益法人)
    • 2013年までに二つに分類される ①一般社団法人・一般財団法人 ②公益財団法人・公益社団法人
    • ②は公益認定が必要で、利益を出しすぎると料金下げる等で2~3年で使い切らなくてはならない

    3 営利とは
    • 営利法人:株主が会社に出資し、会社は利用者や消費者に財サービスを提供することで代金を得て、コストを引いた利益を株主に分配する。いかに利益を生むかが重要。
    • NPO法人、社団法人:NPO等は会員や寄付者からお金を集め、利用者に財サービスを提供し(代金が生じない場合もある)、コストを引いた利益は次の活動に使う(分配しない)。やりたい事のために、いかに金を集めるかが重要。代金の有無や高低、給料の高低はさほど重要ではない。
    • 日本の株式会社の7割は利益が出ていない(世界的に珍しい)→株主が会社役員で、何かと経費で落とすことが多い
    • NPO法人も利益出さなければやっていけない
    • NPO法人は多様な人を巻き込める(行政マンも含む)
    • 誰を巻き込んで、何をするのか(どんな思いか)によって法人を選ぶ
    • NPO法人は、顧客(≠利用者)=お金を払う人(支援者を含む)を集めなくてはならない⇒ビジネスモデルが必要(最低限、団体経営のコストが必要) 例:寄付を集め古城を買収・整備→観光料金・グッズ販売収入・ファンクラブ収入→新たな古城買収
    • NPOは問題の解決の前に解決しようとする人を増やし、巻き込むことが大切

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