長岡市の原発再稼働への対応は論理的に破綻しているのですが(これまでの議論の概要は「せきたか通信」をご覧ください)、今朝の新潟日報は、市長が記者会見で、知事が再稼働の是非を判断する際に「原発30㌔圏内の自治体の意見を、特に重く受け止めて判断してもらいたい」と述べたと報じています。私は1週間前の一般質問で「市長の公約を考えれば、知事による立地自治体以外の自治体の意向取りまとめについて、30㌔圏内自治体が反対した場合は知事も反対するように申し入れる必要がある(そうでなければ東電と市が事前了解権を明記した安全協定を締結する必要がある)」と質問しましたが、「柏崎刈羽原発では国の追加検査と県の検証が続いているので、手続きも含めて議論できる状況でない」との従来の答弁を繰り返したところです。数年間にわたり答弁してきた判断を変える出来事がこの1週間で起こったのかもしれませんが(そのような出来事はなかったと感じます)、そうでなければ議会での1週間前の答弁は何だったのか?ということになります。
もう一つだけ事例を挙げると「持続可能な行財政運営プラン」の策定プロセスも問題でした。
このプランは公共料金や使用料、補助金の見直しなど、市民生活に直結するプランです。このプラン(案)は2020.12月議会中に議員協議会で市から説明がありましたが、2021.3月末に策定し、2021.4月から実行するというスケジュールでした。市民への影響が大きいプランにもかかわらず、実質的な議論は3月議会のみとなりますし、行政内での調整や文言調整、印刷といった作業を考慮すると3月議会中盤から終盤の委員会での議論は時間的に厳しく、プランに反映させる議論は3月議会冒頭の一般質問でも間に合うかどうかという状況だったと考えています。
また、関連した話ですが、現在開会中の3月議会初日に行った「ロシアによるウクライナ侵略に抗議し、平和的解決を求める決議」にも手続き上の問題があったと考えます。
3月4日の議会初日に発議され全会一致で議決されましたが、前日(3月3日)夕刻に臨時の各派代表者会議が開かれて発議やその内容が決まったもので、各派の代表者にとっても突然の議長提案だったようです。同趣旨の決議は当時、新潟市議会・柏崎市議会で可決、新潟県議会で検討中との状況でしたが、いずれの議会も数日の時間をかけて議員間で協議しています。この種の決議は全会一致が望ましいからです。議会初日に議決したいのであれば、数日早めに提案する必要があったと考えます。特に、国際問題については地方議員が日頃から専門的に情報収集している分野ではありませんので、尚更そのように思います。
もどかしさを伴う場合もありますが、民主主義には丁寧なプロセスが必要で、時間がかかるものなのです。逆に言うと、時間的に逆算して話を進める必要があると考えます。
行政においても市議会においても、民主主義や議会制民主主義の観点から問題のある対応が連続しています。